【割り込みごめん】はお休みです(笑)

もともと、不定期なんです。。。

 

ということで、本日は、続きの13話です。

 

 

【おことわり】

こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。

ラストまでの完全ネタバレです。

なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。

誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦

いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。お願い

 

 『猟罪図鑑 ~見えない肖像画~

 猎罪图鉴(獵罪圖鑑) / Under the Skin 

 2022年(中国)3/6~ 3/16, 2022

 45分×全20話 

 脚本: Jia Dong Yan、 Wu Yao

    演出: Xing Jian Jun

 

前記事未読の方は、こちらから

#12-1 #12-2 #12-3 #12-4

 

 

 

 

 #EP13-1

 

~柳小葉の病室~
ぼんやりと、花瓶の葉の上を這うカタツムリを見ている柳小葉。

積極的に見ようというより、目に映しているだけ・・って感じもする。


沈翊「何を見てるの?」

突然、声がして、ハッと振り返る柳小葉。

 

そこには、メガネをかけて、白衣を来た沈翊。

(なんとか、胡局長を説得できたようで、直接、単独で柳小葉の様子を見に来れたみたいですね。)

 

この、ちょっと知的で、あたりは柔らかそうだけど、でも実は神経質そうな雰囲気も漂わせてる健次、似合うねぇ。← 別のドラマだったら、なんか裏がありそうに見えちゃうかも(笑)

 

突然、見ず知らずの男性が病室に入ってきたり、警察の人間だなんて名乗られたら、パニックを起こしていたと思うけど、この姿なら、たしかに、ああ、先生か・・って思うもんね。

ちゃんと考えてます。

 

それでも、身構え、恐る恐る座りなおす柳小葉。


柳小葉「カタツムリ・・・」
沈翊「病院にカタツムリなんて珍しいね。 どこからきたんだろうね・・」

入室してきた沈翊の目も見られない柳小葉を見て、距離を保ったまま、その場に立ち止まる沈翊。


沈翊「落ち着いて。君の回復具合を見に来ただけだ。」
柳小葉「診察するんですか・・?」

消え入りそうな声で訊ねる柳小葉。


沈翊「ん? ああ、必要ないよ。君の今の様子を知りたくて来たんだ。」
柳小葉「・・だったら・・・どうすればいいですか?」

なにをされるのか、なにを聞かれるのか、なにをしなければならないのか、常に、恐怖が先にくるって感じ。


沈翊「別に何もする必要もないよ。 ただ、おしゃべりしにきただけだから。ここに座ってもいい?」

小さく頷く柳小葉。


沈翊「ありがとう。」

ベッドの端に腰掛ける沈翊。

 

振り返り、さきほどのカタツムリへと視線をむける沈翊。
沈翊「(気になるなら)触ってもいいんだよ」

予想外の沈翊の言葉に、え・・・と少し、みじろぐ柳小葉。

おそらく、ここにきてから、どれだけ気を遣われても、診察や検査は、辛い記憶を蒸し返さねばならなくて、もちろん、診察以外でも、皆、やさしくしてくれるけれど、どうしても、なにをするのも怖くて、普通に接することができなくて、相手からもどこか、腫れ物みたいに扱われてるように感じてたんだろうね。

 

それが、急に、なにもしなくていい、と言われ、戸惑うしかなくて、それでも、(事件とは)まったく何の関係もない、もの言わぬカタツムリという存在に、ふと心が奪われる柳小葉。

 

恐る恐る指を延ばしてみる。

沈翊「どんな感じ?」

笑顔を見せる沈翊。


柳小葉「ぬめぬめしてて・・ひんやりしてる。」
沈翊「他に何か感じる?」
柳小葉「緊張してるみたい・・すごく臆病で、すごく長い触覚を延ばしてくるのに、でも、私が触るとすぐに縮こまるの」

思ったより、饒舌に語りだして、ちょっとびっくり。

 

カタツムリ、いい仕事してくれてます。

これも、動物セラピーの一環?

 

沈翊も、そんな小葉の表現力は、意外だったんじゃないのかな?

 

柳小葉「実は、昨日も見かけたんです。あの時は、まだ鉢の下にいて、じっとしてたの」

どことなく、自分を投影してるのかな。


柳小葉「こんなに小さいのに・・・葉っぱまですごく遠かったでしょうね。きっとすごく頑張って上まで登ってきたんだと思います」
 

沈翊「だったら、この子はどこに行きたいんだと思う?」
柳小葉「わかりません。お腹が空いているのかも・・・何か食べ物を探しにきた、とか、水を飲みに来ただけかもしれません。きっとこの子にとって、切実で大切な用事があったんじゃないかな・・。そうでなければ、葉っぱまではあんなに遠いのに・・・危険がいっぱいなのに・・・這いだしてこなければよかったのに・・・」

 

ふと、雉も鳴かずば撃たれまい・・を思い出してしまいました。

 

途中から、カタツムリと自分を重ね合わせたかのように涙ぐんでいたので、そのまま、泣き出すのか、と思ったけど、どちらかと言うと、沈翊の視線を感じ、萎縮しはじめる。

柳小葉「あの、私、何か間違ったことを言ったでしょうか?」

黙ったままの沈翊に不安に思ったのか、自分の発言を相手がどう受け取るか、そればかりを気にして、反応を見ようとしてしまうのかな。

 

それでも、柳小葉の言葉は、細かいことに対する観察眼もあるし、昨日と今日・・といった時間経過も混乱なく、正確に把握できている。

納得がいったような沈翊。


沈翊「君が、この世界をどんな風に見たり、感じたりするか・・・に、正しいも間違っているもないよ。 ・・・さぁ、もうこれくらいにしようか。順調に回復しているね。ゆっくり休んで・・・」

部屋を出ていこうとして、振り返る沈翊。

 

沈翊「小葉・・・」

 

沈翊のほうを見る柳小葉。

小葉「・・・・?」

 

沈翊「大丈夫だよ。全てうまくいくから・・・」

 

沈翊の言葉は、柳小葉にとって、そこまでの即効性はないかもしれないけれど、じわじわ効いてくるといいなぁ。

 

微笑みを浮かべ、部屋を出ていく沈翊を見ながら、戸惑いの表情を浮かべる柳小葉。

 

~病室の外~

終わるまで、外の椅子に座って待っていた小劉が、慌てて、立ち上がる。

小劉「沈先生、どうでしたか?」

心配で心配で仕方がなかったんでしょうね。

 

偽物のファイル(扮装の小道具)を小劉に手渡し、白衣を脱ぎながら、「似顔絵を描き始めるよ」と歩き出す。

うふ、かっこよきよき照れ

 

白衣だけじゃなく、伊達メガネを、しゅっと取り去るところもやられた!!

さすが、沈翊&制作陣!! 

わかってらっさる!!

 

今の、柳小葉から受けた感覚が新鮮なうちに、紙に向かってください。

 

 

そして・・・病室では、いつしか、葉の一番上を目指すかのように、さきほどよりも、高く登ってきたカタツムリを

眺める柳小葉。

てっぺんまで・・あと少し。

いい変化をもたらしてくれるといいね。

 

~鳳池署 会議室~

小劉「彼は背が高く力強く、特に獰猛な顔つきをしている。頬の辺りとか、顔中に無数のシミのような斑点がある。口は大きくて、にやけたように開いていて、口角が下がっている」

 

目をつぶって、柳小葉が証言したとおり、語った内容を暗唱してみせる小劉。

 

小劉「目を開けるたびに、三つの目が私をじっと見つめているのが見える。目は全部違っていて、それぞれ、三角形をしているのや、片方の目尻が上向きに跳ね上がっているものや、。真ん中の目の下には、涙のような一筋の傷跡がある。

鼻は細く、丸く、鼻筋がとても長い。

彼の表情は常に変化し続けていた・・・」

 

その間、じっと、小劉の言葉を聞き入っている沈翊。

 

・・・そんな感じですけど、と、隣の沈翊を見る。

目を閉じて、聞いていた沈翊も、目を開けて小劉のほうを見る。

 

小劉「・・・もう一回、言いましょうか?」

 

沈翊「それで全部?」

 

小劉「はい・・・そうです」

 

おそらく、これが、柳小葉が語った全てなんでしょうね。

小葉の観察眼の細かさは、沈翊が確認したとおり。

 

でも、この内容から、小劉はあの絵を描き上げたんだよね。

記憶力もさることながら、美大卒なのかどうかわからないけど、抽象的な色使いも含めて、たいしたもののような気がする。

 

そうか・・と頷き、鉛筆を手に、紙に向かう沈翊。

考えながらも、ずっと手は動き続けている。

 

似顔絵というより、パーツを描いているって感じ?

 

~北江分局 刑警隊~

杜城「監視カメラの映像から、全員で貴金属店や商店街などをチェックするんだ」

クリアボードの前で、いつものように、事件の状況を、チームで話しあっているときに、来客が案内されてくる。

 

老人「あの・・すみません」

 

振り返った杜城に、微笑みかける老人。


杜城「どうされました?」

老人「あなたが、沈翊の上司の方ですかな?」

杜城「はい、私が、刑警隊の隊長の杜城ですが・・」

 

ああ、そうでしたか、と笑顔になる老人。

老人「私、許(シュウ)と言います。 沈翊に絵を教えておりました」

 

杜城「ああ、では、沈翊に会いに来られたんですか? 残念ながら、彼は今、不在なんです。しばらくは戻ってこれないかもしれません。応接室のほうでお待ちください。」

 

沈翊の先生、と聞いても、わりとあっさりめな対応の杜城。

でも、その視線は、しっかり沈翊の部屋の方に向けられてるのよ。

 

不在と聞き、あからさまに、すこしがっかりする許先生。

許先生「あっ・・・沈翊の絵を見ていてもかまいませんか?」

杜城「どうぞ」

 

~北江分局 沈翊の部屋~

部屋に案内する杜城。

 

ゆっくりと足を踏み入れる許先生。

そこは、画材は置いてあっても、画家のアトリエとは程遠く、そして、イーゼルに置かれた絵も、人の顔ばかり。

 

さきほどの、いかにも人あたりのいい老人といった許先生の様子が、今は、難しい雰囲気を醸し出しているのが気になり、なんとなく、声を掛けずらい感じの杜城。

強いて言えば、どこか、警戒を解けない・・・って感じかな。

 

絵の前に立つ許先生の眉間には、くっきりと皺がよっている。

 

並べ慣れている骸骨だけではなく、粘土で形づくられた人の頭部(こぶし大)に、そっと手を触れる許先生。

 

許先生「なんとも嘆かわしい・・・。あの子は、私の最高の弟子であり、私の最大の後悔でもあるのですよ」

 

杜城のほうに振り返った許先生。

許先生「・・・沈毅がいないのであれば、私は失礼するとしますよ」

 

杜城「ここで、お待ちになっていれば・・戻るはずですよ」

 

許先生「いや、結構だ。もう、行かねば・・・」

どこか、心ここにあらずのようでもあり、心に決めたようでもあり・・、部屋を出ていく許先生。

 

~鳳池署 会議室~

 

外は随分、暗くなりました。

 

引き続き、顔のパーツのようなものを描き続けている沈翊。

食事を買ってきた小劉。

小劉「沈先生。すこし休憩しましょう。まずは、お食事を。」

沈翊「いや、空腹ではないんだ。ありがとう」

 

手を止めず、真剣に描き続けている沈翊。

 

沈翊~~~、そんなこと言ったら、小劉ちゃんもごはん食べられないじゃん。

 

沈翊の隣に腰掛け、パーツごとに描かれたものを見る小劉。

 

小劉「沈先生。私の説明は不十分だったんでしょうか? あの・・改めてご説明しましょうか?」

沈翊「いや。 これが(柳小葉が証言した)結果のすべてなんだ。 目撃者には、それぞれに表現方法があって、タイプにわかれる。

実際に見えたものを重視する者もいれば、直感を重視する者もいる。柳小葉は後者だ。

 

小劉をみると、ちょっと小首を傾げている。

 

直接、証言を聞いてるときでも、あまりそういう印象は持っていなかったのかな。

 

 

沈翊「今日、彼女と話をしてみて、彼女には、感覚的なものを重視する傾向がある、とわかった。幻覚剤の影響を受けた彼女の感覚はより研ぎ澄まされ、細部や物理的な大きさについても強調されて受け取ったに違いない。 そうなると、どうしても、時間や空間の概念さえも曖昧になってしまうんだ」

 

パーツごとに描かれた目の部分に注目する小劉。

小劉「でも、彼女の説明では、これらの目は三角形の目のはずです。どうして、先生はそのように描かれなかったのですか?」

 

沈翊「側面からの視点のせいで、小葉は容疑者の目が三角形の目のように見えたんだよ。つまり、容疑者の顔の左右による空間的変形に気づいていなかった。」

 

実際の絵のその部分を鉛筆で指し示す沈翊。

確かに、小劉は言われたとおり、三角形に描かれているけれど、視点を変えれば、横から見た目に見える。

 

沈翊「だから、左頬は側面からの視点で描かれた横顔なんだ。右頬は、正面から見た顔だ。」

 

これ、小劉の描いた不可思議な証言の絵も、きちんと読み解いて描いているんだね。

 

小劉「では、どうして、鼻、鼻梁、鼻先をまとめて描かずに、別々に描いたんですか?」

さすが、小劉。

ちゃんと、ポイントをついた質問を投げかけてくるね。

 

沈翊「彼女の説明通りに、正常な比例に戻してみると、これらの特徴の一部には矛盾が生じることがわかる。想像してみてごらん。鉤鼻でありながら、鼻孔が上向き、さらに長い鼻であるなんてことは、どう考えてもありえない。こんな風に見えたのは、幻覚剤によって、時間の感覚を失っていたからだ。

時間と空間を正しく認知できない、ぼんやりとした意識の中で、それらの特徴が、異なる時間帯のせいで変化していることに気づかなかったんだろう」

 

小劉「つまり、証言の中の、顔の特徴が矛盾しているところは、彼女が見た幻覚が生み出した想像から来ていると?」

沈翊「・・いや、違う。彼女がそう思ったのには、なにか理由があるはずだ。だが、これらの特徴は一つの顔に存在しえない。・・・もし、それが同じ顔ではないとしたら?

 

言葉を続ける小劉。

小劉「強姦犯はひとりじゃないってことですか?」

 

沈翊「続けて・・・」

促す沈翊。

 

考えながら、慎重に自分の考えを話し出す小劉。

小劉「柳小葉は幻覚剤を飲まされたために、複数の顔が、部分的に一つに融合されてしまった・・? それって、もしかして・・・」

 

沈翊「集団での暴行だ」

 


ここで切ります。

 

★『猟罪図鑑』Ep.13-1 雑感★ 
 

ようやく、沈翊が動き出すことができました。

もちろん、柳小葉と接するときの距離感などは、性被害者と接するうえで、当然の配慮なので、沈翊だけが特別、というわけではないと思いますが、心を開かせるアプローチの方法が見てて、ほっとします。

 

なにかを引き出そうとするんじゃなくて、柳小葉の反応をそのまま、読み解いていく。

もちろん、やりとりの中で、なぜ、そういう思考パターンになるのか、ということも重要だけど、意味を突き詰めるというより、彼女の感性の核になるようなものを把握する。

それが可能になるのは、沈翊が直接、(柳小葉と)同じ空間に身を置いてこそ、でしょうね。

 

かたつむりの話をしただけで、似顔絵が描けるだなんて、普通の人にしてみたら、どういうこと?ってなると思います(笑)

 

あと、気になるのは、同時進行で登場した沈翊の師匠である、許先生ですよね。

 

言動が意味深です。

 

一見、関係ないようでいて、どんどん繋がっていくんです。

このドラマ。。。

 

 

★『猟罪図鑑』Ep.13-2に続く★