気がつけば、12話。
DV事件はテンションが下がりますが、それにかこつけた二人の会話に、ニマニマ![]()
自分の節制能力がイカレてるんではなく、今回は、翊ちゃんのヤキモチっぷりが可愛いので、そのせいにしたい自分がいます(笑)
※ 同じ場面を見て、そう思う人がどれだけいるかわかりませんけども。。。
【おことわり】
こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。
ラストまでの完全ネタバレです。
なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。![]()
『猟罪図鑑 ~見えない肖像画~』
猎罪图鉴(獵罪圖鑑) / Under the Skin
2022年(中国)3/6~ 3/16, 2022
45分×全20話
脚本: Jia Dong Yan、 Wu Yao
演出: Xing Jian Jun
前記事未読の方は、こちらから
#EP12-1
~聴取室~
ビニール袋に入ったスタンガンを見せる杜城。
杜城「これを、君のマンションの下の緑地帯で発見した。捜査によれば、少し前に、君はこれをネットで購入しているね。趙明哲のDNA(デオキシリボ核酸)も残されていた」
顔には出さないように努めているものの、よく見ていれば、まばたきをしたり、落ち着かない様子の陳秋雯。
杜城「君の供述が正しいのであれば、趙明哲は突然、君のドアの前に現れた。なぜ、君は、それを事前に予測し、スタンガンを準備できたんだ?」
押し黙る陳秋雯。
返事がなく、次を続ける杜城。
杜城「現場での捜査により、趙明哲の遺体には、引きずられた痕跡があることもわかっている。解剖の結果報告と合わせ、趙明哲が君を襲った時、君が(スタンガンを使って)自己防衛したとなれば、正当防衛は認められない。・・・あの日、一体、なにがあったんだ?」
陳秋雯「・・・・・・・」
黙秘する気か・・と、小さく頷く杜城。
杜城「君が言わないなら、こちらから言おう」
~状況証拠に基づく捜査陣の推測~
宅配業者のふりをして訪問してきた趙明哲に首を絞められ、そのまま、部屋に侵入されてしまった陳秋雯。
壁に押し当てられた状態で、手に持っていたスタンガンを、趙明哲の首に押し当てる。
軽度の心臓病があった趙明哲は、スタンガンの電気ショックにより、心室細動を起こし、床に倒れてしまう。
倒れた趙明哲を仰向けにすると、テーブルの果物かごと一緒においてあったナイフを手にすると、
意識のない趙明哲の腹部と心臓めがけて、ナイフを三回振り下ろす。
これで、趙明哲はほぼ即死。
ナイフをつきたててまま、傍におちていた帽子を拾い上げ、趙明哲の顔が隠れるくらい、目深に被せる陳秋雯。
スタンガンを窓下に落してから、警察に通報する。
杜城「趙明哲が抵抗できなくなった後に、君が彼を刺したのなら、それは正当防衛ではなく、故意の殺人行為だ。 もし今、君がここで真実を話せば、酌量の余地はある」
しばらくうつむいていた後、「そうです・・」と口を開く陳秋雯。
陳秋雯「私が故意に彼を殺しました」
あまりにも素直に認める陳秋雯に、少し不審がる杜城。
陳秋雯「身体に受けた傷はいつか治りますが、心の傷は治ることはないんです。・・・彼の前から逃げ出したのに、逃げおおせたと感じることは決してありませんでした。あの顔や趙明哲の三文字が思い浮かぶたびに・・・・眠れませんでした」
今もなお、続く苦しみを味わっているかのように、目を閉じ、首をふる陳秋雯。
陳秋雯「4年・・・4年もの間・・ずっと、私は街を出歩くことも、写真を投稿したり、誰かと会ったりすることもしませんでした。男性が私の側に来るだけで、怖くてたまらないんです」
それは、まぎれもなく、長年苦しんできた陳秋雯の心からの声なのであろうと、さすがに、それ以上、詰問できない杜城。
陳秋雯「スタンガンを買ったのは、別に(今回のことを)予見したからじゃありません。一人暮らしなので、誰かがドアをノックするたびに、スタンガンを手に握ってから、ドアを開けるようにしていたんです。」
杜城「つまり、趙明哲が君の家のドアの前に突然現れた際に、スタンガンを使用したのは、慢性的な過度のストレス状態からくる反射的な行動だった、と?」
涙をためながら、頷く陳秋雯。
杜城「しかし、感電により、彼が倒れた時、君は急所を三回も刺している。これは、故意にやったことだよな?」
陳秋雯「彼が・・動いたんです! 床の上で・・・。もし、起き上がってきたら、間違いなく彼に殺されるだろうって思ってもおかしくないですよね?」
~陳秋雯の供述による回想~
陳秋雯が様子を窺っているいると、床の上に倒れた趙明哲が、びくんと身体を揺らし、うっすらと目をあけるのが見えた。
もう気が付いた!
視線が合った時、あまりの恐ろしさに、テーブルの上の果物かごにあったナイフを手に取った陳秋雯。
趙明哲が起き上がろうと上半身を起こしかけたところで、そのまま、ナイフを持ったまま、興奮状態で3回ほど突き立てる。
動かなくなった趙明哲。
まるで、たった今、趙明哲を手に掛けたように、ぐったりと、目を伏せる陳秋雯。
なにを言っても、理詰めで返してくる陳秋雯に、頭を抱える杜城。
(これはそうとう、念入りに、シミュレーションしてる、とみていいかもね。)
杜城「趙明哲の、床に落ちた帽子についてはどうだ? それほど怖がっていたのに、なぜ、帽子をかぶせたりしたんだ?」
陳秋雯「あの顔を見ていたくなかったからです。あの顔がとても怖かった・・・」
杜城「・・・・・・」
事前に、趙明哲自身の、異常な粘着性、粗暴性、執拗な計画的行動が明らかになっていることもあり、涙を堪え、震える陳秋雯の言葉に、明らかな齟齬はあるようには感じられない。
~警察学校 講堂~
本日は、学校での講義の日。
沈翊「ポーカーに使われるトランプの、J、Q、Kの意味について、誰かわかる人?」
相変わらず、講師の仕事も続けている沈翊先生。
学生A「わかります。Kは国王、Qは皇后、Jは、騎士 ジャックです」
答え方がキビキビしてて、まさに警察学校の生徒って感じ。
頷く沈翊。
沈翊「では、ハートのQのモデルとなった女王について、答えられる人はいるかな?」
学生B「みんな、同じ人物じゃないんですか?」
小さく首を振り、ニヤリと笑いながら、中央の教卓に戻る沈翊。
想定通りに、一般的な意見を代表して言ってくれると、講義が進めやすいのよ(笑)
沈翊「ハートのQは、イスラエルの英雄 ジュディス(Judith)として有名だ」
※フランス語読み ユディト(Judith)は、旧約聖書外典の1つである『ユディト記』に登場するユダヤ人女性。
おお、このクリムトの絵は見たことある!!
沈翊「アッシリア軍が、彼女の故郷ベトリアを攻撃してきた際、ジュディスは自分の侍女と共に、軍のキャンプに潜入したんだ。そこで、彼女は、その美貌で、敵方の司令官ホロフェルネスを誘惑、泥酔させ、眠り込んだ彼の頭を切り落とした。美術史において、ジュディスを題材にした作品はたくさんある」
壇上には、代表して、3枚のジュディスの画が飾られている。
▼クリストファーノ・アローリ作:『ホロフェルネスの首を持つユーディット』
▼アルテミジア・ジェンティレスキ作:『ホロフェルネスの首を斬るユディト』(カポディモンテ美術館所蔵)
▼カラヴァッジオ作:『ホロフォルネスの首を斬るユーディット』
どれも、ホロフェルネスの惨殺シーンですね。
学生C「沈先生! 質問があります。ジュディスの侍女は、暗殺に関与していたのですか?」
沈翊「なぜ、そう思った?」
学生C「ほら、こちらの画では、侍女は、ホロフォルネスの首を押えてただ、見ているだけだったり、首を受け取ろうとするだけですけど、でも、真ん中の画では、激しく抵抗するホロフォルネスを、二人の女性が協力して押さえつけながら、首を切っていますよね。どうして、このような違いがあるのでしょうか?」
理路整然と、疑問に感じた理由を説明する女子学生。
沈翊「いいところに気が付いたね」
後ろを振り向き、レーザーポインターを当てる沈翊。
沈翊「真ん中の画は、アルテミジア・ジェンティレスキという女性画家のものだ。西洋の男性画家たちの、ジュディスの名を冠した作品の中では、侍女はただの傍観者のように描かれることが多い。なぜなら、彼らは、ジュディスの美貌だけに焦点を当てているからだ。しかしながら、アルテミジア・ジェンティレスキは違っていた。彼女は、この画の中で、この二人の女性を、敵に抵抗する同志として描いている。女性だからこそ、女性は女性のことを理解できるし、(お互いに協力しあって)守ることもできる。つまり、この絵は、二人の女性を英雄として描いた唯一の作品なんだ。」
沈翊の解説を聞き、大きく頷く学生たち。
学生D「はい、先生。彼女は若かった頃、教師から性暴力を受けたと書かれています」
ネットで検索したらしく、スマホを手にしながら、発言する学生。
それを聞き、驚く学生たち。
大きく頷く沈翊。
沈翊「本当だよ。だが、相手の男性は刑事罰を逃れようと、逆に、彼女のことを売春婦などと貶め、罵ったんだ。無実を証明するために、ジェンティレスキは、公衆の面前で身体の検査を行うように強制されたりもした。しかし、結局、強姦した男はただ、別件の窃盗罪の罪に言い渡され、たった8ヶ月だけ刑務所に入っただけだった」
「たったの8ヶ月?」という驚きの声がさざ波のように揺れる。
学生の間で、意外な流れに呆れたり、驚いたり、そんなバカな・・という声があがる。
学生C「つまり、この、ジュディスがホロフォルネスを殺した絵は、女性画家が、強姦魔を殺した絵でもあるんですね!」
挙手しながら、発言するさきほどの女子学生。
沈翊「そのとおり!だから、ジェンティレスキによって描かれたジュディスは、より力強く描かれているんだ。なんの躊躇いも恐れもなく、ただ、この画の中に、自分の苦しみや辛さを込めることによって、ジュディスと同化したんだ」
そこまで、説明しているうちに、沈翊の脳内で、別のことが思い浮かんでくる。
陸婷が、倒れた自転車の大きな音に対してみせた恐怖、署の廊下で、陳秋雯に「ごめんなさい」と声をかけた時の様子と、何も答えなかった陳秋雯の様子・・・。
そして、振り返り、ジェンティレスキの絵を見つめる沈翊。
沈翊「・・・二人の女性は、同じ魂を持ち、暴力による大変な苦しみを負っていた」
沈翊には、この事件の本質が見えてしまったのね。
そう呟くと、「今日はこれまで。あとは、みんなで話し合っておいて」と言い終え、講堂を出る沈翊。
あらら、またもや、途中で打ち切って、行っちゃったよ、先生・・・!!
でも、人気あるだろうな、沈翊先生の講義。
~北江分局~
警察学校から戻るなり、講義中に思いついた推論を、杜城に話してきかせる沈翊。
杜城「陳秋雯が嘘をついていると?」
沈翊「彼女は一度、我々に嘘をついてる。だったら、再び、嘘をついたっておかしくないだろ。一般的に、長期間にわたり、虐待を受けた女性に対しては、か弱いイメージを持ってしまうものだ。だから、どうしても、僕らは、女性には抵抗する力があるってことを無視しがちな傾向にある。実際には、彼女たちが抵抗した時、男性以上に強かったりするんだ。」
ん? 男性以上に強い?
力や体力面で?
もちろん、世の中には、潜在的に力の強い女性もいれば、鍛えぬいて強さを発揮できる女性もいるし、ここぞとばかりの時に、意外な力を出せる女性も、たくさんいます。
もしかしたら、それが、男性が見落としがち・・・と言ってる部分なのかもしれませんが、一般的によく言われるのは、“生き物としての生存本能の強さ”ですかね。
強いて言えば、なにかされた時に抵抗する力が強いというより、一度、その態勢に入れば、押さえつけていられる持続力がある、とか、内面的な痛みに対して(がまん)強いとか、(家族など)大切なものを守ろうとするときに、火事場のバカ力みたいに、信じられない力を出せるとか、体感としてそういう比喩であれば、納得いくんだけどなぁ。
杜城「だが、陳秋雯は、趙明哲を感電させたあと、恐怖のあまり、彼を殺したと言ってたんだぞ」
あはは、西洋の男性画家みたいな人が目の前にいましたよ。(苦笑)
沈翊「・・・・・・」
そうとは言えないかもよ。
くくく、この表情、ここだけ見ると、ただ呆れてるだけじゃなく、あんなオンナのいうことを真に受けて・・・みたいに、ほんの一瞬だけど、ムッとしてる(笑)(笑)(笑)
ちょっと可愛いからって、コロリと・・・(以下自粛)
何度も言いますが、これ、ほんの一瞬を切り取った私の妄想ですよ。
でも、警察学校の講義シーンで、あれだけ長い尺をとって説明したのは、彼女たちの共犯協力体勢を想起させる目的だけじゃないと思うけどなぁ。
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沈翊「でも、僕は今、彼女が事前にこの終結を思い描いていた、と疑ってる」
はっきりと、疑っていると宣言しました。
杜城「・・・・・・」
沈翊「おそらく、趙明哲は、あの写真を見た時から、死ぬ運命にあったような気がするよ」
杜城「よし、だったら、もう一度、ホテルに行って、生前の趙明哲の行動を洗いなおそう。なにか、新しい事実を見つけるためにも・・・」
杜城が応じてくれました。
何をすればいいのか、沈翔が言う前から、ちゃんと提案してくれるんです。
さすが、理解ある~~ぅ!💘
ここで切ります。
★『猟罪図鑑』Ep.12-1 雑感★
事件の再現内容が、立場や視点によって、微妙に違ってますね。
『ミステリという勿れ』というマンガ&ドラマのなかでも、真実は人の数だけある。でも、事実は一つ・・と、久能整クンが言ってました。
この事件では、人の数どころか、更に、修正をかけた虚言も入る。
私たちは、その虚言も見せられる。
だから、再現が多くなるのね。
そんな事件の裏で、うごめく恋模様ばかりを探してしまう腐沼脳(笑)
決め打ちして見てみれば、こんなにも、雄弁な二人に見えてしまう。
特に、杜城ね。
でも、沈翊だって、時としてなかなかのもんでしょう?(笑)
もし、これが、男女間だったら、おそらく、始まらない恋物語に、一挙手一投足、見守る視聴者だっているはずですから。







































