後半戦突入。

あと半分と思うと、まだまだのような気もしますが、なにしろ、11話はお話の途中から始まるので、そんな区切り感もなくって感じがします。

なので、どんどんいきますね。

 

 

【おことわり】

こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。

ラストまでの完全ネタバレです。

なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。

誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦

いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。お願い

 

 『猟罪図鑑 ~見えない肖像画~

 猎罪图鉴(獵罪圖鑑) / Under the Skin 

 2022年(中国)3/6~ 3/16, 2022

 45分×全20話 

 脚本: Jia Dong Yan、 Wu Yao

    演出: Xing Jian Jun

 

前記事未読の方は、こちらから

#10-1 #10-2 #10-3 #10-4

 

  

 #EP11-1

 

~杜城のジープの車内~

 

フォン「もしもし、小馬か? おまえら、一体どこにいる? なんで、李俊輝の奴、電話を取らないんだ?・・・・なに? お、お前・・・お前も李俊輝と連絡が取れないだと?」

完全に、口調が焦り気味。

 

運転中の杜城が、ただならぬ様子のフォンにチラリと視線を向けると、蒼ざめた顔のフォンと目が合ってしまう。

 

杜城「奴の電話にかけ続けろ」

 

指示通りに、かけ続けるフォン。

フォン「・・・・・・繋がりません」

杜城「・・・・・・」

口には出しませんが、嫌な予感しかしません。

 

そうこうしているうちに、杜城を先頭に、パトカーの車列が、

穆偉のマンション付近に到着。

 

杜城「小李はこのあたりにいるに違いない。二人一組で、このエリアを捜索するんだ。十分、注意しろ」

 

裏手の細い路地に入り、手分けをして探し始める一行。

 

フォンと一緒に回り始めた杜城。

歩きながら、電話をかけ続けるも、李刑事の電話は相変わらず応答なし。ショボーン

 

かなりの人員を割いて、裏路地を捜索する杜城たち。

 

必死になって、捜索を続ける中、ふと、スマホのバイブの音が聞こえたような気がして、耳をすます杜城。

その音がする路地へと向かいながら、

「蒋峰・・・」と小声でフォンを呼び戻す杜城の目の前には、路地の壁にもたれて、倒れている李俊輝(リー・ジュンフィ)。

 

すぐさま駆け寄り、「李俊輝・・・李俊輝・・・」と、静かに声を掛ける杜城。

小李の背中に回した手に違和感を感じ、自分の手にべったりとついた血に気づき、

背中を確認すると、ナイフが突き刺さっているのがわかる。

背後に、フォンも到着。

杜城「救急車を呼べ。・・・早くしろ!」

恐る恐る近づこうとするフォンに、「早く、救急車を呼べと言ってるだろ!!」と怒鳴りながら、突き飛ばす杜城。

転げるようにして、走り出すフォン。


杜城「しっかりしろ! 李俊輝!! 目を開けろ!! なにがあった? 李俊輝!!」

半狂乱になって叫ぶ杜城。

本来、杜城であれば、微動だにしない小李の身体を抱え起こした感触で、すでに気づいているはず。

でも、それを、杜城の意識が全力で拒否してる感じ。

 

ようやく、頸動脈に指をあてた杜城。

ふれない脈に、ショックを受け、ただ、呆然と血にまみれた自分の手を見るしかない。

 

次々に集まってきた捜索隊の警官たちが、李俊輝を抱き留めている杜城を、遠巻きに見守っている。

そして・・李俊輝をずっと探し回っていた馬刑事も、その場に立ち尽くす。

 

~安置室~

現場で捜索隊に加わらなかった沈翊が、遺体保冷庫におさめられた李俊輝を見て、沈痛な面持ちで立ち尽くしている。

傍らには、ロンユエ。

 

そして・・・あとからやってきた杜城。

ショックで呆然としている沈翊に視線を向ける。

杜城「これが、警察官になるということだ」

それでも、呆然としたまま、反応しない沈翊。

 

ロンユエ「・・・・・」

 

杜城「犯人を追っている最中に死ぬかもしれない。明日なのか、今日なのか、数分後だってこともあり得る。・・・別れを言う機会さえないこともあるんだ」

 

唇をかみしめる杜城。

だから仕方がないと言ってるわけではなくて、あくまでも、それは心構えの話で、救えなかった部下であり、後輩である李俊輝の命に、誰よりも、責任を痛感し、自分を責めているのは杜城自身。

 

それがわかっているからこそ、ただただ、無言の沈翊とロンユエ。

 

そして、李俊輝の剖検が始まりました。

 

背中の傷を念入りに見ていくロンユエ。

ロンユエ「外傷のサイズは25ミリ、深さは93ミリ。背後から、心臓の位置に向けて、三回にわたって刺されてる。凶器は刃渡り10センチ程度の片刃ナイフと推測される。」

その傷の状態を念入りに注視していたロンユエが、傍に立っていた杜城に向かって、「この傷、レイ隊長の受けた傷と酷似してるわ」と説明する。

杜城「・・・・・・」

 

~北江分局 刑警隊~

殉職した李刑事のデスクの前です。

 

李俊輝のデスク回りがアップになると、おそらく、ご両親と一緒に写した写真が写真立てに飾られていて、そこには、へのスカーフが届いた。仕事帰りに受け取りにいくこと」と書かれた付箋メモ。

孝行息子だったことをこれだけで表してます。

 

重苦しい空気の中、きちんとたたまれた制服の上に、杜城の手で、警察バッジ、いつも首に掛けている身分証、

そして、制帽が置かれる。

 

とても見ていられず、その場を離れ、窓際に移ったフォンの肩に、そっと手を置くイェン予審官。

 

少し離れたところで、見守っている張局長。

そして、沈翊。

 

皆が直立不動でいるところに、進み出た張局長。

張局長「犠牲になった同志に安らかに休んでほしいのであれば、自分たちのすべきことをやりなさい。」

それだけ言うと、その場を立ち去る張局長。

 

厳しい言葉であっても、杜城をはじめ、この場にいる誰もが異論は挟まない。

局長が、目に涙をためていたことも気付いているし、遺体安置所で杜城が沈翊に話した通り、こうして、同僚や仲間を見送るのは初めてではなく、明日は我が身だということを理解しているから。

 

~聴取室~

楚天啓の取り調べの続きです。

 

李俊輝のことは、直接、楚天啓には関わりがないかもしれないけれど、今の、杜城やフォンは、この事件の裏側で起きている、正体不明の闇の存在に対して、怒りマックスです。

 

自然と怒りの矛先は、楚天啓に向けられる。

 

杜城「賀虹って女は一体、何者だ? 他に共犯者はいるのか?」

怒りをこめてはいるものの、静かに問いかける杜城。

楚天啓に視線を合わせないのは、今にも、掴みかかりそうなところを必死で抑えているから。

 

外のことなんて何も知らない楚天啓にとっては、何度も聞かれてうんざりするばかり。

楚天啓「だから、何度も言っただろ。全部、俺がやったって。俺が穆偉を殺し、宝石店に押し入って・・」

 

杜城「笑わせるな!!」

楚天啓の言葉を遮り、テーブルを叩く杜城。

 

杜城「お前はな、彼女とは何の縁もゆかりもない!ただ、身代わりにされたんだぞ! あの女は、お前が思ってるような女じゃない!! 小安は、彼女の子供じゃなかった! お前が愛した賀虹は、もうとっくに死んでるかもしれないんだ!!」

そうそう、このマシンガンのような怒りのぶつけ方、これこそが杜城です。

 

偽物の賀虹が顔を全整形してまですり替わり、本人の代わりに子供まで育て、本物の賀虹の人生を奪っていたということがわかった段階で、では、本当の賀虹はどうなったのか・・・考えるまでもない話です。

もうすでに、楚天啓が犯した“偽装強盗事件”も、モラハラDV男の“失踪殺人事件も、偽物の賀虹が関わっている闇に比べれば、表層でしかありません。

 

 

何もわかっていない楚天啓の目を覚まさせるためにも、怒りをぶつける杜城。

 

ところが・・・

 

楚天啓「俺は信じないぞ。あんたら、嘘、ついてるんだろ」

なまじ、悪の道に足を踏み入れた人間は、警察が自供させるために、言葉巧みに誘導することも知っているから、始末に負えない。

 

それを聞いていたフォンが立ち上がり、だったら直接これを読め、とばかりに鑑定報告書を叩きつける。

 

楚天啓「こんなもの、全部、でっちあげだ」

手錠を掛けられた手で、机から報告書を払い落とす楚天啓。

 

楚天啓「これしきの数字や意味不明な難しい言葉で、俺をごまかせるとでも思っているのか?」

 

フォン「賀虹(偽物)は既に逃亡したぞ。それでも、お前は依然として、彼女の身代わりでここにいてもいいのか!」

 

賀虹が逃亡した、というフォンの言葉に、少なからず、ショックを受けた楚天啓。

 

杜城「お前が、愛する賀虹をかばいたい気持ちもわかるし、彼女の為ならすべての罪を被ろうとするのも理解できる。 だが、よく考えろ! 彼女は本当に、お前が賀虹だと思っている女なのか? 彼女は警官さえ、殺したんだぞ。 三回もナイフで刺して、致命傷を負わせてる・・。お前の知ってる賀虹にそんなことができると思うか?」

 

ここの最初の方のセリフ、杜城の愛情観が溢れてて、そんな雰囲気じゃないのに、ついついおねがいこんな顔になっちゃう。

 

楚天啓「(ナイフで)三回・・・?」

その時、楚天啓の脳裏に浮かんだのは、おそらく、穆偉の胸元の刺し傷。

やっぱり、穆偉を殺したのは、賀虹(偽物)だったのね。

 

ここで、急に、はっとする楚天啓。

楚天啓「小安はどうなった? あの子はどこにいる?」

 

フォン「心配するな。小安は安全だ。警察署で保護してるよ」

それを聞き、ふ~っと肩の力を抜いた楚天啓。

 

楚天啓「・・・賀虹は、小安を置き去りにしたのか?」

 

杜城「母親なら、そう簡単に自分の子供を捨てたりできないだろう。他人の子供でない限り・・・な。」

 

とうとう観念したかのような楚天啓。

楚天啓「やっぱりか・・・俺のことを受け入れがたくて、知らないふりをしているんだろう、と思うようにしてた。でも、結局、彼女は本当に俺のことを知らなかったんだな。ただ、俺を利用しただけなのか・・・」

 

両手をぐっと組み、指が食い込むくらいの力で握りしめる楚天啓。

~回想~

 

ある晩遅く、店にいたところ、

新しい注文のメッセージが送られてくる。

送り主は賀虹、オーナー直送希望

 

こんな時間に変だな、と思いつつ、マンションを訪ねると、部屋の中は真っ暗。

 

床に横たわり、血を流しているムーウェイ。

 

賀虹「この人が・・・小安は自分の娘じゃないって・・それから、もっとひどいこともたくさん言われたわ。私に暴力をふるってきて、それで・・あの子のことも傷つけるんじゃないかって・・怖くて・・・」

ソファにもたれるように座り込んで、泣いている賀虹。

 

楚天啓「小安はどこにいる?」

賀虹「シュエ先生(絵の先生)のところよ」

楚天啓「あの子がいなくて、幸いだったよ」

 

賀虹に頼られた、と思ってるノー天気な楚天啓は、その言葉を信じ込んでしまったけど、いや、それ、最初から(穆偉を)殺すつもりでの計画的に、小安を預けたったってことだよね。

 

そこから、床の血を始末しながら、

10分以内に小安を迎えにいくよう、賀虹に告げる楚天啓。

万が一、疑われたとき用に、客観的な第三者に証言させるためのアリバイ作りよね。

 

ホント、変なところで気が回る。

 

楚天啓「先生のところで、しばらくの間、おしゃべりでもしてるといい。その後、なんでもいいから、他の人に印象を残すようなことをするんだ。2時間後に、小安を連れて家に戻れ。明日になったら、警察に失踪届け出を出すんだ。ただ、穆偉がいなくなった、とだけ言えばいい。 あとのことは、全部俺にまかせろ!

 

怯え切った瞳で、自分に救いを求めるように見つめていた、あの時の賀虹の顔を思い出している楚天啓。

 

あれが、全部芝居だったとはな。

 

自分の間抜けさに、くすっと小さく自嘲してしまう。

 

楚天啓「彼女が賀虹じゃないなら、一体、彼女は誰なんだ?」

 

その疑問にはまだ、杜城にもフォンにも答えられません。

 

~北江分局 剖検室~

新たな解剖が行われている剖検室。

ロンユエ「(穆偉の)遺体が発見されたあと、一晩かけて、検死を実施したところ、遺体の腐敗具合からみて、死亡推定時刻は楚天啓の供述とほぼ一致するわ」

 

おお、穆偉、発見されたんだ。

あのあとは、おとなしく楚天啓が全部供述したんだろうね。

一応、回想シーンどおりに、どこかの山の中に埋めてたのかな。

  

ロンユエ「検死の結果から、死亡者の身元は穆偉だと判明したわ」

報告している相手は、杜城。

マスクをつけるところを見ると、さすがに耐えられない匂いなんだな、と察します。

 かれこれ、何日くらい経ってるんだっけ?

 

ロンユエ「三か所の傷が致命傷だった。凶器は、刃渡り10センチの片刃の短剣、またはナイフね。腹部大動脈の2か所の刺し傷が大量出血を招いたけど、致命傷は心臓への一突きよ。レイ隊長や李俊輝、穆偉の致命傷は、同じ手口ね。殺人犯はほぼ同一人物の可能性が高い。

 

杜城「・・・・・・・・」

やっぱり、この事件、いろいろとつながってきちゃいましたね。

 

~聴取室~

 

楚天啓「もし、有罪判決を受けたら、最低でも何年くらいかかるんだろうか・・」

すっかり、憑き物がおちたような楚天啓。

 

フォン「2件の強盗、死体損壊遺棄、警官への発砲、銃による一般人への殺人未遂および傷害罪・・・これで、短いわけないだろ!

おっしゃるとおり。

 

楚天啓「もう、二度と小安には会えないかもしれないんだな・・」

 

その問いかけに対しても、答えられない杜城とフォン。

楚天啓の小安に対する愛情は、見せかけのものではないと理解しています。

 

楚天啓「あの子は、これからどうなるんだろう・・」

小安の行く末を本気で心配している様子です。

 

杜城「警察のほうで、賀虹の母親を探しだした。きっと、小安の面倒をみてくれるだろう」

 

それを聞いて、前のめりになる楚天啓。

楚天啓「刑事さん・・なんとか、一目、小安に会えないだろうか?」

 

杜城「・・・・・・・」

 

 

ここで切ります。

 

★『猟罪図鑑』Ep.11-1 雑感★ 
 

なんか、いろいろ盛りだくさんだった。

 

実際、二周目以降みると、殉職した李刑事役の俳優さん、最初のほうから、短いながらも台詞付きで画面に映ったりしてるので、この流れ、本当に残念よね。

 

でも、李刑事が殺されたことで、この事件が見た目よりも、というか、表向きの犯人(楚天啓)の預かり知らぬ部分ではるかに複雑に進行していて、関係ないはずのレイ隊長の事件とも絡んでくる、とか、裏に潜む闇深さが明確になった、とも言えるし・・・。

 

沈翊が、“賀虹の整形による別人のなりすまし”に気づかなかったら、真相にたどり着くのは、だいぶ先だったでしょう。

なにしろ、楚天啓が信じられないのも無理はないレベルの、完璧な整形だもんね。

 

賀虹(偽物)の背後には、レイ隊長を襲った組織が関係してるとなると、彼女が早々に逃走したのは、組織に居場所が見つかってしまったせいなのか、詳細は不明だけど、いずれにしても、小安を連れていくことなど当然できないっていう判断に至ったであろうことは、想像できるかな。

 

あんなに大切に可愛がって育ててきた小安が穆偉に冷遇されても、穆偉から離れる選択をしなかった・・これも解せない。

いや、なんといっても、前回のラスト、6年育てたのに・・・いくら本当の娘じゃなくても、置いていけるものなのかな。

そこが、当初、賀虹(偽物)に対する、最大の疑問でしたし、実際、最終回まで視聴済みで、彼女の状況を理解している今となっても、心のどこかで、なお「・・・・」です。

 

同じく10話ラストの段階での、樹の下で様子を窺っていた男の存在から見て、賀虹自身の意思というより、置いていかざるを得なかった、沈翊や杜城に託せば、絶対悪いようにはしないはず、と考える方が自然なのかな。

 

小安にとって、唯一の肉親の楚天啓が、罪を償い、刑務所から出てくるのは、まだまだ先のことでしょう。

いや、そもそも、一緒に暮らせるかどうかもわからないけど。

 

やっぱり、小安が一番不憫だ。

他にも、いろいろ判明してないことも多いし、まだまだ、これからです。

 

★『猟罪図鑑』Ep.11-2に続く★