DV事件は、本当に、暴行犯(あえて言うけど、犯罪者だよね?)の気持ちがわからないので、ふつうに見てるだけでストレスたまる。

そういう相手と巡り会ったら、どうするのが正解なのか、なまじ対策を考えたら、相手を刺激して、もっとエスカレートさせるだけだし、歩み寄るとか、間がなくて、すぐに、命の危険が迫るわけじゃん。

ため息ばかりなり。

 

【おことわり】

こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。

ラストまでの完全ネタバレです。

なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。

誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦

いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。お願い

 

 『猟罪図鑑 ~見えない肖像画~

 猎罪图鉴(獵罪圖鑑) / Under the Skin 

 2022年(中国)3/6~ 3/16, 2022

 45分×全20話 

 脚本: Jia Dong Yan、 Wu Yao

    演出: Xing Jian Jun

 

前記事未読の方は、こちらから

#11-1 #11-2 #11-3

 

 

 #EP11-4

 

~剖検室~

遺体保冷庫の安置台が引き出され、

遺体と対面する女性。

とは言っても、チラッと視線を向け、そのまま、目を伏せてしまう。

 

ロンユエ「陸婷(ルー・ティン)さん、この方にお間違いないですか?」

 

目を反らしたまま、頷き、「そうです。趙明哲です」と答える陸婷と呼ばれた女性。

それを聞くと、白い布をかぶせなおし、安置台を戻すロンユエ。

 

陸婷「いつ、遺体を持ち帰れますか?」

改めて説明するハン。

ハン「趙明哲さんの死は、刑事事件に関わっています。法律に基づき、警察としては、被害者の遺体に解剖を実施しなければなりません」

陸婷「でも、すでに亡くなっているんですよ。静かに送ってあげるわけにはいきませんか?」

口調は物静かで落ち着いているものの、頑なな陸婷。

 

少し気になったのか、改めて問いかける沈翊。

沈翊「被害者とあなたの関係をお聞きしてもいいですか?」

遺族としての悲しみがあまり感じられなかったのかな。

 

陸婷「恋人です」

え、家族じゃないの?・・って、最初、驚いたことを思い出しました。

 

沈翊「では、近親者の方はどちらにいらっしゃいますか?」

それを聞き、そっとお腹に手を当てる陸婷。

陸婷「ここにいます」

沈翊「・・・!」

ハン「妊娠しているんですか?(驚)」

陸婷「4か月です」

 

ロンユエ「陸さん、あなたのお悲しみは十分理解しますが、被疑者に対する告訴の内容や、判決や量刑に影響を与える可能性があるんです。我々としては、解剖を実施しなければなりません」

簡潔に、冷静に説得するロンユエ。

反論の余地なしです。

 

沈翊「彼がどうやって亡くなったのか、知りたくありませんか?」

 

沈翊をまっすぐに見る陸婷。

陸婷「彼の奥さんの、周雲意が彼を殺したんですよね。あの日、彼が家を出ていったとき・・・・私、彼女に会いに行ったんだ、とわかりました。戻ってこなかったので、なにかあったんじゃないかって心配していたんですが・・まさか、こんなことになるなんて思ってもみませんでした。」

途中から、陸婷の話を聞いてる沈翊の顔に、明らかに、疑問が浮かんでくる。

 

沈翊「彼女に会いに行ったことを、あなた、どうやって、知ったんですか?」

 

陸婷「写真のせいです・・・」

沈翊「?」

 

沈翊に、スマホの中の周雲意の写真を見せる陸婷。

まるで、端から用意していたみたいだな・・っていうのを、穿った見方とするか、ドラマ的段取りと考えるかは、ご自由にってことでいいでしょうか(苦笑)

 

~北江分局 応接室~

さすがに、安置所から場所を移動してきた沈翊たち。

 

さらに、事情を聞かれることになった陸婷。

(さすがに、妊婦にずっとあの場所で立ちっぱなしにさせるわけにもいかないよね)

 

陸婷「付き合った当初、彼は独身だと言っていたんです。でも、1年くらいたった頃、ある日、家を掃除しているときに、雑誌の合間から、彼と奥さんの古い写真を見つけてしまったんです。裏面に、“結婚記念日”と書かれていました。腹が立ったので、写真を見せながら、問いただしたんです。でも、彼は逆に怒ってきたんです。今後、二度とその女の話はするな、と警告されました。」

 

沈翊「・・・・・・・」

懐疑的な表情のまま、聞いている沈翊。

 

陸婷「その時の彼の目つき・・今、思い出しても恐ろしくてたまりません」

 

沈翊「で、趙明哲さんは、どうやって、彼女を見つけたんですか?」

ポイントを突いてきます。

 

陸婷「彼が見つけたんじゃありません。・・・私です

ん?と、見返す沈翊。

 

涙交じりに説明しはじめる陸婷。

陸婷「3か月前、妊娠してることがわかりました。私、この子を婚外子にしたくなくて、思いつく限りのありとあらゆる方法を使って、奥さんを探し出すことにしたんです。ただ、趙明哲と正式に離婚してほしくて・・・

たしかに、そういう事情があれば、必死になって探すのはわからんでもないね。

 

陸婷「とうとう、ネット上で、彼女の痕跡をみつけました。でも・・・まさかそれがあんな風に・・・」

 

~陸婷の回想~

自分からは直接切り出さず、ただ、さきほどの、周雲意が映った画像を開いたまま、スマホをソファに放置した陸婷。

 

その写真を見た趙明哲は、そこに置かれていた意味を考えるよりも、周雲意の居場所を特定することにやっきになる。

 

写真を引き伸ばし、瞳に映った店の看板のネオンに気づけば、

そこから、北江を割り出し、そして、一緒に映っていたビルを特定することなど、簡単なこと。

 

趙明哲「あの女・・こんなところにいたのか・・・」

悪魔が呟いた・・・

 

 

陸婷「その後、彼は、人が変わってしまったかのようでした。翌朝早く、家を出ていったので、きっと奥さんのところに行ったのだろう、と思いました。」

 

沈翊「・・・・・・・」

 

陸婷「私、自分のしたことを本当に後悔しました。もし、奥さんを見つけ出したりしなければ、こんなことにはなってなかったはずです」

 

事情聴取が終わり、廊下に出てきた時、同じように、聴取室から出てきた陳秋雯とばったり行き会うことに。

 

手錠をはめ、前を向き、歩く陳秋雯にむかって、「ごめんなさい」と声を掛ける陸婷。

 

ごめんなさい???

 

なにも反応せず、無表情で通り過ぎる陳秋雯。

 

その後ろ姿に視線を送る沈翊。

 

~北江分局 正面玄関前の通り~

外まで、陸婷を送ってきた沈翊。

 

沈翊「妊娠されているのに、タクシーを呼ばなくてもいいんですか?」

陸婷「平気です。ホテルはすぐこの近くですし、歩いて帰りたいんです。」

 

その時、後方で歩道に自転車を止めようとしていた人が誤って、倒してしまい、大きな音を立てる。

 

反射的に振り向き、小さく悲鳴をあげる陸婷。

しかも、すぐに、なんでもないふりをする。

この反応、おそらく、この人もDV被害者なのね・・・ショボーン

 

あの悪魔は、周雲意(陳秋雯)だから暴力を振るっていたわけじゃない。
誰かを攻撃し、優位性を保たなければいられない。

そんな趙明哲が、長期間、誰にも暴力をふるわないなんて考えにくいし、そういうターゲットを選びだしたってことでしょう。

 

 

陸婷「沈さん、もう戻ってください。ありがとうございました」

沈翊「帰り道、気を付けて」

 

そのまま、一人で帰っていく陸婷の後ろ姿を見ている沈翊。

今回の沈翊は、アンテナにひっかかった疑問に対して、その都度、とても、わかりやすく表現してますね。

 

~北江分局 刑警隊~

クリアボードに、事件状況を書き込んでいくフォンとハン。

 

ハン「・・・写真に写った瞳の反射を通じて、都市を特定し、追跡?・・なんて、恐ろしい!!

刑事というより、一般人の我々の感想とあまり変わらないよね、ハンちゃん。(笑)

 

フォン「城隊・・荷物が来てたんで、部屋に置いておきました」

杜城「わかった」

杜城「この追加の報告書は誰のものだ?」

 

ハン「ああ、それ、趙明哲の恋人のものです。昨晩、ここにきたんです」

 

目を通し始める杜城。

 

フォン「彼の身分証を基に、携帯電話の番号を入手し、この一週間の全行程を調べました」

説明し始めるフォン。

こういう事件の把握とまとめ、フォンはきっちり頭に入れてるよね。

 

一昨日

午後3:42 バスで北江市街に到着。

午後5:35 現場となった陳秋雯(チェン・チウウェン)のマンションから700メートルほど離れた台東三路のホテルにチェックイン。

昨日

午後1:23 ホテルから2駅離れた市場に到着。そこで、帽子を含め、配達員の制服を購入。支払いは、微信ペイ。

午後1:54 ホテルに戻ったのを監視カメラの映像で確認

午後4:37 配達員の服装をした趙明哲は、陳秋雯のマンションに到着。

午後4:55 警察に通報

 

写真付きで、日時と併記しながら、整理してるので、一目瞭然。

 

フォン「趙明哲の動機は明確ですし、一連の行動も事前に計画に則っているものだとわかります。時系列と、陳秋雯の供述、そして、陸婷の証言、完全に一致します」

 

貼りだされた趙明哲の動きと写真をじっと見ている沈翊。

 

フォン「趙明哲の殺人計画は未遂に終わり、結局、DV被害者から返り討ちにあったというのが、私の所見です」

 

おそらく、そういうことだろうな、と頷くハンと、

ボードを見つめ、小さく頷く杜城。

 

でも、そこで、よし、とならず、ずっと黙ったままでいる(けど、脳細胞フル活動中っぽい)隣の沈翊に聞いちゃうの(笑)

 

杜城「お前、どう思う?」

うきょきょ💘、こういうのも、私個人としては、すごく刺さる。

もう完全に、沈翊の「凡人には見えない、そこに存在するもの」を見抜く神のような目を信頼しきっている。


前のめりになった姿勢のまま、「頭が小さいんだ・・・」と呟く沈翊。

 

フォン「なんだって?」

フォンが聞き返す。

 

沈翊「現場で彼の遺体を見た時、なんかバランスが悪いなって感じてたんだ。 こうしてみると、平均的な男性より、頭が小さいことがよくわかる」

 

フォン「それがどうかしたのか?」

突然、そんなこと言われたって・・・って感じです。

 

沈翊「ほら。このタイプの宅配員の帽子っていうのは大抵ワンサイズで、サイズ調整も出来ない。」

そうなの?

作業員ってそれこそ、いろんな体格の人がいるのに、ワンサイズ? アジャスターもなしなの?🤔

 

沈翊「頭の小さい被害者が、こんな大きな帽子をかぶったら、当然・・・

 

沈翊の言葉のあとに続ける杜城。

 

杜城「・・ぴったり合うはずがない。彼女もアイスコープを覗いた時、趙明哲の顔全体が帽子で覆われていたので、彼だと認識できなかった、と供述している。」

沈翊の一を聞き、十を知るようになってきた杜城(笑)

こういうのも、よきよき💘

でも、なってきた・・だけで、なった、というわけじゃないところが、ミソ。

伸びしろに期待。

 

ハン「ますます気味悪い・・・配達員の恰好をするだけじゃなく、帽子を利用して、顔を隠すことまで考えていたなんて・・・。これって、明らかに計画殺人ですよね」

 

ところが、厳しい顔付で、首を横にふる沈翊。

沈翊「いや、違う・・僕が気になってるのはそういうことじゃないんだ。見る限り、現場は滅茶苦茶にものが散乱していて、争った形跡もあるし、陳秋雯自身もそう言ってただろ、彼ら二人は、激しく言い争った、と。だったら、なぜ、簡単に脱げてしまうはずの帽子がこんなにきちんと被害者の頭に留まったままでいられたんだ?こんなの、理屈に合わない。

 

押し黙ってしまう、ハン、フォン、杜城。

正直、まだ、この時点では、三人とも、沈翊がなんだかこだわってるのはわかるけど、言われてみれば、矛盾と言えば矛盾だよな・・っていうくらいの微妙さ加減なんだよね。

いつもみたいな、沈翔の推理に対する「おおおお~~~」っていうカタルシスがないっていうか・・(苦笑)

 

その時、杜城に、ロンユエから、解剖の件で電話が入る。

杜城「城隊、解剖中に問題を発見したわ」

 

~剖検室~

 

顕微鏡をのぞく沈翊。

沈翊「“カラスのいる麦畑”だ」

 

「なんだって?」と、沈翊に声をかける杜城。

沈翊の言葉は、つぶやきですら、ちゃんと拾いますよ(笑)

ロンユエが、会話の成り立ってる沈翊と杜城を交互に見てる(笑)

 

沈翊「つまり、この整った筋繊維の波形が美しいって言ったんだよ。ゴッホが描いた“カラスのいる麦畑”の名画みたいにね」

この麦の筋か・・・

これが、パッとでてくるところが、さすが画家。

 

杜城「・・・・・・」

ロンユエ「・・・・・・」

 

カァー カァー カァー 🌆ん・・・なお二人。(笑)

 

気を取り直して、話をはじめるロンユエ。

 

ロンユエ「残念ながら、法医学者の目には、これは、カラスなんかじゃなくて、心臓の筋繊維が美しく波打ってるようにしか見えないの。電流のせいでね」

 

電流?

沈翊「・・・・!」

 

杜城「つまり・・・死ぬ前に、感電してたってことか?」

これはこれは、穏やかならぬ話になってきました。

 

振り返り、顕微鏡の側を離れると、趙明哲の遺体が乗った剖検台まで近寄ってきた沈翊。

 

ロンユエ「肌の上からは明らかな電流班は認められないけど、心筋繊維の組織には、電流による波形になった配列が見られるの。ほら、見て。心筋間質血管内に、深い染色核が認められるでしょう。それに、左心室に軽度の肥大が確認できる。慢性心不全の兆候ね。被害者は生前、軽度の心臓病を患っていたようだわ。低電圧の電気ショックであっても、心房細動を引き起こしてしまったんでしょう」

低電圧の電気ショック ここではいわゆるスタンガンを想定

 

杜城「つまり、被害者は、刺される前に抵抗する能力を失ってたってことか?」

 

ロンユエ「ええ。それから、彼の刺し傷についても、妙なことがある」

杜城「なんだ?」

ロンユエ「二人の身長差を考えると、彼女が主張したとおり、抵抗の上、こうしてナイフを構えて彼を刺した場合・・・」

 

どん、と、杜城の腹にペンを突きつける仕草をするロンユエ。

完全に、油断してた杜城、「うわっ」と焦りながら、ロンユエの手を掴む。

 

お前、なにすんだよ!(焦)

完全に油断してた人の顔!(笑)

 

かまわず、続ける沈翊。← 翊ちゃんは、そういう人です(笑)

沈翊「刺し傷は、上側に斜めになっていなければならない」

ロンユエ「正解!」

 

そろそろ、手を離してもよさそうですよ、おふたりさん(笑)

 

ロンユエ「でも、傷は全て、水平方向から刺された角度だった」

 

っていうか、この凶器の入射角については、基本中の基本だから、すぐバレる。

 

杜城「・・・・・・」

まだ、本当に自分が刺されたみたいな顔になってる(笑)(笑)

 

正直、頭が小さい、帽子が合わない・・よりは、事件の真相の解明が進んだなって印象を受けましたが、実際、現場で激しく争ったという供述の矛盾に気づいた沈翔の“引っかかり”の裏付けがきちんとなされた形になりましたね。

 

ここで、場面展開の扉カットが入るんだけど、

「一般人が、警察の裏をかこうとしても、100万年早いんだよ」って言ってるみたいな、警察(POLICE)という文字を大写しにしたパトカーのショットが入ります(笑

 

 

~北江分局 刑警隊~

 

飛び込んできたフォン。

フォン「城隊・・陳秋雯のマンションを再訪し、現場を捜索したところ、緑地帯の中から、このスタンガンを発見しました。指紋も出ました」

 

既に、鑑識で調べた証拠のスタンガンを持って、報告にくるフォン。

 

杜城「真相を話してもらう時が来たな」

 

ここまで、わかってきたら、事件解決までは、あと少し。

11話は、ここまでです。

 

12話に続きます。

 

★『猟罪図鑑』Ep.11-4 雑感★ 
 

もうね、杜城が、バディ(沈翊)を好きすぎて、態度に出すぎ!(笑)

(もちろん、恋愛感情という意味合いであれば、彼は無自覚を貫いてますが、自分の恋愛というものについて、あまり深く考えたことがないんじゃないかな)

 

ドラマ前半の、いわゆる水面下時期の、嫌味全開がほぼ裏返しになってた感じもよかったですけど、後半になって、二人の間の空気が優しく柔らかくなってからの杜城を見るのが楽しくてたまらない。

いちいち、触れてると、しつこいって思われるかもしれませんが、ニマニマしちゃうんでしょうがない。

 

事件に関しては、「素人が警察にケンカ売ったらあかん!」につきます。

それも、表向きの部分でしかないですけどね。

陳秋雯(周雲意)と陸婷の二人の事情については、次の12話で明らかに。

 

あと、余談ですが、陸婷のビジュアルが、昔の柴崎コウちゃんっぽいな、とか思いながら、見てました。

前髪の下から、伏目がちに見るところとか。

ま、基本、黒髪ストレートロングの髪型のせいだけですね。(笑)

 

★『猟罪図鑑』Ep.12-1に続く★