この事件も徐々に終盤を迎えていますね。
【おことわり】
こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。
ラストまでの完全ネタバレです。
なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。![]()
『猟罪図鑑 ~見えない肖像画~』
猎罪图鉴(獵罪圖鑑) / Under the Skin
2022年(中国)3/6~ 3/16, 2022
45分×全20話
脚本: Jia Dong Yan、 Wu Yao
演出: Xing Jian Jun
前記事未読の方は、こちらから
#EP12-2
~趙明哲が宿泊したホテル~
スタッフに、趙明哲が宿泊した部屋まで案内してもらう杜城と沈翊。
安宿じゃなくて、結構、ちゃんとしたホテルじゃん。
スタッフ「3日前に、チェックインされたお客様ですよね。その日は、私が担当していました」
杜城「なにか、特に変わった言動とか、変だなと思われたりしたことは?」
スタッフ「たくさんのお客様がいらっしゃるので、はっきりとは覚えていられないんです」
一応、被害者が泊まった部屋だから、空けてあるのかな。1103ってなってるから、まぁまぁの高さはあるよね。
部屋を開けるスタッフ。
そのまま、部屋をつっきり、まっすぐに、窓のほうに向かう杜城と沈翊。
沈翊「ここからなら、陳秋雯のマンションがはっきり見えるな・・・」
スタッフ「あ、思いだしました。チェックインされるとき、その男性に、丰茂(フォンマオ)ビルが見られる日陰の部屋にしてほしい、と繰り返し頼まれました。」
背阴的房間(日陰になる部屋)?
北向きっていう意味もあるから、ただ、“丰(豊)茂(フォンマオ)ビルが見られる部屋”だけだと、違う方角の部屋になる可能性があったのかな?
顔を見合わせる杜城と沈翊。
沈翊「やはり、丰茂ビルから陳秋雯の家を割り出したんだな」
杜城「つまり、趙明哲が陳秋雯を追ってきたことが証明された」
話している杜城を、なにかを驚いたように見ている沈翊。
※これ、きっと窓の外を見ていた杜城の瞳に反射したビルの灯りに気づいたんですね。
その時、杜城のスマホに、ハンちゃんから着信。
杜城「それ、確かか? よし、わかった・・・」
電話を切った杜城、「李晗が、陳秋雯の写真に、合成した痕跡を見つけたそうだ」
黙ったまま、窓の外の位置関係を見ながら、何度も頷く沈翊。
沈翊「陳秋雯の瞳の中に、あの看板の文字が映るなんて、あり得ない」
興奮したように、ネオンサインを見つめている。
ハンの話を詳しく聞くまでもなく、沈翊には、すでに、合成した箇所もあたりが付いています。
ホテルをでて、表にやってきた二人。
杜城「ここが、陳秋雯が写真を撮った場所だ」
後ろを振り向き、同じく写真に写っていた青いイルミネーションのビルも確認する沈翊。
自分のスマホを取り出し、陳秋雯と同じアングルになるように、調整する。
パチリ・・・
自分の目を大きく引き伸ばす沈翊。
こんなにアップにしても、イケメンの瞳は崩れません。さすがです。
沈翊「証拠になるね・・・」
杜城「・・・・・・」
あれ、無言ですか。
まぁ、私が、杜城のように、こんなに至近距離で沈翊を見たならば、
きれいな顔してんなぁ~~😍
・・・って見とれちゃうと思うんですよ(笑)
いいんです。
ここまで来たら、どっちにせよ、「天の神様(沈翊様)の言う通り♬」です(笑)
~聴取室~
写真が置かれた陳秋雯の机の上。
手を握りしめていても、神経質そうに動いてしまう親指。
陳秋雯「これ、なんですか?」
明らかに、ここに写真を置いた意味について訊ねています。
沈翊に向ける、挑むような強気な視線。
彼女は、自分以外に、二人の運命も背負っているから。
沈翊「君は、以前、趙明哲から逃げ出してからも、買い物に行ったり、友達と会ったり、発信するのも怖かったと言っていたよね。でも、君は、こんなにはっきりと映っている自撮りした写真を、SNSに投稿してる。矛盾してないかな?」
陳秋雯「新しい生活に挑戦してみようと思ったんです。いけませんか?」
まるで、この写真のことも聞かれることを想定していたような答えだね。
沈翊「いや、新しい生活をはじめたってかまわないよ。でも、君はこの写真に加工したよね」
杜城「君は趙明哲がこの写真を見たら、間違いなく、君の元にやってくることをわかっていた。つまり、彼を死の罠に引き入れるために、わざと、写真に、住んでる場所がわかる情報を入れたんだ」
陳秋雯「なにか、証拠でもあるんですか?」
とうとう、この言葉を言ってしまったね。
もう、陳秋雯に手持ちのカードはなくなった、と言ってるようなものなのに。
沈翊「・・・あるよ」
席を立ち、陳秋雯のテーブルの上に、先ほどの画像を開いたまま、ノートパソコンを置く。
沈翊「これが証拠だ。君が自撮りした角度からは、 君の瞳に、こんなふうに、丰茂(フェンマオ)の文字は映らない」
陳秋雯「・・・・・・」
続けて、同じように現場で撮影した、自分の自撮りの画像を開き、
瞳の部分を拡大する沈翊。
沈翊「僕も(あの場所で)同じように撮ってみた。君の写真は合成されたものだ」
陳秋雯の顔を覗き込み、パソコンを片付ける沈翊。
沈翊「君は、わざと自分の居場所を、趙明哲に漏らしたんだ」
陳秋雯の表情の変化を見逃さないように、じっと見つめている杜城。
陳秋雯「たとえ、この写真が加工されたものであっても、ネット上にはたくさんの写真があるのに、どうやって、趙明哲がこれを見ると保障できるんですか?」
頑張るねぇ。
最初から、趙明哲を殺したことは認めている。
殺人ではなく、正当防衛を認めさせるのが、陳秋雯の目的だから、ここは踏ん張るしかないんだよね。
沈翊「誰か協力者がいれば、それは確実だ」
沈翊をちらりと見上げる陳秋雯。
どこまで、把握されているのか、気になるよね。
沈翊「陸婷・・・」
陳秋雯「陸婷って誰ですか?」
沈翊「陸婷は、現在の、趙明哲の恋人だ。数日前に見かけただろ」
首を横に振る陳秋雯。
陳秋雯「覚えてません。知りません」
まだ、否認するのか・・・と思いながら、言葉を続ける沈翊。
沈翊「もし、突然見ず知らずの人から、ごめんなさいと言われたら、大抵の人は、驚くか、変に思うだろうね。でも、君はそうじゃなかった・・・。完全に無視して、通り過ぎていったんだ」
ええ、沈翊はちゃんとチェックしてましたよ。。
沈翊「君は、彼女のことをまったく知らないふりをしたんだ」
陸婷とは会ったことすらない他人だ、陸婷と知り合いだと思われてはいけない。
あの時は、その一念だった。
まさか、あれが裏目に出てしまうなんて・・・。
首をふる陳秋雯。
陳秋雯「何を言われたのか、聞こえませんでした」
絶対に認めてはだめだ。
陳秋雯の正念場は果てしなく続いている。
その時、いきなり、バン!と机を叩く杜城。
その音に、びくっと身体を震わせ、身をすくませる陳秋雯。
いくら反応を見るためとは言え、本来、これも、取り調べ中にやってはダメだと思うんだけど、直接、被疑者を恫喝していないから、ギリセーフと見なされるのかな?
沈翊「陸婷も、予期せぬ不快な大きな音を聞いた時、君と同じようなリアクションをとったよ。暴力を振るわれるかもしれない、という恐怖心だ」
動揺をかくそうと、目をつぶる陳秋雯。
沈翊「暴力の源は、(どちらも)趙明哲だ」
なんとか、気力を立て直そうとする陳秋雯。
陳秋雯「もう一度、言いますけど、私は、陸婷さんなんて知りません。趙明哲がどうやって、この写真を手に入れたのかもわかりませんし、そもそも、彼が私の家に殺しに来ようとしなければ、死ぬことだってなかったんです。彼を破滅に導いたのはわたしじゃなくて、彼自身よ!」
小さく頷く沈翊。
沈翊「周雲意・・・我々は、君が考えている以上に、はるかにいろんなことを把握しているんだよ」
ずっと、陳秋雯って呼ぶことが多かったのに、ここでは、あえて本名に言い変えた気がする。
その言葉に緊張する陳秋雯。
沈翊「陸婷は隣の部屋にいる」
背中合わせのように、隣同士の聴取室にいる陳秋雯と陸婷。
~陸婷のいる聴取室~
フォン「陸婷さん、我々は、理由もなく、あなたをここに呼んだりしない。自分の口で、すべて話したほうがいい。それがあなたのためだ」
陸婷の取り調べが開始されました。
ハン「一昨日、趙明哲が北江にやってきた時、あなたが、彼のあとを追い、鉄道でここに来たこともわかっているんですよ」
厳しい口調と表情のハン。
フォン「趙明哲の解剖報告書によれば、心臓を刺激するスタンガンのショックを受けたせいで、意識を失っていた。そして、彼の遺体の切り口も陳秋雯の供述とは合致していない。つまり、正当防衛ではなく、故意の殺人ということになる」
ハン「現在、我々は、犯行現場に、誰か第三者がいたのでは、と疑っています。その人は、共犯者かもしれないし、首謀者かもしれない。」
震える手を隠そうと握りしめる陸婷。
陳秋雯も陸婷も、同じように手を握りしめ、この辛い時間を耐えようとしている。
陸婷「もし、意図的な殺人だった場合、彼女は、何年くらいの刑を宣告されるんでしょうか?」
フォン「それは、裁判所が決めることだ。この国の法律では、故意による殺人罪は
状況の深刻さに応じて、懲役刑、終身刑、死刑になる可能性があると定めている。」
・・・限界でした。
陸婷「・・・・お話しします」
その言葉に、姿勢を正すフォンとハン。
~陸婷の供述~
陸婷「趙明哲と一緒になってからというもの・・・彼は、私を殴り続けました。抵抗もできず、歯向かう勇気もありませんでした。私の目に、少しでも反抗心のようなものが浮かぶと、いつだって、彼は一層、私のことを殴るんです」
「もう二度としません」と悲鳴を上げる陸婷に対して、殴る蹴る、果ては自分が締めていたベルトを外し、鞭のようにして叩く・・・など、暴力はエンドレス&エスカレート。
陸婷「長い時間、そんなふうに過ごしてきたせいか、私は感覚が麻痺してきていたんです。でも、この子を授かりました」
妊娠発覚。
陸婷「陳秋雯さんだけが、唯一、彼から私を救い出してくれる人だと思いました」
家の中で、鍵をかけ、一人になれる場所であるバスルーム。
趙明哲に気づかれるかも・・・と怯えながら、スマホで検索しはじめる陸婷。
陸婷「考えつく、ありとあらゆる方法で、彼女を必死になって探しました。ある日、陳秋雯さんが趙明哲と一緒に撮った時に着ていた写真のコートをフリマアプリのサイトで見つけ出すことが出来ました。それを通じて、やっと彼女のアカウントにたどり着けたんです」
DMを送った陸婷。
<周雲意さん? 周雲意ですよね?>
<あなたの助けが必要なんです>
殴られ、目や顔が腫れた顔を写真に撮り、添付する。
祈るように、待っていると、しばらくして、<誰?>とだけ返信が来る。
やっとつながれた・・・と、泣き始めた陸婷。
陸婷「それから、私達は、連絡を取り合い、計画について話し合いました」
趙明哲が帰宅するのを見計らい、陳秋雯(周雲意)の映った画像を開いた状態で、スマホをリビングのソファに投げ出しておいた陸婷。
その位置ですら、できるだけ、ただ置き忘れだと思われるように、自然に・・・計算して調整する。
当然の如く、写真に気づいた趙明哲から「どうやって、彼女を見つけた?」と詰問される。
陸婷「ねぇ、聞いて。そんなつもりじゃなかったの」
自分の前に跪き、震える手を必死で抑えようとしている陸婷の姿が、更に、趙明哲の加虐心に火をつける。
趙明哲「俺が怖いのか?」
首を振る陸婷。
陸婷「そ、そんなことない。もう、彼女を探したりしません・・だから、怒らないで・・もうこんなことしないから・・・」
陸婷がこんな怯えた態度をとるのは日常的なことだから、一切、疑わない趙明哲。
なにがきっかけとなって、怒りだすかわからない趙明哲の差し出す手に、自ら、顔を近づけていく陸婷。
震える陸婷の額にキスをし、額と額を合わせたまま、
「なぜ、そんなに怖がるんだ?」と再度、訊ねてくる趙明哲。
趙明哲「今回は役に立ったな・・・俺を裏切った女を見つけるのを手伝った」
エサに食いつき、罠にハマった趙明哲を上目で見る陸婷。
そして・・・事件当日。
ノックの音が聞こえ、ドアスコープを覗く陳秋雯。
来た!!
準備万端、待ち構えていたんだよね。
ドアを開けると、「久しぶりだな」と言い、陳秋雯の首を閉めながら、押し入る趙明哲。
壁に押し付けられる陳秋雯。
趙明哲「前に言ったはずだ。もし、また、逃げ出したら、お前を殺してやる、と」
首を絞められながら、ポケットに忍ばせていたスタンガンを取り出し、
趙明哲の首に押し当てる陳秋雯。
床に倒れ込む趙明哲。
部屋の奥から、姿を現した陸婷。
すでに、部屋の中にいたんだ。
しかも、その手には、包丁?
てっきり、日本の果物ナイフをイメージしてたけど、そうか、ペティナイフか!
(しかも、タイのドラマだと、モザイクかかるから、一瞬、あれ、映していいんだっけ?ってなる
)
恐る恐る床に転がっている趙明哲の前に進み出た陸婷。
顔を見合わせる陸婷と陳秋雯。
その時、意識を取り戻し始めた趙明哲の身体を少しだけ動き、目が開く。
陸婷のワンピースの裾を掴む趙明哲。
恐怖で後ずさりし、腰をぬかした陸婷の手から、ナイフが落ちる。
陸婷に向かって起き上がろうとする趙明哲を、咄嗟に後ろから全身で押さえつけた陳秋雯。
暴れまくる趙明哲にむかって、慌てて、ナイフを拾い上げた陸婷が、腹部に突き立てる。
文字通り、死に物狂いの趙明哲が、陸婷の首をさらに締めあげようとした時、ナイフを引き抜いた陸婷がもう一度、刺しなおす。
そう、この構図は、まさに、あの絵の彷彿とさせる。
この犯罪を言い出したのも、実行したのも、実際には陸婷。
ようやく、動きが停まった趙明哲。
慌てて、ナイフを手から放り投げる陸婷。
陸婷「死んだのかな?」
陳秋雯「・・・たぶん」
陸婷「本当に?」
陳秋雯「・・・私達が殺したのよ」
やっと、息をつく陸婷。
陸婷「これで、もう私達、自由よね」
陳秋雯「あなたは、もうここから出ないと・・・」
ウェットティッシュを渡し、「とにかく、まず手の血を拭いて・・さぁ・・来た道を戻るのよ、監視カメラがないから・・・」と、呆然としている陸婷を叱咤する。
それも、ちゃんと考えてあったのね。
陳秋雯「いいから、ここを出るのよ!」
玄関まで押しやる陳秋雯。
陸婷「私・・・自首しようと思います」
振り返る陸婷。
陳秋雯「もう、そのことは前にさんざん話し合ったわよね。いいから、すぐここを出なさい」
陳秋雯から、半ば強引に追い出されるように、
部屋の外に出された陸婷。
あれ、2回・・・陸婷は、2回しか刺してなかったよね。。。
ここで切ります。
★『猟罪図鑑』Ep.12-2 雑感★
本来なら、犯さなくてもいい犯行シーンは、見ていて、救いがなさすぎて、辛い。
趙明哲を殺さずに、二人が安泰に生きられる道があったのか、とずっと考えています。
どれだけ、更生プログラムを受けさせられようと、彼自身によるアンガーコントロールに期待できない以上、あとは、暴力癖と病的な因果関係が証明できるのか?っていう問題も出てくる。
たとえ、収監されても、数年で社会に出てきてしまう。
この国ならどうだろう?
夫に従わない妻は殴られても仕方がない、という風潮が根底にある中で、どこに逃げても、周囲の人間を巻き込もうとする趙明哲を恐れながら、職場や家族に頭を下げ続け、常に緊張状態を強いながら、何年も生活できるものなのかな?
何の罪もない二人が、多額の借金を背負い、身分を変え、外国で暮らさなければならない?
それでも、命があるだけまし?
家庭内のことだから、とか、家族で解決すべき、とか、そんな言葉で、第三者の救いも介入をも阻む、社会的ブラックボックスが怖すぎる。

























































