気付けば、終盤。
私の妄想も止まりません。
なお、こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、今回は特に、1800年代中期のタイが舞台ということで、国史、文化・風習など、まったく知らないことだらけ(笑)
その辺は、かなりアバウトになってると思います。
なにどういうこと? へぇ、昔ってそうだったの? など、それら無責任な視点も含め、ラストまでの完全ネタバレです。
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。
『Man Suang』
แมนสรวง
2023年(Thai) Aug 24, 2023
2時間4分
視聴可能対象:13歳以上
制作: Be On Cloud
今回も(勝手に)分割です。
前記事をご覧になってない方は、こちらから・・・
『ManSuang』#7
ようやく、Suthinが、Tubtimに託した文書を手に入れることができたKhem・・・の続きです。
~KhemとWanの部屋~
Chatraに、書類を見せるKhem。
Khem「これを読むのを手伝ってくれ。これは、武器の取引に関する文書だよな?」
両手に、複数の文書を広げ持つChatra。
Khem「一つは、Bodisorn卿のサインで、もう一つは、Wichiendej卿のものだ。だが、どちらのコピーにも、Suthinborirak様のサインもある」
Chatra「そうだな・・・」
こころなしか、力が入っているのか、書類を持つ手が震えているようなChatra。
Khem「・・・つまり、Suthinborirakは、二つの顔を持つ裏切り者ってことだ。彼は、両陣営に武器を売ったんだ」
Chatra「・・・・・・」
書類から目を離さず、読み続けているChatra。
書類をChatraの手からひったくるKhem。
Khem「俺、Bodisorn卿にこれを渡してこなきゃ!!」
Chatra「・・・・・・」
動揺が顔に出てます。
出掛ける支度をするKhem。
Chatra「それを渡してもらおうか」
その声に振り返るKhem。
背後には、銃を構えたChatra。
Khem「渡すわけにはいかない」
落ち着いた声で答えるKhem。
さすが、信頼していたChatraから、銃を向けられても、騒ぎ立てたりせずに、冷静です。
銃を降ろすChatra。
Chatra「説明させてくれ」
びび:してください!! 是非是非!!
Khem「必要ない!」
びび:え? まずは理由を聞こうよ。
Khem「それに、これは渡せない。」
Chatra「頼むよ。まだ、これをBodisorn卿には渡さないでくれ。俺の父親を殺した奴を見つけるのに、時間が必要なんだ」
Khem「・・・・・・・」
父親?
手元の書類に目を落とし・・・、Chatraが言う父親とは、と考えるKhem。
さて、ここで、少し遡り、地方にあるSuthinborirakの屋敷です。
もう、これで、判明しましたね。
父親のSuthinborirakから、
現王の時代がもうすぐ終わり、世の中が変わるという話を聞かされていたChatra。
今までの話を総合するに、Chatraの家は、(タイの貴族ではなく)祖父の代には中国からタイに渡ってきていた、いわゆる、華僑の名家で、西洋人を相手に商売をする豪商でもあり、父親は、政府の関係の仕事にもついていた、ということのようですね。
西洋で暮らしていた、というのは、父親の仕事について回っていたからでしょう。
Suthin「象たちが争う時、草は必然的に踏みつぶされてしまう。我々にとって、避けられないことなのだ。」
Chatra「王宮に仕えるのは危険です。人は権力のためならなんでもします。ここに戻り、私たちと平和に暮らしましょう」
パパの顔、冴えないね。
Suthin「もし、私が争い続ければ、勝つかもしれない。だが、今、諦めれば、全てを失くしてしまうだろう。」
Chatra「お願いです、父上。どうか、首都には戻らないでください」
Suthin「戻らねばならんのだ。さもなければ、家族全員を危険に晒してしまうだろう。」
はじめは騙されたのか、巻き込まれたのか、わかりませんが、もう既に、引き返せないところまで来てしまっているのでしょうね。
手遅れ感がひしひし。。
そして、布にくるんだ拳銃をChatraに渡すパパ。
Suthin「特に、お前をな・・・」
Chatraは長男なのね。
そして、パパには、他に選択肢はなかったのかな。
Khem「それじゃ、あんた、Suthin様の息子なのか?」
Khemが気づかなくても無理はありません。
なにしろ、生きてるSuthinborirak氏に会ったこともなければ、太鼓奏者のChatraと、政府の事務官を結び付ける線など、普通は思いつきもしませんから。
Chatra「そうだ。この書類には、西洋側の窓口として、父の名前が記載されている。つまり、それは、父が、王室の宝物庫管理の印章なしに、両陣営に対し、違法に武器を売ったということを意味している。君にわかるか? 父は、私が思っていたような、単なる通訳者などではなかったんだぞ。この文書は、私の父が、西洋人との取引を斡旋し、反逆に参加した汚職官僚だと示しているんだ!」
こうしてみると、父親の所業について何も知らなかった息子として、情けない思いをしたのは、“ManSuang”の地下室で、武器を発見した時の、Hong坊ちゃまに通じるものがあったのかも。
Khem「・・・・・・・」
Chatraの放つ言葉に、彼がどれだけ傷ついているのかわかって、無言のKhem。
Chatra「大逆罪の罰については、よく知ってるよな? 俺だけならなんとかなる。だが、私の家族は、これを乗り越えることはできないだろう。父の不正行為のせいで、家族が苦しむくらいなら、自分が死んだ方がましだ」
必死に、自分の想いを訴えるChatra。
Khem「・・・・・二日やる」
それが、精一杯の譲歩だ、と言ってます。
自分(とWan)の命だって、かかっているんです。
でも、ここまで家族を思うChatraのことも見捨てられないし、いまとなっては、なにより大切な、信頼できる人だがら・・・。
Chatra「ありがとう」
要するに、Chatraは、先に、ManSuangに入り込んでいたけれど、ほとんど、父Suthinについて、調べられずに、今、あの文書を目にして、はじめてわかったってこと?
Khem「・・・・・・」
黙って立ち去る時のKhemの、裏には何倍もの葛藤を抱えてる感じ、アポ・・ほんと上手いよね。
~Chatraの部屋~
部屋で、一人、父の言葉を思い出しているChatra。
Suthin「お前が、宮仕えしたくないというのはいいことだ。だが、私の言葉を覚えておくがいい。流れに逆らって必死になってもいいことはない。破滅にむかっていくだけだ。私はある事柄について彼らと意見が合わないかもしれないが、彼らに逆らうのは賢明ではない。」
この時のChatraには、抽象的すぎて、わからなかったかもしれませんが、武器売買の件で、反乱を企てている貴族たちやChen師、ひいては、“Tua Hia”などとの間のことを示唆していたのでしょう。
相手は、自分などよりも、金も権力もある、王室ともつながりの深いタイの貴族たちです。
バックには、華僑の元締めのようなChen師が控えている。
異国で暮らす中国人にとって、華僑のコミュニティに、異を唱えるのは、事実上、不可能に近い。
そんな状況の中で、Suthinに何ができたのか?っていう話ですよね。
それでも、父が不正に加担していたことは、まっすぐで清廉なChatraにとっては、耐えがたいことで・・・。
考え込んでしまうChatra。
白猫を抱っこしながら、通りかかったKhem。
※ 通りがかったというよりは、Chatraの様子が気になってきてしまった、というのが本当のところでしょう。
苦悩するChatraの姿を垣間見てしまう。
Khemがそうっと猫ちゃんを放すと、
Chatraのほうにむかっていく。
今は、その小さな温かさがなによりも癒し。。。
抱きあげるChatra。
※ ここで、何者かがロウソクに火を灯したり、
爆竹が山のように積まれている、
まったく関係ない風景が入り込み、いや~な予兆を感じさせるのです。
白猫の頭にキスするChatra。
ここでは、まるで、Khemの化身のような猫ちゃん。。
会話はなくとも、こういうところ、重要でしょ。
なんで、これ、BLじゃないの?
っていうか、みんな、BLだと期待して見てるよね。
少し離れたところで、見守っているKhemを見つめるChatra。
そして、このKhemの視線。
ちょっと拡大してみましょうか。
このKhemの視線、もはや、これは、十分、恋愛ドラマの域でしょう。
心の中では、抱きしめ合ってるよ。
お互いの胸に顔を埋めて、泣いてるよ。
※でもね、興ざめするようなことをあえて、書きますと、映像をご覧になったらわかりますが、見つめてる時間なんてホントに2~3秒なので、こんな風に切り取らなければ、なかったも同然(笑)
その直後、なにかが爆発したような音が聞こえる。
そちらに、耳をむける二人。
~雑技団 倉庫~
爆風で、くろい煤だらけになっている中で、一人泣いている女の子。
いち早く駆け付けてきたWanが、その女の子をじっと見つめている。
~回想~
草原で、女の子と隣同士、楽しそうに座っているWan。
※あとで出てきますが、Wanの妹です。
泣き叫ぶ女性を抱え込んでいるWanの姿が入り込む。
これは、どう見ても、Wanと一緒にいた女の子になにかあったのね。
Khem「Wan! Wan!!」
なんども、Wanの名を呼ぶKhem。
Khem「Wan! 大丈夫か?」
然としているWanの顔をつかんで、声をかけると、ようやく、焦点があうWan。
負傷者を救護所に連れていけ、というTiangの怒号が響き渡る。
泣いていた女の子が気になるのか、近よっていくWan。
女性が抱えて、救護所に連れて行ってしまう。
周囲の惨状を見回すKhem。
怒りをこめて、立ち尽くしているTiang。
~ManSuang 執務室~
Chen師やHongが使ってきた部屋を、今は、Tiangが使ってるってことですね。
位牌が安置されていたり、武器庫に通じる秘密の箪笥もある部屋です。
Tiang「あの爆竹騒動は、私に対する侮辱です。まるで、私に、“ManSuang”の主人になる資格がないと言っているかのようだ!」
ふふ、自覚あるんだ。
訴えている相手は、Wichiendej卿。
Wichien「Tiang、心配することはない。お前には、お前を支える、強力な後ろ盾となる権力が必要なだけだ。うちの者たちが、お前を支えるためにここにいることを知れば、あのバカどもは、お前に反対する勇気すらなくなるだろう。」
Tiang「今こそ、あの武器を使うべきときです」
Wichien「落ち着くのだ、Tiang。全体像からかんがえてみるのだ。無謀なことは許されない。」
Tiang「Wichien様、私は、あなたの御命令に従い、汚れ仕事をして、自分の命の危険を冒しているのですよ。その危険をあなたも共有すべき時です」
Tiangってば、ちょっと脅かされたくらいで、動揺しまくって、肝が小さい。男らしくない。賢くない。
どうです? もっと羅列しましょうか?(笑)
Tiangに向きあうWichiendej卿。
Wichien「私は、お前に、なにかをしろと言ったことなどない。全ては、お前が自分でしたことだ」
ほらきた!!
Wanの時と同じよ。
この人は、一貫して、示唆はしても、具体的に命じたことなどないはず。
驚愕し、怒り心頭で、テーブルを叩くTiang。
Tiang「よくもまぁ、そのようなことが言えますね? あなたが、私に助けてほしいと言ったんですよ。Wichien様、もし、あなたを信頼できないとなれば、もうこれ以上、待てないかもしれません」
Wichien「・・・・・」
黙って、盃を掲げられ、受け取るTiang。
Wichien「現在の状況は悲惨であり、依然として予測不能だ。将来、誰が権力を握ることになるのか、誰にもわからない」
そういって、酒を注ぐWichien。
Wichien「武器は、ここに保管されている。たった一度の誤った行動のせいで、一夜にして、我々を反逆者に変えてしまうかもしれない。Tiangよ。私を信じるのだ。私が、“ManSuang”と“Tua Hia”を、間違いなくもっと上の場所に連れて行ってやる」
喋ってる間、ずっと、ウィスキーをそそぎ続けるWichiendej卿。
テーブル、酒びたし。。
Wichien「私を脅そうなどと考えるな。もっと、注意深くすべきだぞ。もし、誰かがChen師やHongの死に疑いを持ったら・・・お前はどうなるだろうな?」
蛇に睨まれたカエル状態のTiang。
爆竹騒ぎの首謀が誰なのか、気づいた?
とうとう、高級酒一本まるごと、空けられてしまいました。
でもね、そもそも、Wichiendej卿自体、シャム国一強の大物ってわけではなく、← 失礼!(笑)
次の治世を見据えて、狡猾に動き回ってる貴族たちの一人だと思うのよ。
Bodisorn卿だって、そのうちの一人でしょ。
とは言え、少なくとも、Tiangじゃ相手になりません。
Wichien「飲みなさい」
Wichiendej卿が帰ったあとで、一人考えにふけるTiang。
ここで、切りましょうか。
★『Man Suang』#7 視聴後雑感★
ここは、もう、Khemの、Chatraに対する葛藤以外の何物でもないですよね。
もちろん、撃つ気などなかったとしても、Khemの背に、銃口を向けることが出来たChatraと、文書をBodisorn卿の元に持っていくことができなかったKhem。
比較してみると、心の天秤は水平でないのが見えてしまいますね。
こうなって、より深く気づく、相手の存在の重み。
“ああ、Chatra、なぜ、あなたは、Chatraなの?” ← いきなりどうした?(笑)
自分の感情よりも、家や家族を背負い、悩むChatra。
言葉にはしないけれど、本当は、自分のために、何もかも捨てる姿を望んでしまったKhem。← 別に、Khemはそんなことは言ってません!(笑)
やはり、このドラマ、ロミジュリの要素ありだったか。。(苦笑)
※シェイクスピア作の『ロミオとジュリエット』は、彼の属していた宮内大臣一座の人気の演目として、観客達に受け入れられた。(中略)現代においては映画などの分野でも、題材として取り上げられている。
こうしてみると、ロミオよりも、ジュリエットのほうが感情移入が可能ね。
← あくまでも、個人的な視点を膨らませた、楽しい妄想で〜す。
身分と立場という視点で言えば、もう一つ。
利益で結びついてる同士、そこに、もともとの身分差があれば、決して、対等というわけにはいかず。
なので、身分の低いほうは、よほど、身分の高いものが一発退場するくらいの、決定的な弱みを握っていなければならないのに、詰めが甘いTiang。
★『ManSuang』#8に続く★