(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ -43ページ目

デリゲーション

今回から、日本の企業がグローバル化を実践してゆくための6つのステップの4番目、「年齢や地位に関係なく意思決定に参加できるようデリゲーションの考えを徹底する」ということについて述べていきます。

デリゲーションというのが本来意味するところは、「新しい責任を任せる」という意味合いです。

ほとんどの場合、この新しい責任というのは上司が通常持っている仕事を部下の誰かに権限を委譲することが多いはずです。例えば営業をおこなっている部下に対して1ヶ月のうち4日間だけ営業トレーナーとしての責任を委譲するような場合です。つまり本人にとっては「新しい仕事」でもあり、経験もありません。ましてや「トレーナー」になるための研修も受けたことがないわけです。なぜ、上司がデリゲーションを積極的に進めなければならないかというと、大きな理由が2つあります。


1.デリゲーションを進めることによって、上司は自分自身の仕事の範囲をより拡大することができるチャンスが生まれます。つまり自分自身のキャリアアップの可能性を求めることができます。

2.会社の将来の幹部候補生を育成することは会社全体の戦略的課題ですから、ポテンシャルのある有能な人材を早く育成することはラインマネジャーの責任でもあるのです。


ただ、現実はというと、デリゲーションどころか、自分自身がやっとつかんだポジションにしがみつき、必死で他人に取られるのを防ごうとしたり、従来の職人のような考えで、「俺の背中を見て学べ」と、コーチングをあえてしないような人が多く見かけられます。個人の気持ちとしては良くわかりますが、会社の発展と組織力の向上には全く寄与しませんし、自分自身の成長の機会も失っているのです。

野放しにしておいてもすくすく成長してくれる人材は会社の中でもごく僅かです。そういった人たちは放っておいても、方向性さえ示しておけば大丈夫です。しかし、多くの社員にはデリゲーションを正しくおこない、上司としてきちんとした説明とモニタリングが必要なのです。責任だけ与えて上司からのサポートがないようなデリゲーションもよく見受けられますが、こういう場合、よくできる人材ほど会社を辞めてゆくことにつながります。

次回は正しいデリゲーションをおこなうためのプロセスをご紹介します。

プレゼンテーション・スキル(その3)

今週はプレゼンテーションの現場でのスキルについてご紹介したいと思います。前回にも書きましたが、プレゼンテーションはまず内容が論理的で、聞いている人が、頭の中でシナリオを描けるくらいシンプルで明快でなければいけません。この大前提が十分にできているとすると、今度はいよいよ現場でのスキルが重要になってきます。

現場でのスキルの第一歩は「事前準備」です。誰(ターゲット)に対して、どのような内容で、どのようなスタイルの人にプレゼンテーションをおこなうのか、数人の方々に対応するのか、それとも不特定多数の大人数に対しておこなうのか、ということも重要な要素となります。

私はこれまで、P&Gを初めとする外資系企業で多くのプレゼンテーションの場に出てきましたけれど、上手な方々のプレゼンテーションを観察していると何らかの共通点があることに気付きます。いわゆるBehavior(立ち居振舞)が異なります。

1.非常に堂々としている。
これは事前準備の成果でしょう。Q&Aをしっかり準備し、あらかじめ予想される質問などに対して十分な用意がされているため、体中から自信があふれ出ているのです。

2.資料がシンプルでわかりやすい。
最近はほとんどPower Pointが使われますが、文字を少なくしてできるだけ「絵」や「わかりやすいグラフ」で聴衆の関心を惹くように工夫されています。また「目で見て記憶してもらう」という効果もあります。文字と説明だけではどうしても記憶に限界があります。

3.話に「ストーリー性」がある。
単に論理的に事実や推論を述べるのではなく、その中に「私」とのかかわりを入れたりしながら、プレゼンテーション全体を物語のように構成してしまうのです。私たちは昔聞いた「お伽噺」を今でも良く覚えています。それは「物語り」というストーリーだから覚えているのではないでしょうか?

4.アイコンタクトがある。
プレゼンテーションにとって実は聴衆の人数というのはあまり関係が無いのです。相手が1人でも大勢でも、要は常に誰かとアイコンタクトを取り、語りかけているのです。

5.パッションを感じること。
1~4で説明した事がしっかりできれば自然とパッション(熱意とか強い想い)を感じることにつながります。どんなに身振り手振りで派手な動きをしたとしても、論理性だけでは私たちの「気持ち」は動かないのです。

こういった現場のスキルは世界共通ですから是非参考にしてください。

日本能率協会「リーダーシップコース」講師就任

日本能率協会海外研修プログラム「活性と飛躍の船」2009にて講師を務めることになりました。6月に開催される第1船の「リーダーシップ強化コース」を担当します。

(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ-JMA海外研修プログラム


この研修は、団長に日本を代表する経営者や学識経験者を迎えて行われます。一流の経営経験者との対話を通じ、自己の新しい軸を形成していただきます。

安定感は人間の基本的感情のニーズの一つです。この安定感が無意識のうちに現状維持を求めます。

洋上という特種な環境は、人に不安定感を感じさせます。この感情が安定感を取り戻そうとする積極性を生み出し、普段より感覚が研ぎ澄まされ多くの気づきを得ようとします。その結果、通常の研修より大きな成果を得ることが期待できます。

貴社のご参加をお待ちしています。

JMA海外研修プログラム
研修日程
リーダーシップ強化コース(講師:斧出吉隆)