デリゲーション | (株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ

デリゲーション

今回から、日本の企業がグローバル化を実践してゆくための6つのステップの4番目、「年齢や地位に関係なく意思決定に参加できるようデリゲーションの考えを徹底する」ということについて述べていきます。

デリゲーションというのが本来意味するところは、「新しい責任を任せる」という意味合いです。

ほとんどの場合、この新しい責任というのは上司が通常持っている仕事を部下の誰かに権限を委譲することが多いはずです。例えば営業をおこなっている部下に対して1ヶ月のうち4日間だけ営業トレーナーとしての責任を委譲するような場合です。つまり本人にとっては「新しい仕事」でもあり、経験もありません。ましてや「トレーナー」になるための研修も受けたことがないわけです。なぜ、上司がデリゲーションを積極的に進めなければならないかというと、大きな理由が2つあります。


1.デリゲーションを進めることによって、上司は自分自身の仕事の範囲をより拡大することができるチャンスが生まれます。つまり自分自身のキャリアアップの可能性を求めることができます。

2.会社の将来の幹部候補生を育成することは会社全体の戦略的課題ですから、ポテンシャルのある有能な人材を早く育成することはラインマネジャーの責任でもあるのです。


ただ、現実はというと、デリゲーションどころか、自分自身がやっとつかんだポジションにしがみつき、必死で他人に取られるのを防ごうとしたり、従来の職人のような考えで、「俺の背中を見て学べ」と、コーチングをあえてしないような人が多く見かけられます。個人の気持ちとしては良くわかりますが、会社の発展と組織力の向上には全く寄与しませんし、自分自身の成長の機会も失っているのです。

野放しにしておいてもすくすく成長してくれる人材は会社の中でもごく僅かです。そういった人たちは放っておいても、方向性さえ示しておけば大丈夫です。しかし、多くの社員にはデリゲーションを正しくおこない、上司としてきちんとした説明とモニタリングが必要なのです。責任だけ与えて上司からのサポートがないようなデリゲーションもよく見受けられますが、こういう場合、よくできる人材ほど会社を辞めてゆくことにつながります。

次回は正しいデリゲーションをおこなうためのプロセスをご紹介します。