(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ -29ページ目

沈黙は相手に破ってもらう

さて、今週はコミュニケーションの原則に戻って、「沈黙は相手に破ってもらう」ということについて説明してゆきます。

沈黙と言っても、全ての沈黙に対して相手が破ってもらうのを待つのか?というと決してそんなことを意味しているわけではありません。

ここで言う「沈黙」とは、ある目的を持って話し合っているときに起こる「沈黙」のことを意味しています。ある目的とは「商談」であったり、「男女の話し合い」であったり場面は様々です。

通常、どういった場面で「沈黙」がおこるかというと、会話のキャッチボールをしていて、どちらか一方の方が、会話のボールを受け取った後に起こります。

このとき、会話のボールを受け取った方はどういう状態かというと、いわゆる「考え中、考え中」の状態にあります。

なぜならば、自分に投げられた会話のボールを返さなければならないというプレッシャーがあるにも係わらず、無言であるのは、何かを結論付けようとして「考えている」からなのです。

もう一つ重要なことは、「沈黙」というのは基本的には合意の兆候だということです。

相手の方がこちらの投げたボールを持っていて、沈黙しているわけですから、じ~っと我慢して待っていれば大体は、こちらにとって都合の良い返事が返ってくるはずなのです。

しかしながら、沈黙に耐えられないで、相手の手にボールがあるにも係わらず、こちらから沈黙を破るというのは、相手を助けることになります。こういう時にはついつい、相手が応えやすいように、こちら側が「譲歩する」ような提案をしてしまうものなのです。

つまり、沈黙を我慢して相手に沈黙を破ってもらえば「こちら側の投げたボールに対して答えが返ってくる」はずのところが、こちら側から「沈黙」を破ると「相手が応えやすいように、譲歩した内容を提案してしまう」結果になりがちです。

自分が投げた会話のボールを受け取った相手が「沈黙」した時には、じ~っと我慢して、相手の方が口を開くまで待つことです。

ちょっと良い話を!

本来ならば今回はコミュニケーションの原則について話を続ける予定でしたが、週末に北海道にとび、新鮮なビジネスモデルに出会えたのでご紹介したいと思います。

あるメーカーさんが音頭をとって、看護師長のための研修をおこなう企画を始めようとなりました。そこで、看護師長の方々がどんな悩みをお持ちなのかをリサーチする目的で行ってきました。「それが何で新鮮なビジネスモデルなんだ?」と思われるかもしれませんが、私には非常に新鮮だったのです。

私は今から約25~6年前に、病院を対象にした営業をおこなっていました。紙おむつを病院で使ってもらうためです。その当時は「布オムツ」が主流で、紙おむつを使うことにはまだまだ多くの抵抗がありました。特に病棟現場の看護師の方々から、多くの抵抗がありました。

現場の抵抗があるとどんなに良い商品でも使ってくれませんので、私は現場の看護師長さんや総看護師長さんから理解を得られるように、徹底して彼らの話を聞くようにしていました。

おかげで当時いろいろと勉強をさせていただきましたが、そのときの一つの驚きというのは、「看護師長さんは10名~30名の部下を持つ管理職である。総看護師長クラスになると部下の数は数百名になるケースも珍しくない」というものでした。もちろんその当時の私の仕事は研修ではありませんでしたから、ただ驚いていただけでした。

今回、改めて看護師長の方々のお話を伺うと悩みは、

・部下のモチベーションを上げる方法は何か
・管理職の役割りと大切なこと
・評価の方法
・後継者の育成の方法

等々が出てきて、完全にマネジメントの課題を抱えておられる事が良くわかりました。

ここに私の新鮮なビジネスモデル発見の意味があります。つまり、看護師長というのはマネジメント職であるにもかかわらずほとんどの方が、研修など受けておられないのです。

これからの病院経営で、患者のためにというビジョンを持った、看護活動のレベルアップが真に求められているのではないでしょうか。そのためには現場を束ねる管理者、つまり看護師長の方々の更なるレベルアップが必要だと思います。

自分にとってポジティブな言葉を繰り返す(続き)

なぜ、ポジティブな言葉を繰り返す必要があるのかということですが、理由は大きく2つあります。

1.言葉を繰り返すことはその言葉を強調することになる
2.自分が話をしたい内容へと誘導できる

という2点です。

まず、私たちの会話の中で、同じ言葉が何度も出てくると、私たちは意識しなくても自然とその言葉を使ったりします。流行のギャグとか流行語というのはテレビや、メディアで何度も何度も繰り返し使われますから、自然と私たちの記憶に残っているのです。つまり、同じ言葉を繰り返すことはその言葉を強調することになり、その結果として私たちの記憶に残りやすくなるのです。

ということは、自分にとってポジティブな言葉を繰りかえすと、相手の方が何気なく発した言葉が強調されて、私にとって都合の良い言葉が、相手の方の記憶に残りやすくなるわけです。

2番目のポイントについてですが、会話を誘導するテクニックとして、ポジティブな言葉を強調します。

例えば、以前、私は病院用の紙おむつを販売する仕事についていました。病院用紙おむつの特徴はガス滅菌されていて使い捨てで、焼却しますので院内感染を起こすことがないということです。

あるドクターと話していると、最近他の病院で「院内感染」が発生して大変だったらしい、という話が出ました。ドクターにとって院内感染という言葉は良くありませんが、私にとってはポジティブな言葉ですから、次のようにピックアップします。

「院内感染ですか、大変ですね~、もう少し詳しく教えてもらえませんか?」

私にとっては、院内感染を起こさない紙おむつは、このドクターのニーズに合うかもしれないので、さらに、オムツによる感染症について聞き出そうとします。

このようにして、会話を自分の有利な方向へと誘導することができるのです。その後しばらくして、この病院から注文をいただいたのは言うまでもありません。

お分かりいただけたでしょうか?自分にとってポジティブな言葉が出てきたときには、できるだけ意識して繰り返すようにしてください。きっと貴方もコミュニケーションの達人になれると思いますよ。