(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ -27ページ目

「質問する力」がなぜ必要なのか

「質問する力」がなぜ必要なのか、それぞれについて簡単に解説していきましょう。

1.会話を始めるために

皆さんの中には、私は質問されて答える方が良い、と思っておられる方も大勢いらっしゃると思います。なぜ会話を始めるために質問をするのか?それは前回のネットワーキングと同じで、他者との関係性はこちらから働きかけない限り発生しないからです。周りの方に影響力を与えてリーダーシップを発揮するためには、まず、自分から相手の方に働きかける必要があります。

そのためにはどんなことでも良いんです。まず質問してください。質問には「Yes No」で応えられない、「オープンエンド・クエスチョン」と「Yes No」で応えられる「クローズドエンド・クエスチョン」がありますが、この場合にはどちらを使っても構いません。具体的には、「週末どうされていたんですか?」「インフルエンザが流行っているようですけど、大丈夫ですか?」

2.会話をコントロールするために

これについてはコミュニケーションの原則で詳しく紹介しましたので、ここでは割愛させていただきます。

3.本当に知りたい事を見出すために(情報の収集と確認)

情報の収集には徹底して「オープンエンド・クエスチョン」を使います。「どうですか?」「何をしていたのですか?」「それはなぜですか?」といった質問です。このような質問をすることで相手の方は情報を提供してくれます。逆に相手の意志や行動を確認する場合には「クローズドエンド・クエスチョン」を使って確かめます。

4.意思決定を促すために

この点については、コミュニケーションの原則で説明をした、「沈黙は相手に破ってもらう」ということと、密接な関係があります。つまり、相手に対して会話のボールを投げて、相手のコミットメントを引き出すことです。そのためには相手の決断を促すような質問をする必要があります。具体的には「~の条件ですが、何ケース納品しましょう?」「私は~だと思うのですが、あなたの意見を聞かせてください」などの質問です。

質問力

「質問力」というのは、VSOPモデルのO、つまり、Objective Sharing(共通の目標)を持つということで、他者をビジョンに向かって巻き込んでゆくというプロセスです。ストーリーマップでいうと、赤い色で色分けされた橋の部分にあたります。ここではリーダーらしき人が、台の上で、こぶしを突き上げて、一生懸命何か訴えている姿があります。

以前このプロセスでは「コミュニケーションスキル」が不可欠であることを説明しました。具体的には、

1)ネットワーキング
2)質問力
3)積極的傾聴力
4)ストーリーテリング
5)エレベータートーク
6)ステイクホルダーマネジメント

という6つのスキルです。

こうやって、ストーリーマップの中で、なぜ今この部分を学ぼうとしているのかを理解しながら、進む事ができるのは、納得性という意味では非常に大切なことなのです。というわけで、少し前置きが長くなりましたが、「質問力」について話をしたいと思います。

「質問をする力」ということについては、以前、コミュニケーションの原則のところで、「質問することは会話をコントロールすることである」と説明しました。

最近、政府がおこなった「来年度予算のための事業仕分け」というのがTVで公開されて、仕分け人が、矢継ぎ早に質問を投げかけている場面が放映されていましたが、まさに、質問は会話をコントロールするということを、体現していたのではないでしょうか?

仕分け人は、ドンドン質問を投げかけて「自分が知りたい答え」を引き出そうとしていたのです。ただ、残念だったのは、お互いに信頼関係のないところで質問されていたので、「質問」ではなくて「尋問」のようになってしまったということです。全てのコミュニケーションスキルの前提にあるのは良好な人間関係と信頼関係ですね。

それでは「質問する力」がなぜ必要なのかを以下にまとめてみました。

1.会話を始めるために
2.会話をコントロールするために
3.本当に知りたい事を見出すために(情報の収集と確認)
4.意思決定を促すために(相手のコミットメントを引き出す)

ストーリーマップについて

本来ならば、今週からは「ストーリーテリング」の説明に入る予定でしたが、少しこれまでの流れを整理するために、「ストーリーマップ」を使ってまとめてみたいと思います。

ストーリーマップというのは、研修のプログラムの全体像を鳥瞰でき、研修参加者の理解度を深めるために開発されたものです。

ストーリーマップ
ストーリーマップの詳細はこちら

通常の研修ではパワーポイントが中心で、それにグループディスカッションやゲームを入れたりして、できるだけ多くの気付きを得てもらおうというのが一般的です。しかしながら、1日約80枚ほどのPPTを使っていると、1枚1枚の説明には、それなりに納得してもらえるものの、さて、もう一度、朝に説明したことを振り返ってみると、大半の方がすぐに思い出せない!という事実に遭遇します。

ところが、このストーリーマップを使うと、研修の全体像がすぐに理解できるので、自分が今何の理解を深めようとしているのか?また、前後の脈絡はどうなっているのかが、一目瞭然で分かるのです。加えて、この「絵」そのものに、ストーリー性があるので、非常に理解しやすく、一度、この「絵」のストーリーを覚えると「忘れない」という利点もあります。

 ストーリーマップの詳細はこちら