(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ -15ページ目

効果的なOJTの進め方(18)

これまで、部下のやる気を向上させるには何をどの様にすれば良いかを説明してきましたが、今回はその締めくくりとして、最も重要な点について説明します。

それは「上司と部下との信頼関係」です。この信頼関係という言葉はとても厄介な言葉で、誰でもがわかっている言葉なのですが実践するのは難しいですね。例えば、私がある人に向かって、「私はあなたと信頼関係を作ります」っと宣言したからと言って、決して信頼関係を作れるわけではありませんね。

信頼関係を構築してゆくために必用なことは、具体的な行動で示すしか方法はありません。毎日の小さな行動の積み重ねが大きな「信頼」へと変わってゆくのです。具体的には以下の3つの行動があげられます。

1.正直で誠実な行動を取る

こういったことは別にビジネスの場面だけで必用なことではありません。友人との関係や家族との関係でも同じように大切なことです。時間を守らなかったり、うその言い訳をしたり、人によって態度を変えてみたり、するような人とは信頼関係を築こうとしても築けないですね。

2.相手との接触の回数

もちろん何の目的もなくただ漠然と接触の回数を増やすのではなく、ある意図をもって接触をしてその回数が多ければ多いほど、相手との親近感は増していきます。そして、これが信頼関係へと繋がってゆきます。

私は以前の会社で、この点をおろそかにしたために大失敗をした経験があります。私が新しい会社に転職した1年目は、私の部の人全員と30分の話し合いを持ったのです。その結果、私と部員との距離は無くなりよい関係を維持できました。

しかし翌年は安心して、この対話を持たなかったのです。結果、部員の気持ちが離れるようになりました。理由は忙しくて時間が取れなかったのですが、今から思えば、たとえ10分間でも良いので、2~3回繰り返しながら合計で30分なるようにスケジュールすれば、30分ずつ話をするよりも、信頼関係をもっと上手く作れたのにと思います。

3.常に相手のことを尊敬し大切にする

人はどこでどのような出会いがあるかわかりませんが、そのときに、相手のことを馬鹿にした態度を取ったり、自分より弱い立場の人に高圧的になったりするのは決してプラスにはなりません。

以上のことに気をつけて上手く信頼関係を作ってください。そうすれば、貴方の部下の方もきっと良い成績を出してくれるはずです。

効果的なOJTの進め方(17)

前回は「部下のやる気(モチベーション)」を高めるためには、部下の仕事に対する満足度をよく理解しておくことが大切。そのためには部下と30分間でも良いので対話(ダイアログ)を持ちましょう、という説明をしました。

部下のモチベーションを上げるために必要な方法は、満足度を聞き出すこと以外にもたくさんあります。今週はその中で、効果的だと思える方法をいくつかご紹介しましょう。

まず、「他の人からの評価」ということです。私たちは「褒められると良い気分になります」が、同じ褒められるにしても、そこに「サプライズ」が入ると、その喜びは倍増します。

例えば、他部門の上司からほめられるとか、上司の上司が、自分の貢献を認めてくれたときなどです。つまり、「えっ!この人が私のことを知っていて、私の貢献を認めてくれているのか」っという驚きです。

ここには2つの意味があります。一つは、自分は褒めてもらって嬉しいという気持ちと、もう一つは、自分のやった事を認めてくれている、という満足感です。

この、「嬉しい」という気持ちと「満足感」はどちらも「やる気」につながりますので「他の人からの評価」は非常に効果があります。皆さんが、上司として他部門の上司や、皆さんの上司に一言、次のようにお願いしておけば感嘆に実現することです。

「~さん、彼/彼女は素晴らしい貢献をしてくれました。今度彼/彼女と会ったときに、一言そのことについて何か褒めてあげてください」

皆さんから、こうお願いされて、「いやだよ」という上司はほとんどいないと思います。簡単なことですから、このテクニックを上手く利用して下さい。

次の方法ですが、仕事のできる人に、もっとモチベーションを上げてもらいたい、反対に仕事が上手くいかなくて、自身を無くしかけている人にモチベーションを上げてもらいたいときにはどんなことに注意をすればよいのでしょうか?こういった状況には次の原則が当てはまります。

・仕事ができる人には、どんどん難しい仕事にチャレンジさせてあげましょう。
・仕事に行き詰っている人には、少し難易度を下げて、達成できる目標を与えて、達成感と自信をつけさせてあげましょう。

OJTを効果的に行うには1対1の関係で、部下のレベルをよく理解したうえで、目標を定めることがやる気の向上につながるわけです

効果的なOJTの進め方(16)

前回は「継続的にやる気がでることに焦点をおいて、OJTを進めることが大切」ということを話しました。それでは具体的に「部下のやる気を起こさせるためには、どういった点を重視して、どのように進めればよいのでしょうか」

まず、最初に考えなければならないのは、前々回 でも説明しましたが、「今の仕事に対する部下の満足度がどうなのか?」ということを理解することです。

人は様々な異なった価値観を持っていますし、様々な条件を持っています。たとえばある人は、将来もこの会社でずっと働いて、いずれは最低部長レベルにまではなって・・・・という人もいれば、この会社で働くことはとても幸せだし、人間関係もよいのだけれど、3年後には家業の後継者として、会社を辞めなければならない・・・・等々、理由は様ですが、人それぞれに抱えているキャリアに対する考え方や、条件は異なっています。

こういった個々の状況を知ることから「満足度」の向上というのを推し進めることができます。こういった場合には上司は何をすればよいかというと、しっかりと本人の話を「聞く」ことです。

よく質問されるのは、話を聞いたら「解決策を示してあげないと意味がないし、私の権限で解決できないことも多いから、話を聞くのはかえって危険だ」という点です。心配されている点はよく理解できますが、人の話をしっかり聞くことによって、その本人が持っている悩みの大半が消えてゆくか、本人が自分で行動を起こして解決するための手段を講ずるか、いずれにしろ何らかの解決策を本人自身で考えることが多いのです。したがって、大切なのはまず、上司と部下で、様々なことを本音で話し合うこと、つまり(ダイアログ)を行うことです。

本人とのダイアログは30分ほどで良いのです。ただし、目的もなくなんとなく会話しようというのは時間の無駄になりますから、ダイアログを行う前に、質問事項をあらかじめ配布しておいてから、ダイアログに入るというのも効率の良い方法でしょう。質問の具体的な例は以下のとおりです。

1.これまでの職歴
2.自分の仕事で得意だと思うこと、苦手だと思うこと
3.最も楽しかった仕事は?
4.これまでの結果で、もっとも誇りに思えることは
5.今抱えている悩みは (仕事でもプライベートでも)

もちろんこれ以外のことでも聞きたいことがあればそれを含めてもかまいませんが30分で聞ける情報量にしましょう。こういったダイアログを通じて本人の満足度を知ることができるようになります。