あなたの想いとコトバをこの世の光にする男
井上祐宏です\(^o^)/
昨日は、人類の破滅的未来を示唆するような情報をご紹介しましたが、その対極にあるような事例を今日は紹介したいと思います。
実は、その町の存在を知ったのは、今から十年以上前…
いつだったか確かではありませんが、ある本の序文にその町のことが紹介されていました。
その町の住人の死因のほとんどは老衰である…。
その理由とは…。
この町の存在を、このブログで何度紹介しようと思ったことでしょうか?
しかしおバカな私は肝心なその町の名前を忘れてしまったのです。(笑)
そして数か月前に、ようやく
見つけました!!!
その町の名は
ロゼト
ロゼトについての日本語の記事がいくつかあります!
ご存知ですか?「ロゼトの奇跡」~死因が 老衰だけだった町
1979年に出版された「ロゼト物語」には、高齢期の健康に関する興味深い事実が記述されています。
『アメリカのペンシルベニア州にあるロゼト(Roseto)は、19世紀の後半にイタリアのある村からの移民たちが作った、千数百人くらいの小さな町。1950~60年にかけた調査で、ロゼトは心臓疾患による死亡率が周囲の町と比べて半分以下だったことで、にわかに注目されるようになった。飲酒、喫煙、食事、運動といった健康行動や意識、あるいは生活水準などの調査が行われたが、それらは周囲の町と大して変わらなかった。なぜ、ロゼトの住民は心臓疾患にかかる確率がこんなに低いのか。研究者たちが導いた結論は「連帯感や助け合い」以外に、その理由は見当たらないというものであった。1960年代に入り、ロゼトは外部の町との交流が増えて町の結束が弱まり、アメリカ的な生活スタイルに変わっていく。それは、移民イタリア人の社会的・経済的な地位向上ではあったのだが、それとともに心臓疾患による死亡率は周りの町と同じようになっていった。』
この頃、ロゼトの住民の死因は老衰だけだったと言われています。
ロゼト物語
という書物は日本語訳はされていないようです。
The Roseto Story: An Anatomy of Health
この記事も詳しいですね。
ロゼトの奇跡 ~高齢期の健康維持、カギは「どんなコミュニティーで暮らすか」
1979年に出版された「ロゼト物語」は米国の医師、スチュワート・ウルフらが書いたものですが、高齢期の健康に関する興味深い事実が記述されています。まずは、その概要を紹介します。
米国ペンシルベニア州にあるロゼト(Roseto)は19世紀後半、イタリアのある村からの移民たちがつくった千数百人ほどの小さな町。1950~60年にかけた調査で、心臓疾患による死亡率が周囲の町と比べて半分以下だったことで、にわかに注目されるようになりました。飲酒、喫煙、食事、運動といった健康行動や意識、あるいは生活水準などの調査も行われましたが、それらは周囲の町と大して変わりませんでした。 なぜ、ロゼトの住民は心臓疾患にかかる確率がこんなに低いのか。研究者たちが導いた結論は「連帯感や助け合い以外にその理由は見当たらない」というものでした。1960年代に入り、ロゼトは外部の町との交流が増えて、町の結束が弱まり、米国的な生活スタイルに変わっていきます。それは移民イタリア人の社会的・経済的な地位向上ではありましたが、それとともに、心臓疾患による死亡率は周りの町と同じようになってしまったのです。
この話は「ロゼトの奇跡」と呼ばれ、健康が「生活習慣」や「物理的環境」だけでなく、「人間関係(コミュニティー)」に大いに左右されるという点で関心を集めました。では、どのような人間関係を持ち、どんなコミュニティーに身を置くのが健康にとってよいのか。「ロゼト物語」の著者の分析を踏まえて、考えてみたいと思います。 ロゼトは移民の町ですから、周囲の町で暮らす人々とは異なる文化や生活スタイルがあったはずです。生活水準も周りに比べて低く、異国で孤立気味になったのかもしれません。著者が指摘する「ロゼトの連帯感」はそんな中だからこそ生まれた、皆で団結して、何とかやっていこうという気持ちの表れだったのでしょう。 また、全員が新しく移ってきた人たち(以前から、そこにいた人がいない集団)ですから、内部の人間関係には主従や上下の関係、昔からのしがらみなどがなく、対等、かつ寛容で、フランクな関係の中で暮らせたのでしょう。このような人間関係が互いへの配慮や目配り、助け合いを自然に発生させ、それぞれが集団を維持するための役割や居場所を持ったといえます。 ロゼトの奇跡は古い町の固定的な役割や身分のようなものに縛られた社会、あるいはお金や地位・名誉で大きく差のついてしまったような格差社会では生まれなかったはずです(もちろん、周りに人がいないような、孤立した環境ではいうまでもありません)。 もっとも、連帯感や対等・寛容な人間関係、互助や居場所などが心臓疾患のリスクを直接的に減少させているわけではありません。おそらく、これらが食事や運動、交流といった生活習慣をよくする効果を持ち、自分の役割や居場所の存在が精神的な充実をもたらし、周りに人がいる安心感がストレスを緩和することなどによって、健康状態の維持・向上につながっていたのだと考えられます。その結果、心臓疾患による死亡率が周りの町と比べて半分以下になっているというわけです。
●ロゼトの奇跡に学ぶ
ロゼトの奇跡に学べることを2つ、挙げたいと思います。1つ目は健康を「自分の努力次第」「健康習慣を心掛ける」といった“個人レベル”で考えてはいけないということです。 食事・運動・交流に気を付けて暮らすのは大切ですが、それだけではロゼトの周りにあった町の人々と似たようなものです。ロゼトの奇跡は個人レベルの努力では健康リスクを大きく減らすことはできず、「どのようなコミュニティーで暮らしているか」が健康状態を大きく左右するのだと教えてくれています。 2つ目は古い人間関係の中にいるよりも、新しいコミュニティーで暮らす方が健康維持に効果的であるということです。 「住み慣れた場所で人生を終えたい」という高齢者は少なくありません。しかし、それはやはり、ロゼトの周りの町の人たちと同じです。もちろん、新しければ何でもよいというわけではありませんが、ロゼトのような対等・寛容・互助・居場所といったものが感じられる、極めて「居心地のよい場所」であるなら、古い所に居続けるよりも健康長寿が実現する可能性は大いに高まるはずです。 高齢期の健康維持には健康習慣よりも、「どのようなコミュニティーで暮らすか」が決定的に重要である。ロゼトの奇跡はそんなメッセージを伝えているのです。
英語の記事の日本語訳もご紹介しましょう!
ロゼート効果:長寿の秘訣
長く幸せで健康な人生を送るための要因は何でしょうか?研究者たちは、東ペンシルベニア州の小さな町の住民の間でその答えを見つけたようです。
緊密なコミュニティでは心臓病の発生率が低下し、寿命が延びます。写真
長く幸せな人生を送るための鍵は何でしょうか? お金、名声、それとも何か他のもの? 人間の寿命を延ばす要因は、社会的要因を含め、数多くあります。
ペンシルベニア州東部の町、ロゼートで最近行われた重要な研究から、興味深い観察結果が得られました。人口約 1,600 人のこの町は、1880 年代に南イタリアからの移民によって開拓されました。
研究では、1955年から1965年の間に、米国ペンシルベニア州の同質的なイタリア系アメリカ人コミュニティであるロゼタンと近隣の他の町の間で、心筋梗塞(一般に心臓発作として知られる)による死亡率に著しい違いがあったことがわかった。これらの違いは、より「アメリカ化」されるにつれて徐々に消えていった。
この研究の結論は、ストレスを和らげる驚くほど単純で非常に効果的な方法があることを示唆しており、今日でも説得力がある。唯一の問題は、健康で長生きを伝統的に支えてきた制度の多くが、完全にではないにせよ、消滅しつつあることだ。
ロゼート ヴァルフォルトーレは、イタリアのローマから南東に約 100 マイルのところにある小さな町です。何百年もの間、ロゼートの人々は山から大理石を採掘し、谷で農業を営んで暮らしていました。当時、ロゼートの人々は教育制度のもとで育てられることはありませんでした。彼らは日々苦労し、波乱に満ちた生活を送っていました。
1882 年、11 人のロゼタンが富を求めて航海に出てアメリカに到着しました。彼らはスレート鉱山で働きながら東ペンシルベニアに定住しました。「チャンスの地」のニュースがロゼート ヴァルフォルトーレに伝わると、ロゼタンたちはペンシルベニアに集まり始めました。
ロゼタン族はペンシルバニア州のその地域を占領し、その地をロゼト(元々の住民が来たロゼト・ヴァルフォルトーレにちなんで)と名付けました。彼らは密集した家を建てました。彼らは家の前や裏庭で野菜や果物を育て始めました。彼らは自分たちの庭で採れたブドウからワインを作りました。彼らは徐々に学校、教会、パン屋などを建て、すぐに活気のある賑やかな都市に変わりました。
1950年代後半、当時オクラホマ大学の医学部長だったスチュワート・ウルフは、セミナーに出席するためにペンシルバニア州を訪れました。彼は地元の医師に会い、彼から驚くべき情報を受け取りました。心筋梗塞の患者はペンシルバニア州全体で見られるが、ロゼトの町には65歳未満の患者はほとんどいないという情報です。ウルフはその情報に困惑し、興味をそそられました。
1950 年代、コレステロール値を下げる薬は人気がなく、入手も容易ではありませんでした。心臓病は米国で伝染病のように蔓延していました。
ウルフは他の数人の研究者とともにロゼトに到着し、1950年代半ばから1960年代にかけての州および連邦レベルの死亡証明書を調べた。その結果、ロゼトでは、心臓発作のリスクが高い55歳から64歳の男性グループに心臓発作がほとんど見られなかったことが明らかになった。65歳以上の男性の死亡率は1%で、全国平均は2%だった(1954年~1961年)。
1961年に研究者らは初めて「ロゼート効果」に気づいた。これは、ロゼートのイタリア系アメリカ人コミュニティにおける心筋梗塞の発生率が他の地域に比べて異常に低いことだった。
その後、彼らはロゼトの住民の血液サンプルを検査するなど、さらなる調査を行いました。結果は驚くべきもので、住民には消化性潰瘍の兆候さえ見られませんでした。関連記録により、ロゼトでは自殺、薬物中毒、アルコール中毒がなく、ロゼトの犯罪率は事実上ゼロであることがさらに明らかになりました。
近隣の町の人々の寿命や健康状態と比較すると、ロゼタンの人々が心臓発作、高血圧、脳卒中などの病気にかかる可能性は約半分だった。
簡単に言えば、町の住民は老齢で亡くなっただけなのです。
研究者たちは、画期的な違いの背後にある根本的な原因として、まず独特の食生活を挙げた。しかし実際には、1882年にペンシルベニアに到着する前は、彼らはオリーブオイルを使って料理をしていたことが判明した。ペンシルベニアのロゼートで、彼らはラード(豚の脂肪組織を溶かして得られる半固体の白い脂肪製品)を使って料理を始めた。ロゼタン人はパスタとワインが大好きで、ソーセージを好んで食べ、カロリーの約41%は脂肪から摂取していた。彼らは時々葉巻を吸っていた。
要約すると、彼らの食生活は「健康的な」食生活とは程遠いものでした。
ロゼタン家は運動習慣も持っていませんでした。さらに、彼らの多くは太りすぎや肥満の問題を抱えていました。
さて、あなたは疑問に思うでしょう。彼らと他のコミュニティとの大きな違いの背後にある実際の理由は何だったのでしょうか? 彼らは遺伝的にユニークだったのでしょうか? いいえ、それも違います。
米国の他の地域に住むロゼタンの記録によると、彼らの心臓病による死亡率は他のアメリカ人と同程度でした。では、ペンシルバニア州のロゼタンはどこが違うのでしょうか?
地理的な違いについて考えているなら、いいえ、それさえも違います。ロゼートからわずか数マイルのナザレやバンガーの町に住むヨーロッパ移民は、ロゼタン人と同じくらい勤勉でした。しかし、彼らの心臓病の発生率はロゼタン人の 3 倍でした。
最終的に、ロゼートでの長い滞在の後、ウルフと社会学者ジョン・ブルーンはロゼタン人の謎を解明しました。遺伝、食事、地理ではなく、ロゼタン人の社会構造と文化が、彼らの長く幸せな生活の根本的な理由でした。
ローゼタン家は緊密なコミュニティで暮らしていました。彼らはお互いを愛し、コミュニティとして関わるあらゆる機会を利用しました。地元のクラブ、組織、持ち寄りパーティーなどにはいつも多くの人が参加していました。1 つの家族の数世代が同じ屋根の下で一緒に暮らすこともよくありました。
隣人同士の間には独特の関係が存在していました。家族と隣人との心のこもった関係のおかげで、常に誰かが見守ってくれるので、高齢者は自然にストレスが少なくなりました。
彼らは、家に閉じこもるよりも、道の向こうの人たちと交流を深めました。彼らは、家にこもってネットフリックスを見るのが好きな私たちの世代とは違い、屋内での娯楽活動よりも裏庭でのビンゴを好みました。ロゼートでは毎晩、お祭りのようでした。人々は互いに料理をし、テーブルを囲んで前庭で一緒に夕食をとりました。賑やかな話や歌は真夜中まで続きました。
その結果は? ストレス レベルは (良い意味で) 非常に低く、事実上、計り知れないほどでした。そして、寿命は、その独特の快適さを反映していました。これは、「ロゼート効果」と呼ばれる現象となり、緊密なコミュニティでは心臓病の発生率が低下し、寿命が延びます。
マルコム・グラッドウェルが著書『天才! 成功者の法則』で指摘したように、対人関係の質の高さこそが、ローゼタンの長く幸せな人生の理由でした。
数年前、ハーバード大学は 1938 年に開始された同大学で最も長期にわたる研究の 1 つの結果を発表しました。詳細な研究は 75 年以上にわたって 724 名を対象に実施されました。ハーバード成人発達研究の責任者であるロバート・ウォルディンガー博士が主導したこの研究では、幸福と家族や友人との親密な関係の間に強い関連性があることがわかりました。
724人のうち、独り暮らしの人や強い人間関係を築けなかった人は、お金や名声があるかどうかに関わらず、比較的不幸だった。健康状態は急速に悪化し、思考力も比較的急速に衰えた。さらに、平均寿命よりも短かった。
研究で明らかになったのは、お金や名声よりも親密な人間関係が、生涯を通じて人々を幸せにしてくれるということだ。「個人的なつながりは感情的な刺激を生み出し、それが自動的に気分を高めてくれるが、孤立は気分を悪くする」とウォルディンガー博士は語った。
結論は?お金と名声は確かに短期的には満足感をもたらします。しかし、親しい人たちとの強い信頼関係を築かなければ、精神的な平和を得るのは難しいのです。
素敵な動画を見つけました。
The Rose Garden: A History of the Roseto Effect
自動翻訳字幕機能で内容を確認しました。
素敵です\(^o^)/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
残り二名先着順!
デスカフェ(入館体験付)
どう死にたいかを想像すれば、どう生きたいかが見えてくる
●日時:2024年9月17日(火)開場14時半 15時~18時
●会場:いきたひスタジオ
埼玉県日高市四本木1-9-23
JR高麗川駅徒歩6分
●参加費:2500円
●定員七名(残り三名先着順)
●内容:弔辞ワーク 人生の振り返り 納棺ワーク シェア会
●申し込み:070-6467-9368
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昨日は、人類の破滅的未来を示唆するような情報をご紹介しましたが、その対極にあるような事例を今日は紹介したいと思います。
実は、その町の存在を知ったのは、今から十年以上前…
いつだったか確かではありませんが、ある本の序文にその町のことが紹介されていました。
その町の住人の死因のほとんどは老衰である…。
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ロゼト
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1979年に出版された「ロゼト物語」には、高齢期の健康に関する興味深い事実が記述されています。
『アメリカのペンシルベニア州にあるロゼト(Roseto)は、19世紀の後半にイタリアのある村からの移民たちが作った、千数百人くらいの小さな町。1950~60年にかけた調査で、ロゼトは心臓疾患による死亡率が周囲の町と比べて半分以下だったことで、にわかに注目されるようになった。飲酒、喫煙、食事、運動といった健康行動や意識、あるいは生活水準などの調査が行われたが、それらは周囲の町と大して変わらなかった。なぜ、ロゼトの住民は心臓疾患にかかる確率がこんなに低いのか。研究者たちが導いた結論は「連帯感や助け合い」以外に、その理由は見当たらないというものであった。1960年代に入り、ロゼトは外部の町との交流が増えて町の結束が弱まり、アメリカ的な生活スタイルに変わっていく。それは、移民イタリア人の社会的・経済的な地位向上ではあったのだが、それとともに心臓疾患による死亡率は周りの町と同じようになっていった。』
この頃、ロゼトの住民の死因は老衰だけだったと言われています。
ロゼト物語
という書物は日本語訳はされていないようです。
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この記事も詳しいですね。
ロゼトの奇跡 ~高齢期の健康維持、カギは「どんなコミュニティーで暮らすか」
1979年に出版された「ロゼト物語」は米国の医師、スチュワート・ウルフらが書いたものですが、高齢期の健康に関する興味深い事実が記述されています。まずは、その概要を紹介します。
米国ペンシルベニア州にあるロゼト(Roseto)は19世紀後半、イタリアのある村からの移民たちがつくった千数百人ほどの小さな町。1950~60年にかけた調査で、心臓疾患による死亡率が周囲の町と比べて半分以下だったことで、にわかに注目されるようになりました。飲酒、喫煙、食事、運動といった健康行動や意識、あるいは生活水準などの調査も行われましたが、それらは周囲の町と大して変わりませんでした。 なぜ、ロゼトの住民は心臓疾患にかかる確率がこんなに低いのか。研究者たちが導いた結論は「連帯感や助け合い以外にその理由は見当たらない」というものでした。1960年代に入り、ロゼトは外部の町との交流が増えて、町の結束が弱まり、米国的な生活スタイルに変わっていきます。それは移民イタリア人の社会的・経済的な地位向上ではありましたが、それとともに、心臓疾患による死亡率は周りの町と同じようになってしまったのです。
この話は「ロゼトの奇跡」と呼ばれ、健康が「生活習慣」や「物理的環境」だけでなく、「人間関係(コミュニティー)」に大いに左右されるという点で関心を集めました。では、どのような人間関係を持ち、どんなコミュニティーに身を置くのが健康にとってよいのか。「ロゼト物語」の著者の分析を踏まえて、考えてみたいと思います。 ロゼトは移民の町ですから、周囲の町で暮らす人々とは異なる文化や生活スタイルがあったはずです。生活水準も周りに比べて低く、異国で孤立気味になったのかもしれません。著者が指摘する「ロゼトの連帯感」はそんな中だからこそ生まれた、皆で団結して、何とかやっていこうという気持ちの表れだったのでしょう。 また、全員が新しく移ってきた人たち(以前から、そこにいた人がいない集団)ですから、内部の人間関係には主従や上下の関係、昔からのしがらみなどがなく、対等、かつ寛容で、フランクな関係の中で暮らせたのでしょう。このような人間関係が互いへの配慮や目配り、助け合いを自然に発生させ、それぞれが集団を維持するための役割や居場所を持ったといえます。 ロゼトの奇跡は古い町の固定的な役割や身分のようなものに縛られた社会、あるいはお金や地位・名誉で大きく差のついてしまったような格差社会では生まれなかったはずです(もちろん、周りに人がいないような、孤立した環境ではいうまでもありません)。 もっとも、連帯感や対等・寛容な人間関係、互助や居場所などが心臓疾患のリスクを直接的に減少させているわけではありません。おそらく、これらが食事や運動、交流といった生活習慣をよくする効果を持ち、自分の役割や居場所の存在が精神的な充実をもたらし、周りに人がいる安心感がストレスを緩和することなどによって、健康状態の維持・向上につながっていたのだと考えられます。その結果、心臓疾患による死亡率が周りの町と比べて半分以下になっているというわけです。
●ロゼトの奇跡に学ぶ
ロゼトの奇跡に学べることを2つ、挙げたいと思います。1つ目は健康を「自分の努力次第」「健康習慣を心掛ける」といった“個人レベル”で考えてはいけないということです。 食事・運動・交流に気を付けて暮らすのは大切ですが、それだけではロゼトの周りにあった町の人々と似たようなものです。ロゼトの奇跡は個人レベルの努力では健康リスクを大きく減らすことはできず、「どのようなコミュニティーで暮らしているか」が健康状態を大きく左右するのだと教えてくれています。 2つ目は古い人間関係の中にいるよりも、新しいコミュニティーで暮らす方が健康維持に効果的であるということです。 「住み慣れた場所で人生を終えたい」という高齢者は少なくありません。しかし、それはやはり、ロゼトの周りの町の人たちと同じです。もちろん、新しければ何でもよいというわけではありませんが、ロゼトのような対等・寛容・互助・居場所といったものが感じられる、極めて「居心地のよい場所」であるなら、古い所に居続けるよりも健康長寿が実現する可能性は大いに高まるはずです。 高齢期の健康維持には健康習慣よりも、「どのようなコミュニティーで暮らすか」が決定的に重要である。ロゼトの奇跡はそんなメッセージを伝えているのです。
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ロゼート効果:長寿の秘訣
長く幸せで健康な人生を送るための要因は何でしょうか?研究者たちは、東ペンシルベニア州の小さな町の住民の間でその答えを見つけたようです。
緊密なコミュニティでは心臓病の発生率が低下し、寿命が延びます。写真
長く幸せな人生を送るための鍵は何でしょうか? お金、名声、それとも何か他のもの? 人間の寿命を延ばす要因は、社会的要因を含め、数多くあります。
ペンシルベニア州東部の町、ロゼートで最近行われた重要な研究から、興味深い観察結果が得られました。人口約 1,600 人のこの町は、1880 年代に南イタリアからの移民によって開拓されました。
研究では、1955年から1965年の間に、米国ペンシルベニア州の同質的なイタリア系アメリカ人コミュニティであるロゼタンと近隣の他の町の間で、心筋梗塞(一般に心臓発作として知られる)による死亡率に著しい違いがあったことがわかった。これらの違いは、より「アメリカ化」されるにつれて徐々に消えていった。
この研究の結論は、ストレスを和らげる驚くほど単純で非常に効果的な方法があることを示唆しており、今日でも説得力がある。唯一の問題は、健康で長生きを伝統的に支えてきた制度の多くが、完全にではないにせよ、消滅しつつあることだ。
ロゼート ヴァルフォルトーレは、イタリアのローマから南東に約 100 マイルのところにある小さな町です。何百年もの間、ロゼートの人々は山から大理石を採掘し、谷で農業を営んで暮らしていました。当時、ロゼートの人々は教育制度のもとで育てられることはありませんでした。彼らは日々苦労し、波乱に満ちた生活を送っていました。
1882 年、11 人のロゼタンが富を求めて航海に出てアメリカに到着しました。彼らはスレート鉱山で働きながら東ペンシルベニアに定住しました。「チャンスの地」のニュースがロゼート ヴァルフォルトーレに伝わると、ロゼタンたちはペンシルベニアに集まり始めました。
ロゼタン族はペンシルバニア州のその地域を占領し、その地をロゼト(元々の住民が来たロゼト・ヴァルフォルトーレにちなんで)と名付けました。彼らは密集した家を建てました。彼らは家の前や裏庭で野菜や果物を育て始めました。彼らは自分たちの庭で採れたブドウからワインを作りました。彼らは徐々に学校、教会、パン屋などを建て、すぐに活気のある賑やかな都市に変わりました。
1950年代後半、当時オクラホマ大学の医学部長だったスチュワート・ウルフは、セミナーに出席するためにペンシルバニア州を訪れました。彼は地元の医師に会い、彼から驚くべき情報を受け取りました。心筋梗塞の患者はペンシルバニア州全体で見られるが、ロゼトの町には65歳未満の患者はほとんどいないという情報です。ウルフはその情報に困惑し、興味をそそられました。
1950 年代、コレステロール値を下げる薬は人気がなく、入手も容易ではありませんでした。心臓病は米国で伝染病のように蔓延していました。
ウルフは他の数人の研究者とともにロゼトに到着し、1950年代半ばから1960年代にかけての州および連邦レベルの死亡証明書を調べた。その結果、ロゼトでは、心臓発作のリスクが高い55歳から64歳の男性グループに心臓発作がほとんど見られなかったことが明らかになった。65歳以上の男性の死亡率は1%で、全国平均は2%だった(1954年~1961年)。
1961年に研究者らは初めて「ロゼート効果」に気づいた。これは、ロゼートのイタリア系アメリカ人コミュニティにおける心筋梗塞の発生率が他の地域に比べて異常に低いことだった。
その後、彼らはロゼトの住民の血液サンプルを検査するなど、さらなる調査を行いました。結果は驚くべきもので、住民には消化性潰瘍の兆候さえ見られませんでした。関連記録により、ロゼトでは自殺、薬物中毒、アルコール中毒がなく、ロゼトの犯罪率は事実上ゼロであることがさらに明らかになりました。
近隣の町の人々の寿命や健康状態と比較すると、ロゼタンの人々が心臓発作、高血圧、脳卒中などの病気にかかる可能性は約半分だった。
簡単に言えば、町の住民は老齢で亡くなっただけなのです。
研究者たちは、画期的な違いの背後にある根本的な原因として、まず独特の食生活を挙げた。しかし実際には、1882年にペンシルベニアに到着する前は、彼らはオリーブオイルを使って料理をしていたことが判明した。ペンシルベニアのロゼートで、彼らはラード(豚の脂肪組織を溶かして得られる半固体の白い脂肪製品)を使って料理を始めた。ロゼタン人はパスタとワインが大好きで、ソーセージを好んで食べ、カロリーの約41%は脂肪から摂取していた。彼らは時々葉巻を吸っていた。
要約すると、彼らの食生活は「健康的な」食生活とは程遠いものでした。
ロゼタン家は運動習慣も持っていませんでした。さらに、彼らの多くは太りすぎや肥満の問題を抱えていました。
さて、あなたは疑問に思うでしょう。彼らと他のコミュニティとの大きな違いの背後にある実際の理由は何だったのでしょうか? 彼らは遺伝的にユニークだったのでしょうか? いいえ、それも違います。
米国の他の地域に住むロゼタンの記録によると、彼らの心臓病による死亡率は他のアメリカ人と同程度でした。では、ペンシルバニア州のロゼタンはどこが違うのでしょうか?
地理的な違いについて考えているなら、いいえ、それさえも違います。ロゼートからわずか数マイルのナザレやバンガーの町に住むヨーロッパ移民は、ロゼタン人と同じくらい勤勉でした。しかし、彼らの心臓病の発生率はロゼタン人の 3 倍でした。
最終的に、ロゼートでの長い滞在の後、ウルフと社会学者ジョン・ブルーンはロゼタン人の謎を解明しました。遺伝、食事、地理ではなく、ロゼタン人の社会構造と文化が、彼らの長く幸せな生活の根本的な理由でした。
ローゼタン家は緊密なコミュニティで暮らしていました。彼らはお互いを愛し、コミュニティとして関わるあらゆる機会を利用しました。地元のクラブ、組織、持ち寄りパーティーなどにはいつも多くの人が参加していました。1 つの家族の数世代が同じ屋根の下で一緒に暮らすこともよくありました。
隣人同士の間には独特の関係が存在していました。家族と隣人との心のこもった関係のおかげで、常に誰かが見守ってくれるので、高齢者は自然にストレスが少なくなりました。
彼らは、家に閉じこもるよりも、道の向こうの人たちと交流を深めました。彼らは、家にこもってネットフリックスを見るのが好きな私たちの世代とは違い、屋内での娯楽活動よりも裏庭でのビンゴを好みました。ロゼートでは毎晩、お祭りのようでした。人々は互いに料理をし、テーブルを囲んで前庭で一緒に夕食をとりました。賑やかな話や歌は真夜中まで続きました。
その結果は? ストレス レベルは (良い意味で) 非常に低く、事実上、計り知れないほどでした。そして、寿命は、その独特の快適さを反映していました。これは、「ロゼート効果」と呼ばれる現象となり、緊密なコミュニティでは心臓病の発生率が低下し、寿命が延びます。
マルコム・グラッドウェルが著書『天才! 成功者の法則』で指摘したように、対人関係の質の高さこそが、ローゼタンの長く幸せな人生の理由でした。
数年前、ハーバード大学は 1938 年に開始された同大学で最も長期にわたる研究の 1 つの結果を発表しました。詳細な研究は 75 年以上にわたって 724 名を対象に実施されました。ハーバード成人発達研究の責任者であるロバート・ウォルディンガー博士が主導したこの研究では、幸福と家族や友人との親密な関係の間に強い関連性があることがわかりました。
724人のうち、独り暮らしの人や強い人間関係を築けなかった人は、お金や名声があるかどうかに関わらず、比較的不幸だった。健康状態は急速に悪化し、思考力も比較的急速に衰えた。さらに、平均寿命よりも短かった。
研究で明らかになったのは、お金や名声よりも親密な人間関係が、生涯を通じて人々を幸せにしてくれるということだ。「個人的なつながりは感情的な刺激を生み出し、それが自動的に気分を高めてくれるが、孤立は気分を悪くする」とウォルディンガー博士は語った。
結論は?お金と名声は確かに短期的には満足感をもたらします。しかし、親しい人たちとの強い信頼関係を築かなければ、精神的な平和を得るのは難しいのです。
素敵な動画を見つけました。
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どう死にたいかを想像すれば、どう生きたいかが見えてくる
●日時:2024年9月17日(火)開場14時半 15時~18時
●会場:いきたひスタジオ
埼玉県日高市四本木1-9-23
JR高麗川駅徒歩6分
●参加費:2500円
●定員七名(残り三名先着順)
●内容:弔辞ワーク 人生の振り返り 納棺ワーク シェア会
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