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南三陸へ~お昼ご飯

気仙沼駅のすぐ近くに「南三陸さんさん商店街」がありました。2017年3月にオープンしたそうなので、ちょうど1年くらい。




平日だったのでそんなに人出は多くなかったけど、それでも観光客や地元の人がちらほら居ました。

ウニとタコはこの旅の目的!!ということで、さんさん商店街の中のお店へ。
美味しくいただきました☆



ちょっと迷ったのですが、せっかく来たから…と思い、
カウンター席だったので中の大将に声かけちゃいました。

「こういう目的で今日来てて…」って話したら、お仕事中だったけど、少しお話してくださって。

「ボランティアに来た時とだいぶ違うでしょ。」
「波が来たところは10mかさ上げ工事してるんだよ。」
「職住分離って言って、生活の場を分ける方向に進んでて」

…一番印象的だったのは、このお話。
「テレビとかにいっぱい出たから『観光地』みたいになっちゃって。
元々の雰囲気ともだいぶ変わっちゃったね…」


なんとなく、お話してる大将の顔が寂しそうで。

震災前までは、ここに町があって人が住んでて、普通に生活の空間だった。

それが震災が起きて、何もかも流されてぐちゃぐちゃになって。

 

それでも土地があって、人がいる。

土地をかさ上げして、これから生活の空間にしていくためにずっと動いてる。

 

それを支援しようと、テレビも来るし、観光地化してお客さんを呼ぼうとしてる。

 

良し悪しを判断することはできないけど、

観光地になっていくことを諸手を挙げて喜べない面もあるのかな…と感じました。

南三陸へ~志津川中学校

2011年5月、1週間、避難所になっていた志津川中学校の体育館でボランティアをしていました。

支援物資を仕分けしたり、避難している方とお話したり。

 

その志津川中学校にも行ってきました。

 

2011年5月はこんな景色だったところ。

 

今はこんな風に見えていました。

 

食事処の大将が言ってた通り、10mかさ上げしているのもあって、だいぶ景色が違っています。

 

 

学校自体は被害を受けていなかったので、当時から避難所になっていたし、今も外観はそのまま。

卒業校でもないのに、校舎を見て「懐かしい」と思うのが、なんだが不思議な感覚でした。

 

校庭。

2011年5月は、自衛隊の駐屯地にもなっていました。

奥の方では、仮設住宅の建設が始まったところでした(それまでは仮設住宅さえなかった時だった、ってことです)

 

今では、中学生が普通に使える校庭になり、仮設住宅から普通の住宅に移っているので仮設住宅は空っぽでした。

 

…ただ、仮設自体は残っていたので、

空っぽになったからと言ってすぐ取り壊しできるような余裕がないのかな、

直近まで住んでいたのかな、

などといろいろ考えました。

 

 

当時は支援物資が山のように積まれていた武道館。

山のように送られてくる支援物資は、被災地を想う気持ちの表れ…とは思うのですが、

赤ちゃんの少ない避難所に、大量の新生児用おむつ、

自衛隊が炊き出しをしてくれているのに、大量のカンパン、

避難所の人数の数倍はありそうな、大量の歯ブラシ、タオル、食料等々。

 

それらの仕分けに、公務員保育士さんたちが充てられていました。

「○○ちゃんのお葬式行けた?」

「その日は別のところがあって…。××さんのは?」

「そっちも行けなくて…」

小耳に挟んでしまって申し訳なかったけれど、そういう会話をしながら物資の仕分けをしていました。

 

もうひとつ。

生野菜を送ってくださる人や団体もいたんですが、自衛隊の方々も食料を持って来ていて、それで食事はまかなえていました。

 

保存食と違って、腐っていってしまうもの。

そっと、この写真の裏山に処分しに行ったこともありました。

 

 

「支援」って、「やればいい」ってものじゃない。

でも、「やらなくていい」ってものでもない。

難しいな…と感じたのを思い出しました。

 

南三陸へ~移動・町並み

仙台市内に前泊したので、いよいよ志津川へ。

(志津川町と歌津町が合併して南三陸町になってます)

 

仙台からJR東北本線で小牛田(こごたって読むらしい。読めなかった…)まで行き、

JR石巻線に乗り換えて前谷地まで。JR石巻線はディーゼルだった!!

 

前谷地からはJR気仙沼線BRT(Bus rapid transitって言うらしい。バス高速輸送システムとも呼ばれるらしい。)で気仙沼まで。

 

ほやぼーや!!笑

 

気仙沼には着いたんだけど、仙台から片道2時間半強。

レンタカー運転できたら、レンタカーで行く方が楽だったかもしれないけど、

運転できないので、公共交通機関と自分の足だけが頼りの旅程でした(^_^;)

 

気仙沼駅に到着。

まず思ったのは

「そっか、今こうなってるんだ…」

 

 

2011年5月があまりにぐちゃぐちゃだったから、7年経ってどうなってるか予想もつかなかった。

 

7年前はこんな感じだった。

 

 

今は、瓦礫はなくなってた。

新しい道路もたくさんできているけれど、歩道は途中のところが多い。

 

建物はほとんどなくて、ダンプカーがいっぱい走ってる。

 

今の景色から、ここで生活していくビジョンが見えるかと言ったら難しい。

でも、生活していけるように工事してる人がたくさんいる。

 

そう思うと、「まだまだ」とは簡単に言えなくて、複雑な気持ちでした。

 

南三陸へ~導入編

このブログを始めたきっかけは、2011年5月に南三陸で震災ボランティアに参加して、

そのことを自分の頭の中だけで整理するのではなくて、

せっかくなら誰かに見える形で残しておきたいな…と思ったことでした。

 

それ以降は、気まぐれに、

「自分の頭の中で整理してもいいけど、誰かが見てくれたらいいな…と思うこと」

を、つらつらと更新してます。

 

そんな中で、自分が使える時間が少しできたので、ずっと引っかかってたことをやりに出かけました。

 

それは、2011年5月に志津川中学校で避難所のボランティアをしてた時。

(当時は「傾聴」なんて偉そうに言ってたけど、「おしゃべりしに行ってた」レベルです)

 

まだ瓦礫だらけでぐちゃぐちゃだったけれど

「ここはすごく良いところ。タコやウニが美味しいの。

また食べられるようになったら遊びにおいで」

と言っていただきました。

 

それから7年。

やっと、行く機会を作れました。

 

でも、私が行ったからって誰かが喜ぶわけでもないし、

継続支援できてたわけでもないし、

約束を守った!!なんて、自己満足でしかないのは分かってます。

 

ふがいなさしかないけど、「行って何もしないで帰ってくる」のと、「行かない」のとだったら

どっちが良いか?って考えたら、圧倒的に前者だったので、行くことにしました。

 

確かに、行ってみて何かできたわけじゃないけど、いろんなことを感じたし、考えた。

 

なので、また順番にブログに書いていこうと思います。

 

 

松岡和子さん-その2

前回の続きで、松岡和子さんの講演会のお話。

 

普段、ワークショップとかに行ったら、内容をノートにまとめるんですが、

今回の講演会についてメモしたことをまとめたら、普段の倍くらいの文量になりました。

 

そのノートから、またブログ書こうとしてるんだから、どれだけ書くんじゃい、って感じですね、はい。

 

でも、それだけ、魅力的なお話がいっぱいだったのです。

 

あ。言い換えれば、今まで勉強してなかった分、全てが新鮮だったってことにもなりますが。

 

 

講演の内容を全部ここに書いたら、単に読みにくくなるだけなので

素敵だなと思ったことを何点か、シェアさせてください。

講演内容を混ぜたり、私の解釈を入れたりしているのでご了承ください。

 

 

まずは。

自分と別世界の人間が、言葉を通じて共感できる

 

素敵すぎませんか、この言葉そのものが!!

 

この言葉が出てきた文脈としては、

「翻訳していて感情移入するキャラクターが出てきませんか?」のような質問があった時。

 

まず、松岡さんが翻訳するときに考えるのは2点。

・舞台上で役者が、どこに立って何を言うか

・そのキャラクターが、その世界のどこで何を言うか

 

例えば。(これは私が思った例だけど)

マクベスの「Tomorrow, and tomorrow, and tomorrw」という台詞。

 

マクベスを演じる役者さんが、舞台に立った時にどのように表現するだろうか…

と想像して訳すのがひとつ。

 

同時に、そこまで生きてきたマクベスという人物であれば、この時にどのように表現するだろうか…

と想像して訳すのがひとつ。

 

他にもいろいろな要素があるけれど、それらの要素を取捨選択していって

ピタリとはまる言葉が見つかったときに、

芝居・舞台・想像という別世界の人間と自分が、言葉を通じて共感できる……

 

でも、これって、翻訳に限らず日本語→日本語でもあり得るし、

「相手と共感するツールとしての『言葉』」って、なんか、すてき!!

 

 

もうひとつ。

原文を本当の意味で理解できると自由になれる

 

原文が、何を言わんとしているか、どんな意図や狙いがあるのか、

どんな背景を踏まえているのか…そういったものを充分理解できれば、

思い切って英語から離れ、日本語での表現を探しに行くことができる。

 

逆に、理解ができていないと、直訳に縛られてしまい、結果的にその言葉を活かしきれない。

 

松岡さんは「そのために、日本語の語彙を蓄えていかなければ」と仰っていて、

松岡さんたる方でも、これから更に学んでいかなければ…と感じていらっしゃる、

その姿勢に頭が上がらない思いでした。

 

まだまだな私なので大口叩けないけど、

きっとこれも日本語→日本語でも有りうるんだろうな、と。

 

並べられた言葉の意味が深く理解できれば、表現が自由になれる…んだろうな。

 

頭じゃ分かるけど、それが体を通じて表現できるかどうかってなると、また別の話。

 

 

英語→日本語、が松岡さんの翻訳のお仕事ではあるけれど、

『言葉での表現』っていうところで、日本語の中だけでも通じるお話がいっぱいありました。

 

 

今回の講演会、ざっくりまとめれば2つ!

 

その1。『言葉』って、深い。だから面白い!!

 

その2。松岡さんってステキな方!!

 

 

以上でございます!笑

(まとめ方、雑だったかな?)