紫源二の啓示版 -60ページ目

白昼の始まり



今日から始まる

 

新しい時代

 

もしそうなら

 

宇宙に行く前に

 

地中に潜り込み

 

ぼくは裸電球を灯し

 

座禅でもするだろう

 

 

たぶん

 

それが

 

パフォーマンスなんていう

 

欧米のコマーシャリズム

 

じゃない

 

数寄者の

 

芸術なら

 


もしそうなら

 

日本に生まれたことを

 

誇りに思うこともあるかもしれない

 

それが

 

崩れそうな瓦屋根の平屋で

 

その上に青空

 

電柱もなく

 

ただ雲が流れていたら

 

 

きみの言葉も忘れたけど

 

もらった手紙の文字がかすれていたのは覚えている

 

そこに書かれていたのは

 

あのとき

 

どんなに

 

欲したか

 


 

新しい時代は始まるだろう

 

太古の昔のままの時代が

 

蘇るかもしれないのに

 

それを新しい思想にしようとしているインテリがいる

 

 

歴史の終焉

 

進化の停止

 

 

もしそこにあるのが

 

人工的な宇宙に浮かぶ金属だったら

 

暗黒を背景にした

 

深淵のラプソディーだったら

 

きっとそれはフィクションにちがいない

 

 

だから

 

きっと東洋に生まれたことを誇りに思う日が来るかもしれない

 

何も持たず

 

豊かに

 

木の庵に住まい

 

水を汲んで

 

火を焚き

 

たった一人で風に吹かれていたら

 

 

白昼

 


誰もいない太陽光線

 

 

静寂

 

無言

 

 

 



 



つまりはそういうこと


こんばんわ!

 

もう1時だから寝る時間だけど、起きてるの?

 

そう言えば今日、ずっときみはぼくについてきたね。

 

免許の書き換えに行って、講習の教室も一緒


帰りの電車も一緒


電車を降りてからも一緒


ぼくはマックに寄ってハンバーガーを齧り


コーラを飲みながら道を歩いていた


きみはコージーコーナーで立ち止まってケーキを買っていた


そこできみと一度はぐれた



そのあと裏道を選んで歩いていたら


またきみがいた


声を掛けようと思ったけどやめた


きみは知らないだろ?


ぼくはきみが思っているほど孤独じゃない


あのときのように孤独じゃない


あの頃は孤独だった


でもきみには声を掛けなかっただろう、絶対に


だから、今のぼくは


きみに声を掛けたりはしない


それがぼくのポリシーだ


つまり


きみの胸はセクシーだったし


脚も長くて腰もくびれていた


長い髪は濡れていたし


Gパンのヒップはかっこよかった


だから


素通りした


空気のように


興味がないみたいに


きみのこと見もしないで追い越した


そうしたら、きみはついてきた


ブーツを履いたぼくの歩く道


それは町の中の誰もいない昼間の死角


声も掛けずに


抱き合って


唇に舌を入れて


腰を抱き


そのまま走って


アパートの階段を駆け上り


部屋に入って


裸になって


抱き合う


つまりはそういうことだから





自由はアメリカのイデオロギーか?


きみがもうなんて言おうと

 

ぼくはなにも感じなくなってしまったみたいだ

 

だって昨日のこともその前のことも

 

もう思い出したくないのに

 

同じように明日を迎えなければならないなんて

 

太陽は残酷だ

 

月は姿を変えるけど

 

やっぱり同じようにぼくを照らす

 

隠れていたいのに

 

太陽の光、夜まで反射させないでよ

 


夜の闇に隠れて


絶対に見つからないかくれんぼ


たった一人でしてるのに



足音だけが聞こえてくる


夜の海の波の音


遠い遠い汽笛の音


いつか行った半島の先端への旅


まだ希望があったし


信じる自由もあった



今はもう歌えない


自由の歌なんて


アメリカの国家みたいで歌えない


だれもドリームなんて夢見ないよ


もうだれも


一人勝ちの自由なんて









何十年後かの理想の自分

 


こんな所が雪国にはあるらしい

 

谷の端にあって

 

雪に囲まれているから

 

外に出られても山からは出られない

 

夏の川が涸れる

 

日照り続きのとき以外

 

天国とはそこに建つたった一戸のボロ屋のこと

 

障子や襖は破け

 

クモの巣が張っているのに

 

八畳の部屋の真ん中に置かれたテーブルで

 

飯を食っている爺さん

 

白髪が細長くザンバラで

 

着物の裾から白い骨のすねを出して

 

うどんを食っている

 

それはぼくだ

 

何十年後かの

 

理想の姿

 


 

たった一人で

 

もう言葉も忘れてしまった

 


 

 


 


新しい時代のために

新しい時代には新しい行動を

 

だれにも影響されることなく

 

新しい関係を築くには

 

古い関係を断ち切ること

 

行動するのは早い方がいい

 

たとえそれが間違えだったとしても

 

 


 




今日は新しい一日の始まり


今日から新しい日が始まる最初の日。





霧雨


今日は霧雨が降っていて寒かった


でも気持ちよかった


冷蔵庫のような風が吹いていた



目を瞑って感じる自由の形


自由がなんだか知らないが

きっと今日は自由だったような気がする

雨が降っていたけど

なんだか太陽を感じていた

ひとりでに楽しい想像をしていたのかもしれない

人間は未来も考えられるし、「もし」も考えられるから

もし、なになにしたらって考えたり

もし、なになにしなかったらって考えたり

でもそんなこと考えない猫や犬も生きてるんだよね

通りすがりの猫がぼくを見て逃げて行った

じっと眼を見つめてから

さっと逃げて行ったから

そんなに慌てなくてもいいんじゃないって思った


ぼくは自分のことをあれこれ考えてるけど

ぼくってそんなに大した存在じゃないのかもしれない

つまりそこら辺に生えている雑草や明日死ぬかもしれない虫のように

この世に生を受けた理由すら考えない生命と同じように

だって人間の価値って他のどの生物に通用する?

人間が築き上げた文明もすばらしいノーベル賞ものの文化も

空中を舞っている蛾や羽虫には全然存在しないも同然だし

どんな小難しい言葉の羅列も

小雨を浴びる八つ手の葉っぱには何の関係もないのだから


それでも言葉を書いたり話したりするのはなぜだろう

なんか意味でもあるのだろうか


ねえ、きみはどう思う?

きみの詩のような答えを聞かせてよ

それでいちころ、まいってしまうから


心を開いて、奥の奥まで扉を開ける

その中に入りたければ入ってもいいよ

だから、きみもぼくを中に入れてよ

外は寒い雪が降っているから


自由がなんだか知らないけど

少なくともそれは誰にも強制されないことであることは確かだ

だから自由に選んだ行為は尊重されなければならない

そしてさらに自由になることを求め続けなければならない


自由にぶちあたる限界などないから

今ある自由で満足してはいけない

さらに思いもつかなかった自由の形が必ずあるから


明日が来ることを知っているのも人間

だから明日のことを想像するのも人間

だからぼくはその能力を活用して

目を瞑って感じる

明日や明後日の自由の形






テレビに映った幽霊



消えたテレビに映る自分の影

 

裸でベッドに座っている


心霊写真に映っている幽霊のように画面の端っこにいる

 

昨日食べたマシュマロの味を思い出しながら

 

明日はじまる快楽の予行演習に励む


つまり海底に沈めておいた地引網を引き揚げると

 

真珠貝が引っかかって


きみへのペンダントにしようと思っている


そんな夢をみたような気がする


あの幽霊がそんな夢をみたような気がする


きみのことを好きになりそうだ


そう言っている


それが自分だとは思えないけど小さく映っている幽霊のような影


ぼくはそれがぼくだとは思わないけど

 

きみはどうかな


そんなぼくの姿を見て不気味だと思うだろうか




やってきたよ


黒いガラスに映ったダイヤモンドの光を消して


小さな幻灯機をスクリーンに向けて光を発射


そうしたら大勢の踊り子たちがでてきて


はやしたてる


やれやれって


やってみせてって


だからやってみたら


まだ足りない


そんなこといつまでしてても飽きないの?


飽きないことを探しましょう、一緒に


一緒ならいいね


小さな幻灯機に赤、紫、緑のセロファンを被せて


脳内イメージを幻灯してみれば


たいていはお粗末な映像で笑ってしまうが


さすがに君のはしっかりしていてストーリーもできている


つまり、きみは大人の女の常識をわきまえながら


ちょっとは冒険してみたい


それはぼくだって同じ


きっとTVに映ったぼくの影でさえ


冒険のスリルを味わいたいと思っているのだ


だから、すこし探してみるよ


あの冒険に関する覚書


昔、取り交わした覚えがあるから


たしか、二人でも有効だったね


メンバーが増えてもOKだったような気がするが、間違っていたらごめんなさい


さっそく彼女にも詳しい案内を送ってくれよ


お願いしますよ







 実験



まあ、実験だと思えばいい


あまり意味のない実験


というか無意味な実験


続けているとどうなるか


こうした無意味なたわ言書くこと


ほかに何も有益なことをぜずに


寝る前に飲むこと


ハル&ヴァン・ルージュ



ジュテームって初めに言っておくよ


ジュテーム・ボクーって言うと、そんなに好きじゃないことになるらしい


愛の告白はシンプルなほど強いらしい


フランス人のメンタリティーって少し変わってるよね


でもなんかわかるような気がする



せっかくきみとこうして知り合えたのだから


この出会いを大切にしたい


きみはただの普通の凡人じゃないことはぼくには分かる


ぼくもそうだから