何十年後かの理想の自分 | 紫源二の啓示版

何十年後かの理想の自分

 


こんな所が雪国にはあるらしい

 

谷の端にあって

 

雪に囲まれているから

 

外に出られても山からは出られない

 

夏の川が涸れる

 

日照り続きのとき以外

 

天国とはそこに建つたった一戸のボロ屋のこと

 

障子や襖は破け

 

クモの巣が張っているのに

 

八畳の部屋の真ん中に置かれたテーブルで

 

飯を食っている爺さん

 

白髪が細長くザンバラで

 

着物の裾から白い骨のすねを出して

 

うどんを食っている

 

それはぼくだ

 

何十年後かの

 

理想の姿

 


 

たった一人で

 

もう言葉も忘れてしまった