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わたしが3歳のときに弟が生まれた。

 

 

丁度,6月の下旬。

 

 

わたしが後,半年で4歳になるときだった。

 

 

多分,待ちに待った兄弟だったのだろう。

 

 

わたしはこれから生まれる弟を、勝手に相性で呼んでいた。

 

 

「Tちゃん」

 

 

そして、弟が生まれたとき,その相性で呼べる名前がつけられた。

 

 

つまり,半分,わたしが弟の名前をつけたわけだ。

 

 

わたしは、3歳の記憶はあまりないが,弟が生まれたときのことはなぜかよく覚えている。

 

 

隣りには親しくしているおじちゃんとおばちゃんが住んでいた。

 

 

他の人とは話さないが,隣りのおじちゃんとおばちゃんのことは好きだったので、しゃべっていた。

 

 

 

両家の境には白い小さな花が咲く、あまり丈が高くない庭木が植えられていて,行ったり来たりできるように人が一人通れるくらいの隙間が空いていた。

 

 

わたしはその隙間を通り,隣りのおばちゃんに「赤ちゃんが生まれたよ〜」と知らせた。

 

 

その場面しか覚えていないが、なんだか,ワクワク嬉して、誇らしいような気持ちを感じたことを覚えている。

 

 

いつも,ひとり言を言いながらの一人おままごとに少々飽きていたのではないかと思う。

 

 

そうは言っても,3歳半離れているし,弟だったし、二人で遊んだ記憶はわたしの中にはあまりない。

 

 

ただ,弟は笑わない姉と比べると,真反対でニコニコとよく笑うかわいい赤ん坊で、皆んなからかわいがられたらしい。

 

 

わが家の子どもたちのことを見てもそう思うが,同じ親から生まれて,こうも性格が違うのかと感心するほど,兄弟でも違っていた。

 

 

違うがゆえに、これから弟を交えたおもしろいエピソードが時々登場する。

 

 

それにしても,かなり体が弱かった母が二人の子どもの母親になったのはあっぱれである。