研究結果:EV(電気自動車)の夜間充電が、米国の電力網を不安定にする
2022年9月28日(水) by:ベル・カーター

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スタンフォード大学の、科学者が行った研究により、電気自動車(EVを、夜間に充電するとコストが掛る事が判明し、応用エネルギー誌に発表されました。

 

 

更に悪い事に、そうする事で、地域の電力網に負荷が掛り、不安定になる可能性がある。

 

夜間に充電する電気自動車が米国の電力網を不安定にする可能性があると研究者が警告している。

 

電気自動車が夜間に充電する事で、米国の送電網が不安定になる可能性があるとの調査結果を発表
 

この研究の著者らは、ドライバーが職場や公共の充電ステーションで充電することを提案している。

 

又、日中に公共の充電ステーションで充電する事で『温室効果ガスの排出量』を減らす事ができると述べています。

この研究の共同執筆者で、土木環境工学の准教授であるラム・ラジャゴパルは、

 

「我々は政策立案者に」

「一日充電を奨励する公共料金を検討し」

「充電インフラへの投資を奨励し」

「ドライバーが」

「自宅から職場に」

「充電に行く様にする事を勧めます」

 

と、述べています。

 

    

 


森林火災の頻発、洪水の蔓延、ハリケーンの強大化等「気候変動」が顕在化する中、自動車会社は人々が電気自動車に投資を始める事を期待しています。

 

特にカリフォルニア州は、2035年から、ガソリン車の新車販売を禁止している為、その期待は大きいのです。

 

カリフォルニア州、2035年までにガスエンジン車の新車販売を禁止
 

米国で最も人口の多い州であり、米国の自動車文化の中心地である米カリフォルニア州は『気候変動との戦い 』を、推進する為にこの決断を下したのです。

 

ゴールデンステートの自動車販売台数の内、電気自動車は100万台、詰り6%を占めており、2030年迄に500万台の電気自動車に増やす事が州の目標である。

しかし、研究者によると、ガスから電気への切り替えは、道路を走る車の40%を、EVが占める様になると、電力網に負担をかける事になるという。


「我々は」

「家庭での充電を減らし」

「日中の充電を増やせば」

 

「米国西部は」

「より少ない発電容量と蓄電を必要とし」

 

「太陽光や風力発電を」

「それほど無駄にしない事を」

「示すことができました」

 

と、機械工学博士で研究の筆頭著者であるシボーン・パウエルは、説明しています。

 

     


又、カリフォルニア州や西部の州だけでなく、全ての州で、EV充電の需要が高まり、送電網が変化するにつれて、電力料金体系を見直す必要があるかも知れないとも述べています。

研究チームは、米国西部の自動車の半数が電気自動車である場合、その充電には大型原子炉5基分に相当する5.4ギガワット以上のエネルギー貯蔵が 必要になると試算しています。

 

しかし、もし人々が自宅ではなく職場で電気自動車を充電した場合、電力需要は4.2ギガワットまで下がると予想されます。

 

「この論文から得られた知見は」

「2つの深い意味を持つ」

 

「1つ目は」

「価格の通知が送電網と料金支払者にとって」

「最適なものと一致していない事です」

 

「もうひとつは」

「人々が働く場所への充電インフラへの」

「投資を検討する事です」

 

と、エネルギー科学・工学の准教授で共同執筆者の、イネス・アゼベドは述べています。

 

   


崩壊するカリフォルニア。最新の電力網の問題は始まりに過ぎない

 

夏の猛暑のせいで、カリフォルニア州の電力網が崩壊寸前になっている。

 

この為、米カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムは、同州が「国をリードする」気候目標を掲げていることをアピールし、防衛に乗り出しました。

 


ニューサムによると、州は再生可能エネルギーの強化に取り組んでいる為、電気をつけ続ける事ができたという。

 

ニューヨークで開催された『クリントン・グローバル・イニシアチブ』のイベントで「送電網が壊れる寸前まで行ったが、壊れなかった」「この移行はうまくいった」と述べた。

 

ギャビン・ニューサム知事がClinton Global Initiativeのイベントで講演しています。

しかし、州政府が最近、最後の原子力発電所の閉鎖を延期し、幾つかの天然ガス火力発電施設の寿命を延ばすという決定に至った事で、批評家はこれを強く疑っている。専門家によれば、同州は最も野心的なエネルギー目標の達成にはかなりほど遠いとのことだ。

 

カリフォルニアの電力網の問題は、まだ始まったばかりです。
 

風力や太陽光といった「環境に優しい」電力供給は、2045年迄に、100%排出のない送電網を実現するという、州が定めた目標に近付く事を難しくしているのだ。

 

今年に入ってからの再生可能エネルギーによる電力供給は、平均して36%に留まっています。

更に、今月は10日間に渡って3桁の気温が続いた為、電力需要が過去最高レベルに急増し、州の規制当局が計画停電を命じざるを得なくなる処でしたが、これでは、政治的な大失敗になり兼ねないと、批判されています。

 

(関連記事:カリフォルニア州の停電の危険性。EV所有者に充電を控えるよう指示、送電網が崩壊する可能性も)

 

 


カリフォルニア州エネルギー委員会のシバ・グンダ副委員長「なんと、予想される最悪のケースと比較しても、非常に悪い状況にある」と述べた。

 

 

ジョン・レアード州上院議員によると、将来、電力供給のギャップが心配される事態を避ける為に、十分な対策が取られていないとの事だ。

 

 

サンタクルーズ出身の民主党議員は、化石燃料からの脱却の為に、再生可能エネルギーとバッテリーへの大規模な新規投資が必要だと主張している。


「風力発電、太陽光発電、洋上風力発電」

「開発された自然エネルギーが」

「送電網に乗る様にする様の」

「邪魔をしない様にする必要があります」

 

と、レアード州上院議員は述べた。


カリフォルニア州のガソリン車禁止と電力網の崩壊の皮肉についてのビデオをご覧ください。

 

カリフォルニア最大のEVの皮肉。笑