基板でフェーダノブを作る | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

基板で何か作るシリーズ・・・です。(シリーズものだったのか)

 

 

過去の事例

 

 

 

 

 

今回は「組み上げられるもの」という無理難題を自らに課しました・・・。

デザインは筆者、ガーバーデータ作成&試作は @magicarchtec さんです。今回のテーマは曲線ミーリング加工の品質確認、極限まで細い加工が出来るのか?、篏合出来るほどの精度が出るのか?です。こんな企画にお付き合い頂き毎度毎度ありがとうございます・・・。基本データ作成はAdobe Illustratorです。その後、.aiデータを渡し基板データにやり直してもらっています。今回は試作1回、2回目で配布用量産体制です。

 

 

完成予想図。かっこいい

 

 

意味不明なポエム。Xに流したネタ画像

 

 

実際の仕上がり!!!赤が素晴らしい発色!

 

 

パーツ構成

 

 

作成例。初期の頃なので傷がついている(組み立てには試行錯誤が必要だった)

 

 

側面

 

 

こちらは完成品質を上げることが出来た際に作成したサンプル

 

 

訓練の末、非常に美しい状態で組み上げられるようになった

 

 

かわいい・・・

 

 

配布用に持ち歩いていたセット。組み立て参考品もある

 

 

そもそもなんでこれを作ったのか、の話をします。

 

着想は「現場に乗り込んだら現地機材にフェーダのノブが一部無かった」事に起因します。ポケットから組み立て式フェーダを取り出してその場でぱきぱき組み立てたら面白いだろうな、という非常にしょうもない発想が発端です。これは正直に書きますと、全ての製品に対応させることは不可能でした・・・フェーダノブを取り付けるためのフェーダの種類があまりに多種多様過ぎた為です。

 

次に筆者のノベルティの基本理念に 「買うほどではないがもらえるなら欲しい。きっと使えるんだろうけれどあえては使わない」 を掲げている為、それを体現できる事例を作りたかった、です。

カード状態から切り離してしまうと不可逆的な破壊が起き、決して元に戻りません。このジレンマを体感できる一つの「形」を提示してみました。(アート的な意味です)

 

そして、フェーダノブって構造を省いて行けば実際にこの形でも問題ないのでは?と「デザインのそぎ落とし」の具現化です。

 

一見ふざけている様で実際にふざけているのですが、これはXLRコネクタ半田付けテンプレートの発想が盛大にスベって(想定外の大大大人気!!)しまった事に起因する、反逆精神で、理念を持って取り組んでいます。

 

XLRテンプレで何が起きてしまったか?が以下・・・

 

 

思い通りに行かない事は沢山ある・・・と感じた次第です。

※もちろん、XLRテンプレも茶化している部分が表面上見えていたとしても、取り組む姿勢や思想は真摯です。

 

 

説明はここまで、実際に取り付けた写真が以下です。

 

トモカ電気のフェーダに取り付け例。実際に取り付ける際はやすりがけを行う必要があります※東京光音電波のフェーダ

 

 

fixerさんの赤くてかわいいボリュームフェーダーキットに取り付け

 

 

 

 

YAMAHA MGシリーズへの取付例。実際に取り付ける際はやすりがけを行う必要があります

 

 

以上です。これはInter BEE 2023で実際にお会いした方に配布しました。

少ない時間でしたが、ありがとうございました。

 

 

おまけで作成方法を載せておきます。

 

 

組み立て方法

1.プライヤを使い切り離す。2本使うと即折ることが出来ます。写真のプライヤは挟み込む面が平面タイプのもの

 

 

2.切り離した状態

 

 

3.手で中央パーツを挟み込みます

 

 

4.厚紙を当て、プライヤで篏合します

 

 

5.斜めパーツは丁度平面に当たるので平らなプライヤであれば厚紙を当てなくてもOKです

 

 

この状態を最初に作ってください。最後に真ん中のパーツを取り付けると中央で割れます

 

 

6.上部完成。ここまではなんなく出来るはずです

 

 

テストで作成した4つ

 

 

7.下部パーツの取付ダボの内側を削ります。ここを削らないとやや破壊的な篏合になる為、弾性変形をさせる為の遊びを作ります

 

 

ここの隙間が側面パーツの変形を促します。(PCBに変形を求めるな)

 

 

下部パーツをはめ込めば完成!!!

 

 

こうした物を形に出来る。それはとても楽しい事です。

みなさんもぜひ・・・!