カナレ電気にL-2B2ATのラッピングツール用の仕様があると同業から聞き、取り寄せてみました。

これがカナレ電気 L-2B2AL。L-2B2ATのすず一括コート線で、名目上はラッピングツール専用。外径は同寸法でシース色は灰色のみとなっている。※ラッピングツールについては後述する

上がL-2B2AT、下がL-2B2AL。シースをストリップした状態

上がL-2B2AT、下がL-2B2AL。心線をストリップした状態。すず一括コートは半田コートとは異なり、しなやかで曲がりやすい。※ラッピングツール対応とは単線に近似した性能を指す

フェルール圧着を試してみた。これを行う必要がある場合はL-2B2ATを選択するので意味はないが、しっかり圧着が出来ている

上がL-2B2AT + フェルール圧着、下がL-2B2ALそのまま。当たり前だが圧着の時間が短縮できる

別角度。便利かもなぁ・・・
Blog内参考リンク:
ラッピングツールとは何か?
どちらかというとこっちを調べるのが大変でした・・・。ラッピングツールをご存じでしょうか?2026年においてはまずお目にかかりません。こちらはラッピングポストという専用のポールに、専用の回転工具を用いて締め付け、接点を結合させる方法です。かつていた現場のパッチ盤で使われているのを初めて見ました。

手元にあった端子に巻き付けてラッピングを再現してみた

NTT技術史料館に展示されているラッピングツール。博物館に展示されるクラスの話である
困ったときは国立国会図書館デジタルコレクションです。ラッピングツールで無料公開Web閲覧可能をソートし、引っ掛かった最古の本がこちらでした。
通研月報
書誌情報:著者 日本電信電話株式会社研究開発技術本部技術情報センタ 編出版者電気通信協会出版年月日 1957-09

ベル研究所で研究実用化、とある。なんでもベル研だな・・・

そうそう、この写真が欲しかった

本書籍では半田に代わるのか追試験を行っている
本書籍で引用されている論文が以下。
Solderless wrapped connections: Part III Evaluation and performance tests
Publisher: Nokia Bell Labs
R. H. Van Horn
All Authors
https://ieeexplore.ieee.org/document/6772533
(要会員登録)
R. H. Van Hornが1953年に論文を発表しているとあり、1953年がラッピングツール誕生の年と考えて良いでしょう。日本では1957年9月の通研月報では取り上げられているだけなので、日本国内での実用化には至っていないようです。この後、爆発的な普及を見せ、そして衰退していきます。
おまけ資料
THE BELL SYSTEM TECHNICAL JOURNAL
https://www.worldradiohistory.com/Archive-Bell-System-Technical-Journal/50s/Bell-1959-4.o.pdf

この写真を載せたかった
その昔、音響パッチベイの接続と言えばラッピングツール、といった時代がありました。110号も、バンタムも、電電公社規格の多芯コネクタもラッピングツール対応品があったのです。それが現代ではどうでしょう?全く姿を見かけなくなりました。この記事を書こうと思い、現存するコネクタや機器を確認しましたが・・・本当に無い!!え?じゃぁ、L-2B2ALって誰のために生産されているケーブルなの・・・・・・
とりあえず、興味がある方は内線にこちらを使ってみてください。