色々な事をまとめた記事です。
まず、G.R.A.Sのフリーフィールドタイプのアレイマイクロホンである40PHが @magicarchtec さんから送られてきました。(いつもすみません)
G.R.A.Sこと、GRAS Sound & VibrationはGunnar Rasmussen(元Brüel & Kjærのエンジニア)が1994年に創業した会社です。個人的な観測ですと、Brüel & Kjær(B&K)の導入が価格面で難しい場合にGRASを導入する事が多いように見受けられます。とはいえ、日本では個人ユーザではまず購入が不可能な製品であり、法人格でも取引の壁はかなり高いです。
※Gunnar Rasmussen氏は2024年4月に亡くなったとの事です。
GRAS 40PH CCP Free-field Array Microphone。めちゃくちゃ小さい・・・
広報用の写真だけではこの小ささは伝わらない。このマイクロホンはアレイ用途ラインナップで1/4インチとは異なり、Φ7mmである
Blog内リンク:
40PHは偏極仕様ではなく、PCBが提唱するICP、GRAS社としてはCCPという名称の接続方式が採用されています。マイクロホンが小型な為、端子はBNCではなくSMBコネクタが採用されています。
カッティング
SMB(P)コネクタが採用されている
GRASマイクロホンにファンタム電源は使用できるのか?|GRAS社
GRAS社のCCP(ICP)マイクロホンはXLR 48Vでの駆動が想定されている
ICPマイクロホンをなんとかしてXLR 48Vで使用できないか?は各社がそれに合ったアダプタを製作していることから一定の需要があるようです。但し、消費電流の関係からあらゆるICPに対応するアダプタの製作は難しく、専用の電源回路を設け、その後XLRに変換を行う方が安全であるのは変わらない様です。そんな中GRASは珍しく、単なるピンアサインの変更だけでXLR 48V対応を行えるとの説明が公式にアナウンスされています。
Neutrik NA2MBNCはGRAS AG0003と同等品
BNC to SMB変換
XLRからSMB(P)への直接変換ケーブル
XLRからBNCに変換したのち、SMB(P)への変換ケーブル
SMBのコネクタの端末仕上げはこちら!!
40PHをそのままBNCに変換
さらにXLRに変換。これは測定マイクっぽい
「GRAS社のCCP(ICP)マイクロホンはXLR 48Vでの駆動が想定されている」ことから実際に動かしてみました。こんなの自発的にやろうだなんてまず思いませんし、そもそもマイク自体が入手できませんので貴重な経験となりました。
指向性はないのでステレオセッティングにしても何の意味もないがヘッドフォンで聴いてみたりSPL測定をしてみたりした
40PHは非1/4インチなのですが、手持ちの1/2インチ変換がΦ7mmに対応できたので以前購入したマイクロホンキャリブレータでキャリブレートしてみた
このサイズのマイクの難点はホルダが無い事
I/FにBNC変換が刺さっているのは奇妙な図である
ICP接続が存在するはるか昔からBNCに対してファンタム電源を送る方式はNeutrikの測定器で採用されており、試しに接続を行ってみたところ、使用する事が可能でした・・・!!
Neutrik Audiograph 3300 & GRAS 40PHというなんとも奇妙な組み合わせ
ヘッドフォン測定を行ってみた
周波数特性を記録してみた
一通り試験をしてみて、マッチングペアを探したり音圧測定をしてみたり・・・色々勉強になりました。
この経験は今後もきっと役に立つと思います・・・。感謝。