2月21日(木)
参加者:8名 
テーマ:言葉の文化を共有する・子どもの絵を聴く

報告が大変遅くなり申し訳ありません。
先日、第19回目のほほえみの会を行いました。

寺内先生は町田にお引越しされましたので、なんと、2時間かけて会場までいらしてくださいました。
本当にありがとうございます。
町田にお引越しされたのも、後任の指導者養成の拠点とするためで、お引越しの前後も講演会や分科会など多くのお仕事を抱えていらっしゃいました。
そのように、70歳を越えてなお、人生を子どもの未来のために全力で捧げていらっしゃるお姿に私たちも感動し、刺激を受けました。


先生のお話のまとめ


言葉の文化を共有する

「家族の肖像」という哲学用語があります。
これは、「概念」を説明するときに使う言葉で、
家族の写真を重ねてみると、その家族が持っている共通した骨格が現れてくる、というものです。
同じように、親子が持っている言葉を重ねてみると、「○○家の文化」というものが現れるのです。
一緒に生活していると、自然に文化が伝わり、家族で共有することになります。
これは、血のつながり以上のもので、これこそ、「家族の絆」と言えます。

ところが、情報化社会になり、家族がバラバラの文化を持つようになりました。
そこで、高校くらいまでは、親が意識して自分の文化を伝えていくことが必要です。
子どもは、外から他の文化をどんどん取り入れます。
子どもの年齢が大きくなるほど、子どもがどんな文化や情報を吸収しているのか心配になるでしょうが、
子どもの文化がどうなっているのかを無理に確かめるのではなく、
自分の文化を怠りなく、子どもに伝えることです。

言葉を伝えるときには心が同時に伝わります。
言葉を言ったときの口調、表情、感情が伝わります。
言葉を使わないで自分の気持ちを伝えるのはとても難しいことです。

どんな言葉をどのように伝えるのか、家族で、生活用語、色の名前、など共有できるようにしましょう。

                                              オドリママ





夕方、月を見て。

私は月に手を伸ばしてみる。そして、手のひらに月をのせる。


私「ほら見て。きれいなお月様。」

娘「ほんとだ。きれい。手にのっちゃった。」

娘も月を手にのせる。それから、掴んでみる。

私も一緒に月を掴む。

娘「お月様、とっちゃった!」

しかし手を開いてみると月は空にあるまま。

娘「あ~ぁ、とれな~い」

私「そう?見て。」

私は月を掴んだ手を口元に持っていって食べるまね。

私「おしいしいね」
娘「うん、おいしいね」

                           オドリママ星     
乾杯を始めて数日後、家の前の駐車スペースをほうきで掃いていたところ、コンクリートの車止めの横の部分にアオムシのさなぎを見つけた。
「いなくなってしまったと思ってたけど、こんなところまで這ってきて、さなぎになったんだ。」
みかんの鉢は運転席の横に置いてあるので、そこから後輪のクルマ止めまではアオムシにとってはかなりの距離がある。
一生懸命そこまで這っているアオムシの姿を想像したら、なんだか胸が熱くなってしまった。
「ママの今日の乾杯はコレで決まり!早くみんなに教えたいな。」
長男が部活を終えて戻ってくるのを待っていたら、すっかり辺りは暗くなってしまった。
私 「今日のママの乾杯、みんなに見せたいんだ。一緒に外に来てくれる。」
私の手には懐中電灯。
次男「どうして懐中電灯持ってるの?」
私 「うふふ、来てみればわかるよ。」    
懐中電灯で車止めを照らし、しゃがんでみんなでのぞきこむ。
私 「見えた?アオムシ、また食べられちゃったかと思ってたけど、こんなところでさなぎになってたの。
掃除していて見つけたんだ。頑張ってさなぎになったアオムシに乾杯!」
三男「すごいね。こんなところまで来たんだね。」
長男「アオムシにとっては結構な距離だよね。」     

しばらくみんなでじっとさなぎを見つめていた。
皆無言だったけど、確かに頭の中で同じ場面を見ている空気を感じた。
みかんの木から車止めまで、一生懸命這っているアオムシの姿を。                                                                          サンタママウサギ
① 言葉の知識で生活文化を共有する
親の文化を子どもに伝えるために、自分の好きな言葉を子どもに伝えよう

たくさん教える必要はない。年に2つくらいでよいので折にふれて、子どもに伝える。

四季の言葉の例

 清清しい・爽やか・色づく・釣瓶落とし・ひとしお・身にしむ・しみじみ・いとおしむ…
 冬支度・狂い咲き・小春日和・日向ぼっこ・からっ風・粉雪・細雪・かじかむ・しんしん・凛々…

(四季の言葉でなくとも、好きな言葉を使ってみてください)


② 色の名前
今の子どもは科学的な色の名前しか知らないので、色の表現が狭い。
そこで生活から感じる色を表現してみる。
それは昔からある色の表現でも良いし、子ども自信が考え出した色の名前でも良い。
例えば・・・夕方の「あかね色」など

 子どもの絵を聴
描かれた絵だけを見てはだめ。描こうとした気持ちを見る。
そのためには会話をすること。


☆カンパイはぜひ続けてやってみてください!

次回ほほえみの会は来年2月の予定です。
                            
オドリママ星
12月7日(木)
参加者9名
テーマ:第3の会話・カンパイ・子どもの絵を聴く

第3の会話

第3の会話は子どもの好奇心を広げ、教科書を必要としない学習対象を広げる。
このようなことが将来子どもにとってどんな意味があるのかまだわからないが、
与えられた情報の中だけで生活していくのは情報化社会の学習である。
情報に左右されない個の確立が大切。
新聞・TVの情報は売り買いされる商品であり、我々には知らされない情報も沢山ある。
我々は情報を選択しているつもりでも、その前にすでに情報は選択されているのである。

子どもが自分で情報を選択し、好奇心を持って外の世界を見つめる時、
弱いものにも目を向けることができるようになるだろう。
「心の優しさで選ぶ」ということもするだろう。

カンパイ

「カンパイ」とは子どもの言ったことに「あっ、そうだね!」と共感することである。
我々は共感する言葉を毎日使っているかというと、そうではないだろう。
子どもの現状を認める前に、子どもに教えないといけないことが山ほどある、と親は思い込んでいる。

子どもの話を喜んで聴いてあげよう。
そのやり方の一つとして「」カンパイ」は非常に有効である。
カンパイすることで共感のチャンスが増えるからだ。

子どもの自己肯定が今、成績になっている。
しかし、たとえ学校や周りが評価してくれなくても、親が評価(親が共感)してくれれば、子どもは受け止めてもらえたと思うだろう。
そのような子どもは思春期に一時親から離れたとしてもまたきっと戻ってくる。

学校で出せない自己表現のチャンスを家庭で出せるようにしよう。

感性的認識を深めよう

認識には科学的認識(客観的認識)と感性的認識(主観的認識)の二つがある。
日本は工業立国を目指した時から感性的認識を切り捨ててきた。
しかし、図鑑や情報だけで物ごとを認識していていてはだめだ。
実体験が必要である。
感性が求めるものは「調和」である。
いじめの問題に取り組むためは感性的認識が必要である。
競争能力だけはなく、調和能力を身につけよう。

* 先生のお話をまとめてみました。
  参加者以外にはわからない部分も多いかと思います。
  順次チャレンジ記録もアップしていきますので、参考にしてください。
                                     オドリママ星


夏休みに入る前、我が家のみかんの鉢にまたアゲハが卵を産みました。久しぶりだったこともあり、特に三男が成長を楽しみにしていました。白黒の状態から緑色に変化し、どんどん大きくなって、もうすぐさなぎになると楽しみにしていたある日、


夫 「
大変だ!アオムシがアシナガバチに食べられてる!」


その声に次男と三男が大急ぎで外へ


私 「パパ、蜂を追い
払ってあげてよ。」

夫 「もう手遅れという感じ。ぽたぽた青い液がたれてる。」


 そのグロテスクな表現に、一応アオムシを可愛がっていた私は見にいくことができなくなってしまいました。しばらくして夫と子どもたちが戻ってきました。


次男「アオムシ、あっという間に食べられた!」

 
 科学者タイプの次男は淡々と事実を述べていました。それにくらべて詩人の三男は一番可愛がっていたこともあり、しょんぼりしていました


三男「アオムシ、どんどん小さくなっちゃった。アオムシ死んじゃった・・・」

私 「そうかあ、それはかわいそうだったね。アオムシは早く動けないし飛べないから逃げられないものね。自然は厳しいよね。」

 
 三男は以前飼っていたテントウムシが死んでしまったときもとても落ち込んでいたので、もう少し気の利いたことを言ってあげたかったのに、情けないことに浮かんできませんでした。まさに食べられているその瞬間を見ることを躊躇してしまったことを後悔しました。

 数日後みかんの木を見てみると、黒くてしわしわになって乾燥しているアオムシの残骸がありました。

 

私 「見て。これアオムシだよね。」

三男「本当だ!黒くてしわくちゃだね。しわくちゃ、しわくちゃー!」

 
 三男はしわくちゃの歌なるものを歌い出しました。あんなにしょんぼりしてたのに、立ち直りが早いというか、やっぱり子どもには残酷な面があると思いました。

 その後もみかんの木にアゲハが卵を産んでいきます。無事にサナギにするために網を張ることも考えましたが、やはり自然は厳しいということを子どもに教えることが大切と夫婦で話し合い、特に手は加えないことにしました。今夏は一度も蝶になる姿は見られませんでしたが、それはそれで、子どもたちにはよい経験になったと思います。

                                    サンタママウサギ




 




 
ねっ!語らいの子育て  
     『ねっ!語らいの子育て』
    寺内定夫・著  花岡道子・絵  
      童心社
     
      1260円
 

寺内先生の新刊です。
親子で語らいあい、ほほえみあうために必要な「発見・共感・ファンタジーの子育て」が提案されています。
そして、この本には、ほほえみの会や八王子母親研究会などのチャレンジ記録と子どもの絵がたくさん載っています。

読んだ感想は、

「分かりやすい!」
「先生からいただいた課題の意味が良く分かった!」(今さら・・・?)
「チャレンジ記録(ほほえみの会)を続けて良かった!」

今までいろいろな課題を子どもと一緒にやってきましたが、それがとてもわかりやすくまとめられています。
私たちがやってきたことはこういうことだったのか、と改めて気付かされる感じでした。
ここに書かれていることは、何も難しいことではなく、誰でもやろうと思えば、すぐにできることばかりです。
例えば、「ねっ!」とうなづきあう、ほほえみあう、空想遊びをする、など。
どれも、何も身構えることなく、何も道具を必要とせず、今すぐ目の前の子どもにしてやれることです。

しかし、その僅かなことが子どもの心を開くことをチャレンジ記録を続けていて本当によくわかりました。
「ねっ!」と優しくほほえんだり、絵を両手で受け取って、あれこれ話をする・・・。
そういうことで、子どもは驚くほど変わることもあるのです。
何より、親が変わります。
先生は、子どもに「変われ」とはおっしゃいません。
「親が変われば、子どもが変わる」これが先生の口癖でもあります。

夜、この本を読み終えて子ども達への愛しさで一杯になり、
寝室へ行って寝ている子ども達をそっと抱きしめました。

                                   オドリママ星
 

7月11日

かぶと虫のオスを飼い始めてから息子は毎日お世話をしている。

接近しすぎるくらい接近してじーっと見ている。


子「カブトってかわいいねぇ。
目がちっちゃくて丸くて、ピカピカして、たっくんカブトムシの目好きやねん。」


カブトムシの絵を描き始める。


子「ママ、できたよー。」

私「おー、茶色と黒がまざってて、色がいいねぇ。」

子「たっくん、描けたねぇ。」

私「あれ、でもよーく見て。(足の先辺りを指差して)なんかここおもしろくなってる。」

子(じーっと見ている)

「なんか、さきっちょが二つになって、ビヨンビヨンってなってるな。」

描き足す。


私「あれ、これも角かな?」

子「あれ、こっちにも角があるんやねぇ。」描き足す。

子「あ、カブトもう寝るみたいやな。お布団にもぐっていくよ。
ほりほりしながら上手にもぐっていくなぁ。」

 

7月  草津温泉の宿でカブトムシ4匹とクワガタ虫2匹もらい、息子も1歳の娘も毎日大興奮。
外でも虫かごの横に並んで腹ばいになって様子を見ている。

子「カブトな、ごはん食べるときお尻かわいいで。プクプクうごかして、足も動かしながらたべてるわ。」

私「ほんまやね。おもしろいね。後ろからみたらカエルみたいに見えてきたわ。」

子「ひゃー、カエル!」

 

子「クワガタってピカピカしてないな。目が端と端にあって、ちいちゃくてかわいいね。」

私「ほんま、目と目が離れてるわ。やー、かわいい。ママクワガタ好きやわ。」

子「たっくんもクワガタ好き!」

私「体もぺったんこで、ブローチみたいや。」ちょっと肩につけてみる。

子「たっくんも、たっくんも!」


 クワガタのオスとメスを服につけようとするがなかなかうまくいかない。

おまけに娘もややこしいので、切り上げることにした。

私「もうクワガタ眠いんちゃう?カブトよりもいっつもよう寝てるやん。」

子「そうやな。もうおやすみ。クワガタちゃん。」


ケースに入れるなり、そそくさとオガクズの中に深くもぐっていく。

子「ようねるなぁ、クワガタは。なんで、昼にねるんかな。夜にばーっかりご飯食べて。」

私「なんでのかな。暑いのきらいやのかな。はずかしいんかな。」

子「はずかしいんちゃう?」

笑う。                  カモパンコスモス

6月 4歳の息子と世田谷公園にて


私「たっくんこれ見て!何やと思う?」

息子(しばらくじっと見て)「わからーん。」

私「これ、木の根っこ。この大きい木の根っこやよ。なんか、根っこも木みたいやね。
こんなに根っこがしっかりはってるから、この木はこんなに大きくてもしっかり立ってられるんよ。」

子「ふーん・・・。」しばらく不思議そうに見ている。

私「この根っこが地面のお水をチューっと吸って、なんとあそこの葉っぱまで届けてるねんて。
根っこってすごいよねぇ!」

子「根っこってすごいんやねえ!」

私「人間にもね、実は根っこが生えてるねんでー。
でも人間の根っこはなかなか目には見えない所にあるんやけどね。」

子「えー!なんじゃ、そりゃ。」

私「人間も根っこがしっかりしてると強くて倒れないんよ。
パパの根っこはね、すっごいしっかりしてるねんで。
だからあんなに強くてやさしいねんで。
たっくんパパの根っこ見える?」

子(パパをジロジロ見て)「うーん、見えない・・。」

私「たっくんもいっぱい遊んで、いっぱい食べて、根っこいっぱい生やしてね。」

子「パパー!ほら、木の根っこだよー!すごいねぇ、根っこって!」

 

7月

 2週間後、また世田谷公園に行った。

同じ木のそばを通った時、息子がおもむろにTシャツをまくりあげて、

まじめな顔でおへそのまわりをモミモミしている。



夫「たっくん、どうしたん」

子「あるある、たっくんの根っこ、いっぱい生えてきてるわー。」


得意気にクスクス笑っている。見えないところというのをお腹の中と思ったらしい。

もう一度根っこに近づいてしゃがんでみると、小さな新芽がポツポツとあちこちから顔を出している。


私「たっくん見て!」

子「あ、これ赤ちゃん?ママ、これ葉っぱの赤ちゃん?かわいいねぇ、小さいねぇ。

 小さいのにもう緑色やね。あ、あっちも、あっちも、いっぱいある。」

私「こんな小さい芽がいつかこの木みたいに大きくなるのかな。」

子「なったらいいね。根っこあるでー。がんばってー!」

                                   カモパンコスモス
ほほえみの会の新しい課題をいただいて今日で5日目。

「乾杯」がもう参加者の中で話題になっています。

「会話が弾む」「夕食が楽しくなった」「気付きが多い」などなど。

我が家も毎日楽しく乾杯しています。

今日の乾杯は

小2・息子
「掃除の時間にたくさん掃除ができた!休み時間も掃除して廊下をきれにした!乾杯!」
「空手の審査に合格した!乾杯!」

5歳・娘
「折り紙でつばきの花を最後まで折れた!乾杯!」
「おじいちゃんが幼稚園に来てくれた!乾杯!」

初めはなかなか乾杯する内容をを思いつかなかった息子が、今日は自分から「乾杯は?」と聞いてきました。
また、日を追うごとに乾杯の内容にも幅が出てきています。
とても楽しく、毎日続けたいと思います。

家族でその日あった嬉しい出来事を共有して喜びあうってすばらしいですね星
                                        オドリママ