こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ 

 

今日は晴れて穏やかな陽気となりましたね。

暦では、七十二候は「桃始笑(ももはじめてわらう)」になっています。

昔は花が咲くことを「笑う」と表現したのだそうです。

 

いよいよ、本格的な春が訪れる予感もしますね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

今回は「タウリン」についてのお話をしてみたいと思います。
 
「タウリン」と聞くと、栄養ドリンクの疲労回復・滋養強壮・健康成分のようにイメージされる方が多いかもしれませんね。

実は「タウリン」の働きとしては、心臓の筋肉である心筋や肝細胞の働きを調整・賦活する作用や、胆汁酸という消化・吸収で大切な働きをする成分の分泌を促進する作用があり、心臓や肝機能を正常に整えてくれます。
 

人間には体重の0.1%のタウリンがあるといわれ、心臓・肺・肝臓・脳・骨髄などのさまざまな臓器や組織に広く含まれていることから、生命の維持に必要な成分と考えられているのですね。

 

「タウリン」は、体内で多く見られるアミノ酸の一種ですが、一般的なアミノ酸と異なり、タンパク質を構成するのではなく、体内の多くの生理的過程に関与しています。

 

特に、神経系の機能、細胞膜の安定化、体内の水分と電解質のバランスの維持などに重要な役割を果たしています。また、抗酸化作用を持ち、免疫系のサポートや心臓の健康を促進することも知られてい

るのですね。

 

 

「タウリン」の体内における役割は、次のようなものになります。

 

  • 胆汁酸の合成促進:脂肪の消化吸収を助ける

  • 浸透圧調整:細胞の水分量を調整する

  • 細胞膜の安定化:細胞膜の機能維持に役立つ

  • 神経伝達物質の調節:神経機能の調節に役立つ

  • 抗酸化作用:活性酸素種を除去し、細胞を保護する

  • 疲労回復:筋肉の疲労回復を促進する

最近、この「タウリン」にアンチエイジング効果があるのではないか・・・と考えられており、多くの研究報告がされているのです。
 

実際に上の図に示すようにマウス、サル、人間とも加齢とともに体内タウリン量が減ってしまうことが知られています。

 

まるで、加齢とともに減ってしまう「NAD+」のようですね。

 

 

このような研究結果は、米コロンビア大学のビジェイ・ヤダブ博士の研究グループです。

 

ビジェイ・ヤダブ博士らは、人間の45歳前後に相当するマウスに毎日1回「タウリン」を含む溶液を餌に補給し、血中濃度を若いマウスと同レベルにする実験を行っています。

 

その結果、「タウリン」を補給したオス、メスのマウスの寿命は補給しなかったマウスよりオスは10%、メスは12%延びることを確認したそうです。

 

この延びは人間では7~8年分に相当するというのですから、驚きですよね。

 

上記の研究とは、別に欧州各国の60歳以上の約1万2000人を対象に体内の「タウリン」のレベルと約50の健康指標との関係を調べたそうです。

 

その結果、血中の「タウリン」濃度が高い人は2型糖尿病や高血圧が少なく、肥満度も低い傾向だったというのですね。

 

また、同グループは今回の研究の前に、24週間運動量を増やすと血中「タウリン」濃度は高まることも明らかにしています。

 

以前から「タウリン」には、「血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす効果」「血圧を正しく保って高い血圧を下げる効果」「肝臓の解毒能力を強化する効果」「糖尿病の予防・治療において重要な役割を担うインスリンの分泌を促進する効果」なども報告されていたわけですが・・・

 

「タウリン」が、老化の進行を遅らせることができれば・・・

これを利用しないという選択枝はありませんよね。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

 

参考)

1.Science. 2023 Jun 9;380(6649)

Taurine deficiency as a driver of aging 

Parminder Singhら

 

2.Lab BRAINS内記事より

 

-------------------------------------------------------------------

 <ブログ後記>3月12日

「タウリン」という言葉を聞きますと、「疲労回復」のための栄養ドリンクを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

「タウリン」という名前は、雄牛や牛を意味するラテン語のtaurus
に由来しています。

 

実際、「タウリン」は、1827年、ドイツのフリードリッヒ・ティーデマン(Friedrich Tiedemann)教授とレオポルド・グメリン(Leopold Gmelin)教授がウシ胆汁由来のタウリンを単離した先駆者となり、「ガレン・アスパラギン」と名付けたそうです。

 

その後、ラテン語で牛を意味するBos taurusにちなんでtaurusと名付けられた。しかし、現在使われている名称「タウリン」が初めて文献に登場したのは、1838年、フォン・H・デマーケイによるものであるとされています。

 

そして、長年にわたり、多くの研究者らが様々な生理学的プロセスにおける「タウリン」の役割を探求してきた歴史があるのですね。


「タウリン」の体内での働きをみてみますと、以下のようになります。


肝臓では、「タウリン」は胆汁酸とセットになって働き、胆汁酸塩を形成し、脂肪の消化と腸での吸収を助けるという働きがあります。


これらのプロセスは、脂質の代謝と脂溶性ビタミンの吸収に不可欠であると考えられています。
 

また、「タウリン」は、カルシウム(Ca2+)シグナル伝達、イオンチャネルの調節、神経伝達に関与し、神経の興奮性とシナプス伝達に影響を与えることが示されています。


興味深いことは、「タウリン」には、抗酸化作用があり、フリーラジカルや活性酸素種(ROS)を消去することによって、細胞を保護する作用があることですね。


この「タウリン」の抗酸化作用は、神経保護や心血管系の健康に役立つ可能性があると考える研究者も多くいます。

 

実際に「タウリン」は、心臓血管 の制御や動脈血圧などの重要な機能を調節していることが分かっていたり、

また、「タウリン」の神経保護作用には、神経細胞のアポトーシスや炎症を抑制する作用もあることも知られており、神経変性疾患や脳損傷の研究において注目されていたりもします。


実は、「タウリン」には「タウリン散」という医薬品があり、その働きとしては、心臓の筋肉である心筋や肝細胞の働きを調整・賦活する作用や、胆汁酸という消化・吸収で大切な働きをする成分の分泌を
促進する作用があり、心臓や肝機能を正常に整える作用があります。


これまで、私自身が注目しているのは、次のようなことでした。

 

「タウリン」の潜在的な心臓血管の保護作用についてです。

この効果については、数多くの研究が行われています。

 

「タウリン」は、血管の内側を覆うように存在する「血管内皮細胞」の機能を改善し、血管の状態を改善する可能性があるからです。

 

以前のブログ内でもご紹介しましたが、血管の収縮や拡張を繰り返すという柔軟性は、「血管内皮細胞」が作り出すものでしたよね。

 

 

さらに「タウリン」の持つ抗酸化作用は、アテローム性動脈硬化や
心不全などの心血管疾患のリスクを軽減する可能性もあると考えられいるからです。

 

アンチエイジング医療の分野では、古い歴史を持つ「タウリン」ですが、「タウリン」の作用機序とその抗酸化特性から、

現代においても、アンチエイジング戦略の候補としても興味深いものになりそうですね。

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

参考)

3.Mol Med Rep. 2021 Aug;24(2):605.

Protective role of taurine against oxidative stress (Review)

Stella Ballouら

 

4.Nutrients. 2023 Sep 30;15(19)

Functional Role of Taurine in Aging and Cardiovascular Health: An Updated Overview

Gaetano Santilliら

 

 (以前のphoto: 筆者撮影)

 

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 JTKクリニックホームページ

 

 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

新潟大医学部卒

 

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<今週、なんとなく聞いてみたい曲>

 

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ 

 

青空の広がる3月最初の休日の午後となっています。

今日 3月3日は「ひな祭り」、別名では「桃の節句」と呼ばれますね。

「桃の節句」の起源を調べてみますと、古代中国の「上巳節(じょうしせつ)」が起源であるといわれているそうです。

 

3月上旬にあたる上巳節は、季節の変わり目で邪気が入りやすいとされていました。そのため人々は水辺でみそぎをし、身を清めていたそうです。

 

この上巳節が日本に伝わると、邪気を人形に移して川に流すようになります。この人形がひな人形の原型なのだそうです。

 

そして、旧暦の3月3日ごろは桃の花が咲くことから「桃の節句」と呼ばれるようになりました。桃の節句という呼び名が浸透したのは江戸時代のごろと考えられています。なかなか、奥が深いものですね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

さて、今回は「肌を美しく保つ方法」についての話題にしてみたいと

思います。

 

では・・・「肌が美しい」とは、どのような状態をいうのでしょうか?一般的には、以下の要素が整っている状態を指すそうです。

 

1. うるおい

肌表面は角質層で覆われており、角質層は水分を保持することで肌を柔らかく滑らかに保ちます。

 

2. キメ

キメとは、肌表面の細かい凹凸のことです。キメが整っている肌は、なめらかで均一な質感に見えます。

 

3. ハリ・弾力

肌のハリや弾力は、真皮にあるコラーゲンやエラスチンという繊維によって支えられています。これらの繊維が十分に存在することで、肌はピンと張りつめ、弾力のある状態になります。

 

4. 透明感

透明感のある肌は、血行が良く、メラニン色素の沈着が少ないことが特徴です。また、ターンオーバーが正常に行われているため、古い角質が肌表面に蓄積することなく、内側から輝くような透明感を放ちます。

 

これらの中で、3. ハリ・弾力は、極めて重要と考える方が多いという意見もありますよね。このハリや弾力がなくなりますと・・・

シワやタルミが出て、老けて(ふけて)見えるから・・・というのが、その理由だそうです。

 

では、この皮膚のシワやタルミの出現と関係があることとは、どのようなことが挙げられるのでしょうか?

 

実は、皮膚のタルミやシワの出現は、「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」の老化と密接な関係があると考えられています。

 

「線維芽細胞」は、皮膚の「真皮層(しんぴそう)」に存在する細胞で、「コラーゲン」や「エラスチン」などのタンパク質を生成する役割を担っています。これらのタンパク質は、肌のハリや弾力を維持するために不可欠なものです。

 

しかし、加齢や紫外線の影響などによって、線維芽細胞は徐々に老化していきます。老化に伴い、線維芽細胞は繊維タンパク質の生成能力が低下し、その結果、肌のハリや弾力が失われて、タルミやシワが生じるというのですね。

 

さらに「線維芽細胞」が老化すると、「ヒアルロン酸」の生成量が減少し、その結果、肌の水分量が減少して、乾燥しやすくなります。乾燥は、シワやタルミを悪化させる要因となります。

 

さらに「線維芽細胞」が老化すると、「ターンオーバー」が遅延し、古い角質が肌表面に蓄積しやすくなります。古い角質が蓄積すると、肌のくすみやごわつきが目立ち、シワやタルミが出現しやすくなる

というわけですね。

 

「ターンオーバー」とは、肌の細胞が生まれ変わるサイクルのことを指し(差し)ます。

 

このように肌の真皮層に存在する「線維芽細胞」は、「コラーゲン」、「エラスチン」や「ヒアルロン酸」などの重要な成分を産生する、アンチエイジングにとって非常に重要な細胞と言えるのですね。

 

                                      (図はお借りしました)

 

しかしながら・・・すべての細胞は、加齢や環境の影響で老化し、機能が低下していきます。この「線維芽細胞」も例外ではなく、老化に伴い以下の変化が起こります。

 

1. 増殖能力の低下

 

若い「線維芽細胞」は活発に増殖し、新しい細胞を作り出します。しかし、老化すると増殖能力が低下し、新しい細胞を作る数が減ります。

 

2. コラーゲンなどの生成能力の低下

 

「線維芽細胞」は、「コラーゲン」、「エラスチン」、「ヒアルロン酸」などの細胞外マトリックスと呼ばれる物質を生成します。これらの物質は、肌のハリや弾力、潤いを維持するために必要不可欠です。

 

しかし、老化するとこれらの物質の生成能力が低下し、肌の老化現象が現れます。

 

3. 老化細胞の増加

 

老化細胞は、アポトーシスと呼ばれる細胞死プログラムによって自然に死滅します。しかし、老化細胞はアポトーシスに対する抵抗性が高くなり、死滅しにくくなります。

 

そのため、老化細胞が真皮層に蓄積すると、慢性的な炎症を引き起こし、肌の老化を加速させる可能性があります。

 

JTKクリニックでは、高濃度ビタミンC点滴療法幹細胞培養上清液エクソソーム点滴NMNなどの治療をそろえているのですが、それぞれの治療法が、真皮層にある「線維芽細胞」にどのようなメリットがあるのかは、後日の話題にしたいと思います。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

--------------------------------------------------------------------

<ブログ後記>3月5日

 

今宵(こよい)は、雨が降り続いていますね。

 

桜の花が咲いている頃なら、この雨で散ってしまうのではないか・・・と心配してしまいそうですが・・・

まだ、桜の花のつぼみは小さいそうで、そうした心配はしなくて良さそうです。

 

さて、今回は皮膚の真皮層にある「線維芽細胞」についてのお話をさせていただきました。

 

年齢を重ねるにつれ、肌の老化が進行するということに異論のある方はいらっしゃらないと思います。
 

ヒトの多くの臓器と同様に・・・時間とともに老化して行くのは肌も例外ではなく、肌は徐々にハリやツヤを失い、シワやたるみが現れてきますよね。

では、最も美肌の維持に関わりが深いところは、どこか?・・・と言いますと・・・それは「真皮層」になるのではないかと思います。

なぜならば、「真皮層」では美肌を支えるのに欠かせない成分、「コラーゲン」と「エラスチン」のタンパク質の繊維が網状に形成されています。

「コラーゲン」は、「真皮層」の約70%を占めるタンパク質繊維であることからみても、肌のハリに欠かせない成分であることがお分かりいただけると思います。
また、「エラスチン」は「真皮層」のわずか2%ほどを占めるタンパク質ですが、「コラーゲン繊維」を束ね肌の弾力を維持するために重要な成分です。

そして、その間を埋めるように「ヒアルロン」酸が水分を含んだスポンジとして存在しています。

この3つの美肌成分である「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」を作り出す細胞こそが「線維芽細胞」であるわけですね。


しかしながら、本文内でもお話をしたように「線維芽細胞」自体も老化細胞になっていくわけですので・・・とても厄介な(やっかいな)感じもしますよね。


この・・・厄介な「線維芽細胞」に対して、高濃度ビタミンC点滴、幹細胞培養上清液、エクソソーム、NMNが、どのようにサポートしていけるのか?・・・を見てみると、以下のようになります、

 

<高濃度ビタミンC点滴>

 

高濃度ビタミンC点滴は、皮膚の「線維芽細胞」に以下のような影響を与えると考えられています。

 

1)コラーゲン生成促進

ビタミンCは、線維芽細胞の働きを高め、コラーゲン生成を促進する作用があります。コラーゲンは、皮膚のハリや弾力を保つ重要な成分です。そのため、高濃度ビタミンC点滴を行うことで、以下のような効果が期待できると考えられています。

  • 肌のハリや弾力アップ
  • シワやたるみの改善

2)抗酸化作用

ビタミンCは、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。活性酸素は、皮膚の老化の原因となる物質です。高濃度ビタミンC点滴を行うことで、活性酸素によるダメージから皮膚を守り、以下のような効果が期待できます。

  • くすみの改善
  • 肌の透明感アップ

3)美白効果

ビタミンCは、メラニン生成を抑制する美白効果があります。メラニンは、シミやそばかすの原因となる色素ですが、高濃度ビタミンC点滴を行うことで、メラニン生成を抑制します。

 

<幹細胞培養上清液>

 

幹細胞上清液は、皮膚の線維芽細胞に以下のような影響を与えます。

 

1)増殖促進

 

幹細胞上清液には、EGFやFGFなど、「線維芽細胞」の増殖を促進する成長因子が含まれています。これらの成長因子は「線維芽細胞」の分裂を促進し、新しい細胞の生成を促します。

 

2)コラーゲン生成促進

 

幹細胞上清液には、コラーゲンの生成を促進するTGF-βやIGF-1などの成長因子も含まれています。これらの成長因子は「線維芽細胞」のコラーゲン合成能力を高め、皮膚のハリや弾力を向上させます。

 

3)エラスチン生成促進

 

幹細胞上清液には、エラスチンの生成を促進する成長因子も含まれています。エラスチンは、皮膚の弾力性を維持する重要な成分です。

 

4)抗炎症作用

 

幹細胞上清液には、炎症を抑えるサイトカインも含まれています。これらのサイトカインは、ニキビやアトピー性皮膚炎などの炎症を抑え、皮膚を健康に保ちます。

 

5. 抗酸化作用

 

幹細胞上清液には、活性酸素種を除去する抗酸化物質も含まれています。活性酸素種は、皮膚の老化の原因となる物質です。

 

これらの作用により、幹細胞上清液は、シワやたるみ、くすみなどの老化現象を改善し、皮膚のハリや弾力を向上させる効果があります。また、ニキビやアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の改善にも効果があると考えられています。

 

<エクソソーム点滴療法>

 

エクソソームは、線維芽細胞に様々な影響を与えます。主な影響は以下の通りです。

 

1)線維芽細胞の活性化

 

エクソソームには、細胞増殖因子やサイトカインなど、「線維芽細胞」の活動を促進する様々な物質が含まれています。これらの物質が「線維芽細胞」に働きかけることで、以下のような効果が期待できると考えられています。

 

  • コラーゲンやエラスチンの生成促進:肌の弾力やハリの向上
  • ヒアルロン酸の生成促進:肌の潤い、保湿力の向上
  • ターンオーバーの促進:古い角質の排出促進、くすみの改善

 

2)抗酸化作用

エクソソームには、活性酸素を除去する抗酸化物質が含まれています。活性酸素は、皮膚の老化の原因となる物質です。エクソソーム点滴を行うことで、活性酸素によるダメージから皮膚を守り、以下のような効果が期待できます。

 

  • くすみの改善
  • 肌の透明感アップ

3)細胞増殖促進

エクソソームには、細胞増殖を促進するEGFなどが含まれています。EGFが線維芽細胞に作用することで、細胞増殖が促進され、以下のような効果が期待できます。

  • 傷の治癒促進
  • 肌のターンオーバー促進

 

<N M N(NAD+)>

 

N M Nは、NAD+の前駆体ということになりますが、NAD+の投与は、「線維芽細胞」に与える影響については、次のようなことが考えられています。

 

1)エネルギー代謝の促進

 

NAD+は、細胞内のエネルギー生産に関わる補酵素です。NAD+の投与は、線維芽細胞のエネルギー代謝を促進し、細胞の活性を高めます。

 

2)DNA修復

 

NAD+は、DNA修復に関わる酵素の補酵素です。NAD+の投与は、線維芽細胞のDNA修復能力を高め、細胞の老化を抑制します。

 

3)抗酸化作用

 

NAD+は、活性酸素種を除去する抗酸化作用があります。活性酸素種は、皮膚の老化の原因となる物質です。

 

4)テロメアの維持

 

NAD+は、テロメアの維持に関わる酵素の補酵素です。テロメアは、染色体の末端にあるDNAの繰り返し配列であり、細胞分裂のたびに短くなります。NAD+の投与は、テロメアの短縮を抑制し、細胞の老化を抑制します。

 

これらの作用により、NAD+の投与は、シワやたるみ、くすみなどの老化現象を改善し、皮膚のハリや弾力を向上させる効果があると考えられています。

 

これらのことを見ていますと・・・なかなか、おもしろい未来が待っているのではないかと思ったりもしますねウインク

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

参考)

1.Phamacol Res. 2021 Apr:166:105490. 

The novel mechanisms and applications of exosomes in dermatology and cutaneous medical aesthetics 

Mingchen Xiongら

 

2.Pharmaseuticals(Basal). 2020 Sep 15;13(9):247. 

Clinical Evidence for Targeting NAD Therapeutically 

Diana Radenkovicら

 

3.Bioengineering(Basel). 2018 Dec 30;6(1):4.

Stem Cell Extracellular Vesicles in Skin Repair 

Andrea da Fonseca Ferreiraら

 

 

          (以前のphoto: 筆者撮影)

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ 

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

冷たい雨の降る休日の午後となりました。

 

今年は4年に1度の「閏(うるう)年」であるのですね。

 

太陽暦では1年を365日としていますが、地球が一回公転する、つまり1太陽年には365日と5時間48分46秒(365.2422日)かかるのだそうです。

 

そのため、4年に1度の補正(ほせい)が必要になるそうです。

なんだか、壮大な話にも思えたりもします。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

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今回は「肥満」についての話題にしてみたいと思います。

 
「肥満」とは、体脂肪が過剰に蓄積した状態を指します。
 
これは、遺伝、食生活、運動習慣など、さまざまな要因によって引き起こされる可能性があると考えられています。
 
そして・・・「肥満」は、さまざまな健康リスクがあります。
どのような健康リスクがあるのかというと、下に示したようなものがあると考えられています。

 

⚫︎2 型糖尿病 ⚫︎心臓病 ⚫︎脳血管障害 ⚫︎いくつかの種類のがん

⚫︎睡眠時無呼吸症候群 ⚫︎高血圧  ⚫︎脂質異常症 ⚫︎変形性関節症

⚫︎うつ病 ⚫︎不安症

 

といった具合ですね。

 

「肥満」であるかは、「ボディマス指数 (BMI)」 を使用して測定することで、判明します。

体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数が「BMI」というわけです。

計算式は、以下のとおりでしたよね。

  • BMI = 体重kg ÷ (身長m)2
  • 適正体重 = (身長m)2 ×22
そして、上に示すBMIの計算式は世界共通ですが「肥満」の判定基準は国により異なります。
日本肥満学会の判定基準
BMI値 判定
18.5未満 低体重(痩せ型) 
18.5〜25未満 普通体重
25〜30未満 肥満(1度)
30〜35未満 肥満(2度)
35〜40未満 肥満(3度)
40以上 肥満(4度)
世界保健機関(WHO)の判定基準
BMI値 判定
16未満 痩せすぎ
16.00〜16.99以下 痩せ
17.00〜18.49以下 痩せぎみ
18.50〜24.99以下 普通体重
25.00〜29.99以下 前肥満
30.00〜34.99以下 肥満(1度)
35.00〜39.99以下 肥満(2度)
40.00以上 肥満(3度)

 

 

よく理想的な「BMI」は、22であると言われますが、これは、なぜでしょうか?

 

この理由は、日本国内に居住する30~59歳の日本人男女およそ5000人の健康診断の結果をもとにしています。

 

さまざまな病気を併せ持つ数 である「疾病合併数」を調べた研究で、「BMI」の値が、22である群で、最も疾患の合併数が少なかったというのが、その理由となるのですね。

 

 

さまざまな病気を併せ持つ数 である「疾病合併数」を調べた研究で、「BMI」の値が、22である群で、最も疾患の合併数が少なかったというのが、その理由となるのですね。

 

「肥満」には、2つのタイプがありましたよね。

 

そうですね・・・「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」でしたね。

 

 

「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」は、体脂肪のつき方が異なる2種類の肥満であると言えます。

 

「皮下脂肪型肥満」は、皮膚の下にある皮下組織に脂肪が過剰に蓄積するタイプです。女性に多く、お尻や太ももなど下半身に脂肪がつきやすいのが特徴です。見た目は太っていても、健康リスクは比較的低いと言われています。

 

一方、「内臓脂肪型肥満」は、内臓の周りに脂肪が過剰に蓄積するタイプです。男性に多く、お腹周りが出っ張るのが特徴です。見た目はそこまで太ってなくても、「糖尿病」や「心臓病」などの生活習慣病のリスクが高くなるとされていますよね。

 

では、なぜ・・・「内臓脂肪型肥満」の方が生活習慣病のリスクが高くなるのでしょうか?

 

一般的な説明は、次のようなものになります。

 

「内臓脂肪」は、「ホルモン」や「アディポネクチン」などの生理活性物質を分泌します。

 

これらの物質は、脂質代謝や糖質代謝、血圧の調節など、さまざまな役割を果たしています。しかし、内臓脂肪が過剰に蓄積すると、これらの物質の分泌が異常になり、糖尿病や心臓病などの生活習慣病のリスクが高くなります・・・という説明になりますね。

 

しかし、上の説明には、もうひとつの「内臓脂肪」の怖さ(こわさ)の説明が入っていません。

 

それは・・・「内臓脂肪」から放出される「サイトカイン」についてです。

「サイトカイン」とは・・・主に免疫系細胞から分泌される「タンパク質」で、標的となる細胞表面にある特異的受容体を介して、

極めて微量で生理作用を示し、細胞間の情報伝達を担う物質というのが正確な答えとなるのですが・・・

 

簡単に言えば・・・細胞から分泌される低分子のタンパク質で生理活性物質であり、周囲の細胞に影響を与えるものが「サイトカイン」である・・・ということになるでしょうか。

 

ゾンビ細胞という別名のある「老化細胞」も周囲に「サイトカイン」をまき散らし、周囲の正常細胞を次々に傷害を与え、「老化細胞」化させるということもありましたね。

 

続きは・・・後日の話題としたいのですが・・・最後に「内臓脂肪」から発生する「サイトカイン」と「老化細胞」から発生する主な「サイトカイン」を比較する表を示しておきたいと思います。

 

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

--------------------------------------------------------------------

< ブログ後記 >2月27日

 

日本の東で、低気圧が発達したせいで、暴風を吹き荒れる日となったようです。

同時にスギ花粉も飛んでいるようでして、鼻水や目のかゆみを感じる方も多くなったのではないでしょうか。

 

今回は「肥満」、とくに「内臓脂肪型肥満」のお話をさせていただきました。

もちろん、「内臓脂肪型肥満」だけが健康を害するわけでなく、「皮下脂肪型肥満」も長期に続きますと・・・同様に炎症性サイトカインを放出すると考えられています。

 

「皮下脂肪」は、「内臓脂肪」に比べて炎症性サイトカインの分泌量が少ないことが知られていっるのですね。

 

では、どのような「サイトカイン」などが放出されるのでしょうか?

「内臓脂肪」は、主に以下のサイトカインを放出します。

 

1. 炎症性サイトカイン

 

  • TNF-α:腫瘍壊死因子-α。炎症を引き起こす代表的なサイトカイン。インスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病のリスクを高めます。

  • IL-6:インターロイキン-6。炎症反応を促進し、CRP(C反応性タンパク質)の産生を増加させます。」

  • IL-1β:インターロイキン-1β。炎症反応を促進し、関節炎や動脈硬化などの病態に関与します。

  • MCP-1:単核球遊走性タンパク質-1。マクロファージなどの炎症細胞を内臓脂肪組織に集積させます。

 

2. 抗炎症性サイトカイン

 

  • アディポネクチン:インスリンの感受性を高め、血糖値を下げる効果があります。また、抗炎症作用も持ち、動脈硬化や糖尿病などの予防に役立ちます。

  • IL-10:インターロイキン-10。炎症反応を抑制する効果があります。

 

「内臓脂肪」が増えると、「炎症性サイトカイン」の分泌が過剰になり、「抗炎症性サイトカイン」の分泌が減少していきます。

 

この状態が続くと、慢性的な炎症状態となり、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病のリスクを高めると考えられています。

 

では、「皮下脂肪」と「内臓脂肪」から放出される「炎症性サイトカイン」の違いは、その放出量以外には、どのようなことが挙げられる(あげられる)のでしょうか?

 

「皮下脂肪」は「内臓脂肪」に比べて、「アディポネクチン」などの「抗炎症性サイトカイン」の分泌量が多いことが知られています。

 

「アディポネクチン」は、インスリンの感受性を高め、血糖値を下げる効果がありますよね。また、抗炎症作用も持ち、動脈硬化や糖尿病などの予防に役立っているのではないか・・・と考えられています。

 

しかしながら・・・「皮下脂肪型肥満」も長期に続きますと・・・同様に「炎症性サイトカイン」の放出の方が増加していく可能性がありまして・・・「皮下脂肪型肥満」ならば、健康に害を及ぼさない(およぼさない)ということはなさそうです。

 

この状態を「NAD+」の前駆体である「NMN」を投与すると、どうなるのか?・・・という話題もあるのですが・・・この話題は、またの機会にしたいと思います。

 

最後に「老化細胞」についても触れておくと・・・「ゾンビ細胞」と言われるだけあって、ここから放出される「炎症性サイトカインカッコの破壊力、つまり、周囲の正常細胞を「老化」させていく力は

凄まじい(すさまじい)と考えられています。

 

「老化細胞」は、炎症性サイトカインやケモカイン、成長因子など、様々な分泌因子を放出することが知られています。これらの分泌因子は、「老化細胞関連分泌形質 (SASP) 」と呼ばれ、周囲の細胞に様々な影響を与えます。

 

「SASP」は、以下のような多くのサイトカイン、ケモカイン、成長因子などを含んでいます。

 

「SASP」は、次のような成分で構成されます。

 

1.炎症性サイトカイン

  • IL-1α、IL-1β、IL-6、IL-8

  • TNF-α

  • IFN-γ

 

2.ケモカイン

  • MCP-1、MIP-1α、MIP-1β

  • RANTES

 

3.成長因子

  • TGF-β

  • PDGF

  • IGF-1

「炎症性サイトカイン」は、免疫細胞を活性化し、炎症反応を引き起こしますし、

慢性的な炎症は、動脈硬化、糖尿病、神経変性疾患などの加齢性疾患の発症リスクを高めると考えられています。

 

ざっと、代表的な「炎症性サイトカイン」を並べたわけですが・・・

「内臓脂肪」からのものと、「老化細胞」からのものに共通するものが多いように思えますよね。

 

実際に「内臓脂肪」からのサイトカイン/ケモカインと、「老化細胞」からのサイトカイン/ケモカインの共通点は、以下のようなものになります。

<共通点>

 

1.慢性炎症促進

 

1)内臓脂肪由来サイトカイン (TNF-α、IL-6、IL-1βなど) と老化細胞由来サイトカイン/ケモカイン (IL-1α、IL-6、IL-8、MCP-1など) は、慢性炎症を促進する。

 

2)慢性炎症は、インスリン抵抗性、動脈硬化、糖尿病、心疾患、認知症などの加齢関連疾患の発症リスクを高める。

 

3)NF-κBシグナル伝達経路を活性化し、炎症性遺伝子の発現を促進する。炎症反応を亢進し、慢性炎症状態を維持する。

 

いかがでしょうか?

 

「老化細胞」をコントロールする方法も重要なわけですが・・・

 

明日からでも可能な「内臓脂肪型肥満」や「皮下脂肪型肥満」をなくしていく方法も、かなり重要であるように私は思うのですが・・・

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

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                           (JTKクリニック ダイエット漢方)

 

 

 

( パレスホテル テラスより:筆者撮影)

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ 

 

2月も半ばを過ぎ、春めいた陽気の日が多くなってきていますね。

今週は寒くなる日もあるなんて、ニュースもあったような気もします。

 

どこかの情報で見かけた小説の一節に次のようなものがありました。

 

春めいた天気が続いていたが、どこかで手つかずの寒気の在庫でも見つかったかのように、今朝からまた急に寒さがぶり返していた。

 

平野 啓一郎さんの小説「マチネの終わりに」に書いてある言葉なのですが、今週はそんな感じなのかもしれませんね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

さて、今回は「神経」に関するお話をしてみたいと思います。

 

脳内では、神経細胞同士を結ぶ「シナプス」という部分を介して情報が伝達されます。

 

          (図はお借りしました)」

 

一つの神経細胞には数千から数万個の「シナプス」があり、

さらには1千億個にも及ぶ脳内の「神経細胞」が、この「シナプス」により特徴的なパターンで、つながることで膨大な神経回路を形成していることが分かっています。

 

「シナプス」では、情報を送る側の神経細胞のシナプス前終末から神経伝達物質(興奮性シナプスでは主にグルタミン酸)が放出され、それが次の神経細胞のシナプス後部にある受容体に結合することで情報が伝わります。

 

「痛み」についても、同様のメカニズムが働き、「ニューロン」内では電気的信号(活動電位)として伝導し、「ニューロン」間はシナプスと呼ばれる接続部位において神経伝達物質による化学的信号として伝達することが分かっています。

 

なぜ、このようなお話をするのか?・・・と言いますと「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」という難病の激しい痛みも最終的には、

「神経細胞(ニューロン)」と「神経細胞(ニューロン)」の間を

化学物質を介して、伝達されまして、最終的に「痛み」として感知するのは、大脳皮質(知覚野)ということになります。

 

私自身、「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」の新しい有効な治療を生み出せないか?・・・と考えているわけですが・・・なかなか、「神経細胞(ニューロン)」と「神経細胞(ニューロン)」の間で、瞬間的に情報伝達される「痛み」をコントロールするのは、難しいなあ〜と思っていたのですね。

 

そこで、最近になり、何気なく開いた医学書の中で見つけたのが下の図です。

 

 

少し解説しますと・・・情報伝達に必須な「神経細胞(ニューロン)」は脳科学の分野において、中心的な要素であると言えます。

 

しかし、脳内では「神経細胞(ニューロン)」とほぼ同数の「グリア細胞」というものが存在するのですね。

 

グリア細胞の一種である「アストロサイト」は、脳内環境を整えて神経回路機能を支える役割を担うと考えられていましたが、最近、神経細胞の活動を主導的に制御することが分かってきました。ただし、そのメカニズムの多くは未解明であったのですね。

 

しかしながら、理科学研究所の脳科学総合研究センター 副センター長の合田 裕紀子さんの研究チームは、

「アストロサイト」によるシナプス制御メカニズムに着目し、2016年に「アストロサイト」が、異なるシナプス間の相互作用を制御することを発見していたのです。

 

それなら・・・「アストロサイト」に働きかけることによって、「神経細胞(ニューロン)」と「神経細胞(ニューロン)」の間で、瞬間的に情報伝達される「痛み」をコントロールすることは可能なのではないか?・・・と思ったわけですね。

 

調べてみますと・・・(まだ、途中ですが)面白いことが分かってきました。

 

 

「アストロサイト」の機能が低下すると、痛みの閾値の変化が起こる可能性があるというのですね。

 

「アストロサイト」の機能低下は、次の2つの要因により、痛みの閾値変化に関与します。

 

1)痛みの情報伝達の亢進

 

アストロサイトは、痛みの情報伝達に関与する神経伝達物質の放出を調節します。

「アストロサイト」機能低下により、痛みの情報伝達物質が過剰に放出され、痛みの閾値が低下します。

  • 例:

    • グルタミン酸

    • アセチルコリン

    • BDNF

2) 慢性的な炎症

 

「アストロサイト」は、脳内の炎症を抑制する役割も担っています。

 

「アストロサイト」の低下により、脳内の慢性的な炎症が促進され、痛みの閾値が低下します。

  • 炎症性サイトカイン

    • TNF-α

    • IL-1β

    • IL-6

 

これらのメカニズムにより、「アストロサイト」の機能低下は、慢性的な痛みや神経障害性疼痛などの痛みの閾値変化に関与するというわけですね。

 

まだまだ、勉強が必要であるとは思いますが・・・風が吹いても、激しい痛みがある・・・と表現される「線維筋痛症」の痛みをコントロールする新しい治療に繋がって(つながって)いけばよいな〜と考えています。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>2月20日

先ほどまで窓を開けて、春らしい空気を感じていました。

明日からは、また寒さが戻るそうで、まさに「三寒四温(さんかんしおん)」といったところでしょうか?

 

今回は、神経細胞に影響を与える「アストロサイト」について、お話をさせていただきました。

 

「アストロサイト」は、中枢神経系(脳および脊髄)に存在するグリア細胞の一種であり、神経細胞のサポートや保護、および神経組織の機能維持に重要な役割を果たします。

「アストロ」は、ギリシア語で「星」を、「サイト」はギリシア語で「細胞」という意味に由来します。 
「アストログリア」とも呼ばれ。 「星状膠細胞(せいじょうこうさいぼう) 」という日本語訳もありますね。

「グリア細胞」は、神経細胞の生存や発達機能発現のための脳内環境や脊髄神経の維持と代謝的サポートなどを行っているとされています。

一方、本文でご紹介した「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」は、全身に激しい痛みが生じる疾患となります 。
 

他の自己免疫疾患のように特徴的なデータはなく、CRPなどの炎症を示すデータにも異常がないことから、
その病態がどのようなものか?・・・については、まだ、解明されていません。

風が吹いても、身体(からだ)のあちらこちらが痛い・・・というのは、大袈裟(おおげさ)なことでなく、わずかの外部刺激だけでも、激しい疼痛(とうつう)が出現するとされています。このような状態を「痛みの閾値(いきち)が低下」している状態といいます。

もちろん、神経障害性の疼痛では、神経の損傷や機能不全によって痛みの閾値が下がり、正常な刺激でも痛みを感じるように
なることはあります。ただし、この場合は、線維筋痛症のように痛みに強さが変化することは、あまりないかもしれません。

では、どのような異常が起きていれば・・・「痛みの強さ」が変動するのでしょうか?

視点を「神経細胞」から「アストロサイト」に変えてみると・・・「痛み」は、どうなるでしょうか?

例えば、「アストロサイト」は神経伝達物質の再取り込みや分解に関与しており、この機能が低下すると、
痛みに関連する神経伝達物質(例えばグルタミン酸や物質P)の濃度が異常になり、痛みの感受性が変化する可能性があります。

また、「アストロサイト」は神経細胞を保護する役割も持っています。この「アストロサイト」の機能が低下すると、神経細胞が損傷
しやすくなり、それが痛みの感受性の変化につながる可能性があります。

これまで、「アストロサイト」は、「神経細胞とは異なり電気信号を発生しないため、脳が働くために必要な情報伝達には関わっていない」と考えられ、その重要性が見過ごされてきたそうです。


しかし近年の研究で、「アストロサイト」が神経細胞の活動を直接的かつ積極的に調節するなど、脳が健全に働くために重要な役割をはたすことがわかってきているのですね。

もちろん、「線維筋痛症」が「アストロサイト」の異常によって生じているという証拠は・・・当然、ありません。

では、「アストロサイト」の機能が低下で起こる症状は、「痛みの閾値」の変化以外には、どのようなものがあるのでしょうか?

その一部を見てみますと・・・次のようなことが挙げられます。

1)「アストロサイト」の機能障害は、「神経伝達物質の過剰、または不足」を引き起こし、神経伝達の異常や神経系の興奮性の変化をもたらす可能性があります。

2)神経炎症の促進

「アストロサイト」の機能障害が起こると、制御不能な「炎症反応」が引き起こされ、神経細胞の損傷や死を促進する可能性があります。

「神経伝達物質の過剰、または不足が神経性の興奮をもたらす」や「制御不能な」という言葉は、「線維筋痛症」の病態に矛盾していないように思います。

次に「セロトニン」については、どうでしょうか?
「線維筋痛症」では、何らかの「セロトニン」の産生異常がある可能性が高いとも考えられています。
 

それなので、SSRI(選択式セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)が、一定の効果を示すことが多いのですね。

「アストロサイト」の炎症と「セロトニン」の低下には、いくつかの関係が示唆されています。
例えば、以下のようなものがあります。
 

「アストロサイト」は、「セロトニン」を取り込むトランスポーター分子「Slc22a3」を発現しているのが知られており、
神経活動に応じて細胞内の「セロトニン」の量を調節していることが報告されています。

「アストロサイト」の機能低下に伴い、トランスポーター分子「Slc22a3」の機能が低下すると、「アストロサイト」の
GABA分泌が減少し、シナプス活動が変化することが報告されています。

つまり、神経の活動状態が変化する可能性が高いというわけですね。

さらに、「アストロサイト」は、「セロトニン」の合成に必要な「トリプトファン」を神経細胞に供給する役割も担っています。

アストロサイト」の炎症によってトリプトファンの代謝が変化すると、「セロトニン」の合成が阻害される可能性があるというわけですね。

なんとか、「アストロサイト」と「セロトニン」の関係性も矛盾のないストーリーを作ることができましたね。

では、仮にの話ですが・・・本当に「アストロサイト」の機能不全が、「線維筋痛症」の病態を形成しているとすれば・・・


「アストロサイト」の機能異常は、どのような方法で改善すればよいのでしょうか?

実は次のような報告もあるのですね。

 「サーチュイン1」は、「アストロサイト」の炎症応答を調節することが報告されています。

「サーチュイン1」の欠損は、「アストロサイト」の炎症性サイトカインの産生を増加させ、神経炎症を悪化させることを示した報告もあります。

 

その反対に「サーチュイン1」の活性化は、「アストロサイト」の

「NF-κB経路」を抑制し、炎症応答を抑えることで、神経保護作用を発揮すると考えられています。


また、他の論文では、「サーチュイン1」の活性化は、「アストロサイト」のAMPK経路を活性化し、エネルギー代謝を向上させることで、神経機能をサポートすると考えられています。

説明するまでもないのですが・・・

 

「サーチュイン1」とは、7つある「サーチュイン遺伝子」のうちの、「サーチュイン遺伝子1」から作られたタンパク質ですよね。
 

この「サーチュイン遺伝子」を活性化させるのは、「NAD+(ニコチンアミドジヌクレオチド)」でしたよね。


「NAD+(ニコチンアミドジヌクレオチド)」の前駆体が、「NMN(ニコチンアミド・モノ・ヌクレオチド)」ということになるのですが・・・ちょっと、話が、できすぎていますよね。

確かに・・・以前にJTK クリニックで、市販される予定の「NMN」を「線維筋痛症」の方に投与して、疼痛が改善するかをみた治験のようなものを施行した際には、一定の割合の方で良好であったわけですが・・・ね。

 

まだまだ・・・「線維筋痛症」の真の病態の解明には、時間がかかる喪かもしれませんが、「アストロサイト」にも注目していくことで、その時期は早まるかもしれない・・・と考えたりもします。

 

ロシアの小説家Leo Tolstoy(レオ・トルストイ)は、次のような言葉を残したそうです。

 

Spring is the time of plans and projects.

 

春には新しいことが始まったり、

新しい何かが待ち受けていたりする。

 

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

参考)

1.Science. 2023 Jun 16;380

Induction of astrocytic Slc22a3 regulates sensory processing through histone serotonylation

Debosmita Sardarら

 

2. Proc Natl Acad Sci USA. 2022 Aug 30;119(35)

NAD+ metabolism drives astrocyte proinflammatory reprogramming in central nervous system autoimmunity

Tom Meyerら

 

 

( 筆者撮影)

 

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(開催日は2月下旬、オンラインでの開催。後日、ブログ内でご案内したいと思います)

 

 

 

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ 

 

時間が経つのは早いもので、あと数日もしますと2月も中旬になりますね。

暦をみますと・・・二十四節気では「立春(りっしゅん)」であり、

七十二候では「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」となっていますね。

 

「鶯(ウグイス)」は「春告鳥(はるつげどり)」と呼ばれていますよね。

春に早く現れて微妙な声で鳴くので、この名前がついたそうです。

 

微妙な声とは、解説するまでもないのですが・・・

「ホーホケキョ」という鳴き声になりますよね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

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今回は、免疫関連の話題にしたいと思います。

 

「免疫力(めんえきりょく)」をアップする◯◯◯・などとよく言われますよね。

 

では、この「免疫力」とは、具体的にどのようなことを指しているのでしょうか?

 

例えば・・・「免疫力を上げる食品」,「免疫力を高める運動」,「免疫力低下」等の「免疫力」という言葉が非常に多く使われています。

 

実は、「免疫力」という言葉は、医学的用語ではありません。完全な造語(ぞうご)である・・・ということになります。

 

「免疫システム」を構成する細胞は、多くあるのですが・・・私自身が「免疫力」という言葉にぴったりであると思っているのが・・・

「ナチュラル・キラー(NK)細胞」となります。

 

「NK細胞」のことは、以前のブログ内でもご紹介したのですが、次のような特徴がありましたよね。
 
「NK細胞」は・・・生まれつきの「殺し屋」で、全身をパトロールしながら、「がん細胞」や「ウイルス感染細胞」などを見つけ次第、攻撃するリンパ球でした。
 
生まれながらに備わっている、からだの防衛機構である「自然免疫」に重要な役割を担うと考えられています。
 
「NK細胞」は・・・血液中に存在するリンパ球の10~30%を占めており、「癌細胞」や「ウイルス感染細胞」を見つけますと・・・
 
「パーフォリン」(標的細胞の細胞膜に孔を開けるタンパク)、「グランザイム(標的細胞に細胞死を誘導する一群のセリンプロテアーゼ)」などの細胞傷害因子を持っていまして、それらの細胞を丸ごと破壊してしまうのですね。
 
その破壊力は、極めて強いと言えます。
 
さて・・・「NK細胞」が破壊しなければいけないモノがあります。
 
それは・・・「老化細胞(ろうかさいぼう)」です。
 
例えば・・・ヒトの胎児から採取した細胞の分裂の限界は、どのぐらいなのでしょうか?
 
その答えは、およそ50回ということになります。
 
このように限界まで分裂した細胞を「老化細胞」と呼ぶわけです。
 
また、細胞分裂が50回の限界までいかなくても・・・何らかの要因で、DNAが傷害(しょうがい)されたり、コピーエラーなどが起きた場合、つまり、DNAが修復不可能なほど大きなダメージを受けたときに、細胞分裂を停止して、「老化細胞」になってしまうこともあるのですね。
 

『老化細胞』が、自分の体の細胞をがん化させないために、人間を含む高等動物が進化の過程で獲得した安全装置の1つであると言われるのは、このようなメリットもあるからなのですね。

 

古い細胞が分裂を停止して新しい細胞に置き換わるときには、自ら死んで壊れる「アポトーシス(細胞死)」を起こすか、免疫細胞に食べられて体内から消えるのが通常なのですが・・・
 
『老化細胞』の中には、なぜか死なずに、臓器や組織の中に残ってたまっていくものがあるのだそうです。
 
そして、この「老化細胞」が蓄積すると・・・
 
「SASP(サスプ:細胞老化随伴分泌現象)」という現象を引き起こしますというわけです。
 
「老化細胞」が炎症を起こす物質を出すのはよいのですが・・・
 
周囲の正常細胞の「老化」を加速させて、ダメージを大きくしていき、ついには、組織や臓器の機能を低下させてしまうのは、困ったことですよね。
 
そして、「老化細胞」の蓄積が多くなれば・・・
「SASP(サスプ)」の影響は、増大していき、そのことは加齢とともに発症率が増加していく「加齢性疾患」のリスクを高めてしまうのですね。
(図はお借りしました)
 
では、「老化細胞」を破壊する「NK細胞」は・・・・と言いますと・・・
「NK細胞」の数は、加齢とともに減少することが多いと言われ、確実にその「活性」は低下するとされているのですね。
 
通常の場合には・・・「NK細胞」に期待するのは難しい・・・と考えてよいのかもしれません。
 
あくまでも・・・通常の場合は・・・ですが・・・。
 
「私には、関係ないかも」・・・と思った方は、次の文章に驚くかもしれません。
 
それは・・・「老化細胞」から放出される「MMP」は、皮膚真皮層の「線維芽細胞」にダメージを与える・・・可能性が高い・・ということです。
 
皮膚の真皮層にある「線維芽細胞」と言えば・・・◯◯◯や◯◯◯を産生する重要な細胞でしたよね。
 
では、「老化細胞」に対して、どのような対策があるのでしょうか?
続きは・・・後日の話題にしたいと思います。
 
素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ
 
それでは、またキラキラ
 
参考)
1.日経BP 

FEATURE ここまで進んだ「老化制御サイエンス」

老化細胞(ゾンビ細胞)の謎が分かった

 

2.健康長寿ネット 細胞の老化の原因と症状

など

 

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<ブログ後記  > 2月13日

 

気温も高くなり、気温も高くなったようで、本格的な春の到来を予感させる1日となりました。

 

同時にスギ花粉症の季節が始まったことにも気がついた方も多かったのではないでしょうか?

 

今回は、「ゾンビ」にも例えられる(たとえられる)「老化細胞」のお話をさせていただきました。

 

体内に残った「老化細胞」がなぜ、「ゾンビ」のように恐れられる(?)のか・・・と言いますと・・・「SASP」と呼ばれる炎症性サイトカインを周囲に撒き散らし(まきちらし)正常な細胞にさまざまな傷害(しょうがい)を与えていくからです。

 

この「SASP」の内容もある程度、分かっていまして、次のような物質があります。

 

1)炎症性サイトカイン

IL-1α, IL-1β, IL-6,IL-8,TNF-α など

これらは、免疫細胞の活性化や炎症反応の誘導に関与します。

 

2)ケモカイン

MCP-1,MIP-1α, MIP-1β,RANTESなど

これらは、細胞外マトリクスの分解や組織の破壊を引き起こします。

 

3)増殖因子

IGF-1,EGF,VEGF, PDGF

これらは、細胞の増殖や血管新生を刺激します。

 

4)その他

TGF-β, PAI-I

これらは、細胞の分化や線維化、細胞死などの様々な生物学的効果を持ちます

 

MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)

コラーゲン、エラスチンからなる細胞外マトリックスを分解する

上に示したようなさまざまな物質を放出するわけですね。

 

このような「SASP」は、「老化細胞」の周囲にある正常な細胞にも細胞老化を誘導することで、老化の伝播を引き起こす可能性があります 。

 

「老化」の伝播(でんぱ)と聞くと、違和感を感じる方もいらっしゃると思いますが・・・

 

その内容は、テロメアの短縮やDNA損傷などの老化の原因となるストレスを与えたり、老化細胞の特徴的な遺伝子発現パターンを伝達したりすることも知られています。

 

本文内でもご紹介したように皮膚についても同様の現象が起きていると考えられています。

 

真皮層に存在し、「コラーゲン」や「エラスチン」を産み出す「線維芽細胞」についても、「老化細胞」の蓄積によって周囲の細胞をも老化させ、その機能を低下させることは重要な研究課題となっています。

 

「線維芽細胞」が次から次へと「老化」していくようでは、皮膚のハリを支える「コラーゲン」や「エラスチン」が減少してしまいますから、シワやタルミが出てしまいますよね。

 

このため、皮膚科的にも・・・この連鎖的な「老化細胞」の蓄積を防ぐためには、発生を減らす手段を見つけることが重要と考えられているのですね。

 

現在、世界各国「老化細胞」を除去することや、「老化細胞」から放出される「SASP」を除去するなど、これらのコントロールをしようとしている理由がお分かりいただけると思います。

 

本文内でもお話をしたのですが・・・「NK細胞」は「老化細胞」を破壊することができます。

 

しかしながら、「NK細胞」の数には個人差が大きく、新型コロナの感染後には、その数が大きく減少する方もいると報告されています。

さらに加齢とともに「NK細胞」自体の活性も低下していくことも知られています。

 

では、どうしたらよいのでしょうか?

 

ひとつの方法が「α-グルカン」を摂取することになります。

「α-グルカン」は、以前のブログでもご紹介したのですが・・・

キノコ類に含まれる成分ですね。

 

「αグルカン」は、「NK細胞」を増殖させ、活性化させるということが研究で示されています。

「αグルカン」は、「AHCC」という医療用サプリとして知られています。

 

この話をしますと・・・「老化細胞」自体をコントロールする方法はないのか?・・・とおっしゃる方が多くいます。

 

確かに・・・どのような方法を使うにしても「老化細胞」自体をコントロールしなければ、意味がない・・・というわけですね。

 

実は、そこまでも世界の研究の知見(ちけん)は、進みつつあります。

 

「老化細胞」のDNAは、「メチル化」が低下している。

また、ヒストンの「アセチル化」が高度になっていると報告されています。

 

なんのこっちゃ・・・と思いますよね。

 

 

DNAの「メチル化」が低下しますと・・・mRNAが作られやすくなります。

 

また、「ヒストン」というボールにDNAは巻きついているのですが、この「ヒストン」が「アセチル化」をすると・・・DNAの巻き付けが緩み、mRNAが作られやすくなる・・・というわけですね。

 

「老化細胞」では、下の図のようにさまざまな遺伝子が発現しやすくなっている可能性が高い・・・というわけです。

 

このような状態が「老化細胞」が「SASP」を放出する原因なのではないか?・・・というわけです。

 

ならば・・・どうしたらよいのでしょうか?

実は、解決できるヒントがあります。

 

長くなりますので・・・続きは、またの機会にしたいと思います。

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

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( 以前のphoto:筆者撮影)

 

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       <今週、なんとなく聞いてみたい曲>

 

 

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JTKクリニックからのお知らせ

 

◯新型コロナやインフルエンザの感染のリスクを考え、外来診療は予約制をとり、待ち時間が生じないようにしています。

 

◯ ダイエット漢方製剤は、オンライン診療でも処方が可能です。

 

◯ 線維筋痛症に対するノイロトロピン等の点滴療法、トリガーポイント注射を行なっております。(セカンドオピニオン診療も可)

 

 

◯ 新型コロナウイルス後遺症外来を行なっています。 

(オンライン相談も可)

 

アンチエイジング、自己免疫疾患、癌に対する複合治療について学ぶセミナーを開催したいと思います(月1回のペース)

 

(開催日は2月下旬、オンラインでの開催。後日、ブログ内でご案内したいと思います)

 

 

 

 

<JTKクリニック 所在地>

〒102-0083

東京都千代田区麹町4-1-5麴町志村ビル2階

電話 03-6261-6386

Mail:info@jtkclinic.com

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