こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ 

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

冷たい雨の降る休日の午後となりました。

 

今年は4年に1度の「閏(うるう)年」であるのですね。

 

太陽暦では1年を365日としていますが、地球が一回公転する、つまり1太陽年には365日と5時間48分46秒(365.2422日)かかるのだそうです。

 

そのため、4年に1度の補正(ほせい)が必要になるそうです。

なんだか、壮大な話にも思えたりもします。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

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今回は「肥満」についての話題にしてみたいと思います。

 
「肥満」とは、体脂肪が過剰に蓄積した状態を指します。
 
これは、遺伝、食生活、運動習慣など、さまざまな要因によって引き起こされる可能性があると考えられています。
 
そして・・・「肥満」は、さまざまな健康リスクがあります。
どのような健康リスクがあるのかというと、下に示したようなものがあると考えられています。

 

⚫︎2 型糖尿病 ⚫︎心臓病 ⚫︎脳血管障害 ⚫︎いくつかの種類のがん

⚫︎睡眠時無呼吸症候群 ⚫︎高血圧  ⚫︎脂質異常症 ⚫︎変形性関節症

⚫︎うつ病 ⚫︎不安症

 

といった具合ですね。

 

「肥満」であるかは、「ボディマス指数 (BMI)」 を使用して測定することで、判明します。

体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数が「BMI」というわけです。

計算式は、以下のとおりでしたよね。

  • BMI = 体重kg ÷ (身長m)2
  • 適正体重 = (身長m)2 ×22
そして、上に示すBMIの計算式は世界共通ですが「肥満」の判定基準は国により異なります。
日本肥満学会の判定基準
BMI値 判定
18.5未満 低体重(痩せ型) 
18.5〜25未満 普通体重
25〜30未満 肥満(1度)
30〜35未満 肥満(2度)
35〜40未満 肥満(3度)
40以上 肥満(4度)
世界保健機関(WHO)の判定基準
BMI値 判定
16未満 痩せすぎ
16.00〜16.99以下 痩せ
17.00〜18.49以下 痩せぎみ
18.50〜24.99以下 普通体重
25.00〜29.99以下 前肥満
30.00〜34.99以下 肥満(1度)
35.00〜39.99以下 肥満(2度)
40.00以上 肥満(3度)

 

 

よく理想的な「BMI」は、22であると言われますが、これは、なぜでしょうか?

 

この理由は、日本国内に居住する30~59歳の日本人男女およそ5000人の健康診断の結果をもとにしています。

 

さまざまな病気を併せ持つ数 である「疾病合併数」を調べた研究で、「BMI」の値が、22である群で、最も疾患の合併数が少なかったというのが、その理由となるのですね。

 

 

さまざまな病気を併せ持つ数 である「疾病合併数」を調べた研究で、「BMI」の値が、22である群で、最も疾患の合併数が少なかったというのが、その理由となるのですね。

 

「肥満」には、2つのタイプがありましたよね。

 

そうですね・・・「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」でしたね。

 

 

「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」は、体脂肪のつき方が異なる2種類の肥満であると言えます。

 

「皮下脂肪型肥満」は、皮膚の下にある皮下組織に脂肪が過剰に蓄積するタイプです。女性に多く、お尻や太ももなど下半身に脂肪がつきやすいのが特徴です。見た目は太っていても、健康リスクは比較的低いと言われています。

 

一方、「内臓脂肪型肥満」は、内臓の周りに脂肪が過剰に蓄積するタイプです。男性に多く、お腹周りが出っ張るのが特徴です。見た目はそこまで太ってなくても、「糖尿病」や「心臓病」などの生活習慣病のリスクが高くなるとされていますよね。

 

では、なぜ・・・「内臓脂肪型肥満」の方が生活習慣病のリスクが高くなるのでしょうか?

 

一般的な説明は、次のようなものになります。

 

「内臓脂肪」は、「ホルモン」や「アディポネクチン」などの生理活性物質を分泌します。

 

これらの物質は、脂質代謝や糖質代謝、血圧の調節など、さまざまな役割を果たしています。しかし、内臓脂肪が過剰に蓄積すると、これらの物質の分泌が異常になり、糖尿病や心臓病などの生活習慣病のリスクが高くなります・・・という説明になりますね。

 

しかし、上の説明には、もうひとつの「内臓脂肪」の怖さ(こわさ)の説明が入っていません。

 

それは・・・「内臓脂肪」から放出される「サイトカイン」についてです。

「サイトカイン」とは・・・主に免疫系細胞から分泌される「タンパク質」で、標的となる細胞表面にある特異的受容体を介して、

極めて微量で生理作用を示し、細胞間の情報伝達を担う物質というのが正確な答えとなるのですが・・・

 

簡単に言えば・・・細胞から分泌される低分子のタンパク質で生理活性物質であり、周囲の細胞に影響を与えるものが「サイトカイン」である・・・ということになるでしょうか。

 

ゾンビ細胞という別名のある「老化細胞」も周囲に「サイトカイン」をまき散らし、周囲の正常細胞を次々に傷害を与え、「老化細胞」化させるということもありましたね。

 

続きは・・・後日の話題としたいのですが・・・最後に「内臓脂肪」から発生する「サイトカイン」と「老化細胞」から発生する主な「サイトカイン」を比較する表を示しておきたいと思います。

 

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

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< ブログ後記 >2月27日

 

日本の東で、低気圧が発達したせいで、暴風を吹き荒れる日となったようです。

同時にスギ花粉も飛んでいるようでして、鼻水や目のかゆみを感じる方も多くなったのではないでしょうか。

 

今回は「肥満」、とくに「内臓脂肪型肥満」のお話をさせていただきました。

もちろん、「内臓脂肪型肥満」だけが健康を害するわけでなく、「皮下脂肪型肥満」も長期に続きますと・・・同様に炎症性サイトカインを放出すると考えられています。

 

「皮下脂肪」は、「内臓脂肪」に比べて炎症性サイトカインの分泌量が少ないことが知られていっるのですね。

 

では、どのような「サイトカイン」などが放出されるのでしょうか?

「内臓脂肪」は、主に以下のサイトカインを放出します。

 

1. 炎症性サイトカイン

 

  • TNF-α:腫瘍壊死因子-α。炎症を引き起こす代表的なサイトカイン。インスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病のリスクを高めます。

  • IL-6:インターロイキン-6。炎症反応を促進し、CRP(C反応性タンパク質)の産生を増加させます。」

  • IL-1β:インターロイキン-1β。炎症反応を促進し、関節炎や動脈硬化などの病態に関与します。

  • MCP-1:単核球遊走性タンパク質-1。マクロファージなどの炎症細胞を内臓脂肪組織に集積させます。

 

2. 抗炎症性サイトカイン

 

  • アディポネクチン:インスリンの感受性を高め、血糖値を下げる効果があります。また、抗炎症作用も持ち、動脈硬化や糖尿病などの予防に役立ちます。

  • IL-10:インターロイキン-10。炎症反応を抑制する効果があります。

 

「内臓脂肪」が増えると、「炎症性サイトカイン」の分泌が過剰になり、「抗炎症性サイトカイン」の分泌が減少していきます。

 

この状態が続くと、慢性的な炎症状態となり、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病のリスクを高めると考えられています。

 

では、「皮下脂肪」と「内臓脂肪」から放出される「炎症性サイトカイン」の違いは、その放出量以外には、どのようなことが挙げられる(あげられる)のでしょうか?

 

「皮下脂肪」は「内臓脂肪」に比べて、「アディポネクチン」などの「抗炎症性サイトカイン」の分泌量が多いことが知られています。

 

「アディポネクチン」は、インスリンの感受性を高め、血糖値を下げる効果がありますよね。また、抗炎症作用も持ち、動脈硬化や糖尿病などの予防に役立っているのではないか・・・と考えられています。

 

しかしながら・・・「皮下脂肪型肥満」も長期に続きますと・・・同様に「炎症性サイトカイン」の放出の方が増加していく可能性がありまして・・・「皮下脂肪型肥満」ならば、健康に害を及ぼさない(およぼさない)ということはなさそうです。

 

この状態を「NAD+」の前駆体である「NMN」を投与すると、どうなるのか?・・・という話題もあるのですが・・・この話題は、またの機会にしたいと思います。

 

最後に「老化細胞」についても触れておくと・・・「ゾンビ細胞」と言われるだけあって、ここから放出される「炎症性サイトカインカッコの破壊力、つまり、周囲の正常細胞を「老化」させていく力は

凄まじい(すさまじい)と考えられています。

 

「老化細胞」は、炎症性サイトカインやケモカイン、成長因子など、様々な分泌因子を放出することが知られています。これらの分泌因子は、「老化細胞関連分泌形質 (SASP) 」と呼ばれ、周囲の細胞に様々な影響を与えます。

 

「SASP」は、以下のような多くのサイトカイン、ケモカイン、成長因子などを含んでいます。

 

「SASP」は、次のような成分で構成されます。

 

1.炎症性サイトカイン

  • IL-1α、IL-1β、IL-6、IL-8

  • TNF-α

  • IFN-γ

 

2.ケモカイン

  • MCP-1、MIP-1α、MIP-1β

  • RANTES

 

3.成長因子

  • TGF-β

  • PDGF

  • IGF-1

「炎症性サイトカイン」は、免疫細胞を活性化し、炎症反応を引き起こしますし、

慢性的な炎症は、動脈硬化、糖尿病、神経変性疾患などの加齢性疾患の発症リスクを高めると考えられています。

 

ざっと、代表的な「炎症性サイトカイン」を並べたわけですが・・・

「内臓脂肪」からのものと、「老化細胞」からのものに共通するものが多いように思えますよね。

 

実際に「内臓脂肪」からのサイトカイン/ケモカインと、「老化細胞」からのサイトカイン/ケモカインの共通点は、以下のようなものになります。

<共通点>

 

1.慢性炎症促進

 

1)内臓脂肪由来サイトカイン (TNF-α、IL-6、IL-1βなど) と老化細胞由来サイトカイン/ケモカイン (IL-1α、IL-6、IL-8、MCP-1など) は、慢性炎症を促進する。

 

2)慢性炎症は、インスリン抵抗性、動脈硬化、糖尿病、心疾患、認知症などの加齢関連疾患の発症リスクを高める。

 

3)NF-κBシグナル伝達経路を活性化し、炎症性遺伝子の発現を促進する。炎症反応を亢進し、慢性炎症状態を維持する。

 

いかがでしょうか?

 

「老化細胞」をコントロールする方法も重要なわけですが・・・

 

明日からでも可能な「内臓脂肪型肥満」や「皮下脂肪型肥満」をなくしていく方法も、かなり重要であるように私は思うのですが・・・

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

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                           (JTKクリニック ダイエット漢方)

 

 

 

( パレスホテル テラスより:筆者撮影)

 

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

新潟大医学部卒

 

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