こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ 

 

 

暦のうえでは「立春」となり、いよいよ春の季節となりましたね。

 

とは言っても、ここ数日は雪模様というニュースもありますし、次のような和歌もあります。

 

春きぬと 人はいへども うぐひすの なかぬかきりは あらじとそ思ふ

 

「もう春が来た(立春だ)」と人が言ったとしても、鶯が鳴かない限りはまだだと思う。

 

確かに・・・春だ、春だと浮かれてばかりもいられないかもそれませんね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

今回は・・・浮かれてばかりもいられない理由のひとつ「花粉症(かふんしょう)」のお話をしてみたいと思います。

 

         (写真はお借りしました)

 

「花粉症」のある方は、どのくらいの方がいるのでしょうか?

 

花粉症を患う(わずらう)ヒトは、2019年の統計によると49.2%と日本国内に居住する方の約半数が花粉症になっているそうです。

 

花粉症の原因の38.8%が「スギ花粉」なのだそうです。

 

では・・・春の時期には、どの程度のスギ花粉が飛散するのでしょうか?

 

日本国内には、1年間に500万トン(50億kg)のスギ花粉が、主に2月~4月の間に飛散するのだそうです。

 

 

花粉症のメカニズムを簡単にお話をしますと・・・

 

最初は・・・

 

スギ花粉が、目や鼻から入ってしまったということから始まります

 

この「スギ花粉」が、免疫システムに「異物、または、侵入者」として認識されることに始まります。

 

その結果、「スギ花粉」に対する「IgE(アイ ジー イー)」という抗体が作られます。

 

この「IgE(アイ ジー イー)」抗体は、病原体などが体内に入ったとき、それと特異的に反応する物質なのですね。

 

そして、「IgE(アイ ジー イー)抗体」は、「肥満細胞(マスト細胞)」という細胞の表面に付着します。

 

        (図はお借りしました)

 

 

そして、再び「スギ花粉」が体内に侵入しますと・・・

 

「肥満細胞(マスト細胞)」からは、「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」などのアレルギー誘発物質を放出するのですね。

 

これらの物質は、鼻や目の神経や血管に作用して、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、涙などの症状を引き起こします。

 

さらに、スギ花粉の抗原と「IgE抗体」の反応は炎症細胞を呼び寄せて、鼻や目の粘膜を腫れさせたり、過敏にしたりします。

 

・・・というメカニズムからしますと・・・

 

私は「スギ花粉症」がないから、ラッキーだと思っている方も・・・

今年から発症する可能性もあることになりますね。

 

治療については、後日の話題にしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

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<ブログ後記>2月6日

 

今回は、もうすぐ症状が出るかもしれない「花粉症」のお話をさせていただきました。
花粉といっても「スギ」の花粉でして、少し時期を遅らせて、「ヒノキ」の花粉に対するアレルギーによる症状が出現するかもしれません。

本文内でもご紹介した「肥満細胞(マスト細胞)」は、

体中の血管周囲、特に皮膚や皮下組織、肺、消化管、肝臓などに広く存在しているとされています。

 

「肥満細胞」の表面には、「IgE(アイジーイー)」と呼ばれる免疫グロブリンが付着しているのですが・・・

 

このときにIgEを「肥満細胞」の表面に付着させるために「高親和性IgE受容体(FcεRI)」というものがあります。

 

(これを「IgEとFcεRIの架橋(かきょう)形成」された状態と呼びます。)

 

つまり、「スギ花粉症」のある方の体内には、「スギ花粉」に反応する「IgE」をのせた「肥満細胞」が存在しているわけですね。


(図はお借りしました)
 

「スギ花粉」のない状態では、「ヒスタミン」は、不活化(働かない)した状態で存在し、「肥満細胞」のなかに静かに眠って(???)いるわけです。

 

しかしながら、春になれば・・・イヤでも「スギ花粉」は、体内に入ってきますよね。

 

そして、「スギ花粉」は「肥満細胞」の表面の「IgE抗体」に結合します。

 

そうしますと・・・眠って(???)いた「ヒスタミン」は、すぐに「肥満細胞」から出てきて、活性化するというわけです。

この現象を「脱顆粒(だつかりゅう)」と呼ぶのですが・・・先にあげた「ヒスタミン」ばかりでなく、他にも「血小板活性化因子(PAF)」や「ロイコトリエン」、「トロンボキサン」なども放出されることが知られており、

これらは、「化学伝達物質(ケミカルメディエーター)」と呼ばれています。


(図はお借りしました)
 

では、「花粉症」の治療薬には、どのようなものがあるのでしょうか?

内服薬は、全身に作用して花粉症の症状を緩和する薬です。主な種類としては、以下のようなものがあります。

1)ケミカルメディエーター遊離抑制薬

2) 第2世代抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1受容体拮抗薬)

3)ロイコトリエン受容体拮抗薬

4)トロンボキサンA2阻害薬

5) ステロイド薬

具体的な薬品名の紹介は、またの機会にしたいと思いますが・・・

多くの薬剤が「肥満細胞」から放出される「化学伝達物質(ケミカルメディエーター)」をターゲットにしているのがお分かりいただけると思います。


その他、吸入薬や点鼻薬などもありまして、花粉症の症状や重症度によって、適切な薬剤を選択していく必要があることが、ご理解いただけると思います。

 

また、当然のことですが・・・薬剤の使用方法や副作用についても注意して必要がありますよね。

 

春の陽気は、うれしいのですが・・・春のそよ風で「スギ花粉」が運ばれている可能性を考えますと・・・気持ちは、ビミョー出会ったりまします。

 

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

             ( 筆者撮影)

 

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         <今週、なんとなく聞いてみたい曲>

 

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

1月も最後の休日の午後となっていますね。

暦をみますと・・・もちろん、二十四節気は「大寒(だいかん)」

であり、七十二候は「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」となっています。

 

まさに厳しい寒さで、沢の水さえも凍る頃となり、 大気の冷えがまさに底ということでしょうか?

 

私は次のような言葉を思い出しました。

 

If we had no winter, the spring would not be so pleasant. If we did not sometimes taste of adversity, prosperity would not be so welcome.

 

冬がなければ、春はそれほど快適ではないだろう。時には逆境がなければ、繁栄はそれほど歓迎されないだろう。

 

 

米国の詩人、アン・ブラッドストリートの名言ですね。


皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

今回は「時計遺伝子(とけいいでんし)」のお話をしてみたいと思います。

 

まず、「時計遺伝子(Clock gene)」というものが、どのようなものであるのか?・・・ということをご説明してみたいと思います。

 

「時計遺伝子」は、生物の内部時計である「サーカディアンリズム(概日リズム)」を制御する遺伝子のことを指します。

 

「サーカディアンリズム」とは、約24時間周期の生物学的リズムのことでしたね。

 

これらの遺伝子とそれらがコードするタンパク質は、細胞内でのフィードバックループを形成し、生物の睡眠・覚醒サイクル、ホルモン分泌、体温調節、食欲など多くの生理的プロセスを調節しています。

 

「時計遺伝子」は、ひとつだけでなく・・・

 

"CLOCK"、"BMAL1"、"PER"(Period)、"CRY"(Cryptochrome)などと複数の遺伝子がありまして、これらが相互作用しながら体内時計の精度を保ち、外部の光・暗闇のサイクルに同調させます。

 

 

例えば、光が目に入ると、それが脳の視床下部にある視交叉上核(SCN)に伝わり、時計遺伝子の活動を調節して体内時計をリセットします。

 

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        (図はお借りしました)

 

こうした「時計遺伝子」の働きにより、生物は外部環境の変化に適応し、生理的なプロセスを最適なタイミングで行うことができるようになると考えられているのですね。

 

そして、「時計遺伝子」の異常は、睡眠と覚醒のサイクル、ホルモン分泌、体温調節、食欲など、多くの生理的プロセスに異常を与え、

さまざまな健康問題を引き起こす可能性が多くの研究で示されているのですね。

 

朝、決まった時間に起きて、太陽の光を浴びることが重要・・・と私が強調するのは・・・上の図にも示しているように

光が目に入ると、それが脳の視床下部にある「視交叉上核(SCN)」に伝わり、時計遺伝子の活動を調節して「サーカディアンリズム」がリセットされることが知られているからなのですね。

 

これらの話は、以前の内容に重複するものかもしれませんね。

 

今回の話題は・・・「では、運動は関係ないのか?」・・・ということになります。

 

マウスの実験となりますが、次のようなことが報告されました。

 

北海道大学大学院教育学研究院の山仲勇二郎准教授の研究グループの論文です。

 

 

この研究では、主要な「時計遺伝子」のひとつをモニター可能な状態にしたマウスを用いて、

 

(1)通常の昼夜変化のある状態

 

(2)昼夜変化のない常に暗い環境にいる状態

 

  (3)昼夜変化のない常に暗い環境にいる状態にいるが。24時間周期の「運動スケジュール」を与える

 

上記の3つの条件で「時計遺伝子」発現リズムの時間関係を比較したそうです。

 

その結果、(3)の常に暗い環境にいても、「運動スケジュール」に行動リズムが同調した際の「視交叉上核」と末梢組織における「時計遺伝子」発現リズムの時間関係は、

 

(1)の昼夜変化のある状態と同様であることが、世界で初めて明らかにされたというのですね。

 

このことは、光を十分に得られない特殊な環境下であったとしても、

「サーカディアン リズム」の調節や乱れが関与する疾患の予防に

「習慣的な運動」が効果を持つことの科学的根拠となりますね。

 

春になったら・・・朝、早く起きて、朝陽を浴びながら、15分程度の散歩をしてみる・・・というのも、あなたの体調をよくするかもしれませんね。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

 

参考)

1. American Journal of Physiology-Regulatory, Integrative and Comparative Physiology. 2023 Apr 1;324(4)

Nonphotic entrainment of central and peripheral circadian clocks in mice by scheduled voluntary exercise under constant darkness

 Yujiro Yamanakaら

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<ブログ後記>1月30日

 

明日からは、2月となりますね。

日中は、陽の光も随分(ずいぶん)と明るくなったなあ〜などと思っていたのですが、やはり、夜は冷え込みますね。

今回は、「時計遺伝子」の作り出す「サーカディアンリズム」についてのお話をさせていただきました。

地球上の生物は、地球の自転によってもたらされる約24時間の明暗周期にその活動を同調させていると考えられています。これが、「サーカディアンリズム」というものになります。

ヒトばかりでなく、動物や植物など地球上の生きとし生けるものが、この「サーカディアンリズム」の影響を受け、活動していると考えられているというのですから・・・

考えようによっては、かなり壮大(そうだい)な話にも思えたりもします。


ヒトの場合、「サーカディアンリズム」は、睡眠と覚醒のサイクル、ホルモン分泌、体温調節、食欲など、多くの生理的プロセスに影響を与えることが知られておりまして、この乱れは、さまざまな体調の不良を起こす可能性があると考えられています。

なぜ、そんなにも「サーカディアンリズム」にこだわるのか?・・・とよく聞かれます。

 

それは、そうかもしれませんね。AIに関する研究の進歩を示すニュースが日々、伝えられる中で、この地球の自転にヒトのリズムを同調させる・・・などという話は、まったく科学的でないと感じる方も多いと思いますね。

実は以前にもブログ内でもお話をしたことがあるのですが、私自身が

日常の診療の中で力を入れていることのひとつに「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」があるのですね。

 

「線維筋痛症」は、原因不明の疾患です。

身体の一部に強い痛みが出て、日常生活に支障をきたすことが多いとされるのですが・・・検査データでは、異常がまったくないという疾患です。

 

ある時からですが・・・私は、ひょっとして「サーカディアンリズム」の不調が「線維筋痛症」の原因のひとつなのではないか・・・と考えるようになりました。

 

きっかけは、2016年であったでしょうか、レディー・ガガさんが「線維筋痛症」の自らの疾患をあかした頃でしょうか?

 

彼女の治療内容は不明なのですが・・・のちに彼女は、「慢性痛で気の滅入る一日だけど、すごく優秀で知識がある女医たちに恵まれてとても幸せだと思っている」と述べています。

 

もちろん、その後は体調もよくなり、昨年、6枚目のスタジオ・アルバム『クロマティカ』を引っさげてワールドツアーを行ったというニュースもありましたよね。

 

噂(うわさ)にすぎないのですが・・・レディー・ガガさんの闘病中の生活が朝日が昇ると同時に起床し、夕陽が沈むとともにベッドに入る規則正しい生活をした・・・と聞いたことがあります。

 

その時に・・・「サーカディアンリズム」という言葉が浮かんだ(?)というわけですね。

 

なので・・・それから、私は「神経細胞」と「サーカディアンリズム」の関係に注目しているというわけです。

では、「神経細胞」は「サーカディアンリズム」の影響を受けるのでしょうか?
 

答えは・・・「Yes」となります。

例えば・・・

1.睡眠障害
サーカディアンリズムが乱れると、睡眠の質とパターンが悪化することがあります。これにより、不眠症や過眠症などの睡眠障害が引き起こされ、神経系の機能が低下する可能性があります。

2. 認知機能の低下
睡眠不足や睡眠の質の低下は、記憶力、注意力、判断力などの認知機能に悪影響を与えます。

3. 気分障害
サーカディアンリズムの乱れは、うつ病や双極性障害などの気分障害のリスクを高めることが示されています。体内時計の乱れは、神経伝達物質のバランスを崩し、気分や感情の調節に影響を与えることがあります。

本文内でもご紹介したように「サーカディアンリズム」は、脳内に視交叉上核(SCN)という部位によって主に制御されており、

この部位は、光の情報を受け取り、体内時計を外部環境に同調させる役割を果たしています。

したがって、「サーカディアンリズム」の乱れは、このような神経細胞の機能障害につながる可能性があるというわけです。

では、「サーカディアンリズム」が通常の「末梢神経」に影響を及ぼす可能性はあるのでしょうか?


次のような現象が起こりうる可能性も指摘されています。

「サーカディアンリズム」の障害は、末梢神経の局所で「サイトカイン」の産生を引き起こし、疼痛の発生に関与する可能性があります。
 

1. サイトカインの産生
「サーカディアンリズム」の乱れは、炎症反応を促進するサイトカイン(例えば、インターロイキン-6や腫瘍壊死因子アルファなど)の過剰産生につながることがあり、これが末梢組織の局所的な炎症反応や疼痛感受性の増加につながることがあります。

2. 疼痛感受性の変化
「サーカディアンリズム」の乱れは、疼痛閾値にも影響を与える可能性があります。
この理由は、炎症反応に関与するサイトカインの増加は、末梢神経の感受性を高め、疼痛信号の伝達を強化することがあります。
 

これにより、慢性疼痛の発症や既存の疼痛状態の悪化が引き起こされることがあります。

3. 慢性疼痛との関連
「サーカディアンリズム」の乱れは、特に慢性疼痛状態と関連があります。

慢性疼痛患者では、「疼痛」と「サーカディアンリズム」の乱れの相互作用が観察され、これが疼痛の持続や増強に寄与している可能性が示唆されています。

 

などと不十分では、あるのですが・・・

「線維筋痛症」の乱れが「線維筋痛症」の痛みの悪化に関連があったとしても、不思議ではない・・・なんて、考えています。

 

なので・・・JTKクリニックの「線維筋痛症」の治療は、少し変わっていて、可能な限り朝は早く起きて、なるべく、「朝の散歩」を15分程度心がけていただく・・・としているのですが・・・

効果が出る方もチラホラといらっしゃるのは・・・とても嬉しいことです。

 

もちろん、「線維筋痛症」ばかりでなく、免疫細胞の活性化に「サーカディアンリズム」が関与しているという報告もありますので、

「朝の散歩」が、ひょっとすると・・・重要である可能性もありますよね。

 

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)にも「時計遺伝子」を活性化させる効果もあるわけですが・・・この点は「朝の散歩」にかなわなかったりして・・・なんて思っています。

運動も兼ねて(かねて)いるから・・・となりますね。

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

参考)
2. JNeurosci Res. 2018 Jun;96(6):1002-1020. 
Circadian control of pain and neuroinflammation
Julia P Segal ら
 

 

         (以前のphoto: 筆者撮影)

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

暦の二十四節気(にじゅうしせっき)を見ますと、昨日1月20
に「大寒(だいかん)」になっていることに気がつきました。

暦の「大寒」の文字が目に入ってきますと、冬の寒さは一層厳しさをましていくのだろうか・・・なんて、考えてしまいますね。

皆さまの体調は、いかがでしょうか?
 

image


この寒さに「血圧」が高くなってしまった・・・と嘆いていらっしゃる方もいらっしゃるかと思います。
どうして、寒いと血圧が上がるのか?・・・よく聞かれます。

この理由は、次のようなものになります。

冬は寒いために、体内の熱が外部へ逃げることを阻止(そし)しようとし、血管が収縮して細くなります。
すると、血管断面の面積が小さくなり、血液を送るために大きな力が必要になります。

末梢血管の抵抗が大きくなり、これに逆らって、血液を押し出さなければならないので、血圧が上昇するわけですね。この大きな力がかかることによって血圧が上昇することが多いわけです。

もちろん、ベースに「動脈硬化(どうみゃくこうか)」が存在するから・・・ということになるのですが・・・。

「人は血管とともに老いる」という言葉を残したのは、120年以上前に医学教育の基礎を築いた米国の医師「ウィリアム・オスラー博士(1849-1919)」です。

オスラー博士の言葉を借りれば、「動脈硬化」の進行を抑制することが、「老化」のスピードを落とすひとつの方法となりうると言えるかもしれませんね。

 

今回は、血管の最も内側にある「血管内皮細胞(けっかんないひさいぼう)」に焦点に当てて、「動脈硬化(どうみゃくこうか)」を考えてみたいと思います。

 

まずは、「動脈硬化」の構造に「血管内皮細胞」は、どのような役割を果たしているのでしょうか?

 

「血管内皮細胞」は、「動脈硬化」において重要な役割を果たします。

これらの細胞は血管の内側を覆い、血液と血管壁の間の障壁として機能します。

 

正常な「血管内皮細胞」は、血管の拡張や収縮を調節し、血液の流れをスムーズに保つことができます。

 

しかし・・・「炎症」,「高血圧」,「高コレステロール血症」などの要因により「血管内皮細胞」が損傷を受けると、動脈硬化の進行に繋がる(つながる)と考えられています。

 

そして、損傷した「血管内皮細胞」は、脂質や白血球の血管壁への蓄積を促進し、さらなる動脈の硬化や狭窄を引き起こす原因となると考えられています。

 

では、損傷を受けた「血管内皮細胞」を回復させることは不可能なのでしょうか?

 

それは・・・さすがにムリだろうと考えられがちなのですが・・・

「オレゴン州立大学リナス・ポーリング研究所」のウェブサイトには、次のような報告がありました:

 

 

「血管内皮細胞」の損傷を正常化するために有効な物質として・・・次のようなものが挙げられています。


1. マグネシウム

 

マグネシウムは「血管内皮細胞」に有害な炎症性状態を軽減する。

とくに冠動脈性心疾患患者の「血管内皮細胞」の機能を改善する可能性がある。

2. ビタミンC 

 

抗酸化物質として、「血管内皮細胞」を酸化ストレスから保護し、

血管拡張に重要な「一酸化窒素(NO)の利用性を高める。

3. コエンザイムQ10

 

抗酸化物質として知られ、酸化ストレスを軽減し、一酸化窒素の利用性を高め、「血管内皮細胞」の機能を助ける。

これらの物質は、「血管内皮細胞」に損傷を与える重要な危険因子、つまり、「酸化ストレス」と「炎症」を管理する役割を果たすと考えられているようです。

 

しかし、「動脈硬化」がある程度の進行を認める段階において「血管内皮細胞」の損傷をなくし、機能を正常化することに意味はあるのでしょうか?

 

そのような疑問を持たれる方も多いと思います。

 

その答えは、次のようなものになります。

 

「動脈硬化」による血管壁の硬化があっても、「血管内皮細胞」の機能が正常化されれば、「血管の拡張」や「活性酸素」の排除などの機能の回復が一部可能になることが多いと考えられています。

 

正常化された「血管内皮細胞」は、適切な血管の拡張機能を取り戻し、炎症を抑制し、血液流動性を改善する役割を果たすことができるとも考えられています。

 

しかしながら・・・「動脈硬化」が、かなり進行して、血管壁が大きく損傷している場合、例えば、動脈壁の高度な石灰化などは、完全な機能回復は困難かもしれないとされています。

 

したがって、血管の健康を維持するためには、「動脈硬化」の予防と早期治療を積極的に行っていくことが、重要です・・・ということになっていくわけですね爆  笑

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

--------------------------------------------------------------------

<ブログ後記>1月23日

 

今回は、「動脈硬化」の形成にも関与する「血管内皮細胞」のお話をさせていただきました。

 

これまでにも「血管内皮細胞」の話題に触れてきました。

 

「血管内皮細胞」は、血管の最も内側を覆う(おおう)細胞であり、一酸化窒素(NO)やエンドセリンなどの多くの血管作動性物質(血管に働きかける因子)を放出しており、血管壁の収縮・弛緩(血管の硬さ・やわらかさ)をはじめとして、血管壁への炎症細胞の接着、血管透過性、凝固・線溶系の調節などの重要な機能を持っています。


しかし、この機能を低下させていく要因もあるわけです。


その要因とは、高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満などに加え、メタボリックシンドロームなどの様々な生活習慣病ということになります。

 

これらの要因により、「血管内皮機能」が低下した状態が続けば、動脈硬化の進展、さらにはプラーク(粥腫)の不安定化を引き起こしますとされています。

 

しかし、動脈硬化の初期段階であれば・・・「血管内皮機能」の低下は、改善する可能性があるというのですね。

 

なぜなら、「血管内皮細胞」の機能は、可逆的であることから、この「血管内皮機能」の低下した状態を早期に発見し、なんらかの治療を施行したり、さらにはその機能を高める介入をすることができれば、

「血管内皮細胞」の機能は改善させることができれば、動脈硬化の進展を予防できるだろう・・・と考えられているのですね。

 

もちろん、当院でも『血管内皮細胞』の健全化・・・というものは、目標にしています。

 

動脈硬化の進展を予防できるのではないか?・・・ということで、糖尿病、脂質異常症、肥満などに加え、メタボリックシンドロームなどの状態を脱却するために・・・ダイエット漢方による体重を減量し、

BMI 22以下にする。運動を習慣化させる。食事の総カロリーを適正に保つ。LDL-Cを低めに保つための治療・・・などを行っています。

 

最近、私が興味を持っているのは・・・「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」の「血管内皮細胞」への効果です。

 

「NAD+」の前駆体(ぜんくたい)は・・・そうです。

「N M N(ニコチンアミドモノヌクレオチド)」でしたよね。

 

現在、「NAD+」は、血管内皮細胞に影響を与え、これらの細胞の機能や健康に重要な役割を果たしています。

 

ある研究によると、血管内皮細胞におけるNAD+のレベルは、心血管疾患や急性心臓死と関連する心血管疾患の治療において重要な研究対象になっているなどという話もあるのですね。

 

また、「血管内皮細胞」の機能と「NAD+」の濃度の関係に関する研究では、加齢に伴う「NAD+」の減少が血管内皮細胞の機能不全に寄与する可能性が示唆されています。

 

最後は、おきまりの「N M N」のお話となってしまいましたが、

地球2周半分の長さを持つ、ヒト1人分の血管が血流を維持できるから、健康な良好な状態を保つことができる。

 

そして、「血管内皮細胞」が持つ多くの機能があることから考えれば・・・まずは・・「血管内皮細胞」が良好である状態を取り戻すことが重要なことなのかもしれませんね。

 

なぜなら・・・「血管内皮細胞」の機能は、可逆的であるわけですから、今は少し機能が低下していても、生活の習慣を見直すことで、回復できるチャンスがあるからですね。

 

今回も最後までお付き合いくださり

誠にありがとうございましたお願い

 

参考)

1. Signal Transduct Target Therapy. 2020 Oct 7;5(1):227.  NAD+ metabolism: pathophysiologic mechanisms and therapeutic potential

Na Xiら

 

2. NPJ Biofilms Microbiomes. 2023; 9: 31.

Dissecting the impact of dietary fiber type on atherosclerosis in mice colonized with different gut microbial communities

Evan R. Hutchisonら

 

など

 

(東京駅丸の内駅舎: 筆者撮影)

 

 

(東京駅丸の内北口ドーム型天井

:筆者撮影)

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

寒い日が続いていますね。

 

「暖冬(だんとう)であると思い込んでいたせいかもしれませんが・・・「寒さ」が身体(からだ)にしみてくる感じさえします。
 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

今回は、「老化」や「癌(がん)」を生じさせる「DNAの異常」には、具体的にどのようなものがあるのか?・・・ということを話題にしてみたいと思います。

 

以前のブログ内でも、話題にさせていただきましたが・・・細胞が分裂したりする際には、もとのDNAをコピーすることにより、新しいDNAが作られます。

 

もう少しだけ詳しく(くわしく)お話をしますと・・・

DNAの複製は、「DNAポリメラーゼ」という酵素によって行われます。この酵素は、DNAの片側の鎖の塩基に対して相補的な塩基を持つヌクレオチドを連続的に繋いで(つないで)複製を進めていきます。

 

(図はお借りしました)

 

「DNAポリメラーゼ」は、10万回に1回という高頻度で複製の誤り(複製エラー)を引き起こすことが知られています。 

単純計算すると、1回のDNA複製で6万文字も誤って複製されてしまうことになります。

 

上記のような「コピー」のミスばかりでなく、正常に機能している細胞のDNAを破壊する要因もありましたよね。

 

DNAを傷つける、または、破壊するものは、どのようなものがあったでしょうか?

 

DNAを傷つける原因は、「放射線」, 「食物のなかの発癌物質」,「タバコ」,「環境中の化学物質」などがあるわけですが・・・

もうひとつ忘れていけないのは・・・「活性酸素」でしたよね。

 

上記のような原因で、1日のうちに細胞は、どれくらいのDNA損傷を受けると考えられているのでしょうか?

 

実は・・・1細胞当たりで考えますと、1日で1万から100万箇所の頻度でDNAが損傷を受けていると考えられています。

 

もちろん、ヒトの身体は、DNAを修復するメカニズムがありますので

・・・ある程度の対応は、可能である・・・と言って良いと思います。

 

では、修復できずに、「DNA異常のある細胞」が残り、やがて、増殖したりしますと、どのようなことが起きてくるのでしょうか?

 

これが「癌(がん)」となりますね。では、「癌組織」を構成する「癌細胞」では、どのようなDNAの変化が起きているのでしょうか?

 

この答えとして・・・現在は、次のように考えられています。

 

 

癌を引き起こすDNA異常については、次のように考えられています。

 

1)遺伝子変異

 

点変異(point mutation)

 

これは、単一の塩基が変化してしまうことで生じるものです。

例えば、KRAS遺伝子の変異は多くの癌で認められます。

 

挿入・欠失(Insertion・Deletion)

 

DNA配列に余分な塩基が挿入されたり、欠けたりします。

これにより、遺伝子の機能が失われることがあります。

 

2. 染色体異常

 

転座(Translocation)

 

染色体の一部が切れて、別の染色体に結合します。例えば、急性リンパ性白血病(ALL)の約20%の症例で見出される腫瘍特異的なbcr-abl1遺伝子変異を引き起こします。白血病などの血液の癌に認められる異常。

 

増幅(Amplification)

 

特定のDNA領域が異常に多く複製されることで、がん遺伝子が過剰に発現することがあります。現在、多くの研究がされている「レトロトランスポゾン」がこれにあたります。

 

3. 遺伝子発現の変化

 

エピジェネティックな変化(Epigenetics)

 

DNAのメチル化やヒストンの修飾など、遺伝子のコード自体は変わらないが、その読み取り方が変わることにより、遺伝子の発現が変化するというもの。

 

 

これらの上記にあげた変化は、これまでに確認されているDNAの損傷が癌を発生させる機序のすべてとなります。

 

細胞の成長や死を制御する遺伝子に影響を及ぼし、無秩序な細胞増殖、癌の形成へとつながると考えられているのですね。

 

もし、無限の増殖を起こさないとしても・・・DNA損傷を受けた細胞は、本来の正常な機能を果たせない可能性がありますよね。

 

実は・・・「癌」を発生させる、もうひとつのメカニズムが論文で報告されています。

それは、大きくは「遺伝子変異」の範疇(はんちゅう)に入るものなのですが・・・

 

この詳細は、後日の話題にしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

参考)
1. Nature. 2009 Apr 9;458(7239):719-24. 
The cancer genome
Michael R Strattonら

2. Nature Medicine.  2004 Aug;10(8):789-99. 
Cancer genes and the pathways they control
Bert Vogelsteinら

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<ブログ後記>1月16日

 

冷たい風が吹く夜となっていますね。

あと数日も経てば(たてば)・・・「大寒(だいかん)」となることも納得できたりもします。

 

今回は、ヒトのDNAが「変異」を生じ、それが修復されるという現象が日常茶飯事(にちじょうさはんじ)であることをお話させていただいた。

 

だから・・・この間違えた遺伝子を修正するメカニズムを強化することが重要である・・・というように話を展開していくのですが・・・

 

今回は、DNAの損傷が修正されなかったら、どうなるか?・・・を話題にしたいと思いました。

 

先日のことですが、タイミングよく興味深い論文が発表されました。

その内容は、次のようなものです。

 

それは、「喫煙(きつえん)」により癌が発生する機序の一端を解き明かす研究結果が、カナダの研究グループにより発表されたのですね。

 

「喫煙」は、DNA塩基の変異によりアミノ酸をコードする部分がタンパク質合成を終結させる「終止コドン」と呼ばれるコードに置き換わってしまうことにより、その結果、正常なタンパク質が作られず、そのタンパク質が本来持つはずの機能を発揮できなくなる可能性があるというのです。

 

このようなDNA遺伝子の変異を「ストップゲイン変異」と呼びます。

 

「喫煙」が、DNA遺伝子の変異を「ストップゲイン変異」を起こさせた遺伝子とは、どのようなものであったのか?・・・と言いますと・・・この変異が特に、「がん抑制遺伝子」で多く認められることが明らかになったそうです。

 

この研究を行ったオンタリオがん研究所(OICR、カナダ)のJüri Reimand氏は、次のように述べているそうです。

 

「われわれの研究により、喫煙が、がん抑制遺伝子の変異と関連することが明らかになった。がん抑制因子が作られなければ、細胞の防御機能が働かずに異常な細胞が増殖し続け、癌が発生しやすくなると言える」

 

この研究の詳細は、「Science Advances」に11月3日掲載されました。


Reimand氏らは、18の主要な組織に由来する1万2,341件のがんゲノムを解析し、「一塩基置換(いちえんきちかん)」がタンパク質のコーディング領域に及ぼす影響を調べた。

 

「一塩基置換」 とは、DNAを構成するA(アデニン),G(グアニン)、T(チミン),C(シトシン)といった塩基が別の塩基に変化してしまうことを言います。

 

例えば・・・A(アデニン)が、C(シトシン)に変化してしまうような例となります。

 

「コーディング領域」とは・・・DNAから、mRNAが作られ、タンパク質が作られる領域ということですね。

 

その結果、「一塩基置換(single-base substitution;SBS)」は、がん発生において重要な経路や「TP53」,「FAT1」,「APC」などのがん抑制遺伝子に頻繁に影響を与えていることが明らかになった。

 

例えば・・・DNA上にある「TP53」は、DNAの守護神とも言われる

「p53遺伝子(mRNA)」のある部分ということになりますね。

 

特に肺がんでは、「喫煙」に起因する「ストップゲイン変異」と「喫煙量」が強い相関を示し、それが最終的にはがんをより複雑で治療困難なものにする可能性のあることが示された。

Reimand氏は、「喫煙はDNAに大きなダメージを与え、細胞の機能に深刻な影響を与える。われわれの研究は、喫煙が、細胞の基本的な構成要素である重要なタンパク質の働きを阻害し、それが長期的な健康に影響を与え得る可能性を示したものだ」と述べている。

さらに、APOBECと呼ばれる酵素群(DNAの「シトシン(C)を「チミン(T)に置換する機能を持つ酵素)が、ストップゲイン変異の発生に関わる要素として特定され、特に、乳がん、頭頸部がん、子宮体がん、肺がん、食道がんと強く関連することが示された・・・というのですね

 

では、どのように対処していけばいいのか?・・・は、「終止コドン」が「一塩基置換(いちえんきちかん)」だけで生じる理由と併せ、またの機会の話題にしたいと思います。

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 


参考)
3.国際医学短信の記事より

 

4.Science Advance. 2023 Nov 3;9(44)

Mutational process of tobacco smoking and APOBEC activity generate protein-truncating mutations in cancer genomes

Nina Adlerら

 

(以前のphoto: 筆者撮影)

 

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小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

新しい年 2024年が始まり、約1週間が経ちましたね。

暦の七十二候を見てみますと「芹乃栄(せりすなわちさかう)」となっています。

 

「芹(せり)」は、爽やかな香りと歯ざわりが特徴でありまして

「春の七草」の一つとしてもおなじみですよね。

 

平安時代には宮中行事にも用いられていたものが、やがて一般家庭にも広まっていくこととなり、毎年正月7日に一年の豊作や無病息災を祈って食べる「七草粥(ななくさがゆ)として、現代にも定着しているのだそうです。
 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

「正月」も終わり、寒さも厳しくなり、夜の街を見渡せば・・・

 

クリスマスの時期までは、華やかなイルミネーションに彩られて(いろどられて)いたのに・・・少しずつ、その灯り(あかり)が少なくなっていくように感じますよね。

 

なんだか、朝の目覚めがよくないし、夜も眠れない・・・と感じている方は、いらっしゃらないでしょうか?

 

なんだか・・・そんな感じがあるかな〜という方は・・・

「サーカディアン リズム(概日リズム)」に乱れが生じているのかもしれません。

 

「サーカディアン リズム(概日リズム)」は・・・およそ24時間周期で繰り返される体内の生物学的リズムのことを指します。

 

「体内時計」とも称される「サーカディアン リズム(概日リズム​​​​​​​)」は、睡眠と覚醒、体温、ホルモン分泌、食欲などの日々の生理的プロセスを調節しているのですね。

 

実は・・・次のようなことがあるのではないか?・・・と考えられているのですね。

 

冬の季節には、この「サーカディアン リズム(概日リズム​​​​​​​)」に乱れを生じる可能性がある・・・というのですね。

 

これは主に「日照時間(にっしょうじかん)」の短縮によって起こるのではないか・・・というのですね。

 

実は、冬の時期だけに「うつ病」の症状が現れる場合があります。

 

このような症状のことを「季節性情動障害(きせつせいじょうどうしょうがい)」と呼ばれています。

 

「季節性情動障害」は、以下のような症状が、直近2年間で2回以上起きた場合にそう判断するという方法も使われているようです(この判断基準の一例は、アメリカ精神医学会が定めた「DSM-5」を参考にしたものです)

  • 1年のうち、特定の季節だけ発症する。その季節を過ぎると症状が軽くなるか、躁状態になる。
  • 社会的なストレスなど、季節以外の要因は関係しない。
  • 発症しているときは気持ちが落ち込み、体がだるくて疲れやすい。

「季節性情動障害」の患者は、世界的に「冬の日照時間が短い地域」に多く見られるもので、日本では北陸や東北地方の日本海側に多いようです。

 

「季節性情動障害」は、「季節性感情障害(きせつせいかんじょうしょうがい)」とも呼ばれていまして・・・わりとポピュラーな疾患なのですね。

 

「季節性情動障害=季節性感情障害」は、悲しみと季節的パターンで現れる症状を大きな特徴とする抑うつ障害でして、この疾患は米国では、1000万人以上の患者がいるとされています。

 

しかしながら、多くの人は自分がこの病気に苦しんでいることに気づいていないのではないかと考えられているそうです。

 

上に紹介した「季節性情動障害=季節性感情障害」は、「サーカディアン リズム(概日リズム​​​​​​​)」の乱れによって引き起こされると考えられているのですね。

 

「サーカディアン リズム(概日リズム​​​​​​​)」と睡眠・覚醒のタイミングなどの外部刺激とのミスマッチが関係しています。人の体内では、1日を通して、体内時計のサイクルに従ってホルモンが分泌されています。

 

冬に日照時間が短くなると、体内での「セロトニン」と「メラトニン」の分泌に影響を受けることで、睡眠や気分にも影響が及ぶ可能性があるというわけですね。

 

では・・・その治療は、どうしたらよいのでしょうか?

 

続きは、後日の話題にしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>1月9日

 

昨日の夜ぐらいから、冷え込みが厳しくなっているような気がします。日本海側では雪になっているとか。

 

本文内でもご紹介をしたように「季節性情動障害」は、「季節性感情障害」とも呼ばれ、 「Seasonal Affective Disorder(SAD)(季節性感情障害)」の略称「SAD」で呼ばれることも多い疾患となります。とくに「冬季感情障害」の抑うつ状態を」示すケースが多いのですがは、多くの人は自分がこの病気に苦しんでいることに気づいていないようだ・・・と述べる医学者もいます。

 

以下は、「季節性感情障害(SAD)」に言葉を統一してみたいと思います。

 

他の抑うつ障害と同様に、病気を特定して、必要な治療と支援を患者が受けられるようにすることが極めて重要であると考えられています。

 

「季節性感情障害(SAD)」の症状は、多くの人は晩秋から冬にかけて、日照時間が短くなる時期に「季節性感情障害(SAD)」発症します。もちろん、一定数は、夏〜秋の時期に抑うつ状態をきたす方もいます。

 

冬にみられる「季節性感情障害(SAD)」の症状は、炭水化物を渇望する食欲亢進、睡眠時間やベッドで過ごす時間の増加など、従来のうつ病とは異なる傾向があります。

 

同時に、脱力感や普段の活動への興味の喪失など、従来のうつ病に近い症状もみられることがあります。

 

こうした「冬季感情障害」は、もっともポピュラーなものと考えられていますが・・・この疾患には、「サーカディアンリズム」と「光の刺激」が大きいと考えられています。


「季節性感情障害」と「サーカディアンリズム」との関連を見ますと、以下のようなものとなります。:

1. 光の不足
 

冬季の日照不足により、体内時計が正常にリセットされないことがあります。これは、特に朝の明るい光が不足することにより、「サーカディアンリズム」が乱れる原因となります。

2. メラトニン分泌の変化
 

「光刺激の不足」は、睡眠と覚醒を調節するホルモンである「メラトニン」の分泌パターンを変化させることがあります。冬季には「メラトニン」が過剰に分泌されることがあり、これがうつ状態や意欲の低下につながることもあります。

3. セロトニンの不足
 

「サーカディアンリズム」の乱れは、気分に影響を与える神経伝達物質セロトニンのレベルにも影響を及ぼすことがあります。日照不足は「セロトニン」の不足を引き起こし、うつ状態を悪化させる可能性があります。

4. 生活リズムの乱れ


「サーカディアンリズム」の乱れは、睡眠パターン、食欲、エネルギーレベルに影響を及ぼし、これらが季節性感情障害の症状を引き起こすことがあります。

さて、どのような治療法が有効なのか?・・・と言いますと、次のような方法が推奨されています。

 

冬季感情障害の治療法の一つとして、「高照度光療法」があります。これは、朝に太陽光や人工光(2500ルクス以上)を浴びることで、「セロトニン」の分泌を増やし、「メラトニン」の分泌を減らし、「サーカディアンリズム」を整えるというものです。

 

うつ症状や睡眠障害を改善する効果があるともされているので、ご存知の方も多いと思います。

 

最近の研究によると・・・以前にご紹介したSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの抗うつ薬と同様に、プラセボと比較して「高照度光療法」の有効性を示すには少なくとも2~4週間が必要であるとされています。

 

このような治療に対する反応は、正確に時間を決めて光を照射することで最も強くなる。最も、朝の時間帯が最適である・・・とされているのですね。

 

ちなみに・・・蛍光灯をつけた部屋の明るさは500ルクス程度なのに対して、晴天時の屋外は、100,000ルクスであり、もし、天気が曇りであっても、屋外は,20,000~30,000ルクスの明るさがあります。

もし・・・自分自身やご家族が、この寒い冬の時期に「季節性感情障害」かも・・・と思ったら、15〜20分間程度、近所を散歩することを続けていくと・・・気分も変化して、生活リズムも良いものになっていく可能性がありますね。

 

なぜなら・・「サーカディアンリズム」を整えることができるからですね。

 

 

今回も最後までおつきあい頂きまして

誠にありがとうございましたお願い

 

参考)

1.CNS Spectr .2001 Jun;6(6):487-94

Is seasonal affective disorder a disorder of circadian rhythms?

P H Desan ら

 

2.J Pineal Res. 2023 Mar;74(2)

Daytime light exposure is a strong predictor of seasonal variation in sleep and circadian timing of university students

Gideon P Dunsterら

 

 

(レインボーブリッジ:筆者撮影)

 

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