こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

お盆の期間も終わり、帰省などによりお疲れの方も多いのではないでしょうか。

 

暦(こよみ)を見ますと、すでに「立秋(りっしゅう)」の末候となっており、七十二候(しちじゅうにこう)では「蒙霧升降(ふかききりまとう)」となっています。

 

「蒙霧升降(ふかききりまとう)」の意味を調べてみますと・・・

 

「蒙霧=濃霧」「升降=昇降」を意味する言葉でありまして、高温多湿の夏の大地が冷やされ、地上や水辺から もうもうと深く濃い霧(きり)が立ち込める神秘的な様子を表しているのだそうです。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

       <AIで作成>

 

今回は「ミトコンドリア」に関する話題にしたいと思います。

 

「ミトコンドリア」とは、どのようなものであったでしょうか?

少しだけ整理をしてみたいと思います。

 

「ミトコンドリア」は、細胞内に存在する細胞内小器官であり、1個の細胞にそれぞれ、100個から2000個程度が含まれていることが分かっています。

 

この「ミトコンドリア」は、細胞のDNAとは別に

独自の環状DNA(ミトコンドリアDNA)を持っているのですね。

 

驚くことに・・・この「ミトコンドリアDNA」は、母親からのみ遺伝されたものなのでしたよね。

 

 

 

では、「ミトコンドリア」の持つ機能とは・・・どのようなものであったでしょうか?

 

1)エネルギー産生

 

「ミトコンドリア」は、食物から得たエネルギーを細胞が利用できる形に変換します。これは主に「ATP(アデノシン三リン酸)」の生成を通じて行われます。

 

2)活性酸素の生成

 

実は・・・「ミトコンドリア」が、エネルギーを産生する過程で「活性酸素」も生成されてしまうのでしたね。

 

「ミトコンドリア」は、酸素を使って、「ATP」を産生しますが、細胞内の酸素の約90%を「ミトコンドリア」が消費します。

 

この過程で、あの「活性酸素」が副産物として生成されてしまうのですね。「ミトコンドリア」以外の場所でも生成されるのですが・・・

通常は「ミトコンドリア」ほど多くはないとされています。

 

あの「活性酸素」という言い方をしましたが・・・

 

「活性酸素」は、DNAに傷害を与える性質がありましたよね。

 

「ミトコンドリアDNA」は、比較的少ない遺伝子(人間では約37の遺伝子)を含んでおり、これらは主にエネルギー生成に関連するタンパク質のコードに関与しています。

 

そして、この「ミトコンドリアDNA」は、様々な要因によって、「遺伝子」の傷害や突然変異を受けることが多いのですね。

 

その原因は、次のようなものになります。

 

1.酸化ストレス

 

細胞の代謝過程で生成される「活性酸素」などにより、突然変異や断片化を誘発するなどの損傷を受けることがあります。

 

2.コピーエラー

 

ミトコンドリアは自主的にDNAをコピーする際、コピーエラーが発生することが起きているとされています。

 

3.環境因子

 

放射線、化学物質、重金属など、環境中の有害物質が「ミトコンドリアDNA」に直接的な損傷を与える可能性があります。

 

4.加齢

 

年齢とともに「ミトコンドリアDNA」の損傷が多くなっていくことかま、最近の研究で示されています。

 

年齢が進むにつれて、ミトコンドリアの機能が低下していくことがあるとされています。

 

これらの変化は、「ミトコンドリア」の機能に影響を与え、細胞のエネルギー産生能力の低下、細胞死、さらには加齢や疾患の進行につながる可能性があると考えられています。

 

さて、この「ミトコンドリア 」に対する悪影響を、どのようにして減らしていくか?・・・というのが、今回のテーマということになります。

 

・・・で、あなたは、どうしますか?・・・というのが本題です。

 

健康長寿を目指す・・・と張り切ってみても

細胞のエネルギー「ATP」をつくる「ミトコンドリア」のケアも併せてしなければ・・・なかなか、難しいことであるかもしれません。

 

では・・・どうするか?

 

ということになるわけですが・・・

お話の続きは、後日の話題にしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>8月20日

 

今宵(こよい)は、満月となっていますね。

 

アメリカ先住民は、チョウザメの豊漁(ほうりょう)を願って、この時期の満月を“スタージョンムーン”と呼んでいたというニュース記事を見ました。

 

諸説あるそうですがが、チョウザメがたくさんの卵をつけることから想像できるように、スタージョンムーンには「繁栄」という意味があります。そのほか、「自由」「自立」「友情」「オリジナリティ」など様々な意味があるとされ、“ビジネスや交友関係を広げ、自分らしく成長していく”といった願い事をするのによい満月なのだそうです。

 

 

今回は、細胞のエネルギーであるATPの産生を行う「ミトコンドリア」について、お話をさせていただきました。

「ミトコンドリア」は、1つの細胞の中に1つしかない場合もありますが、多い場合は数千個程度含まれており、細胞の活動エネルギーとなる「ATP」を合成します。


細胞の活動に必要なエネルギーの90%以上を産生し、細胞に供給しているわけですが、同時に「活性酸素」を産生するために、これにより、「ミトコンドリア」のDNAが損傷を受けることになります。

「ミトコンドリア」は、ヒトの通常の細胞(体細胞)ほど高度な「DNA修復システム」を持たないためにDNAの損傷、または、コピーエラーを修復する能力が低いと考えられています。


そのために「ミトコンドリア」のDNA損傷は蓄積しやすく、これが「ミトコンドリア」の機能を低下させ、このことが細胞機能全体に
機能を低下させるなどの悪影響を及ぼす可能性が高くなります。

では、「活性酸素」によるミトコンドリアDNAの損傷するには、どのような方法があるのでしょうか?諸説あるのですが、代表的なものを

ご紹介したいと思います。

1.高濃度ビタミンC点滴療法(?)

高濃度ビタミンC点滴の「活性酸素」を消去する効果については、以下のような点を考慮する再検討をしていく必要があります。。

理論的な根拠としては、以下のようなものになります。

 

ビタミンCは強力な「抗酸化物質」であり、「活性酸素」を消去(しょうきょ)する能力があります。さらに ビタミンCを高濃度で投与することで、通常の経口摂取よりも高い血中濃度を達成できる可能性があります。
 

そして、いくつかの研究では「高濃度ビタミンC」の投与による酸化ストレス軽減効果が報告されています。皮膚の真皮層や各臓器の細胞

の「活性酸素」を消去する(正確には中和する)ことまでは、

ある程度の効果を示すことが多いとされます。

 

ならば、細胞内に存在する「ミトコンドリア」の「活性酸素」も消去

することができるのではないか・・・と考えがちなのですが、
現時点での科学的な論文の中では、ミトコンドリア特異的な効果を示す確固たる証拠は得られていないのが現状となります。
 

しかし、さまざまな研究結果を見ます・・・「ビタミンC」が強力な抗酸化作用を持つことが認められており、さまざまな細胞モデルにおいて「活性酸素」のレベルを減少させることが確認されています。

 

例えば、鎌状赤血球貧血症患者を対象とした研究では、ビタミンCによる事前治療により、対照群と比較して、赤血球中の「活性酸素」の形成が大幅に減少したことが示されています。。

参考)
1.Blood .(2017) 130(1) : 4778.
Effect of Vitamin C on Reactive Oxygen Species Formation in Erythrocytes of Sickle Cell Anemia Patients
Ogechukwu Egini, MD MScら



また、高濃度ビタミンCは、癌の転移などを抑制することも報告されていますし、は、特にウイルスに関連する炎症や酸化ストレスの軽減という観点から、重症のCOVID-19の治療における役割についても研究されています。重症のCOVID-19関連肺炎患者を対象に、高用量ビタミンC点滴の有効性を示す結果もあります。

これらの研究は、臨床現場におけるビタミンCの抗酸化作用を強調しており、活性酸素レベルの上昇を特徴とする疾患の管理
におけるその有用性を示唆しています。

 

しかし、その有効性と適用は、治療対象の状態、投与量、個々の患者の要因によって異なる可能性があります。ビタミンCのこうした状況における範囲とメカニズムをよりよく理解するために、さらなる研究が必要であるとされています。

 

なので、高濃度ビタミンCの投与が、ミトコンドリアに影響する「活性酸素」に影響を及ぼせる可能性は否定できないのですが、現時点では(?)という結果となります。。

 

参考)
2.J Exp Clin Cancer Res. 2021; 40: 343.
High-dose intravenous vitaminn C, a promising multi-targeteting agent inthe treatment of cancer.
Franziska Böttgerら


3.Front Pharmacol. 2022; 13: 899198
Oxidative Stress and Hyper-inflamation as Major Drivers of Severe Covid-19 and Long COVID: implication for the Benefit of High Dose intrravenous Vitamin C
Claudia Vollbrachtら

2.NMN , NAD+のミトコンドリア活性酸素への関連

ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)とニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)の補給は、ミトコンドリアの
「活性酸素」を効果的に減少させ、さまざまな細胞環境下でミトコンドリア機能を改善することが研究により示されています。

間葉系幹細胞(MSC)を用いての結果は、「NMN」の補給は、細胞内のNAD+レベルを増加させ、「サーチュイン3(Sirt3)遺伝子」の発現を強化することで、ミトコンドリア機能を改善することが分かっています。


このメカニズムは、「老化メカニズム」に抵抗していくアンチエイジング医療、抗老化医療にとって、有望な戦略と考えられているようです。

 

これには、以下のような研究結果があります。
 

ある脳虚血の研究によれば、脳虚血後に「NMN」を補給すると、ミトコンドリアタンパク質の酢酸化とミトコンドリア分裂が減少し、
その結果、脳組織内の「活性酸素」の量が減少することで、「ミトコンドリア」の健康状態が改善することが示されています。


これは、ミトコンドリア内の脱アセチル化プロセスにおいて重要な役割を果たす「サーチュイン3(Sirt3)遺伝子」の活性化により促進されると報告されています。
 

また、骨髄由来間葉系幹細胞(BMSC)を用いた実験において、NAD+の補給は、BMSCの老化を大幅に遅らせることが示されています。
これは、「サーチュイン1(Sirt1)遺伝子」を介して促進され、これらの細胞内の有害な活性酸素のレベルを減少させっることが報告されています。。


これらの研究は、NMNとNAD+の補給が、異なるモデルにおいて「ミトコンドリア」の「活性酸素」を減少させ、細胞の健康を改善するという有益な効果があることを総合的に示しており、老化や関連疾患の治療への応用の可能性を示唆していると考えられています。。

参考)
4.Int. J. Mol Sci . 2022, 23(23), 14739 
Nicotinamide Mononucleotide Supplementation Improves Mitochondrial Dysfunction and Rescues Cellular Senescence by NAD+/Sirt3 Pathway in Mesenchymal Stem Cells
Huan Wangら
 

5.Front Cell Dev Biol. 2020; 8:246.
Nicotinamide Mononucleotide: A Promising Molecule for Therapy of Diverse Diseases by Targeting NAD+ Metabolism 
Weigi Hongら

3.ミトコンドリアの活性酸素を改善するサプリメント

ミトコンドリアの活性酸素種(ROS)を減らし、ミトコンドリアの健康を改善する効果のあるサプリメントや食品が、いくつか研究で報告されています。。

1)コエンザイムQ10(CoQ10)とMitoQ

 

これらのサプリメントはミトコンドリアの活性酸素を減少させることが
知られています。CoQ10はミトコンドリアの電子伝達系の必須成分であり、エネルギー生産と酸化ストレスの低減に
重要な役割を果たしています。MitoQはCoQ10を改良したもので、ミトコンドリアを特に標的とし、酸化損傷の低減効果を高めることが報告されています。

参考)
6.Redox Biol,2022 Jul; 53:102341.
MitoQ supplementation augments acute exercise-induced increases in muscle PGC1α mRNA and improves 
training-induced increases in peak power independent of mitochondrial content and function in untrained 
middle-aged men 

S.C. Broomeら

と、このような感じになりますが、全体的な印象としては、まだまだ、研究途上である印象はありますね。

 

これからも、これらの研究分野の結果をフォローし、ご報告していきたいと思います。

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

ありがとうございましたお願い

  (レインボーブリッジと東京タワー:筆者撮影)

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

連休中である方も多いのかもしれませんね。

暦のうえでは、「立秋(りっしゅう)」と秋になっているわけですが

本日の午後は、全国39地点で「猛暑日」になっているのだとか。

 

引き続き、「熱中症」などに気をつけていく必要がありますよね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

(筆者がA Iで作成)

 

今回は「肥満」に関する話題にしたいと思います。

 

言うまでもなく、「肥満」は、現代社会における深刻な健康問題の一つと考えられています。

 

「肥満」とは、体内に過剰な脂肪が蓄積された状態を指し、その脂肪の蓄積部位によって「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」に分類されましたよね。

 

 

それぞれの「肥満」のタイプは、どのようなものであったでしょうか?

 

「内臓脂肪型肥満」は、腹部深くに位置する内臓の周りに脂肪が蓄積した状態です。お腹がぽっこりと出ている体型が特徴で、外見からは分かりにくいですが、健康へのリスクが非常に高いことが問題です。

 

 

「皮下脂肪型肥満」は、皮膚の下に脂肪が蓄積した状態です。お尻や太ももなどに脂肪がつきやすく、見た目に影響を与えるため、ダイエットの対象になりやすい傾向があります。

 

「皮下脂肪型肥満」の健康リスクがゼロということはないのですが、「内臓脂肪型肥満」に比べて、健康への悪影響が小さいとされています。

 

「内臓脂肪型肥満」は、「皮下脂肪型肥満」よりも多くの内臓に対して深刻な障害を与える重大なリスクとなるので、それと比較すれば、

「皮下脂肪型肥満」のリスクは小さい・・・と言った方が正しいかもしれませんね。

 

では、「内臓脂肪型肥満」には、どのようなリスクがあるというのでしょうか?

 

内臓脂肪型肥満が皮下脂肪型肥満よりも健康リスクが高い理由は、以下のような要因が関与していると考えられています。

 

1.代謝活性の違い

 

「内臓脂肪組織」は、「皮下脂肪組織」と比較して、代謝活性が非常に高いことが知られています。

この高い代謝活性は、以下のような影響をもたらすと考えられています。

 

1)遊離脂肪酸の過剰放出

 

「内臓脂肪細胞」は容易に分解され、大量の遊離脂肪酸を血中に放出します。これらの脂肪酸は直接肝臓に運ばれ、インスリン抵抗性や脂質代謝異常を引き起こす原因となります。

 

2)炎症性サイトカインの産生

 

「内臓脂肪組織」は、TNF-α(腫瘍壊死因子α)やIL-6(インターロイキン6)などの「炎症性サイトカイン」を多く産生します。

これらは全身の慢性炎症状態を引き起こし、さまざまな代謝異常の原因となります。

 

3)アディポネクチンの減少

 

内臓脂肪の蓄積は、抗炎症作用や抗動脈硬化作用を持つ「アディポネクチン」の産生を減少させます。これにより、インスリン感受性の低下や血管障害のリスクが高まります。

 

 

2.インスリン抵抗性の誘導

 

「内臓脂肪型肥満」は、インスリン抵抗性の発生と密接に関連しています。。

 

1)脂肪細胞の肥大化

 

内臓脂肪細胞が肥大化すると、インスリン受容体の感受性が低下し、インスリン抵抗性が生じやすくなります。

 

2)脂肪毒性

 

過剰な遊離脂肪酸は、筋肉や肝臓などの組織でインスリンシグナル伝達を阻害し、全身のインスリン感受性を低下させます。

 

3)慢性炎症

 

「内臓脂肪組織」から放出される「炎症性サイトカイン」は、インスリン抵抗性を促進する作用があります。

 

 

3.酸化ストレスの増大

 

「内臓脂肪組織」は、活性酸素種(ROS)の産生を増加させ、酸化ストレスを高めます。

 

1) ミトコンドリア機能障害

 

過剰な脂肪酸の酸化は、ミトコンドリアの機能障害を引き起こし、ROSの産生を増加させます。

 

2)抗酸化システムの低下

 

慢性的な酸化ストレスは、細胞の抗酸化システムを消耗させ、さらなる酸化ダメージを引き起こします

 

4. 血管内皮機能障害

 

「内臓脂肪型肥満」は、血管内皮機能の障害を引き起こし、「動脈硬化」のリスクを高めます。

 

1)一酸化窒素(NO)の産生低下

 

内臓脂肪由来の炎症性因子や酸化ストレスは、血管内皮細胞のNO産生を阻害します。

NOは血管拡張や抗血栓作用を持つ重要な物質です。

 

2)接着分子の発現増加

 

内臓脂肪由来の炎症性サイトカインは、血管内皮細胞での接着分子(ICAM-1、VCAM-1など)の発現を増加させ、動脈硬化の初期段階を促進します。

 

 

といった感じですね。

「肥満」・・・とくに「内臓脂肪型肥満」を抱えながら(かかえながら)「健康」や「長寿」を目指すというのが、いかに難しそうか・・・

がお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

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<ブログ後記>8月13日

 

また、「ダイエット」の話かあ〜と苦笑い(にがわらい)をされた方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

世界的な医学ニュースの話題で、毎日といっていいほど見かけるのは・・・「ダイエット」や「肥満」に関する話題が、とても多いのですね。そして、ここに「健康寿命」の長さという「キーワード」がついてくるわけですから・・・なんだか、息苦しさを感じたりもします。

 

例えば・・・最近のニュースでは、次のようなものがあります。

 

1.睡眠不足で、「内臓脂肪」が増加する J Am Coll Cardiol.2022;79

 

2.肥満患者に長期減量目標5年7.5%で、リスク減  

   国立病院機構京都医療センターの欧州の国際専門誌の報告

 

3.肥満になると脂肪が燃焼されにくくなり、余計に肥満が悪化する負のサイクルに陥って(おちいって)しまう可能性がある

  Obesity causes mitochondrial fragmentation and dysfunction in   white adipocytes due to RalA activation | Nature Metabolism

 

4.若年者の肥満は、2型糖尿病へ進展する危険因子のひとつである

  Journal of the Endocrine Society

 

といった具合ですね。

 

なぜ、こんなにも「肥満」のリスクを強調する報告が増えているのかと言いますと、次のようなことが考えられています。。

 

「肥満」は多くの健康問題を引き起こす可能性があり、強調するまでのないのですが・・・糖尿病、心疾患などの慢性疾患のリスクを高めますね。

 

実は、これらの疾患は医療システムに大きな負担をかけ、経済的にも社会的にも重大な影響を与えることが分かってきています。

医療費の増大が関係しているということですね。。

 

また、世界的に見ても肥満率は増加傾向にあります。

食生活の変化、運動不足、都市化、そして経済的な要因などがこの傾向を加速しています。

 

しかしながら、「肥満」は予防可能なものであり、早期の介入によってそのリスクを減らすことができます。

そのため、肥満のリスクについての認識を高め、効果的な予防策を広めることが重要とされています。

 

こうした世界的な流れは、医学および健康研究の進展により、「肥満」が健康に及ぼす具体的な影響についての理解が深まってきたからであるとされています。

 

JTKクリニックでは、「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」と、それぞれに漢方の煎じ薬を使い、リバウンドのないダイエットを行っていますが、中止した際にも、抗糖尿病薬の場合のようにリバウンドもない場合が多いです。

 

もちろん、食事の摂取カロリーは、適量まで減量することは必要なのですが・・・ね。

 

何事も・・・粘り辛抱して、勝ちとった結果は

長く保つことができ、さらなる良い結果をもたらすのかもしれませんね。

 

今回の最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

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     (JTKクリニック ダイエット漢方)

 

 

 

 

 

 (丸の内駅舎と行幸通り:筆者撮影)

 

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<今週、なんとなく聞いてみたい曲>

 

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<JTKクリニックからのお知らせ>

 

◯8月14日〜18日は、休診とさせていただきます。

 

◯外来診療は予約制をとり、待ち時間が生じないようにしています。

 

◯ ダイエット漢方製剤は、オンライン診療でも処方が可能です。

 

◯ 線維筋痛症に対するノイロトロピン等の点滴療法、トリガーポイント注射を行なっております。(セカンドオピニオン診療も可)

 

 

◯ 新型コロナウイルス後遺症外来を行なっています。 

(オンライン相談も可)

 

 

 

 

<JTKクリニック 所在地>

〒102-0083

東京都千代田区麹町4-1-5麴町志村ビル2階

電話 03-6261-6386

Mail:info@jtkclinic.com

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

8月最初の休日となっています。

言うまでもないことなのですが、暑さが身にこたえますね。

 

暦を見ますと二十四節気の「大暑」もそろそろ終わり、あと数日もしますと「立秋(りっしゅう)」となるようです。

 

暦のうえでは、いよいよ秋の季節になっていくようです。

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

(筆者がA Iで作成)

 

今回は再び、「NK(ナチュラルキラー)細胞」を話題にしてみたいと思います。

 

以前に「免疫力」とは何か?・・・というお話をさせていただいた時

に「NK細胞」に関連がある・・・とお伝えしたと思います。

 

では、「NK細胞」をどのような状態にすれば・・・「免疫力」を高めることができるのでしょうか?

 

まず、「NK細胞」とは、どのような免疫細胞出会ったのか?・・・を

復習しておきたいと思います。

 

「NK細胞」は、「ウイルス感染細胞」や「癌細胞」、そして、「老化細胞」などの異常細胞を認識し、直接攻撃することができる細胞でしたね。そして、「NK細胞」はヒトが生まれつき持っている「自然免疫」

を構成する細胞のひとつでしたよね。

 

さらに言えば「NK細胞」の数は少ないことが知られています。

 

しかしながら・・・近年になり、「NK細胞」の免疫力に対する理解は深まり、「細胞数」だけでなく、その「活性状態」が免疫応答を左右することが明らかになってきているのですね。

 

つまり、「NK細胞」の「活性状態」が、「細胞数」よりも重要な役割を果たすことが明らかになってきたというわけです。

 

一般に、NK細胞の「活性状態」は、その「数」よりも臨床的には重要とされることが多いです。

 

NK細胞の活性が高いと、限られた数のNK細胞でも効率的に病原体や異常細胞を排除できるため、免疫システム全体の効率が向上するというわけです。

 

では、「NK細胞」の活性を高める方法には、どのようなものがあるのでしょうか?

 

一般的には、次のように考えられています。

 

生活習慣の改善が重要と考えられています。

 

1)運動

定期的な運動は免疫系の機能を強化し、NK細胞の活性を向上させることが示されています。

 

2)栄養

バランスの取れた食事が重要で、特にビタミンC、ビタミンE、βカロテン、亜鉛、セレンなどの栄養素がNK細胞の機能をサポートすると考えられています。

 

3)十分な睡眠

質の良い睡眠は免疫系の健康を支え、NK細胞の活性を高めます。

 

4)ストレス管理

慢性的なストレスは免疫機能を低下させるため、ストレス管理がNK細胞の機能を保つのに役立ちます。

 

では、その他には方法はないのでしょうか?

 

実は、ここからが本題になるわけですが・・・「ミトコンドリア」で産生される「ATP(アデノシン三リン酸)」はNK細胞の活性を調節する因子の一つとされています。

 

「ミトコンドリア」は細胞のエネルギー工場として知られており、「ATP(エーティーピー)」の生成を通じて細胞の代謝活動を支えています。NK細胞の活性においても、ミトコンドリアの機能が重要であり、特にエネルギー代謝がNK細胞の活動に直接影響を及ぼすことが示されています

 

逆に、「ミトコンドリア」の機能障害や「ATP」産生の低下は、NK細胞の機能抑制につながることが報告されています。

 

ならば・・・次の一手は、どのようなものになるでしょうか?

「ミトコンドリア」の機能障害を防ぎ、「ATP」産生を増加させるならば・・・

 

やっぱり・・・NK細胞の「活性」をupさせるためには

◯◯◯がよいかもしれませんね。

 

続きは、後日の話題にしたいと思います。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

------------------------------------------------------------------

<  ブログ後記   >8月6日

 

今回は、「NK細胞」の活性が重要であるというお話をさせていただきました。

 

本文内でもご紹介したように・・・「NK細胞」は、免疫システムを構成する重要な細胞であり、「癌細胞」,「ウイルス感染細胞」,「老化細胞」などの異常な細胞を破壊する重要な役割持っています。

 

そして、強調したいのは、本文内でもお話をしたように「NK細胞」は、その「数」よりも「活性」の方が重要であるということです。

 

もちろん、「N K細胞」の数が、まったく関係がないというわけではありません。

例えば、全身にそのターゲットとなるものが存在するとすれば、やはり、「N K細胞」の数が多い方が有利となります。多くのターゲットに対して、同時に攻撃を行うことが可能になるからですね。

 

では、「NK細胞」の活性化とは、どのようなことを指すのでしょうか?

 

大きくは、NK細胞が感染した細胞や癌細胞を認識し、そして、これらの細胞を破壊する能力を指し、これを「細胞傷害活性」を呼びます。

 

そのほかには、免疫応答を調節する「サイトカイン」の産生をする能力も「N K細胞」の活性の程度に左右されたりもします。

 

こうした「NK細胞」の活性の大きさは、20歳代で最も高くなり、その後は、加齢とともに徐々に低下していくことが知られています。

 

では、「NK細胞」の活性を高めるには、どうしたらよいのでしょうか?

もちろん、本文内でも触れたように・・・運動や栄養、睡眠なども重要です。それ以外には?・・・ということになります。

 

近年になり、「ミトコンドリア」が、「NK細胞」の活性化に重要な役割を果たすことが明らかになってきています。

 

「ミトコンドリア」は、ATPを産生します。「ATP」は細胞のエネルギーになるものでした。この仕組みは、「NK細胞」も同様に働きまして

「N K細胞」のさまざまなシステムに対して、「ATP」は、エネルギーを供給します。

その反対に「ミトコンドリア」の機能不全で、「ATP」の産生が低下しますと「NK細胞」の活性が低下する可能性が指摘されています。

 

では、「ミトコンドリア」のATP産生を増加させるには、どうしたらよいでしょうか?

 

ここで、「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (NAD+)」が出てきます。

                                  (図はお借りしました)

 

「ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)」を摂取することは、体内の「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (NAD+)」を増加させることが目的でしたね。

 

なぜなら、体内の「NAD+」は、加齢とともに減少していってしまうからです。

 

             (図はお借りしました)

 

ところが・・・「NAD+」には、重要な働きがありましたね。

 

それは、長寿遺伝子と呼ばれる「サーチュイン遺伝子」の活性化と

ミトコンドリアでの「ATP」の産生を増加させることでした。。

 

実際に最近の研究では、「NAD+」の前駆体である「NMN)」の補充が「NK細胞」の抗腫瘍反応を改善する可能性が示されています。

 

さらに・・・「サーチュイン遺伝子」(特にサーチュイン1遺伝子、および、サーチュイン2遺伝子)の活性化がNK細胞の活性に影響を与えることを示す研究結果も報告されています。

 

 

このように「NK細胞」の活性化は、「ミトコンドリアのATP生産」と「NAD+レベル」の維持に大きく依存していると考えられているわけですが・・・

 

「NK細胞」の活性を高く保つことは、癌の予防、ウイルス感染症の発症の予防、そして、「老化細胞」の増加を抑制することにもなりますので、これからも注目していけたらと思います。

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

参考)

1..Immun Ageing.2018;1;31. 

CD56bright cells respond to stimulation until very advanced age revealing increased expression of cellular protective proteins SIRT1, HSP70 and SOD2

Lucyna Kaszubowskaら

 

2.J Leukoc Biol. 2019 Jun;105(6):1275-1283.

Senescent cells: Living or dying is a matter of NK cells

Fabrizio Antonanggeliら

 

3J Immunol .2015;194 (4): 1954–1962.

Activation-Specific Metabolic Requirements for NK Cell IFN-γ Production

Molly P Keppelら

 

4.Stem Cell Res Ther.2021;12:320.

Optimising NK cell metabolism to increase the efficacy of cancer immunotherapy

Chioe Choiら

 

 (丸の内仲通り:筆者撮影)

 

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小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

夏の暑い日が続いていますね。

もう、7月最後の休日となっています。

 

暦を見ますと二十四節気の「大暑」を迎えていることに気がつきました。

「大暑」と言えば、1年で最も暑い時期ということで、毎日うだるような暑さが続いていることも、納得できるというものでしょうか。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

(筆者が人工知能A Iで作成)

 

今回は、「陽射し(ひざし)、つまり、太陽からの紫外線が、DNAに傷害を与えるというお話をしてみたいと思います。

 

紫外線は波長によって「UV-A」(320-400 nm)、「UV-B」(280-320 nm)、「UV-C」(100-280 nm)に分類されます。

 

地球の大気圏は、「UV-C」をほとんど吸収するため、地表に届くのは主に「UV-A」と「UV-B」となりますね。

 

このうち、「UV-B 」は細胞内 DNA に 直接吸収され、DNA の損傷を引き起こします。

そして、UV-Aは生体内の様々な分子に吸収され、その結果生じる「活性酸素」を介して細胞の膜脂質や蛋白質、DNAなどに酸化的損傷を与えるとされています。

 

ここまでは、以前のブログ内でもご紹介しましたよね。

 

では、紫外線によるDNA傷害には、どのようなものがあるのでしょうか?

 

紫外線によるDNA傷害には、主に以下のような変化があります:

 

1. シクロブタン型ピリミジンダイマー (CPD) の形成

隣接するピリミジン塩基(チミンまたはシトシン)間に共有結合が生じます。これはDNA変異の主要な原因となります。

 

2. (6-4)光産物の生成

これも隣接するピリミジン塩基間で起こりますが、CPDとは異なる構造を持ちます。

 

3. 一本鎖切断

DNAの骨格が切断され、一本鎖が断裂することがあります。

 

4. 酸化的損傷

紫外線によって生成された「活性酸素種(フリーラジカル)」がDNA塩基を酸化することがあります。8-オキソグアニンなどが生成されます。

 

5. 塩基の脱離

紫外線の影響でDNAから塩基が外れることがあります。

 

これらの損傷は、細胞の修復機構によって修復されることが多いですが、修復できないと、次世代の細胞に持ち越さないよう「アポトーシス」という機序で自ら壊れてしまうとされています。

 

 

では、「紫外線」によって傷害を受けたDNAを修復するメカニズムには、どのようなものがあるのでしょうか?

 

1. ヌクレオチド除去修復 (NER)

紫外線による主要な損傷(CPDや(6-4)光産物)を修復する主要な経路です。

損傷部位を認識し、その周辺の一連のヌクレオチドを切り出します。

そして、 健全なDNA鎖を鋳型として、切り出された部分を新しく合成します。

 

2. 塩基除去修復 (BER)

 主に酸化的損傷や脱塩基部位の修復に関与します。

  損傷した塩基を除去し、正しい塩基に置換します。

 

3.ミスマッチ修復 (MMR)

 紫外線損傷の直接修復ではありませんが、複製エラーの修正に重要です。

 紫外線損傷の修復過程で生じた誤った塩基対合を修正します。

 

5. 組換え修復

  重度の損傷や二本鎖切断の修復に関与します。

  相同組換えや非相同末端結合などの経路があります。

 

6. トランスレージョン合成 (TLS)

  損傷を乗り越えて複製を続行する機構です。

  損傷を修復するわけではありませんが、細胞生存に重要です。

 

・・・などがあり、これらのメカニズムは相互に補完し合い、様々な種類のDNA損傷に対応しています。

 

 

紫外線によるDNAの傷害は、多くの種類があるものの、それを修復するメカニズムが多く存在するため、DNAの損傷が残らないのですね。

 

メデタシ、メデタシ・・・というお話であれば・・・

わざわざ、こんな内容を紹介することは、ありません。

 

実は・・・こうしたDNA損傷を修復する能力が「加齢」により、低下してしまうのが問題になってくるわけですね。

 

例えば・・・この現象には複数の要因が関与しています。主な理由とは、どのようなものなのでしょうか?

 

要因(よういん)とされるものを挙げてみたいと思います。

 

1)修復酵素の機能低下、2)DNAのメチル化パターンの変化などによるエピジェネティックな変化、3)テロメアの短縮・・・

 

そして、4)ミトコンドリア機能低下 、5) 幹細胞の枯渇、6)長年にわたる環境ストレスやDNA複製エラーの蓄積

7)「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」の低下、8)「老化細胞」の増加・・・などにより・・・紫外線によるDNAの損傷部位の修復が追いつかず、損傷を残したまま、細胞分裂を続けていく・・・というわけです。

 

DNAの傷害部位を複数残したまま、次世代の細胞を作り・・・を繰り返せば・・・いったい、どうなっていくのか?

 

これは、解説は不要だと思います。

 

この「加齢によりDNA損傷を修復する能力が低下する問題」をどう解決していくのか?・・・ということは、

決して、「紫外線」による影響に限ったものでなく・・・「健康長寿」を実現していくためには、これを確実にクリアしなければいけない問題なのですね。

 

なぜなら、「紫外線」の照射を受けないとしても・・・日々、DNAの傷害が起きている可能性が高いわけですので・・・ね。

 

ならば・・・どこから、その対策を始めてみるか?

 

続きは、次回のテーマにしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記> 7月30日

 

7月も残り1日となりましたね。蒸し暑い日が続き、疲れを感じている方も多いのではないでしょうか?

 

今回は「紫外線」がDNAに傷害(しょうがい)を与えるというお話をさせていただきました。

 

DNAの障害を起こすものというと、真っ先に「放射線」が浮かぶ方もいらっしゃるかもしれません。
 

確かに程度の差こそはあれ、「紫外線」も「放射線」同様にDNAを障害することになります。


そして、「紫外線」と「放射線」とも長期的にわたる暴露が続けば、どちらも癌の発のリスクを増加させる可能性があります。

では、「紫外線」と「放射線」の相違点(そういてん)とは、どのようなことでしょうか?

 

この答えは、DNAの障害の程度が違うということになります。


DNA障害についてをみてみますと、紫外線と放射線はどちらもDNAを傷つけます。そして、DNA構造の変化、突然変異の誘発などを起こすというところは同じです。

 

ただ、そのDNA障害の内容が違っています。


「紫外線」は、同一のDNA鎖内で連続した2個のピリミジン塩基{シトシン(c),または、チミン(T)】が、共有結合によって
二量体を形成する・・・と少し難しいのですが、

簡単に言いますと・・・同じDNA鎖の中で、塩基同士をくっつけてしまいます。

 

DNA内にこのような構造が生じると、DNAの複製や転写の妨げとなり、突然変異などを生じやすいとされています。


これに対して、「放射線」は、DNA鎖を切断することが多いと考えられています。

 

これは、「紫外線」によるDNA損傷よりも深刻な損傷といえます。

 

なぜなら、「放射線」で生じるものは、2本鎖で構成されるDNAの

1本鎖が切断されてしまったり、また、2本とも
同時に切断されるようなDNA損傷が生じることが多いとされます。
 

このような損傷を修復するのは難しいとされており、特に2本鎖切断の修復は複雑で、エラーが発生しやすいとされているのですね。

 

これらのDNA障害に対して、それに対処する方法は、ほぼ共通です。

この修復プロセスの詳細は、まさに神がかりな精密機械のようなプロセスであり、いくつかの修復のメカニズムが、しばしば重複して機能し、相互に補完し合うものであり、

DNA損傷の種類や細胞周期の段階に応じて、正しい修復方法が自然に選択されていくことになるのですね。

 

まさに神の為せる(なせる)技だと思うのは、私だけではないはずです。

 

これらの修復プロセスには、「NAD+」や「サーチュイン遺伝子」も重要な役割を果たしています

 

例えば、「NAD+」は、PARP酵素の活性化DNA損傷の検出と修復の開始に関与し、サーチュイン遺伝子・・・とくにサーチュイン1遺伝子(SIRT1)は様々な修復過程を促進していることが分かっています。

 

DNAは、「紫外線」や「放射線」ばかりでなく、さまざまな問題で傷つくわけですが、この問題を解決する複雑な「修復システム」があるのですね。

 

「NAD+」や「サーチュイン遺伝子」は、この修復システムの重要な部分で、これらの研究は将来の医療応用にもつながる可能性があると考えられているのですね。

 

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い



参考)
1. Cell Metab. 2015 Jul 7;22(1):31-53.
NAD(+) Metabolism and the Control of Energy Homeostasis: A Balancing Act between Mitochondria and the Nucleus
Carles Cantó ら

2.Cell Metab. 2014 Nov 4;20(5):706-707. 
Linking DNA damage, NAD(+)/SIRT1, and aging
Leonard Guarente ら

 

 

 

 

 

    (ザ・ペニンシュラ東京のシャンデリア:筆者撮影)
 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

昨夜の雨が嘘(うそ)のようによく晴れた休日の午後になっています。

 

このような夏の日の午後には、よく冷えたビールを呑みたくなるという方は多いかもしれませんね。

 

英国には、次のような言葉があるそうです。

 

Let a man walk ten miles steadily on a hot summer’s day along a dusty English road, and he will soon discover why beer was invented.

 

<暑い夏の日に、ほこりっぽいイギリスの道を10マイル続けて歩かせてみなさい。そうすれば、彼はビールが発明された理由がすぐに分かるだろう>という意味になりますね。

 

イギリスの作家、ギルバート・キース・チェスタトンの名言です。

ブラウン神父の推理小説シリーズや「正統とは何か」などの著書がありますね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

(筆者が人工知能A Iで作成)

 

今回の話題は・・・「テロメア」のお話をしてみたいと思います。

 

私たちの体は、日々刻々と変化し、年齢を重ねていきますね。

残念ながら、この変化は「老化のプロセス」を辿って(たどって)いく変化ということになります。。

 

20世紀後半から21世紀にかけて、「テロメア」という染色体の末端構造が、老化プロセスの鍵を握っていることが明らかになってきたのですね。

 

では、「テロメア」とは、どのようなものであったでしょうか?

少しだけ復習をしておきたいと思います。

 

「テロメア」は、真核生物の染色体末端に存在する特殊な構造でしたよね。

 

ヒトの場合、「TTAGGG」 という塩基配列が数千回繰り返されており、その長さは通常10〜15キロベース(kb)程度とされています。

 

「テロメア」が持つ本来の機能とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

 

「テロメア」の主な役割は以下のとおりとなります。

 

1) 染色体の保護

「テロメア」は染色体の末端を保護し、DNAの損傷や不安定化を防ぎます。

 

2) 細胞分裂の制御

「テロメア」の長さは細胞分裂の回数を制限する「生物学的時計」として機能します。

 

3) 遺伝情報の保護

「テロメア」は重要な遺伝情報を含む領域を末端から守る役割を果たします。

 

そして、「テロメア」は次のような運命をたどります。

 

細胞が分裂するたびに、「テロメア」は少しずつ短くなっていくのですね。残念なことですが・・・これを伸ばすことは(正常の細胞では)不可能である・・・ということになります。

 

DNAポリメラーゼ(DNAを複製する酵素)は、DNA鎖の5'→3'方向にしか新しい鎖を合成できないため、染色体の末端部分は完全に複製されないから・・・というのが、その理由ということになります。

 

そして、通常のヒトの体細胞は、「テロメア」が臨界長(約4kb)まで短くなりますと、それ以上分裂できなくなります。

 

つまり、細胞の分裂回数は有限であり、「テロメア」が約4kbまで短くなると・・・静かに分裂をやめていく・・・ということになります。

 

これが「ヘイフリック限界」と呼ばれ、分裂することをやめた細胞が「老化細胞」と呼ばれるものになるというわけです。

 

実は・・・「テロメア」の短縮と「老化」には密接な関係があるとされています。

では、「テロメア」が短縮するにつれて、どのようなことが起きてくるとされているのでしょうか?

 

1) 組織の再生能力低下

「テロメア」が短縮すると、幹細胞の分裂能力が低下し、組織の再生能力が減少します。

 

2) 老化細胞の蓄積

老化細胞は炎症性因子を分泌し、周囲の健康な細胞にも悪影響を及ぼします。

 

3) DNA損傷の増加

「テロメア」が短くなると、染色体が不安定化し、DNA損傷が増加します。

4) ミトコンドリア機能の低下

「テロメア」の短縮は、ミトコンドリアの機能障害を起こすとされています。

 

じゃあ、どうしようもないよねムキー・・・と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

いやいや・・・そうでもないのですね。

 

もちろん、「テロメア」は、細胞の分裂とともに短縮していくため、完全に短縮を防ぐことは難しいかもしれません。

 

しかしながら・・・「テロメア」の短縮していくスピードを抑制していくことは可能であり、これにより「老化」のスピードを遅くできる

と考えられているのですね、

 

その方法は・・・「適切な生活習慣」を心がけることということになります。

では、その「適切な生活習慣」とは、どのようなものなのでしょうか?

続きは・・・後日の話題にしたいと思います。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>7月23日
 

今回は、細胞の分裂回数を決定しているとも言える「テロメア(Telomeres)」についてのお話をさせていただきました。

 

「テロメア」を温存する生活スタイルは、次のように考えられています。

1)生活習慣の改善:運動、健康的な食事、ストレス管理などがテロメアの短縮を抑制する可能性があります

 

2)抗酸化物質:酸化ストレスはテロメア短縮を促進するため、抗酸化物質の摂取が有効かもしれません

 

これにエクソソームやサーチュイン遺伝子の活性化・・・などが挙げられるのですが、こちらは別の機会にしたいと思います。

 

では、例えば「老化細胞」のテロメアを伸ばすことはできるのか?

・・・というお話をしてみたいと思います。

 

 

本文内でご紹介したようにヒトの体細胞において、「テロメア」がある程度(約4kb程度)まで短くなると・・・それ以上は、細胞分裂 ができなくなる「老化細胞」になっていくわけですね。

分裂ができなくなった細胞のうち、一部のものは、プログラムされた細胞死(アポトーシス)を起こし、破壊されるわけです。
 

しかしながら、アポトーシスを起こさなかった細胞は、ゾンビ細胞とも呼ばれる「老化細胞」になることは、以前のブログ内でもご紹介したとおりです。


「老化細胞」からは、「細胞老化関連分泌形質(SASP)」が分泌されることになります。
「SASP」は、炎症性サイトカインやケモカイン、増殖因子などから構成されていまして、周囲の正常な細胞を「老化」させてしまうという厄介な性質を持つことも、以前のブログ内でもご紹介したとおりですね。


これらの変化の根本的な原因の多くは、「テロメア」の短縮にあると言っても過言(かごん)ではないかもしれません。

しかしながら、例外もあるわけです。

その例外というのは「癌細胞」ということになります。


「癌細胞」では、多くの場合に「テロメラーゼ(telomerase)」と呼ばれる「テロメア合成酵素」というものが活性化しています。


この酵素の働きによって「テロメア」の長さが安定に維持されます。

つまり、「テロメア」の長さが短くなることはなく、「癌細胞」が無限に分裂・増殖できるのは、この理由にあります。

 

 

ならば・・・分裂できなくなった「老化細胞」に「テロメラーゼ合成酵素」を投与すれば・・・細胞は、また分裂を再開していき、また、「老化細胞」の数も減少し、その結果として、「若返り」が実現できるのではないか?・・・と考える方がいても不思議ではありません。

 

しかしながら・・・次のようなリスクが生じる可能性が高いと考えられています。

 

1)癌のリスク増加

テロメアの延長は細胞の分裂能力を高めるため、癌細胞の増殖を促進する可能性がある。

 

2)機能不全の細胞の出現・増殖

 細胞の老化は通常、体内から排除されますが、この過程が阻害されると、機能不全の細胞が出現する可能性がある。

 

これらのリスクに共通することは、次のようなことになります。

「老化細胞」となった細胞の中には、ヘイフッリックの限界まで分裂をして、「テロメア」が短くなった細胞と・・・

もうひとつ、まだ、ヘイフッリックの限界まで分裂しないうちに

なんらかの要因で、DNAが損傷を受け、これが修復できなかった

場合に「老化細胞」になって、それ以上の分裂を停止してしまうというのですね。

 

これをDNA損傷による細胞老化のメカニズムは、「テロメア非依存性の細胞老化」と呼ばれたりもします。

 

そして、DNA損傷による老化状態が一旦続くと、時間の経過とともに「テロメア」が徐々に短縮していく可能性が高いというのですね。

 

つまり、実際の生体内で認められる「老化細胞」を詳細に確認できたとすると、2種類のものがあるということになります。

 

ひとつは、ヘイフッリックの限界まで分裂し、それ以上は分裂できなくなり「老化細胞」になったもの、もうひとつは、なんらかの原因で

DNAの損傷を受け、修復メカニズムが働いたにも関わらず、修復できないことから「テロメア非依存性の細胞老化」を起こし、「老化細胞」なったもの・・・が混在していることになります。

 

これらの2つの「老化細胞」は、現時点では区別できないとされていますので・・後者のタイプの「老化細胞」に「テロメア合成酵素」を投与し、細胞分裂を再開させれば・・・DNAに損傷のある細胞が増加していくことが予想され、その結果として・・・癌細胞や機能不全の細胞を増殖させてしまう・・・というリスクがあるというわけですね。

 

「あなたの細胞のテロメアを伸ばします」という貼り紙(はりがみ)

を見たら・・・少し疑ってみてもよいかもしれませんね爆  笑

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

参考)

1.  Proceedings of the National Academy of Sciences, 85(18), 6622-6626.

A highly conserved repetitive DNA sequence, (TTAGGG)n, present at the telomeres of human chromosomes.

R K Moyzisら

 

2.PLos Biol. 2008 Dec 2;6(12):2853-68. 

Senescence-associated secretory phenotypes reveal cell-nonautonomous functions of oncogenic RAS and the p53 tumor suppressor

Jean-Philippe Coppeら

 

3.Nature. 2011 Feb 17;470(7334):359-65.

Telomere dysfunction induces metabolic and mitochondrial compromise

Ergun Sahinら

 

4.Cells.2019 Jan; 8(1): 73.

Telomere Biology and Human Phenotype

Kara J Turnerら

           など

         (雨上がりの散歩道:筆者撮影)

 

 

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