こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

気温は若干( じゃっかん)、低下したようですが、なんとも蒸し暑さを感じます。

 

暦を見ますと・・・七十二候(しちゅじゅうにこう)では、

「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」となっています。

 

その意味は、春から夏にかけて鳴り響いた雷が鳴らなくなってくる頃なのだとか。

 

そう言われてみれば・・・今年の夏はよく「稲妻(いなづま)」を見たり、「雷鳴(らいめい)」を多く聞いたかなあ〜などと思いまして、

去りゆく夏の季節を懐かしんで(なつかしんで)おりました・

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

            <AIで作成>

 

前回は、「記憶の司令塔(しれいとう)」とも言える「海馬(かいば)」のお話をさせていただきました。

 

加齢により「海馬」が萎縮していくことにショックを受けられた方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

今回は、「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」とそこから発現が生じる「サーチュイン遺伝子」について、お話をしていきたいと思います。

 

まずは、「NAD+」の歴史をご紹介しておきたいと思います。


◯ 「NAD+」発見の経緯
 

 1906年頃: イギリスの生化学者Arthur HardenとWilliam John Youngによって、NAD+が初めて発見されました。彼らは酵母抽出物中に、アルコール発酵を促進する「補酵素」の存在を見出しました。

1929年頃: Hans von Euler-Chelpinが、この補酵素が核酸糖リン酸であることを同定しました。
 

 1936年頃: Otto Heinrich Warburgが、NAD+が水素イオンの受け渡しに関与していることを示し、ニコチンアミド部分が酸化還元反応の部位であることを特定しました。
 

◯ ビタミン前駆体の発見
 1938年頃: Conrad Elvehjemが、NAD+のビタミン前駆体としてニコチンアミドを同定しました。

1939年頃: ElvehjemらがナイアシンがNAD+合成に使われることを示しました。

長い歴史があるので・・・途中は割愛(かつあい)しまして、最近の研究結果に目を移しますと・・・


 2000年頃: Leonard P. Guarenteの研究室で、NAD+依存性のタンパク質脱アセチル化酵素であるサーチュインが発見されました。

2009年頃: 今井眞一郎博士が「NADワールド」仮説を提唱し、哺乳類の老化と寿命の主要な調節因子としてサーチュイン1とNAMPTを位置づけました。
 

 2016年: 今井眞一郎博士が、「NADワールド2.0」仮説を発表し、脂肪組織由来の細胞外NAMPTと骨格筋由来のマイオカインが視床下部のNAD+レベルを維持するという考えを提示しました。

上に示すように・・・NAD+の研究は100年以上にわたって続けられ、その機能や重要性についての理解が徐々に深まってきました。

そして、現在も老化や代謝疾患との関連など、活発な研究が行われています。

 
これに対し、「NMN」の歴史を見ますと・・・次のようなものになります。
 
「NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)」の開発については、2004年に重要な研究が発表されたのが最初の大きな節目です。その研究で、「NMN」が「NAD+」の前駆体(ぜんくたい)として機能し、細胞のエネルギー産生と寿命に影響を与える可能性が示されたことになります。
 
もちろん、それ以来、NMNに関する研究は加速しており、特に老化防止や健康寿命の延長に向けた応用が注目されています。
 
つまり、「NAD+」の研究は、120年程度前から既に始まっており、「サーチュイン遺伝子」の活性化やミトコンドリアのATP産生を増加させることが分かっていたわけです。
 
しかし、「NAD+」を経口摂取する方法が見つからなかったわけですね。
それを見つけたのが今井眞一郎博士であり、その形態が「NMN」というサプリであったというわけですね。
 
 
「NAD+」と「サーチュイン遺伝子」のお話は、後日の話題としたいと思います。「サーチュイン遺伝子」の中では、
現在、「サーチュイン1 遺伝子」が最も研究が進んでいるのですが・・・なかなか、面白い性質を知ることができると思います。
 
 
素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ
 
それでは、またバイバイ
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<ブログ後記>9月24日
 

昨日から急に気温が下がり、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がそのとおりになっていますね。

 

古くからの「たとえ」どおりに・・・いきなり、気温まで下がりますと、かえって体調が狂う(くるう)などとボヤいているのは、私だけでしょうか?

 

今回は、「NAD+」の歴史がとても古いものであるというお話をさせていただきました。


「NMN」のサプリは、日本国内では人気があるわけですが、欧米では「NAD+」の点滴がポピュラーなもので「NMN」のことは、あまり知らないなどと聞くと、ちょっと驚きます。

実際に「NMN」は、いろいろな要因によって、例えば、腸内細菌の状態によっても、その吸収が影響を受けることも報告されており、その効果の実感に個人差が生まれる原因になっていると考えられています。

・・・とは言っても、慶應義塾大学の研究グループは、抗老化候補物質として注目されている「NMN」について、健康なヒトが長期間内服しても安全であることを確認したと国際的な科学誌に科学論文を2024年1月に発表しています。。

その内容は、8週間と長期にわたり経口投与された「NMN」は、健康な成人男性において、末梢臓器の「NAD+」の量を増加させ、
安全に使用可能であることはもちろんのこと、軽度の耐糖能障害(たいとうのうしょうがい)を起こしているヒトにおいては、改善効果をもたらす可能性がある・・・と報告しているのですね。

 

軽度の耐糖能障害とは、「糖尿病予備軍」のことですから・・・医学的には、かなりの朗報(ろうほう)となるわけです。


このようなことから考えますと・・・「NMN」は、巷(ちまた)の一部でささやかれているような「わけのわからない、危険な」物質
ではないと言えますよね。

参考)
1)Endocr J 2024 Feb 28;71(2):153-169. 
Safety and efficacy of long-term nicotinamide mononucleotide supplementation on metabolism, sleep, 
and nicotinamide adenine dinucleotide biosynthesis in healthy, middle-aged Japanese men

Shintaro Yamaguchiら

この臨床研究により、「NMN」は「長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)」を活性化するための有力候補の一つとされることから、、「NMN」を安全に服用できることを証明した意義は大きいと世界的に評価されていっるそうです。。

では、古くから欧米に存在する「「NAD+点滴」や新しい「NMN」「サーチュイン遺伝子」が活性化されることのメリットとは、どのようなことがあるのでしょうか。
 

「サーチュイン遺伝子」の中で、現時点で注目を集め、研究が最も進んでいるのが「サーチュイン1遺伝子」なので、「サーチュイン1遺伝子」について、まとめてみたいと思います。

「サーチュイン1(SIRT1)遺伝子」の活性化によるヒト臓器へのメリットとは、次のようになります。

「サーチュイン1(SIRT1)遺伝子(以下はSIRT1):は、老化やストレス応答、代謝調節に関与する遺伝子であり、その活性化は
ヒトの健康と寿命に多大な影響を与えることが示されています。

 

「SIRT1」は、「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)」依存の脱アセチル酵素として機能し、複数のタンパク質を修飾して細胞の生存と修復機構を促進します。

これにより、「SIRT1」の活性化はさまざまな臓器や組織において多くの健康上のメリットをもたらすと考えられています。


SIRT1の活性化がもたらすヒトの各臓器への主なメリットについて、その一部をご紹介したいと思います。

1.脳へのメリット 
 

「SIRT1」の活性化は神経細胞の保護と修復に役立ち、特に神経変性疾患に対する防御効果が注目されています。
 

「SIRT1」は、アルツハイマー病やパーキンソン病など、神経変性疾患に関連するタンパク質の蓄積を抑制し、認知機能の改善に
寄与することが研究で示されています。

 

具体的には、「SIRT1」タンパクが、脳内での活性酸素などの「酸化ストレス」を軽減し、ニューロンの長寿を促進します。

また、神経成長因子の産生を増加させることで、シナプスの可塑性や神経伝達を改善し、認知機能の維持に役立つとされています。
 

もちろん、前回のブログで話題にさせていただいた「海馬(かいば)」の萎縮のスピードを遅らせる効果も指摘されています。

参考)
2) Molecular Neurobiology, 54(7), 5604-5619.
SIRT1 Overexpression in Mouse Hippocampus Induces Cognitive Enhancement Through Proteostatic and Neurotrophic 
R. Cospasら

2. 心臓と血管系へのメリット


「SIRT1」は、心血管系の健康にも重要な役割を果たします。心臓や血管の組織では、「SIRT1」の活性化が動脈硬化や高血圧のリスクを
低下させることが示されています。

 

「SIRT1」、炎症反応を抑制し、「血管内皮細胞」の機能を改善することで、血管の弾力性を維持します。
 また、「SIRT1」は、心筋細胞の代謝を改善し、エネルギー効率を向上させるため、心不全の予防や心臓機能の維持に寄与します。

参考)
3..Cell Cycle, 10(4), 640-647.2011.
Protective roles of SIRT1 in atherosclerosis
S Steinら 


3. 肝臓へのメリット
肝臓において、「SIRT1」は脂質代謝と糖代謝の調節において中心的な役割を果たしています。「SIRT1」の活性化は、脂肪肝疾患の発症を抑制し、インスリン感受性を向上させることで、2型糖尿病やメタボリックシンドロームの予防に役立ちます。
 

さらに、SIRT1は肝細胞の再生を促進し、アルコール性および非アルコール性脂肪肝疾患に対する防御効果があるとされています。

参考)
4.Mol Med Rep. 2019 Jan;19(1):555-562.
Nicotinamide induces liver regeneration and improves liver function by activating SIRT1
Hai-Feng Wanら  など


4.皮膚へのメリット
皮膚においても、「SIRT1」は、「老化」を遅らせる効果があるとされています。「SIRT1」の活性化は、皮膚細胞の酸化ストレスを軽減し、
DNA損傷の修復を促進することで、シワやたるみなどの老化症状を軽減します。

参考)
5.Evid Based Complement Alternat Med. 2020 Aug 21;2020:2343817
Mitochondrial Respiratory Chain and Its Regulatory Elements SIRT1 and SIRT3 Play Important Role in the Initial Process of Energy Conversion after Moxibustion at Local Skin.
Zhang N,ら

・・・とまだまだ、論文での報告はありまして、免疫細胞の活性化

、老化による筋肉減少の改善と続くわけですが・・・

それは、またの機会にお話をしたいと思います。

 

 

これまでにもお話をしてきたように「SIRT1」などの「サーチュイン遺伝子」の活性には、「NAD+」が不可欠です。

しかしながら、加齢に伴い「NAD+」のレベル(量)が低下することが知られています。
 

最近の研究では、NAD+の前駆体である「ニコチンアミドリボシド(NR)」や「NMN」の補充が、「SIRT1」の活性を回復させ、加齢に関連する代謝異常や老化現象を改善する効果があることが示されています。

 

しかしながら、世界中の研究者の誰もが「この話がここで終わりだ」とは考えていない・・・というところが、とても重要です。


今後も「SIRT1」などの「サーチュイン遺伝子」の研究は、老化に伴う疾患の予防や治療の分野において極めて重要であり、今後の医学的な進展(しんてん)が期待されているのですね。

 

今回も最後まで、お付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

 

 

<ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町

Sky Gallery Lounge Levita(35F)>

( 筆者撮影)

 

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

9月も半ばであるというのに

気温の高い日が続いていますね。

 

青空に浮かぶ(うかぶ)雲は、ハケで薄く掃いたような雲などもみられ、秋にみられるものであるわけですが・・・ね。

 

昔から「暑さ寒さも彼岸(ひがん)までという言葉のとおりに

夏の暑さ(残暑)は秋の彼岸の入りの頃(9月20日前後)までには和らぐことを期待したいと思います。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

<AIで作成>

 

今回は「睡眠(すいみん)」に関連するお話をしてみたいと思います。

 

その前にちょっと余談(よだん)ですが・・・古代のギリシア神話に

「眠り」の神がいるのをご存知でしょうか?

 

その神は「ヒュプノス(Hypnos)」であるそうで、

ヒュプノスは穏やかで心優しい性格であるとされ、疲れた人間の額を木の枝で触れたり、角から液体を注いだりして人を眠らせるのだそうです。

 

さて、話を本題に戻しますと・・・ヒトが「睡眠」をとることのメリットとは、どのようなことになるのでしょうか?

 

その答えは、次のようになります。

 

「睡眠」は、学習、記憶、創造的な問題解決能力の向上に大きな役割を担っています。

 

 特に、睡眠は「長期記憶」の形成が重要で、「海馬(かいば)」から記憶を他の脳の部分まで移動する役割を担っています。

 

 

「海馬」は、上の図に示しているように「大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)」という部分の一部を占めています。

 

この「海馬」の部分は、とても繊細(せんさい)な部分です。

例えば、虚血、つまり、血流が乏しくなると壊れやすくなりますし、アルツハイマー型認知症においても、早期に病変が出やすいことが知られています。

 

また、心理的ストレスを長期間受け続けますと、コルチゾールというものが分泌されるのですが、これにより「海馬」部分にあるの神経細胞が破壊され、「海馬」が萎縮してしまいます。

 

話を「睡眠」に戻しますと・・・睡眠中、特に深い「ノンレム睡眠」の間は、脳がこれらの記憶をより永続的なストレージである他の領域に移すプロセスが行われます。

 

これに対して「レム睡眠」は、創造的な問題の解決能力を高めることが示されています。

 

また、脳内の「アデノシン」という化学物質がクリアされます。このように、睡眠はエネルギーの節約や体内の重要な復旧機能の実行に向けて準備します。

 

これらの研究は、米国のペンシルバニア大学、ハーバード大学の睡眠に関する研究の内容ですが・・・

 

これらの研究は、睡眠が制限休息を提供する以上の役割を持っていることを示していると述べられています。

 

最後にこれまでの一般的に考えられている「睡眠」の意義(いぎ)として、考え方をご紹介しておきたいと思います。

 

睡眠は人間の健康と幸福のために重要な役割を果たしています。

以下に、睡眠の主な意味や機能をいくつか挙げてみたいと思います。

 

1)身体の回復

 

睡眠中に体は細胞の修復や成長ホルモンの分泌を行い、身体機能を回復させます。

 

2)脳の機能維持

 

睡眠は記憶の確保や不要な情報の整理を助け、脳の健康を保ちます。

 

3)精神的健康

 

十分な睡眠は気分・感情のバランスを整え、ストレス耐性を高めます。

 

4)免疫系の強化

 

質の良い睡眠は免疫システムを強化し、病気への抵抗力を高めます。

 

5)認知機能の向上

 

正しい睡眠は集中力、創造性、問題解決能力を向上させます。

 

6)エネルギー回復

 

睡眠中にエネルギーを蓄え、翌日の活動に備えます。

 

7)ホルモンのバランスの調整

 

睡眠は様々なホルモンの調整をします。

 

8)心血管系の健康

 

十分な睡眠は心臓病やその他の循環器系疾患のリスクを下げます。

 

質の良い睡眠を十分に取ることは、健康で生産的な生活を継続するのに重要であり、「睡眠不足」や「睡眠障害」は、短期的にも長期的にも深刻な健康問題を引き起こす可能性が高い・・・という結論となるわけです。

 

 

ところで、あなたは「質のよい睡眠」を、充分な時間取れていますか?

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記  > 9月17日

 

今宵は「十五夜(じゅうごや)」となっていますね。

 

「十五夜」とは、1年で最も美しいとされている「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」を鑑賞しながら、収穫などに感謝をする行事なのだそうです。

 

その起源を調べてみますと・・・平安時代に貴族が、中国の風雅な

「観月(かんげつ)」を取り入れたのだとか。

 

今回は「大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)」に存在する「海馬(かいば)」という部分についてのお話をさせていただきました。

 

よく見てみますと・・・「海馬」は、「タツノオトシゴ」のような形をしています。

 

        (ライブドアブログより)

 

この「海馬」の部分は、次のような重要な働きを持っていると考えられています。

 

なんらかの「記憶」は、脳の「海馬」で「短期記憶」として一時的に保存されたあとに、大脳皮質(側頭葉など)に送られ、その後、「長期記憶」として保存されることが知られています。

 

もちろん、「海馬」が正常に機能し、「大脳皮質」の機能が正常であれば・・・ということになるのですが・・・ね。

 

ただし、ここに「加齢」に伴う不都合(ふつごう)な真実があルのですね。

 

それは・・・「加齢」に伴って、「海馬」の部分が、徐々に萎縮(いしゅく)していくことが知られているのです。

 

 

「海馬」が萎縮してしまうと・・・「海馬」の機能が低下していきます。

そのような状態になりますと・・・新しいことが覚えられなくなってしまうのですね。

つまり、昔のことは覚えていても、新しいことはすぐに忘れてしまうという状態になってしまうわけです。


 「海馬」はいわゆる「記憶の司令塔」とでもいえるとても大切な場所ですが、本文内でもお話をしたように・・・とても壊れやすい性質を持っています。そのうえに「加齢」により「海馬」が萎縮してしまうのでは・・・なんとなく、暗い気持ちになってしまいますよね。

 

では、どうしたらよいのか?・・・ということになります。

 

ひとつずつ、整理していきたいと思います。

 

まず、「海馬」と「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド )」や「サーチュイン遺伝子」との間には重要な関連があると考えられています。

 

特に、「NAD+」によって活性化されるという「サーチュイン遺伝子」は、細胞のストレス耐性やエネルギー代謝を改善することで、脳細胞の保護と機能の維持に寄与します。

 

この中でもとくに「サーチュイン1遺伝子(SIRT1)」は、神経発達と神経保護の両方に関与していることが知られており、「海馬」においても、類似の役割を果たしている可能性があることが指摘されています。

 

参考)

1.Front. Neurosci., 26 October 2018 

Sirtuins in Neuroendocrine Regulation and Neurological Diseases

Yuki Fujitaら

 

さらに、「サーチュイン1遺伝子(SIRT1)」は、脳の炎症応答を調節することによって、神経変性疾患の進行を遅らせる効果も示しています。

 

これにより、アルツハイマー病やパーキンソン病といった病態において、「海馬」の機能障害が進行するのを遅らせることができるかもしれないとも考えられています。

 

これらの知見は、「サーチュイン遺伝子」が「NAD+」を介して海馬の健康と機能をサポートする重要な因子(いんし)であることを示しています。

 

次に「睡眠障害」の側面(そくめん)から、「サーチュイン1遺伝子(SIRT1)」発現の低下が起こり、これにより、海馬部分の炎症応答から、アルツハイマー認知症やパーキンソン病発症とトリガーになる可能性はあるか?・・・という問題です。

 

その答えは「Yes」となり、その可能性はある・・・ということになります。

 

その理由は、「睡眠障害」は、脳の代謝と神経炎症のパターンを変えることができ、これが「サーチュイン1遺伝子(SIRT1)」の活性に影響を及ぼすことがあると考えられています。

 

「サーチュイン1遺伝子(SIRT1)」、NAD+依存型の脱アセチル化酵素であり、抗炎症作用や細胞保護作用を持っていることが知られています。、その活性が低下すると脳の「海馬」部分での炎症応答が増加し、神経保護機構が弱まることが示唆されています。

 

実際に「睡眠障害」による「サーチュイン1遺伝子(SIRT1)」発現低下が生じることも知られており、このことは「海馬」の炎症を促進し、「海馬」の機能を極端に低下させることが報告されています。

 

さらに別の研究によると、「睡眠障害」は長期的には記憶障害や認知機能の低下を引き起こす可能性も指摘されています。

 

参考)

2.Front. Endocrinol.15(9)2018 

High Levels of SIRT1 Expression as a Protective Mechanism Against Disease-Related Conditions

Birsen Elidolら

 

最後に「海馬」の神経細胞を老化させてしまう原因には、どのようなものでしょうか?

 

これには、複数の要因が関与していると考えられています。

主な原因としては、以下のような要因が挙げられます。

 

1)酸化ストレス

 

「活性酸素」の増加により、細胞内のDNA、タンパク質、脂質が損傷し、これが細胞の機能低下や細胞死を招きます。

 

2)エネルギー代謝の低下

 

老化に伴い、細胞のエネルギー生成効率が低下します。特に脳細胞はエネルギー消費が高いため、エネルギー産生の低下は細胞の機能障害を引き起こす原因となります。

 

3)炎症反応の増加

 

長期間にわたる低レベルの炎症は、神経細胞を含む細胞の損傷に繋がります。特に、炎症性サイトカインの増加は、神経細胞の機能障害や細胞死を誘発することが知られています。

 

4)細胞自身の修復機構の低下

 

老化に伴い、DNA修復機構やプロテオスタシス(タンパク質の恒常性を維持する機能)が衰えます。これにより、細胞は損傷からの回復能力を失い、徐々に機能が低下していきます。

 

これらの要因が相互に影響を及ぼしあいながら、「海馬」の神経細胞の老化を進行させていると考えられています。

 

 

ちょっと、盛りだくさんであったのですが・・・

 

現時点においての「海馬」の細胞の機能低下をめぐる話題は「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド )」と、そこから活性化させる「サーチュイン1遺伝子(SIRT1)」の発現が重要である可能性があり、これは(+)プラスの部分になります。

 

そして、「睡眠障害」は「サーチュイン1遺伝子(SIRT1)」の発現を低下させ、これにより、「海馬」の炎症を促進し、「海馬」の機能を極端に低下させることが報告されていますので、これは(ー)マイナスの側面となりますよね。

 

なので・・「睡眠障害」は、どうすればよいか・・・はお分かりですよね。「睡眠剤」は、メリットとデメリットは確かに存在するのですが・・「睡眠障害」を我慢して(がまんして)服用しないデメリット

を考えますと・・・いったんは、服用する時期があってもよいのではないか・・・などと思ったりもします。

 

この瞬間の(しゅんかん)のステキな「記憶 :Memory」を永遠に残すために・・・ねウインク

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

  ( 東京ミッドタウン日比谷より:筆者撮影)
 

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朝晩は、秋の空気を感じることも多くなっりましたが、日中はまだ、残暑が厳しく感じますね。。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

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今回は「タンパク質」の話題にしてみたいと思います。

 

まずは、「タンパク質」とは、どのようなものなのかを整理してみたいと思います。。

 

「タンパク質」は、生命活動において欠かせない栄養素の一つであり、人体のあらゆる部分で重要な役割を果たしています。

 

さらに「タンパク質」は、「アミノ酸」という小さな分子が鎖状に結合したものから構成され、これらの「アミノ酸」が特定の順序で並び、立体構造を形成することにより、それぞれの機能を持った「タンパク質」が生成されますよね。

 

ヒトの身体には、約20種類の「アミノ酸」が存在し、そのうち9種類は体内で合成できない「必須アミノ酸」と呼ばれるもので、これらは食事から摂取する必要があります。

 

そして、「アミノ酸」から合成された「タンパク質」は、筋肉、皮膚、髪、爪、内臓、血液などの構成要素であり、さらに、酵素やホルモン、抗体などの機能性分子としても機能します。

 

これにより、生命維持や成長、代謝、免疫反応などの重要な生理的プロセスに関与していっるのですね。

 

では、タンパク質を多く含む食材には、どのようなものがあるのでしょうか?

 

 

「タンパク質を」多く含む食材は、動物性と植物性の両方が存在します。

 

「動物性タンパク質」には、牛肉、鶏肉、豚肉、魚、卵、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)があります。これらの動物性食品は、必須アミノ酸のバランスが良く、人体にとって理想的なタンパク源とされています。

 

一方、「植物性のタンパク質」としては、大豆やその加工品(豆腐、納豆、味噌など)、レンズ豆、ひよこ豆、キヌア、アマランサスなどの豆類や穀物があります。

 

しかしながら、「動物性タンパク質」を含む食品に比べると、必須アミノ酸のバランスが一部異なる場合があり、複数の種類の植物性食品を組み合わせることで、バランスの取れたタンパク質摂取が可能になるとされています。

 

では、「タンパク質」が不足すると・・・どのような疾患や病態が起こりやすいのでしょうか?

 

タンパク質が不足すると、さまざまな健康問題が生じる可能性があります。以下に、主な病態を挙げます。

 

 1. 筋肉量の減少(サルコペニア)

 

特に高齢者においては、タンパク質不足は筋肉量の減少を招き、サルコペニアを引き起こすリスクが高まります。筋肉量が減少すると、日常的な動作や運動能力が低下し、転倒や骨折のリスクが増加します。

 

 2. 免疫力の低下

タンパク質が不足すると、抗体や免疫細胞の生成が滞り、感染症に対する抵抗力が低下します。これにより、風邪やインフルエンザ、その他の感染症にかかりやすくなり、重症化するリスクも高まります。

 

3. 栄養失調(クワシオルコル)

極端なタンパク質不足は、「クワシオルコル」と呼ばれる栄養失調を引き起こします。これは主に発展途上国で見られる病態ですが、体重減少、浮腫、筋肉の減少、皮膚や髪の劣化などが特徴です。

 

「クワシオルコル」という言葉を初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか?

 

実は、低栄養状態には、以下の2つのタイプがあるのです。

 

1)marasmus(マラスムス)(protien-energy malnutrition)

  

長期間の蛋白・エネルギー両者の不足によって起こる。つまり、蛋白合成の原料も少なければ、合成するエネルギーも少なく、細々と耐え忍んでいる状態である。著明な体重減少が見られ、脂肪及び筋肉組織の減少が起こる。そのわりには「血清アルブミン」は正常値を保ち、浮腫も起こりません。

飢餓、消化管障害により長期間栄養摂取できない場合(消化器悪性腫瘍など)で良く見られる。神経性食思不振症(anorexia nervosa)などもこのタイプの栄養障害となります。。

2)kwashiorkor(クワシオルコル)(protien malnutrition)

  

エネルギーに比して蛋白摂取が不足した状態、つまり、エネルギーはあるけど原料がなくて蛋白が合成できない状態である。したがって、貯蔵エネルギーである脂肪は減らず蓄積され、皮下脂肪は保たれて脂肪肝となることがある。しかし、蛋白は合成できないので低蛋白血症となり浮腫や腹水を伴った状態となる。これは、エネルギー利用と蛋白合成のアンバランスによるもので、種々の侵襲時(敗血症、手術後、外傷後、熱傷後)などにも起こる。

こうした侵襲時には、蛋白とエネルギーの供給に問題がなくても、脂肪代謝(酸化が抑制され)や蛋白代謝(合成<崩壊)が障害されることによって低蛋白血症となり浮腫が出現し、体重は不変かむしろ増加してくる。

 

となるのですね。

 

もちろん、若さを保つためにも「タンパク質」は、重要です。

どのような働きがあるのか?と言いますと、以下のようになります。。

 

1. 筋肉量の維持

 

「タンパク質」は筋肉の構成要素であり、筋肉量の維持に不可欠です。筋肉量は加齢とともに減少しやすいですが、「タンパク質「を十分に摂取することで、筋肉量の減少を抑え、体力維持、代謝アップ、若々しい身体を保つことができます。

 

2. 骨の健康維持

 

「タンパク質」は、骨の形成に重要な役割を担っています。「タンパク質」の不足は、骨粗鬆症のリスクを高める可能性があります。

 

3. 皮膚の健康維持

 

「タンパク質」は、皮膚の弾力や保湿に重要な役割を担っています。「タンパク質」の不足は、皮膚の老化を促進する可能性があります。

 

小児にとっては「タンパク質」の摂取( せっしゅ)は重要であると強調されることが多いのですが、実は、全世代にわたって、積極的な

「タンパク質」の摂取を心がけることが重要なのですね。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

 

それでは、またバイバイ

 

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<ブログ後記>9月10日

今回は「タンパク質」についてのお話をさせていただきました。


改めて強調することもないかもしれませんが・・・「タンパク質」は、ヒトの生命維持における非常に重要性な分子ですね。

 

どのようなところにタンパク質が存在するかをみてみますと・・・
筋肉、皮膚、髪の形成をする構造タンパク質、代謝反応を触媒し、生化学プロセスを制御する酵素タンパク質や
細胞間の情報伝達を担っているホルモン、そして、酸素や栄養素を体内で運び輸送タンパク質があり、さらに病原体から体を守る免疫タンパク質、遺伝子発現を制御する調節タンパク質などがあります。

 

では、ヒトの身体のどれぐらいを「タンパク質」が占めるのかと言いますと・・・

ヒトの身体を構成する「タンパク質」の割合は、約15〜20%程度になるとされています。。

残りの構成比は、水分が約60%、脂質が約15%程度とされていますので、「タンパク質」の割合が多いことに驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

では、「タンパク質」は、どのような食材に含まれているのでしょうか?次のような食材に多く含まれています。

 

◯動物性タンパク質源

1. 肉類:牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉など

2. 魚介類:サケ、マグロ、エビ、タラなど

3. 卵

4. 乳製品:牛乳、チーズ、ヨーグルトなど

 

◯植物性タンパク質源

1. 豆類:大豆、レンズ豆、インゲン豆など

2. ナッツ類:アーモンド、クルミ、ピーナッツなど

3. 穀物:キヌア、オートミール、玄米など

4. 種子:チアシード、ヒマワリの種、カボチャの種など

 

これらの動物性タンパク質と植物性タンパク質の違いには、どのような点があるのでしょうか?

 

1)アミノ酸の構成

 

動物性タンパク質は「完全タンパク質」とされることが多く、人間の体で必要とされるすべての必須アミノ酸を含んでいます。

 

一方、植物性タンパク質には必須アミノ酸が不足しているものもあり、複数の植物性タンパク質を組み合わせて摂取することが推奨されるます。。

 

2)消化吸収率

 

動物性タンパク質の方が消化吸収率が高いとされています。これは、動物性タンパク質が人間の体にとってより馴染みやすい構造をしているためです。

 

植物性タンパク質は、時に消化しにくい成分を含むことがありますが、最近では加工技術の進歩により消化吸収率を改善する製品も増えています。

 

では、年齢によるタンパク質の必要量は、どの程度になるのでしょうか?米国医学研究所(Institute of Medicine)が設定した推奨食事摂取量(RDA)からみますと

 

年齢別タンパク質RDA(グラム/日)

年齢 男性 女性
     
9-13歳 34 34
19-30歳    
56    
46 
 
     
31-50歳 56 46
51-70歳 56 46
71歳以上 56      46

 

19歳以降は、高齢者のタンパク質の必要量は、あまり変化がないということになります。

 

高齢者においても、タンパク質摂取の重要性が高まっています。

 

加齢に伴う筋肉量の減少(サルコペニア)を予防するため、高齢者は若年成人よりも多くのタンパク質を摂取する必要があるという研究結果が報告されています。「American Journal of Clinical Nutrition」に掲載された研究では、65歳以上の高齢者は体重1kgあたり1.0-1.2gのタンパク質摂取が推奨されています。

 

高齢者の「タンパク質」摂取量が少ないと・・・

様々な健康上の問題が生じる可能性があります。以下に、「タンパク質不足」によって引き起こされる可能性のある主な病態とリスクを詳しく解説します。

 

1. 筋肉量の減少(サルコペニア)

 

「タンパク質」は筋肉の主要な構成要素であるため、その不足は筋肉量の減少につながります。特に高齢者において、サルコペニアのリスクが高まります。これは単に筋力の低下だけでなく、バランス能力の低下や転倒リスクの増加にもつながります。

 

「Journal of the American Medical Directors Association」に掲載された研究によると、高齢者における「タンパク質摂取量」の増加は、サルコペニアのリスク低減と関連していることが報告されています。

 

 2. 免疫機能の低下

 

「タンパク質」不足は免疫系の機能低下を引き起こし、感染症や他の疾患に対する抵抗力を弱めます。抗体の生成が減少し、免疫細胞の数と活性が低下することで、病原体に対する防御能力が低下します。

 

3. 骨密度の低下とオステオポローシス(骨粗鬆症)のリスク増加

 

「タンパク質」は骨の形成と維持に重要な役割を果たします。タンパク質不足は、カルシウムの吸収を阻害して、骨密度の低下させる。

 

などと報告されています。

 

「タンパク質」は重要なのですね。

 

基礎からじっくりと見直す意味で、覚え書き(おぼえがき)として

「タンパク質」をまとめてみたのですが・・・

「タンパク質」が重要であることを再認識しました。

 

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

 

  ( カレッタ汐留からの風景:筆者撮影)

 

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j

こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

月日が経つ(たつ)には早いもので、9月となっていますね。

 

本格的な秋の季節の到来(とうらい)までには、まだ、時間がかかるのかもしれませんが・・・気温は過ごしやすくなっていくのかもしれませんね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

<AIで作成>

 

季節の変化とともに、「時間」もゆっくりと過ぎていくわけですね。

 

アメリカのプロボクサー 「モハメド・アリ」は次のような言葉を残しています。

 

A man who views the world the same at fifty as he did at twenty has wasted thirty years of his life.

 

50歳の時に20歳の時と同じ世界を見ている人は、人生の30年を無駄にしてきた。

 

なんとも、耳が痛いという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

といっても、過ぎ去った日々を後悔(こうかい)する・・・という

お話ではありません。

 

 

今回は「炎症老化(Inflammaging)」について、お話をしてみたいと思います。

 

言うまでもなく、ヒトの「老化」は、時間の経過とともに生物学的機能が徐々に低下していく避けら(さけら)れないプロセスですよね。

 

しかし、「老化」のプロセスの進行速度は、ヒトそれぞれによって大きく異なっていますよね。

 

同じ50歳であっても、あるヒトは実際の年齢より若く見えたり、その逆に実際の年齢よりも高齢に見えたりします。

見かけだけではなく、生物学的機能が保たれている・・・ということもあります。

 

なぜ、このような「老化」のプロセスの進行スピードに個人差が生じてくるのか?

 

というのが、今回のテーマとなります。

 

実は・・・最近、注目を集めているのがあります。

 

それは、「炎症老化(Inflammaging)」という概念(がいねん)となります。

 

この考え方は、次のようなものになります。

 

「炎症老化」は、加齢に伴い慢性的な軽度の炎症状態が持続し、それが「老化プロセス」を加速させるという考え方ですね。

 

では、「炎症老化」とは、どのようなものなのでしょうか?

 

「炎症」の本質は、ヒトの体を守るための生体防御反応です。

 

例えば・・・病原体や損傷を受けた組織に対して、免疫細胞が活性化し、炎症性サイトカインなどのシグナル分子を放出して、修復プロセスを開始します。

 

しかし、加齢に伴い、この炎症反応の制御がうまくいかなくなり、慢性的な軽度の炎症状態が持続するようになります。

 

これが「炎症老化」ということになります。

 

「炎症老化」は、目に見えるような症状を引き起こすことはほとんどありません。

 

しかし、静かに体内でくすぶり続け、様々な組織や臓器にダメージを与え、老化を加速させます。具体的には、以下のメカニズムが考えられています。

 

1)細胞老化の誘導

 

炎症性サイトカインは、細胞のDNAに損傷を与え、細胞老化を誘導します。細胞老化とは、細胞が不可逆的に増殖を停止した状態で、炎症性サイトカインや細胞外マトリックス分解酵素などを分泌し、周囲の組織に悪影響を及ぼします。

 

2)テロメアの短縮

 

炎症は、染色体の末端にあるテロメアの短縮を加速させます。テロメアは細胞分裂のたびに短くなり、一定の長さ以下になると細胞は分裂を停止します。テロメアの短縮は、細胞老化と密接に関連しており、老化の重要な指標とされています。

 

3)ミトコンドリア機能の低下

 

炎症は、細胞内のエネルギー産生を担うミトコンドリアの機能を低下させます。ミトコンドリア機能の低下は、活性酸素種の産生増加やエネルギー不足を引き起こし、細胞の老化を促進します。

 

4)タンパク質の異常蓄積

 

炎症は、タンパク質の折り畳み異常や分解障害を引き起こし、異常なタンパク質の蓄積を促進します。異常タンパク質の蓄積は、細胞機能の低下や細胞死を引き起こし、老化関連疾患の発症リスクを高めます。

 

 

そして、「炎症老化」は、様々な加齢関連疾患の発症リスクを高めることが知られています。具体的には、以下のような疾患が挙げられます。

 

 

◯心血管疾患

 

動脈硬化は、血管壁に炎症が起こり、プラークが蓄積することで進行します。炎症老化は、動脈硬化のリスクを高め、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患の発症を促進します。

 

◯神経変性疾患

 

アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患では、脳内で慢性的な炎症が起こっていることが知られています。炎症老化は、神経細胞の損傷や死を促進し、神経変性疾患の発症や進行に関与していると考えられています。

 

◯代謝性疾患

 

2型糖尿病やメタボリックシンドロームなどの代謝性疾患では、慢性的な炎症が重要な役割を果たしています。炎症老化は、インスリン抵抗性や脂肪蓄積を促進し、代謝性疾患の発症リスクを高めます。

 

◯がん

 

慢性的な炎症は、がん細胞の増殖や転移を促進することが知られています。炎症老化は、がんの発生や進行に関与している可能性があります。

 

 

上記に示したように・・・「加齢」に伴う疾患の多くが、「炎症老化」の進行に伴って、発症している可能性は大いに(おおいに)ありますよね。

 

実際に「炎症老化」を抑制することは、健康寿命を延ばし、加齢関連疾患の発症リスクを低減するために重要であると考えられているのですね。

 

そのためには、どのようなアプローチの仕方があるのでしょうか?

続きは、後日の話題にしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>9月3日

 

以前から比べると、夜の空気は随分(ずいぶん)と涼しく(すずしく)なったと思いますね。

 

年齢を重ねると誰でも、関節が痛んだり、傷の治りが遅くなったり、がんや心臓病、認知症、関節炎などのリスクが高まったしますよね。

 

多くの研究から、こうした変化は、加齢とともに体内で「炎症」に関わる分子が増えるせいで起きていることが明らかになってきています。

 

「加齢」と「炎症」、そして、さまざまな疾患との関連はよく知られており、「炎症老化(inflammaging)」と呼ばれています。

 

「炎症老化」というと聞き慣れない(ききなれない)言葉と思われる方も多いと思いますが、加齢に伴い、慢性的な炎症状態が続くことを言います。

簡単に言いますと・・・「炎症老化」の中心的なメカニズムは、慢性的な炎症反応が組織のダメージを引き起こすことになります。


恒例になると「炎症」が存在するようになる・・・というと驚かれる方も多いと思いますが、この炎症反応には、なんらかの病原体による感染症などではなく

サイトカインや化学伝達物質などの「炎症メディエーター」と呼ばれる物質が関与していると考えられています。

 

では、なぜ、「炎症老化」という不思議な炎症がおこるのでしょうか?
 

この「炎症老化」の根本的な原因としては、以下のような複数の要因が重なっている(かさなっている)と考えられています。

1.遺伝子の変異と損傷
DNAの損傷は細胞の機能不全を引き起こし、がんや他の疾患のリスクを増加させることがあります。

2.テロメアの短縮
細胞が分裂するたびに、染色体の端に位置するテロメアは少しずつ短くなります。

3.代謝の変化
年齢と共に代謝率が変化し、エネルギー効率が低下し、これにより体内の細胞ダメージが蓄積されます。

4.幹細胞の機能低下
幹細胞は組織の修復と再生に不可欠ですが、加齢とともにその能力が低下します。

ここまでお話をすると、炎症性サイトカインを産生する「老化細胞」と「炎症老化」を混同してしまうかもしれませんね。
 

少し、整理をしておきたいと思います。

「老化細胞」の炎症と「炎症老化」は、老化研究の分野で注目される2つの概念ですが、これらは、まったく異なる概念となります。
それぞれの違いについて、説明してみたいと思います。

○老化細胞の炎症(Senescence-Associated Secretory Phenotype, SASP)

老化細胞の炎症は、「Senescence-Associated Secretory Phenotype」(SASP)とも呼ばれ、細胞が老化(セネッセンス)に入る際に特定の分泌因子を放出する現象です。

 

「老化細胞」は、増殖を停止し、正常な機能を失いますが、その一方でサイトカイン、ケモカイン、成長因子などのプロ炎症分子を活発に分泌します。

 

これらの分泌物は、近隣の細胞に影響を与えることができ、時に周囲の正常な細胞を「老化細胞」化させてしまうことさえあります。

 

この現象は、ちょうど、燃え広がる火事のように慢性的な炎症を促進する要因ともなり得ます。

○炎症老化(Inflammaging)


一方、「炎症老化」は加齢全体にわたる広範な概念で、加齢に伴う慢性的な「低レベルの炎症」を指します。この状態は、全身のさまざまな組織や器官にわたって発生し、加齢に伴う様々な病態の発展に寄与するとされています。

 

どうでしょうか?わかりにくいですよね。
 

両者の関連性を整理しますと、次のようなことが言えます。
 

「炎症老化」は、それ自体が先にあげた多因子の結果であり、より広範な生理的プロセスの一部であり、「炎症老化」は体全体に影響を及ぼす可能性があるわけです。

 

これに対し、「老化細胞」の炎症局所的な影響が主であり、特定の組織や器官に限定されることが多いということになります。

では、この「炎症老化」を改善する方法は、あるのでしょうか?

詳細は、またの機会にしたいと思いますが・・・少し、ご紹介してみたいと思います。

1) NAD+
 

「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」は、「炎症老化」を改善する可能性があると考えられています。

 

NAD+は細胞内で重要な役割を果たす補酵素で、ATPのエネルギー産生やサーチュイン遺伝子の活性化によるDNA修復なども働きを持ちます。

 

実は、加齢とともに低下していく「NAD+」の減少は「炎症老化」と関連があるとされています
 

「炎症老化」に「NAD+」の投与が有効とされるのは、次のような理由にあると考えられています。

 

「 NAD+」は細胞の主要なエネルギー源であるATPの生成に必要な補酵素であり、その供給が増えると細胞のエネルギー効率が向上します。これにより、細胞が健康を維持し、炎症反応を適切に管理する能力が向上する可能性があります。

また、「 NAD+」はサーチュイン蛋白質(SIRTs)の重要な調節因子です。サーチュイン蛋白質は、長寿と関連している遺伝子の発現を調節することにより、細胞の老化を遅らせ、「炎症」を抑制する役割を持っています。

 

そして、「NAD+」はDNA損傷の修復をサポートし、細胞の老化を遅らせることが示されています。これにより、全体的な炎症レベルが減少する可能性があると考えられているのですね。

NMNなどのサプリメントはNAD+のレベルを上げることが示されており、炎症反応の抑制や加齢関連の機能低下の緩和に寄与する可能性があると考えられているのは、改めて、言うまでもありませんね。

現在のところ、NAD+の炎症老化に対する影響については有望な結果が得られていますが、さらなる臨床研究が必要です。また、NAD+サプリメントの使用にあたっては、専門家の指導のもとで行うことが推奨されます。

<参考>

1.Aging Cell. 2024 Jan;23(1):e13920. 

NAD metabolism:Role in senescence rregulation and aging.

Chini CCSら

 

2.Immunometabolism. 2020;2(3):e200026.

Macrophage Immunometabolism and Inflammaging: Roles of Mitochondrial Dysfunction, Cellular Senescence, CD38, and NAD+

Johnation R Yarbroら  など


さらに・・・2)「幹細胞培養上清液」は、「炎症老化」の改善に対して有望な効果を示す可能性がありますし、


3)「幹細胞由来のエクソソーム」は、「炎症老化」を改善する可能性があることからも報告されているのですが、これらのお話は、またの機会にしたいと思います。


アメリカのプロボクサー 「モハメド・アリ」の言葉 50歳の時に20歳の時と同じ世界を見ている人は、人生の30年を無駄(むだ)にしてきたと言っていますが・・・これまでの「医学の進歩」は

 

「長寿を目指す医療」の一点だけをみますと・・・30年以上の年月を無駄にしてきたのかもしれません。

 

しかしながら、物事(ものごと)というものは、すべて、明日からどう考え、どう行動していくかが重要であるのだと思います。

 

「長寿を目指す医療」に関しては、今後の5年で驚くような進歩をしていく可能性があるような気がします。

 

最初から諦めて(あきらめて)、昨日までと同じように過ごすか、

 

あるいは、難攻不落(なんこうふらく)と思われる山の頂上まで、いっきに駆け上がる(かけあがる)か?

 

「今後の5年を無駄にする」かもしれないのは・・・どちらなのでしょうか?・・・なんて、思います。

 

多分ですが・・・多くの「長寿」研究に携わる(たずさわる)研究者たちも迷いながらも、

山の頂上まで、いっきに駆け上がる(かけあがる)方を選ぶのだと思います。

 

例え、5年以上の月日を「長寿研究」にあて、同じ失敗を繰り返したとしても、そこの過程(かてい)に経験した「プロセス」こそが重要であることを知っているからですね。

 

例え、途中で息絶えて、屍(しかばね)になっても・・・かもしれませんね。

 

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

ありがとうございましたお願い

 

 

          (以前のphoto. 筆者撮影)

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

8月最後の休日の午後は、青空が広がるものの

蒸し暑いお天気となりましたね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

<AIで作成>

 

 

今回は「高濃度ビタミンC 点滴療法」についてのお話をしてみたいと思います。

 

前回のブログでは、ミトコンドリアで発生する「活性酸素」までは消去できないかもしれないというお話をさせていただきました。

 

しかしながら、「高濃度ビタミンC 点滴療法」では、多くの組織の細胞内では「活性酸素」の影響を減らすことは可能であると考えられています。

 

では、「高濃度ビタミンC 点滴療法」の最も優れた(すぐれた)メリットとは、どのようなことか?・・・という疑問を持たれる方も多いと思います。

 

注目すべきは、やはり・・・「高濃度ビタミンC 点滴療法」の持つ「美肌効果」ということになります。

 

その作用機序は、皮膚の「真皮層」に存在する「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」に「働きかけ(はたらきかけ)」を行います。

 

どのような「働きかけ」かと言いますと・・・

 

「線維芽細胞」が、コラーゲンやエラスチンを産生する働きを促進させるように「働きかけ」を行うのですね。

 

少しだけ復習をしておきましょう。

下の図は、皮膚の断面の構造を示しています。

 

 

 

 

 

表面には、「表皮層(ひょうひそう)」があり、その下に「真皮層」があります。

 

余談になりますが、以前にブログ内でもご紹介をしたように「表皮層」は血流が乏しく、「表皮層」に何らかの物質を届けたい場合には、血管内で投与するよりも、表皮の表面からクリームなどの塗布剤を用いた方が効率がよいのでしたね。

 

それに対して、「真皮層」は血流が豊富であることから、血管内に投与した方が、物質は届きやすいのでしたね。逆に言えば、表皮の表面からクリームなどの塗布剤を使っても、「真皮層」には届きにくいと言えますね。

 

 

話を「真皮層」の「線維芽細胞」の戻しますと・・・

 

「線維芽細胞」の産生する「コラーゲン」や「エラスチン」は、ちょうど「格子(こうし)」状になって、「表皮層」を支える(ささえる)形となっています。。

 

 

もし、「線維芽細胞」の機能が低下すると・・・「コラーゲン」や「エラスチン」の量が減少し、「格子」状の構造が維持できなくなってしまいますよね。

 

そうなりますと・・・その上にある「表皮層」も支えがなくなり、

タルミやシワができやすくなるという現象が起こってきます。

 

医学的に言いますと・・・真皮層に存在する「線維芽細胞」がコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックスを産生し、皮膚の「構造」と「弾力性」を維持している。

 

さらに付け加えますと・・・コラーゲンは、真皮の主要な構成タンパク質であり、皮膚の強度と弾力性を担っています。エラスチンは、コラーゲン繊維間を架橋し、皮膚の伸縮性を維持する役割を担っています。

加齢や紫外線曝露などによりこれらのタンパク質の産生が減少すると、しわやたるみの形成につながる・・・ということになります。

 

 

このようなことにならないように「高濃度ビタミンC点滴」が「線維芽細胞」に働きかけを行っていく・・・ということになります。

 

では、高濃度ビタミンC点滴が、どのようなメカニズムにより、コラーゲンやエラスチンの合成を促進していくのでしょうか?

 

続きは、後日の話題にしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>8月27日

 

今回は、「高濃度ビタミンC点滴」が線維芽細胞のコラーゲン、エラスチンの産生を促進(そくしん)させるというお話をさせていただきました。

 

ところで「ビタミンC 」というと、そんなものなのか・・・と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。

今では「ビタミンC 」を含む食材にあふれ、サプリなども存在しており、とても身近(みぢか)な存在だからですね。。

 

実は、「ビタミンC」の発見と単離は、人間の栄養状態を改善する上で最も重要な進歩のひとつであったとされています。

 

 次のような話が、海外の学術誌(がくじゅつし)に書かれています。
 

「ビタミンC」の深刻な欠乏により、脱力感、無気力、あざや出血が起こりやすくなる壊血病は、新鮮な果物や野菜が限られていた16世紀の長期航海の船乗りたちにとって特に問題となっていました。


事実、壊血病は16世紀から18世紀にかけて海軍兵士の死因のトップであり、戦闘や嵐、その他の病気による死亡者数を上回るほどでした。 

 

オレンジやレモンが壊血病の治療と予防に効果があることを証明したのは、1747年になってからだったそうです。

ハンガリーの生化学者アルバート・サント・ジョルジが、ビタミンCの抗壊血病特性に言及し、それを「α-スコルビン酸」と改名しました。これが、現在の「ビタミンC」となるわけです。そして、1937年には、その発見により、アルバート・サント・ジョルジは、ノーベル生理学医学賞を受賞しました。

ビタミンCの高用量投与を癌治療に用いることは、 60年近く前、トロントの医師ウィリアム・マコーミックは、癌患者の血液中のビタミンC濃度が著しく低いこと、壊血病のような症状が見られることに注目し、ビタミンCがコラーゲンの合成を促進することで癌を予防する可能性があるという仮説を立てました。


さらに1972年、この理論を発展させたスコットランド人外科医のユアン・キャメロンは、アスコルビン酸(ビタミンC )がヒアルロニダーゼを阻害することで、細胞外マトリックスを弱体化させ癌の転移を可能にする作用を抑制し、癌の発生を抑制できるのではないかという仮説を立てた。 彼は末期癌患者の治療を開始し、高用量ビタミンCの投与で症状が改善した患者もいた50人の症例報告を発表しています。。

高用量ビタミンCの幅広い効果、特に癌治療や免疫強化に関する詳細な研究や議論については、その後、さまざまな治療の研究が行われ、高用量ビタミンCの安全性、有効性、について論じられ、証明されてきたことになります。

参考)
1.BMJ Open 2020;10:e039519. 
Intravenous high-dose vitamin C for the treatment of severe COVID-19: study protocol for a multicentre randomised controlled trial
Liu F, et al

線維芽細胞でのコラーゲン、エラスチン産生を高めるということは、
海外の論文でも多く報告されています。

参考)
2. Int J Mol Sci. 2023 May 6;24(9):8379. 
 Vitamin C Regulates the Profibrotic Activity of Fibroblasts in In Vitro Replica Settings of Myocardial Infarction 
Yichen Xuら


ところで、高濃度ビタミンC点滴以外にコラーゲン、エラスチン産生を高めるとされているものには、次のようなものがあります。

1) レチノイド(ビタミンA誘導体):
コラーゲンの生成を促進し、皮膚の再生を助ける作用があります。

2)グリコサミノグリカン(例えばヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖):
適切な水分量と栄養が供給されることでその機能が最適化する。

3)成長因子(例えばTGF-β, PDGF):
線維芽細胞の成長や分化を促し、コラーゲンやエラスチンの産生を高めます。
TGF-β(Transforming Growth Factor-beta)は皮膚の繊維芽細胞を活性化し、コラーゲンとエラスチンの産生を促進します。これは、皮膚の修復プロセスや抗老化プロセスにおいて重要な役割を担います。

PDGF(Platelet Derived Growth Factor)もまた、細胞の成長と分裂を刺激し、傷の治癒のプロセス中に新しい細胞や組織の形成を促進することで、コラーゲンの生成をサポートします。


3)の成長因子は、幹細胞由来の「エクソソーム」や「幹細胞培養上清液」などになるでしょうか。

実際に研究によると、「幹細胞培養上清液」は皮膚真皮層のコラーゲンおよびエラスチンの産生を促進することが示されています。

 

特に、脂肪由来幹細胞からの培養上清液は、コラーゲンの産生を効果的に加させ、真皮の密度と弾力性を向上させることが確認されています。

また、幹細胞由来の「エクソソーム」についても同様でして、間葉系幹細胞(MSC)由来の「エクソソーム」が、真皮線維芽細胞のコラーゲンおよびエラスチンの産生を大幅に促進することが示されています。
 

例えば、ヒト臍帯血由来のMSCから抽出された「エクソソーム」には、上皮細胞成長因子(EGF)などの成長因子が高濃度で含まれており、コラーゲンの産生を増加させ、ヒト真皮線維芽細胞の機能を強化する効果があることが分かっています。これらの「エクソソーム」は、コラーゲンやエラスチンといった重要な構造タンパク質の合成を
促進することで、皮膚の弾力性と強度を維持するために不可欠な真皮層の再構築を助けると報告されています。

参考)
3.Biomedical Dermatology vol. 4,(1) ,2020
The effect of three-dimensional cultured adipose tissue-derived mesenchymal stem cell–conditioned medium and the antiaging effect of cosmetic products containing the medium
Kyung Hye Kimら

4.Biomaterials Research.2021 vol.25 : 22 
Overcome the barriers of the skin: exosome therapy
Gi Hoon Yangら

5.Biomedical Dermatology vol 4(1),2020
The effect of three-dimensional cultured adipose tissue-derived mesenchymal stem cell–conditioned medium and the antiaging effect of cosmetic products containing the medium
Kyung Hye Kimら

なかなか、興味深いものですね。


今回も最後までお付き合いいただきまして
誠にありがとうございましたお願い

 

 

         (筆者撮影)

 

 

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 JTKクリニックホームページ

 

 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

(新潟大医学部卒)

 

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