私はアメカジファッションのUSフライトジャケットのファンです。ここ北陸の冬は寒く、結構重宝します。ここでUSナイロン(またはNomex [ノーメックス] )フライトジャケットの歴史を軽くおさらいすると、
すべてのUSフライトジャケットの歴史はA=夏季用、B=冬季用の2種類から始まっています。気温域の区分を示す用語は夏季用の「A」と冬季用の「B」の2種類で始まりました。その後、戦域が広がりを見せる中でライトゾーン(10~30℃)、インターミディエイトゾーン(-10~30℃)、ヘビーゾーン(-10~-30℃)の3種類に大別されました。B-6からB-15を経てMA-1に変遷していくインターミディエイト用の飛行服と同様に、ライトゾーンはA-1からL-2シリーズへ。冬用のコートとしておなじみのN-3Bも、B-2を基とするヘビーゾーンのジャケットへと歴史をたどることができます。
さて、陸軍航空隊(USAAF)は革製のフライトジャケットA-2が抱える高価、大量生産が難しいなどの諸問題を解決するためにさまざまな素材をテストしていました。そこへ、1939年にデュポン社が開発していたナイロンの採用により、1945年5月21日にL-2が完成されました。この新たな素材と衿を取り外したディテールはその後の飛行服を大きく変える基本形となるものでした。陸軍航空隊時代のため、カラーはオリーブドラブとなっています。 コックピットで座った姿勢での機動性を重視したため着丈は短く、裾はニットリブとなっています。 左肩にはエアフォースマークのインシグニア(国籍マークなどの記章)、その下にはシガレットポケットが備わっています。サイドのポケットはフラップ付きで、斜めに走るデザインです。
L-2A、L-2Bへと改変を重ねて展開してゆくモデルです。
朝鮮戦争の最中、1950年代初期(1951年頃)にL-2の後継モデルとして採用されたのがL2-Aです。陸軍航空隊(USAAF)から空軍(USAF)に独立した時期でもあります。そのシンボルカラーであるエアフォースブルーを採用したのが特徴です。酸素マスクコードなどを装着するレザー製だったオキシジェンタブはこのモデルでナイロン製となりました。
次に登場したL2の第3世代がL2-Bです。諸説ありますが、朝鮮戦争末期・もしくは戦後すぐ、1952~1953年頃に採用されたといわれています。空軍はL-2Aジャケットの指定色をエアフォースブルーからシルバーグレー(セージグリーン)へと改変しました。これは高度での太陽光吸収の解決と、脱出後の低視認化を目的としたものです。この指定色が改変されたモデルが、このL-2Bとなります。デザインはほぼL-2を継承しています。これはその後約20年間と長期にわたって採用されました。インターミディエイトゾーンでいうところのMA-1的な傑作的存在です。また、ライトゾーンでは初採用となるセージグリーンカラーにも注目です。そのほか、サイズ表示がインチからS、M、L表記に改められました。初期のライナーは表地と同色でしたが、中期以降はレスキューカラーであるオレンジ色となりました。
そして、1955年に登場したのが有名なMA-1です。

コットン素材のB-15の流れを汲んで1955年に採用された、傑作のフライト・ジャケットです。 最も多くのパイロット達に愛されたモデルです。軍用機の多くがプロペラ機からジェット機に移行するに従って飛行高度も高くなり、フライトジャケットに付着した水分が氷結して乗組員の活動の妨げになることがわかった為、それまでの革製フライトジャケットではなくナイロン製のフライトジャケットが考案されました。そこで生まれたのがMA-1ジャケットです。 採用決定後も幾度と無く細部の改良が行われ、30年間にわたって使用されてきました。地上でのカモフラージュのために表地には落ち着いた緑を採用。それに対して裏地が目立ちやすいオレンジ色であるのは、事故の際に脱出したパイロットを探すのが困難なことから、少しでもパイロットを発見しやすいレスキューカラーを採用したためと言われています。派生型として、フードが付けられたN-2タイプや、更に丈が長いコートタイプのN-3タイプが存在します。
一方、アメリカ海軍では第二次大戦期には陸軍のA-2に対応するレザージャケットM422を開発します。M422は第二次大戦末期もしくは戦後すぐにG-1となります。この革製のG-1に取って代わったのが、J-WFS(winter flying suit)です。1950年代から1970年代まで支給されました。日本やアメリカではG-8やWEPジャケットと呼ばれています。極端に短い裾、リブ仕様の襟と裾、大型のポケットなど、非常に独特の形態をしています。
そして、ナイロン素材のJ-WFS(G-8、WEPジャケット)に代わり、耐火、耐熱性を持ったNomex [ノーメックス](アラミド繊維素材)を採用したのがCWU-45/Pです。CWUはclothing wear unitもしくはcold weather uniformの略だといわれています。1973年、米海軍に先行採用され、1976年には米空軍にも採用されました。現在、陸・空・海の三軍および海兵隊において制式採用されているモデルで、約400度の高温に耐えられるものもあったといいます。 襟はラウンド・カラーで、左右のポケットのフラップはベルクロ(マジックテープ)留めとなっています。
このモデルには中綿がないCWU-36/Pというモデルもあります。1978年に支給が開始された、暖気候用フライトジャケットです。
寒冷地用CWU-45/Pの中綿を無くし、細部デザインにわずかな修正が加えられたものです。 CWU-45/Pと同様、機内での火災を想定してノーメックス(アラミド繊維素材)が採用されています。 初期型には存在した背中のアクションプリーツは、「コックピットの突起類に引っ掛かる」とのパイロットからの意見により、修正されたといいます。
さて、本題ですが、自分は90年代物のAlpha Industries製のCWU-45/Pを長らく愛用しています。他にも同じAlpha IndustriesとAvirexのMA-1や同じくAvirexのL2-Bも持っています。自分のCWU-45/Pは30年物なので、細かく補修しています。今回はいよいよ袖と裾のリブがよれたり穴が開いたり退色してかなりやばい状態になったので、リブの交換を決意しました。地元の洋服の直し屋さんなどもあたりましたが、今回は経験豊富なメールレスポンスも良い大阪市のアメリカ村にあるテキーラ(Tequila)さんにお願いすることにしました。さて、取替用のリブですが、日本国内では大阪のMASHさんが有名です。テキーラの山根さんも親切な方で、ノークレームを約束してくだされば、同じ大阪のMASHさんで取替用のリブを購入して作業してくださいますが、微妙に色調が異なるなどのクレームがあるため、原則はリブ持ち込みもしくは同封でお願いしたいとのことでした。
皆さん、リブの色はどれが良いか悩まれるようですが、1つポイントがあります。MASHさんで一番の売れ筋は50sダークセージグリーン(50~60年代初頭にかけ、USAFにおいて支給された初期のMA-1, L-2B...等に使用された、若干グリーンがかったダークセージ色)と60sセージグリーン(グレイ系の色調の物)です。これら色調の基本的な理解ですが、セージとは50年代半ば以降、米空軍フライト衣料の基本色と定められた、グレイ、グリーン、ブルーが混じり合った色です。50年代は若干グリーン系の色調の物が多く用いられ、60年代以降はグレイ系の色調の物が多く使われたようです。自分のCWU-45/Pはレプリカグレーという色で緑とオリーブの中間色のような色調です。そこで、ダークグリーンセージかグリーンセージか悩みましたが、通販なので事前に見るわけにいかないので、先ほどの緑系かグレー系かで判断して60sセージグリーンを選んでドンピシャでした。また、MASHさんは70sUSAF 実物ニット(セージグリーン)も取り扱っていますので、グレイ系のセージグリーンを希望する方はこちらもお勧めです。交換するときは、袖だけではなく、すべてのニットパーツを交換することで色が合うので違和感がありません。テキーラさんは各パーツごとに補修価格を設定していますが、補修箇所が多い場合は単純な加算方式ではなく、トータルの補修価格をディスカウントしてくださるのでお勧めです。さすが大阪商人です。
他のお客さんの参考画像ですが、こちらが補修前
こちらが補修後
まったく、色調に違和感がないと思います。
こちらにテキーラさんのブログに各種フライトジャケットのリブ交換事例がたくさんありますので、参考にしてください。
引用:leather-house.net、fineboys-online.jp、wikipedia、realcompany、captaintoms.co.jp、houston-book.com、tequila-osaka.com
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