認知的体験  -62ページ目

株のご発注

1株67万円を、誤って1円で67万株の売りで、のご発注で数百億円の損害発生。にたようなミスは
結構あったらしい。
これで株の売買現場のことがあきらかにされた。うっかりミスの発生をもたらした要因は次の通り。
1)売買する株の単位がまちまち。1株単位から1000株単位まである。
ー>総額チェックを入れる(売買は総額を念頭に置くから)
2)システムチェックによる警告表示はあるが、ほとんどいつも
無視だったらしいー>確認の形骸化を防ぐには、警告に段階を設けるか、
確認の仕方ーーダブルチェックや稟議的チェックなどーーを指示する
3)システムにundo(なしにする)、redo(繰り返す)が組み込まれていなかった
ーー>やってしまってからしまったと気がつくことは意外に多いから。
4)システムを2重にしておくー>コンピュータシステムと電話とで取り消し処理ができるように


やりたくてできないこと

その1 リンクへ飛ばすこと
その2 文字を大きくすること
その3 長いものは、最初だけを表示すること
その4 読者数のカウンティング

マニュアルの有り場所を見つけたのだが、またわからなくなってしまった
ブログって、どのブログでも同じなのかなー?

認知の科学と情報デザイン上の問題発見

 

認知の科学と情報デザイン上の問題発見
   
 海保博之 筑波大学心理学系

はじめに
 物のデザインに加えて情報のデザインも、デザイナーの重要な仕事となってきた。情報デザインの何が問題でそれをどのようにすれば解決できるのかを考えるためには、ユーザ(使い手)の認知特性(情報処理特性)に配慮することが求められる。認知の科学は、ユーザの認知特性を知るための基本的な視点と知見を提供するだけでなく、情報デザイン上の問題点を発見するための手法(ユーザビリティ・テスト)(7.6参照)をも提供する。

1)ユーザの認知特性をとらえる基本的な枠組
 デザイナーはデザインする対象・内容を理解した上でデザインすることになるが、さらに、そのデザインを、どのようなユーザがどのような状況で使うのかに思いをはせる必要がある。図1を参照されたい。デザイナーからユーザ・状況を経由しての曲線が、それを意味している。これは、教育現場で、教師が子どもに配慮した授業を設計することに似ている。たとえば、コンピュータについての授業をするとき、1年生と6年生とでは、授業の仕方がまったく異なるはずである。それが、相手に配慮した情報デザインということになる。
******************************
        デザイナー
    理解     表現       

機械・道具   デザイン        


        ユーザ    認知の科学
        状況

図1 ユーザに配慮したデザインとは
*************************************
 ユーザに配慮するとは、もう少し具体的に言うなら、ここでは、コンピュータにかかわる情報デザインに話を限定すると、ユーザの認知特性に配慮するということになる。
 コンピュータという情報処理マシーンの出現は、ユーザと機械・道具とのかかわり(インタフェース)の質を変えた。従来は、ユーザの身体的・生理的な特性と機械の物理的な特性との適合性が、インタフェース設計の主要な問題であったが、コンピュータの出現は、図2に示すように、コンピュータの情報処理と、ユーザの情報処理との適合性という新たな問題を発生させた。ここに、人とコンピュータの情報処理特性を研究している認知の科学への期待がある。



************************

ユーザ ユーザの情報処理 機械の情報処理  機械  課題

図2 ユーザとコンピュータとの交流の構図(Rasmussen,1986,樋渡、1985を改変)
********************************

2)情報デザイン上の問題発見に際して配慮すべき  ユーザの認知特性と問題発見上の指針
 デザイナーがデザイン上の問題を見つける上で配慮すべきユーザの認知特性の最も基盤的なものは、認知的節約の原理である。ユーザにいかに頭を使わせないで(認知的コストをかけさせないで)コンピュータと交流できるかを考えることである。以下、この基盤から派生する認知特性7つとそれを踏まえたデザイン上の問題点の発見のための指針をあげてみる。

a)ユーザはパターン認識が得意---知覚特性
 人は、一瞬のうちに、全体、全体と部分、および部分間の関係をつかむパターン認識能力が際立って優れている。
 この能力が発揮できる情報環境をデザインするためには、情報のパターン化がポイントになる。ともすると断片化されがちな情報環境を、全体が何であるか、今見えている情報は全体や別の情報とどのような関係にあるかを表示することが求められることになる。
指針1 全体の構造(関係)が常にわかるようにしているか
指針2 ナビゲーションの履歴を見せているか

b)ユーザはまとめるのが得意---知覚特性
 人は、視覚的、意味的にまとめることのできる情報は一つにまとめて処理するチャンキング(chunking)能力に秀でている。
 この能力を支援する情報環境をデザインするには、見た目のまとまりと意味的まとまりとが一致するようにすることである。
指針3 意味的なまとまりが見てわかるようにレイアウトしているか
指針4 多彩な情報を一度に表示するときは、区別化と階層化をして    いるか、

c)ユーザは注意資源の効率的な配分が得意---注意特性
 人は、必要なら注意を自分でコントロールできるが、多くの場合は、情報環境にある目立つ物に注意が引きつけられることで、注意配分のコストの節約をはかっている。
 注意のこの特性は、大事なものは目立たせることで、ユーザの注意を自然に(強制的に)引きつけることに活用できる。その上で、必要に応じてユーザみずからが能動的に注意資源を配分することで、より精緻な情報処理をさせることになる。
指針5 注意を引きつけたいところは、ブリンキング、色、大きさ、    対比などによって目立たせているか
指針6 注意を誘導したあとは、正確かつ十分な情報を提供して深い    処理を支援しているか


d)ユーザは再認が得意---記憶特性
 人は、思い出すべきものを見せられればそれが思い出すべきものであることに容易に気がつく。これを再認という。これに対して、思い出すべきものを思い出すことを再生という。一般に再生より再認のほうが認知的コストは低くて済む。
 再認能力の発揮を支援するためには、ユーザが持っている既有知識を思い出せる手がかりを情報環境の中に呈示することになる。
指針7 コマンドよりもメニューにしてあるか
指針8 アイコンも思い出す手がかりを豊富に提供しているか

e)ユーザはヒューリスティック思考が得意---思考特性
 人は、日常生活や機械・道具の使用に際して、論理的・計算的に思考をすることはまれである。むしろ、論理の飛躍による発見的思考や連想による創発的思考のほうを展開する。このほうが認知的節約原理にかなっているからである。
 こうしたヒューリスティック思考能力は、解決目標を意識させた上での知識世界の自由探索を保証する情報環境を提供することで、より妥当な(適応的な)ものになる。
指針9 解決したい課題を絶えず見えるようにしてあるか
指針10 思考の履歴を見せているか

f)ユーザはわかったつもりになるのが得意---思考特性
 人は、何が何やらわけがわからない(認知不安の)状態を嫌う。それは感情的な反応であるが、認知的節約という点からも、その状態を引き起こした原因分析に資源を費やし続けなければならないので、好ましくない。そこで、その状態から抜け出るために、状況を自分なりに解釈して納得しようとする。その解釈のために構築されるモデルをメンタルモデルとよぶ。
 メンタルモデル駆動による妥当な(適応的な)解釈を支援するためには、論理や計算に訴える表現よりも、視覚表示やなじみの知識で判断できる情報環境を提供することになる。
指針11 たとえを有効に活用しているか
指針12 what,why,howに関する情報を必要に応じて見    ることができるようにしているか

g)ユーザは感性にしたがった情報処理が得意---感性特性
 人は、情報を処理する際に、感性を同時に働かせる。そして、感性にあう情報はスムーズかつ十分に深く処理される。
 感性に従った情報処理を支援するには、快感情を伴う情報処理の仕掛けを組み込む必要がある。
指針13 美しさを感じさせるか
指針14 自己効力感をもたせるために、過度の自動化の抑止、フィ    ードバック情報の提供をしているか

おわりに
 認知的節約の原理を基盤に、デザイン上の問題を見つけるための指針を提出してみた。この指針に従ったデザインは、ユーザに機械・道具の操作よりも課題解決そのものに認知資源をより多く配分してもらうことにつながるが、一方ではしかし、機械・道具の使用に際しては誤った情報処理(思い込みエラー)に導くというリスクを常に伴っている。フール・プルーフ(fool-proof;馬鹿なことをしても大丈夫)やフェール・セーフ(fail-safe;故障しても大丈夫)や多重防護といった安全工学上の方策にも留意する必要がある。

引用・参考文献
樋渡涓二 1985 人間と機械の情報交換 田村博編「ヒューマン・インタフェース」コロナ社
海保博之・原田悦子・黒須正明 1991 認知的インタフェース  新曜社
Rasmussen,J.1986 Information processing and Human-machine
interaction--An Approchi to Cogintive engineering. Elsevier Science Company(海保博之・加藤隆・赤井真喜・田辺文也訳)「インタフェースの認知工学」啓学出版

ブログは匿名でするもの?

他のブログをみて勉強中。
それで気がついたが、ブログのほとんどは、
匿名。
自分のブログは、個人情報をかなり公開している。
まずいかな?

目は覚めるがが布団から出られない

朝3時起床が日課。だいたい、それよりも1時間か2時間前に
目が覚める。しかし、布団から出られない。ぬくぬくした布団
の中にいられるのは、本当に幸せ。
しかも、起きてやる仕事の内容が気がすすまないと
ますますぐずぐずしてしまう。
それやこれやで30分くらい布団の中のしあわせと逡巡
を楽しむ毎朝である。

読者がついた!!

コメントが日本語よめるようになった。設定ミスのようだった。
読者からのコメントが早速、一つ。
それへの海保からの応答ーーレスっていうのかな?--をコメントした。
なるほど、こういうふうにやるもんなんだ。
でも今は、いちいちコメントに応答はできないだろうなー
そんなことをしていたら、ブログ人生だけになってしまう

文字化けが解消したかも;06/1/6/海保

コメントがすべて文字化け。
表示から文字を日本語に
するように
指示されたので、やってみた。
次のコメントから日本語で読めるかも。

認知的体験「リモコンの電池が切れた」06/1/5

暖房のリモコンの電池がなくなった。うんとも
すんとも言わない。なんと、電子辞書の
電池もなくなった。引き出しをみると、
規格違いのは買い置きがあるが、
単3はない。
メーカーが同じリモコンが居間にあったので
試しにそれでやったら、動いたので助かった。
それにしても、電池の
ストックは難しい。これで、次に入れ替えるのは
1年後くらいになるのだろうから、また同じことの
繰り返しになるはず。なんとかこの不便を解消する方策は
ないものか。
今日の万歩計5935歩(テニスを含む)

内田樹先生のブログにびっくり仰天

あの著名な内田樹先生のブログをたまたま見つけた。
その内容の充実ぶりを拝見して、自分のブログが
恥ずかしくなった。
比較するのが間違い、と自分を慰めているが、
あの内容なら、そのまま本にしても
売れる。
読者数も100万をはるかに越えているのも
驚き。

「心の教育を考える」

05/10/18海保
きょうけん集会 基調講演 メモ 11月11日

   修身から道徳教育へ、そして心の教育へ

     筑波大学心理学系 海保博之

第1 小史
1-1)戦前は、修身  「---すべし」
1-2)1947年教育基本法の制定
  道徳は全科で
1-3)1958年 道徳教育の時間の設置
「---しましょう」
*1996年中学生による神戸連続殺傷事件が発生***確認

1-4)1997年 中央教育審議会へ「心の教育」を諮問
1999年答申「新しい時代を拓く心を育てるためにーー次世代を育て る心を失う危機」
●伝統文化の強調と道徳教育と心理主義の三位一体
1.我が国の文化と伝統の価値について理解を深め、未来を
拓く心を育てる
2.道徳教育を見直し、よりよいものにしていく
3.カウンセリングの充実
 (a)スクールカウンセラーに相談できる体制の充実
 (b)スクールカウンセラーの養成の充実
 (c)カウンセリングマインドを身に付けた教員の育成
(d)「心の居場所」としての保健室の役割の重視

第2 心の教育のねらい

2-1)心のノートの配布(2001年)
全国のすべての小学生に3冊、 中学に1冊、補助教材として配られている。
・自分探し「自分さがし の旅に出よう カバンに希望をつめ込んで 
      風のうたに身を まかせ 自分づくりの旅に出よう」
     (中学)
   「うらやましいと思うこと」、
   「自分 に腹が立つこと」、
   「自分の好きなところ」、
   「自分の改めたい ところ」
   「自分の好きな食べ物、スポーツ、本」
・道徳の自覚
   家族愛、近隣愛、自然愛、郷土愛、国家愛
2-2)「心のノート」の基調
○心理主義  すべては心に起因するので、心を育てることが教育の
ねらい
○カウンセリング主義 自分を知り、自分にふさわしい自分になれるような指導

第3 心の教育のあり方

3-1)極端な心理主義の克服
B=f(P、E)
関数fは、しかも、かけ算モデルで考えるのが常識である。つまり、P(人)だけ、E(環境)だけで生ずる行動はない。あるのは、いずれがより強くかかわっているかである。
心理主義も状況主義も、極端に偏ってしまえば事の認識も、事への対処も誤る。要は両者のバランスに配慮することである。

****山口のモデルをここに

3-2)極端なカウンセリング主義の克服
心理診断、自己認識支援、傾聴などなど、子供を知り、子供の心に寄り添う、カウンセリング技能とマインドを持った大人、教師は、子供、とりわけ心理的な悩みや障害を持った子供の扱いには、必要である。
しかし、これも、極端になると、解決の先延ばし、指導能力のない頼りない大人のイメージを与えるだけに終わってしまう可能性もある。事の内容、進展にふさわしい、指導モードの選択ができることが望ましい。