ともかく安いものに飛びつくバカの数が減れば、景気も良くなるに違いない。

良いものを提供しようという姿勢を貫ける人が増えれば、日本は自立できるはずだ。
「出入り口の左右にへばりついている方は、お客様の出入りの邪魔になるので、ドアが開いたらいったん降りて、お客様のスムーズな出入りにご協力くださいますよう、お願いいたします」

「カバンを肩からかけていらっしゃる方、余分な場所を取ったり、ひとに押し当てることになったりと、隣のお客様、後ろのお客様の迷惑になります。カバンは身体の前へ下げるか網棚に上げてくださいますよう、お願いいたします」
坊さんだった。

高速道路の料金所を抜けて2車線に合流するときのことだった。

「合流は交互に」がマナーだし、ルールである。

私の前に右から一台入ったのでその後に続こうとしたら、右からの次のクルマがそれを許さないで競ってきた。

あ~あ、とソイツを見たら、袈裟を着た坊主だった。

ハンドルに両腕を突っ張ってムキになったように前方を直視しているその坊主は、私に何を説いたのだろう。
ばったん、ばったん、騒々しく靴の音を立てて歩くオンナ。

歩き方がだらしないのであんな音が出るわけだが、気にする様子もなく、むしろ誇らしげに歩いているようにみえるバカ。

地下鉄のコンコースでは、20メートル以上はなれていても聞こえる。

ヒール 音 などで検索してみた。

———それなりに気にしているバカもいた。

サイトで質問するひと、それに答える人、いずれもとんちんかんが多かったが、迷惑なこと、ハズカシイことであることに気づいたひとがいるということがうれしかった。

ずっこ、ずっこ、とかかとをだらしなく引きずりながら歩くバカ。

村上龍の小説で、家族の、片っ端から足首を切り落とすシーンがあった。

———やってほしい……

ともかく、周囲を気遣って、極力静かに歩こうとすれば、おのずと美しい歩き方になる。

今日の昼は悩んだ末に、「(牛丼)並と味噌汁」を楽しみました。


吉野家の四谷店(JR四ッ谷駅から新宿通りを四谷三丁目のほうに道路の右側を歩いたすぐ)です。


数えていませんが、3割以上は豚丼を頼んでいます。


私もどちらかといえば、いまは豚丼が好きです。


でも、紅しょうがや唐辛子は、牛丼が合うように感じます。

四谷の駅すぐの吉野家には入り口が二つあって、昼時はどちらから入った人が先かを、お店の人は見てくれません。


先端にいらっしゃる方が店長さんらしいリーダーシップを発揮していらっしゃいますが、本日のところ、お客様が入ってきた瞬間は見逃しています。


私の場合は外で一人で並んでいる人が、お客様が外に出たので入れ替わりに入り、もう一人出たので私が入れ替わりに入り、続いてもう一人、私の後に入りました。

それから1分もしない間に反対側の入り口から二人入ってきて、このお二人は庶民感覚で、先に入った私達を意識せずに立ち上がっている二人の席に座ろうとしました。


私は戸惑いましたが、その人たちのために、その二人を追い越すようにして、まだ片付けられていなかったので不本意でしたが、空いた席に座りました。


私の後ろにいた方は、あきらめました。


今度は別の席が空き、同じことが起こりそうになりましたが、二つあいたので、私の後ろの方は、憮然としながらも、席に着きました。


四谷の吉野家の入り口は、寄り新宿側から入ろうとする方のほうが、庶民感覚度が高いようです。


目黒の「とんかつ とんき」は、私が何番目かは、わかってくれます。

電車に一人で乗っているとき、あなたたちの話は、聞きたくありません。あなたの上司がどうでも、趣味がどうでも、食べたご飯がどうでも、聞きたくありません。


エレベーターでも、聞きたくありません。


私は人と話しをするのが好きですが、そのことを赤の他人に聞かせることには抵抗があります。


私は耳栓を持ち歩いているときがあって、それを私の目の前で会話を楽しんでいる人たちの目の前で耳栓をするのですが、特に気にしていただいたことはありません。


昨晩の居酒屋でアルバイト風の若い男女の店員がおしゃべりを楽しんでいたので、「あっちでやって」と言いました。


一人は消えましたが、残った一人は、ノック式のボールペンを出したり引っ込めたり、つまり、パチッ、パチッとしていました。でも、それを注意する勇気は出ませんでした。

月曜日の朝は一気に現実に押しつぶされて、盛り返すのも現実の力。


なんて、無力。


このくらいいいでしょう、誰も見ていないからいいでしょう、みんなそうだからいいでしょうという、庶民感覚の暴力に押しつぶされそうになる。


ファイト。

靴のアッパー部分を金属の先に引っ掛けてしまって、皮革がえぐれてしまった。

りんごのウサギの、耳のような状態。


有楽町線の有楽町駅を降りると、ミスターミニッツが目に入った。

待ち合わせの時間までまだゆとりもあったし、だめもとで耳のついた靴を差し出した。


ミスター・ミスターミニッツ

見たことのない素敵な自然な微笑で靴を受け取ってくれた。

「ボンドで張るしかありませんけど」と少し申し訳なさそうなニュアンスを含んだ静かな声で私の方針を求めた。


「お願いします」。


1分もしただろうか、仕上がりを見せてくれた。

ウサギの耳だったことを思えば、完璧以上の仕上がり。

いくら払ってもよい気になったけど、一応料金をたずねた。


「結構ですよ」とまた最初に見た以上の素敵な微笑といっしょに答えてくれた。


私はお金を払いたかった。

お礼をしたかったのだ。


「――いや、でも・・・・・・」と困る私を、またまた素敵な微笑で


(いいんです)


と小さくうなずく。


私は「ありがとうございます」というしかなく、笑顔もうまく作れずに別れた。


キュンとするところと同じところが、少し暖かくなった。


地下鉄の駅から地上に出たら真っ先にタバコを吸いながら、ケータイメールをチェックしている庶民感覚のビジネスマンさん。


その後に、少し上に顔を向けて電話で話しながら同じ場所をぐるぐるしているビジネスマンさんになる。


禁止なんてカンケーないね

この方たちはどこでも事務所 兼 喫煙所だから、「路上喫煙禁止」のマークが二つもあっても、周りに人がいても、気になりません。


地下鉄の出入り口に煙をまき散らかしていても、その煙の中を歩く人々は喜んでいるとお考えなのでしょうか。


世の中の大半が庶民感覚の方たちでしょうから、そんなことを気にしていたら、厳しい競争社会を生き抜いていけないのでしょう。


お客様は取引の上で大切にしても、周りの人々や業者なんか、目じゃないわけです。