主人公は、ニュースショー「ショータイム・セブン」の元キャスター、折本(阿部寛)。現在は左遷されて、ラジオの生番組をやっている。
「今夜のテーマは、あなたは犬派?猫派?お電話ください!」などと脳天気な番組をやっている。そこへかかってきた一本の電話。自らを「ウスバカゲロウ」と名乗る若い男の声で、「大和電力城東発電所を爆破する」とテロを予告。折本は「ばかに付き合っていられない。やれるものならやってみろよ!ほれ、やれよ!」と煽ってしまう。その時、放送局の窓の外に大きな火柱と爆発音が。城東火力発電所の古い施設が爆破、炎上したのだ。「これは本物だ」と気づいた折本に、さらに犯人から電話が。
犯人の父親は、大和電力の城東火力発電所の建設作業員だった。G20会議の目玉にしたいという政府の思惑と、これに同調する大和電力の強い圧力で、無理な工程を押しつけられ、無理に無理を重ねて、ついには建設事故が起こり、命を落とす。その時にも、大和電力、日本政府からはなんの謝罪もなかった。事故すらないものにされた。
そこで折本を交渉役に据え、大和電力社長をショータイム7に呼び出し、ただちに謝罪させろ。スタジオは完全に監視下にあり、スタジオから出ようとするもの、イヤホンを外すなどすると、スタジオ内の爆弾を起動させると脅される。事実、女子アナが座っていた机の一部を爆破してみせる。
折本とウスバカゲロウとの、長い交渉が始まった。
しかしウスバカゲロウの要求は、時々に変わってくる。一つの目的を持ったテロではないのではないか。大和電力社長の謝罪、総理大臣の謝罪、そして犯人は、折本の過去についての詳細な説明と謝罪を求めてきた。犯人の目的はなんだ?
プロデューサー役で吉田鋼太郎が出演している。この人の芝居は、とっても古い、そう昭和の舞台俳優の芝居で、大げさでかつ声だけがでかくて、観ていると恥ずかしくなってくるので、好きではない。
阿部寛は、落ち目のキャスターから、人気番組のキャスターへカムバックするために、刻々と変化する事態に対応していく、その変化をうまく演じていて、やっぱりすごい役者だなと思う。
だが、ラストの謎や伏線の回収が、どうしてもついていけなかった。なぜ海外のテロによる爆破事件発生のテロップからPerfumeのライブ映像になってしまうのか。結局、あのスイッチを押したことで、何が起こったのか。
監督は、「ノベライズだけが全てではありません。ノベライズの読者、映画の観客、みなさんの想像力をはたらかせて・・・」って、そんもん、これだけのヒントで分かるか〜〜〜〜!!
ちゃんと伏線は、しっかり回収して欲しかった。なかなか緊迫した画面の連続で集中が途切れず面白かっただけに、本当に残念!