孤立感
ロンドン建築シリーズ、次の話を書いているところなのですが、どうしても言いたいことが。
ロンドンとイングランド南東部、Tier 4突入!
事実上のロックダウンですね。
しかも、ロンドンの外に出てはいけないという縛り。
我が家は、クリスマスに集まる家族もいないし、
こんなことだろうと思って、旅行の計画だってないし、別にいいんですけど。本当に。
ずっとロンドンにいる予定でしたよ、どっちにせよ。
でも変異種の発生源ということで、世界から孤立してしまった感じが、なんだか恐いです
ドーバーも封鎖されて、食べ物は大丈夫なのか〜
最初のロックダウンも結構苦労したんで、もうあんなの嫌だよ〜
食べ物が手に入らないって、一体どこに住んでるのかと思いますよ... (イギリスって先進国... ?え?)
BrexitもNo dealの可能性大で、ただでさえ、1月1日からおかしな事になりそうなのに、もう既に大混乱。
でも、ロンドンの学校って水曜日、木曜日に終わってたんですよね。
なので、早々にロンドンを発った家族は多いはず。
ちょっと遅かったな、ボリスよ。。。
息子の親友一家は、木曜日にギリシャに帰りましたし。
今国境封鎖しても、すでにある程度は拡散してしまっているのでは... (でも、とりあえず、大量に入ってくるのは防げるかのかな)
土曜日は、今は別の学校に行っている、同じナーサリー出身の幼馴染一家と公園で会って来ました。(現在の息子のゲーム仲間・笑)
夏からずーーーっとオンラインで遊んでいますが(その間2回くらい外で会ったかな)、やっぱり実際に会って遊ぶのはいいですね。何事もなかったかのように走り回る二人を見るのは微笑ましかったです。
そして、この幼馴染一家とは、家族ぐるみで仲がいいので、久々に会えてよかった。
最近、息子はRobloxにハマっております。。。
母はあんまり好きじゃないのですがね
小さな小さな家族ですが、四人でいられることに感謝。子供達のおかげで、毎日が賑やかです。
1. Roman London
ローマ時代のロンドンは、Londiumと呼ばれ、
ローマ軍のブリタニア侵略の拠点、そして商業の中心地とされました。
当時は小さな集落だったロンディウムが選ばれた理由は、イングランド南東を横断するテムズ川が一番狭くなっている地点にあり、ローマ軍の渡河点として便利だったこと、
その後は、テムズ川を利用した大陸との流通に便利だったことが主な要因なようです。
ところで。
荒涼として資源が少ないイギリスですが、ローマ人が喜んだものってなんだと思いますか?
それは、なんとLead(鉛)です!
当時、ローマ市内の下水道のパイプなどに重宝されたそうですよ。
今でも、イギリスの家の屋根は鉛シートを使ったものが主流ですね。
さて、私の勤める建築事務所は、ロンドン中心部の東側にあります。最寄駅はバービカン。
この地域は、ローマ時代に築かれたロンディウムの名残が多く残る地域で、地名にも名残が現れています。
まず、一番わかりやすいのがLondon Wall。その名の通り、ローマ時代にロンディウムを囲う壁があった場所です。
ローマ人は、まず街の外にグルっと壁を作ることで、外敵の侵入を防ぎ、税金の取り締まりのために6つのゲート(関所)を設けました。
そのゲートも、地名にまだ残されています。
セントポール大聖堂のすぐ近くにあるLudgate、
リバプールストリート駅すぐ近くのBishopsgate、
ブリックレーンのすぐ近くのAldgate、
ドラマ、シャーロックで有名なバーソロミュー病院のすぐ近くにあるNewgate(street)、
唯一、地名としてハッキリ残っていないのがCripplegateです。
*ちなみにバービカンも、London Wallと関係のある地名で、城壁の外側へ飛び出した部分のことを示します。

(画像はこちらからお借りしました。)
ローマ軍のブリタニア侵略の拠点、そして商業の中心地とされました。
当時は小さな集落だったロンディウムが選ばれた理由は、イングランド南東を横断するテムズ川が一番狭くなっている地点にあり、ローマ軍の渡河点として便利だったこと、
その後は、テムズ川を利用した大陸との流通に便利だったことが主な要因なようです。
ところで。
荒涼として資源が少ないイギリスですが、ローマ人が喜んだものってなんだと思いますか?
それは、なんとLead(鉛)です!
当時、ローマ市内の下水道のパイプなどに重宝されたそうですよ。
今でも、イギリスの家の屋根は鉛シートを使ったものが主流ですね。
さて、私の勤める建築事務所は、ロンドン中心部の東側にあります。最寄駅はバービカン。
この地域は、ローマ時代に築かれたロンディウムの名残が多く残る地域で、地名にも名残が現れています。
まず、一番わかりやすいのがLondon Wall。その名の通り、ローマ時代にロンディウムを囲う壁があった場所です。
ローマ人は、まず街の外にグルっと壁を作ることで、外敵の侵入を防ぎ、税金の取り締まりのために6つのゲート(関所)を設けました。
そのゲートも、地名にまだ残されています。
セントポール大聖堂のすぐ近くにあるLudgate、
リバプールストリート駅すぐ近くのBishopsgate、
ブリックレーンのすぐ近くのAldgate、
ドラマ、シャーロックで有名なバーソロミュー病院のすぐ近くにあるNewgate(street)、
唯一、地名としてハッキリ残っていないのがCripplegateです。
*ちなみにバービカンも、London Wallと関係のある地名で、城壁の外側へ飛び出した部分のことを示します。
バービカン駅にある、「バービカンセンター」はモダニズム建築としてとても有名ですが、バービカンセンターの名前の由来は本来の意味から来ているはずです。実際、バービカンセンターはLondon Wallにぶつかる位置にあります。
なので、一番古いロンドンは、London Wallとこのゲートの内側ということになります。
これが現在のロンドンの金融街、City of Londonの原型です。(現在はローマ時代より少し大きくなっています。)
なので、一番古いロンドンは、London Wallとこのゲートの内側ということになります。
これが現在のロンドンの金融街、City of Londonの原型です。(現在はローマ時代より少し大きくなっています。)

(画像はこちらからお借りしました。)
現存する遺跡は、都会のど真ん中に点在しています。
そして、ロンドンにある遺跡の興味深い点は、昔のロンドナー達がローマ時代の遺跡とは気づかずに(もしくは価値を知らずに)、建物の一部として再利用していることです
そして、ギルドホール美術館の地下には、約2000年前、ローマ時代の「アンフィシアター」が保存されています。
これが中々大きいのですが、2000年もの間、発掘されるまでロンドンの地下にこんなものが眠っていたとは!と驚きます。
そして同じく、シティー・オブ・ロンドン内に2017年に完成した、フォスター卿(Foster + Partners) 設計のBloomberg European Headquarterの地下にも、ローマ時代の遺跡が保存されています。こちらの遺跡はTemple(寺院)。
ちなみに、このBloomberg HeadquarterはStirling Prizeを獲得しました!
(個人的には、色合いと素材の感じ、窓のデザインなど、パッと見好きな感じなのですが、でもどこか建物としてのバランスが変な気がしてます。スケール感というか??とにかく違和感が。。。)

建物自体はFoster+Partnersの設計ですが、展示スペースは、アメリカのLocal Projectsというところが手がけたそうです。

ギルドホールの展示場は、シンプルで遺跡が引き立つものでしたが、
こちらの展示は、さながら現代美術館のよう。
パンデミックが落ち着いたら行ってみたい場所です。
(写真はDezeenより)
ギルドホールもBloombergもなのですが、ロンドンのローマ遺跡は、現在の地表から約7〜8mほどの深さに埋まっていることが多いらしいです。
私は、オフィス設計の仕事はあまりしないのですが、社内や社外の関係者から、稀に「シティーに作るオフィスビルの基礎工事をしていたら、遺跡が出て来て工事が止まった」という話を聞きます。
(個人的には、色合いと素材の感じ、窓のデザインなど、パッと見好きな感じなのですが、でもどこか建物としてのバランスが変な気がしてます。スケール感というか??とにかく違和感が。。。)

建物自体はFoster+Partnersの設計ですが、展示スペースは、アメリカのLocal Projectsというところが手がけたそうです。

ギルドホールの展示場は、シンプルで遺跡が引き立つものでしたが、
こちらの展示は、さながら現代美術館のよう。
パンデミックが落ち着いたら行ってみたい場所です。
(写真はDezeenより)
ギルドホールもBloombergもなのですが、ロンドンのローマ遺跡は、現在の地表から約7〜8mほどの深さに埋まっていることが多いらしいです。
私は、オフィス設計の仕事はあまりしないのですが、社内や社外の関係者から、稀に「シティーに作るオフィスビルの基礎工事をしていたら、遺跡が出て来て工事が止まった」という話を聞きます。
遺跡といっても、上記のような大規模なものではなく、些細なものが多いようですが。
イギリスには、様々な地図を管理している会社がありまして、そこに問い合わせると、シティーでの今までの遺跡出土マップのようなものもあるそうです。
それを見て予想を立てたり出来るのかな?!
というわけで、
ロンドンといえば、バッキンガム宮殿やウェストミンスター寺院などの豪華な建物を想像する方も多いと思いますが、意外とローマ時代の遺跡が身近だったりするんですよ。
私も息子と去年参加したのですが、
というわけで、
ロンドンといえば、バッキンガム宮殿やウェストミンスター寺院などの豪華な建物を想像する方も多いと思いますが、意外とローマ時代の遺跡が身近だったりするんですよ。
私も息子と去年参加したのですが、
Museum of Londonが、定期的に行なっているローマの遺跡ツアー、オススメです!
機会があればぜひ
ロンドン、建築うんちく始めます!
私のFurloughももうすぐ終わり!
というわけで、最後に何かやりたいなーと思って、新シリーズを始めます。
もしかしたら、後で、新しいアカウントを作って引っ越しするかもしれませんが、手始めにここで始めてみます。
私は、2002年にロンドンにやって来ました。
それから、大学、大学院を出て、
現在はロンドンの建築事務所に勤めていまして(マタニティー→Furlough中ですが)、大学時代の先生も、会社の同僚もこういうウンチクが大好きなので、日常的にロンドン建築の豆知識(トリビアともいう)を耳にします。
なので、私のこのロンドン建築の豆知識を、どこかに一つにまとめてみたいな、とずっと思っていたのです。
今日、建築業界紙(デジタル版)を見ていて、見知った場所の新たな計画なんかを見ていると、建築って未来への希望なんだなー、なんてぼんやり思ったんです。
まだ普通の生活には戻れないし、それが具体的にいつになるかわからないけど、アーキテクトもクライアントも、そして国も、未来を見据えて、新たな建物、場所を作ろうとしているんです。
建築の面白さ、大事さ。
そしてロンドンの建築、そして都市としての面白さが伝わるように頑張ってみますので、ご興味のある方はぜひお付き合い下さい!
ちなみに、建築というのは、建物だけに限ったことではありません。外因(コンテクスト)、なぜそれがそうなったのか、というのも建築にとって大事な部分です。
「建築」とは学問でもあり、個々の単一の建物を示しているとは限りません。
ロンドンは有名な現代建築も多い場所ですが、歴史的な建物も多いところです。ヨーロッパの主要都市ならどこでもそうですが、ロンドンの建設はローマ時代に遡り、現在もローマ時代の遺跡が多く残っています。
というわけで、第一回はロンドンの成り立ち、ローマ時代の名残についてです。
というわけで、最後に何かやりたいなーと思って、新シリーズを始めます。
もしかしたら、後で、新しいアカウントを作って引っ越しするかもしれませんが、手始めにここで始めてみます。
私は、2002年にロンドンにやって来ました。
それから、大学、大学院を出て、
現在はロンドンの建築事務所に勤めていまして(マタニティー→Furlough中ですが)、大学時代の先生も、会社の同僚もこういうウンチクが大好きなので、日常的にロンドン建築の豆知識(トリビアともいう)を耳にします。
なので、私のこのロンドン建築の豆知識を、どこかに一つにまとめてみたいな、とずっと思っていたのです。
今日、建築業界紙(デジタル版)を見ていて、見知った場所の新たな計画なんかを見ていると、建築って未来への希望なんだなー、なんてぼんやり思ったんです。
まだ普通の生活には戻れないし、それが具体的にいつになるかわからないけど、アーキテクトもクライアントも、そして国も、未来を見据えて、新たな建物、場所を作ろうとしているんです。
建築の面白さ、大事さ。
そしてロンドンの建築、そして都市としての面白さが伝わるように頑張ってみますので、ご興味のある方はぜひお付き合い下さい!
ちなみに、建築というのは、建物だけに限ったことではありません。外因(コンテクスト)、なぜそれがそうなったのか、というのも建築にとって大事な部分です。
「建築」とは学問でもあり、個々の単一の建物を示しているとは限りません。
ロンドンは有名な現代建築も多い場所ですが、歴史的な建物も多いところです。ヨーロッパの主要都市ならどこでもそうですが、ロンドンの建設はローマ時代に遡り、現在もローマ時代の遺跡が多く残っています。
というわけで、第一回はロンドンの成り立ち、ローマ時代の名残についてです。




