何度もテレビなどで見て行ってみたかったのに、まだ行ったことがなかった…

岡田美術館さんに、ご縁をいただいたので行ってきました。

素敵な展覧会にお邪魔したので、久しぶりに長い文章を書いてみます。

 

先日の雪が残って冷え込む箱根。地面は溶けた雪でツルツル。

バスもあるのに歩きを選んで後悔。

でも頑張った甲斐あって、岡田美術館は霧の中から現れてとっても幻想的でした!

現在岡田美術館では、『The SAMURAI - サムライと美の世界 ー』

という展覧会をやっています。

サムライと一口に言っても色々なはず、どんな時代のものがあるのか

日本史に疎い私にも楽しめるのか…?ちょっと不安ながらも入ります。

 

岡田美術館はなんと5階建て(!) 広い、大きい。

ここからの写真は美術館の広報の方に許可をいただいて撮影しています。

早速展示室へ。金屏風が並んでいて入った瞬間高揚感があります。

感性が子供のままの私は光っているもの、迫力あるものを見るだけでワクワクしちゃいます。

 

今回の展覧会の注目は何と言ってもこちら。

『平家物語図屏風』  江戸時代前期 (17世紀) 岡田美術館蔵

 

今フジテレビで水曜日深夜『平家物語』というアニメをやっているのですが

まさにその平家物語の名場面集のような屏風。

私も見てます。とにかく源平は、当たり前なんですが似た名前の重要人物が多くて

ストーリーを追いかけてる途中で誰が誰だか分からなくなり…

「この声優さんの声はどの人物」と思いながら見てるのでものすごく勉強になっています。

 

地上波では今ここまで放送されています。

ネタばれは避けたいので詳しくは書きませんが右上が4話、そして下段が5話。

「見た、このシーン見ました!!」

ストーリーがわかるようになるだけで、今までなんとなく人がいっぱいいるな、

と思っていた屏風絵が、一気に名画の集合体に見えてきます。

 

 

さすがに私でも知っている、那須与一の場面も。扇が真っ二です。

そしてこの屏風絵、「画中画」という、絵の中の絵の書き込みがものすごく細かいです。

そんなこだわりがアニメにもあったようで

 

4階にあるコラボレーションのコーナーでは

屏風の素晴らしさもアニメの素晴らしさも一目でわかる説明がありました。

こちらもとてもおすすめ。ここで知ったことを頭に置いてもう一度見ようと思います。

 

 

『平家物語図屏風』がストーリーを、優美さをもって伝えているとすれば、

広報さんが「誰が何のために描かせたのか分かってないんです」と

教えてくださった、なかなか刺激的なものがこちら。

『合戦図屏風』  桃山~江戸時代初期(16~17世紀) 岡田美術館蔵

 

文字通り合戦中を描いているのですが、現実の戦いでは当然血が流れます。

写真真ん中より少し右下、サムライが真っ二つ。

あまり拡大はしません、探してみてください。

刀の威力や腕次第では、こんな風に人間が切られ血が噴き出すものなのでしょうか。

これを飾っていた人はどんな気持ちでこれを眺めていたのか。

こんな人が沢山描かれていたので、スプラッター好きだったんですかね…

 

 

サムライたちの中には、自分で筆を取る人たちも居ます。

渡辺崋山 『虫魚帖』 江戸時代 天保12年(1841) 重要文化財 岡田美術館蔵

 

12図が1冊になっています。ねずみに蚕など弱肉強食を思わせる題材で

開国を迫る外国と日本の未来への憂いとも捉えられるんだそう。

藩士としても優れていた渡辺崋山、この現代ならば何と何を取り合わせるでしょうか。

私ならって考えてましたが、水槽にブラックバスとメダカでしょうか。

いかにも考えましたという感じでセンスのなさがバレます。

 

神坂雪佳 『兜に菖蒲図』 大正~昭和時代前期(20世紀前半) 岡田美術館蔵

 

神坂雪佳は幕末も幕末、1866年生まれで、琳派の流れを受け継ぎながら

当時アールヌーヴォーが大流行中だったイギリスに留学経験もあり、

パッと目を引くモダンで和洋折衷な作品に。

金屏風とも違う華やかさで、すごく心惹かれました。

日本の誇りを持ちながら外国とつながる激動の変化の時代に

人がどう応えればいいのか、現代にも通じる教えがある気がしました。

 

 

楽しむために画家に描かせたサムライ、絵の中に登場するサムライ、

自分で筆を取るサムライと、自分にもわかる!という切り口が素直に楽しめました。

説明のパネルには子ども向けのものもあるのですが、

観かたのアドバイスをいただけて個人的にはとてもありがたかったです。

 

 

作品を見終わって、もうひとつやってみたかったものを体験してきました!

福井江太郎 『風・刻』 平成25年(2013)

 

岡田美術館の紹介の時には必ず映るこの風神雷神。

その手前には

足湯カフェがあるんです!!

この日は寒かったし、一日歩き回ったので足もパンパン。

源泉かけ流しなので効き目抜群、しっかり温泉を感じつつ、すべって足を強打。笑

皆さんそこだけは気をつけましょう。

 

ここが一番楽しめるのはまさに今の時期。

会期の終わりが迫ってきてしまっていますが、次回の展覧会も見ごたえがありそうです。

私は日帰りで行ってきたのですが大満足、心も体も癒されてリフレッシュできました!!

 

 

『The SAMURAI  - サムライと美の世界 ー』 

~ 2022 年 2 月 27 日(日)

 

『花鳥風月 名画で見る日本の四季』

前期:春夏編 3月6日(日)~7月10日(日)

後期:秋冬編 7月16日(土)~12月18日(日)

 

神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1