父の日
こんにちは。父の日この日が近づくと憂鬱になる。私は父の日が苦手だ。なぜならまともに父親らしいことをしてこなかったから。父親失格人間である。未だに息子の顔を見ると申し訳ない気持ちになる。しかし毎年この日が来ると、息子夫婦はささやかなプレゼントを持ってきてくれる。ありがたいことだけど、なんか空しい。息子一人なら多分持ってこないだろう。奥さんの意向である。そのため、無駄な時間をさいてプレゼントを選ばなければいけない。その作業を強いることが申し訳ないのだ。かといって次回から気い使わなくていいよ、とも言えない。昔から何故か血のつながりが苦手だった。血縁者に情がわかない。多分脳障害のひとつだろう。両親が亡くなった時も、一握りの悲しみも湧かなかった。そんな自分を申し訳なく思う気持ちだけがあった。そういえば、昔読んだ太宰治の小説の中に、主人公が、 乳兄弟っていいね。血のつながりは苦手だ。と言う場面があった。少し似ているかもしれない。こういう人間は本来子供を作ってはいけないのだ。息子よ、どうか私にだけは似ないでくれ。幸い、今のところその兆候はない。今日も息子夫婦はプレゼントを持って来てくれるだろう。