ハリソン(Harrison)という町に引っ越してきてから、1年9ヶ月が経ちました。
ニューヨーク州にもハリソンという町があって紛らわしい。住所を聞かれたら“Harrison, New Jersey”と答えます。
人口1万5千人ほどの小さな町ですが、ニューヨークにPATHトレインで20分で行ける便利さもあり、ここ数年アパートの建築ラッシュ。
町の風景は、私たちが暮らすこの2年足らずの間にも、どんどん変わっていっています。
今秋に新しくなったPATHトレインの駅。
それまではまるで、昭和の遺物のような古い駅舎。
エレベーターもエスカレーターもなく、ベビーカーを押すお母さんは四苦八苦していました。
駅前に並び立つアパート群。
あっちこっちで工事中!空き地が、どんどんアパートに変わっていきます。
絶対値上がりするから不動産は買いだよ!
先日乗せていただいたUberの運転手はハリソン生まれ、いまが家を買うチャンスと力説されていました。
駅前にはファストフード店などが並んでいます。
いまひとつ人口増の恩恵を受けていない店が多い中で、安定した人気を保っているのが、ダンキン・ドーナツ。
ダンキンって日本からは撤退したのですよね。ドーナツもドリンクも安いのは嬉しいけど、ドーナツの味は平凡です。
ハリソンにスタバが出来たら嬉しいかも。
今年初めにオープンしたピザ・レストラン。
本格的なバーもあって、近くのスタジアムでサッカーの試合があるときは、スポーツファンでごった返します。
高級アパートの一階に新しくオープンした地元コーヒー屋さんの直営カフェ、Coperaco。
自分の部屋みたいにくつろげる雰囲気で、クロワッサンなどの軽食も美味しい。
こちらも今年オープンしたベーグルショップ。
「ハリソンにはベーグル屋がない。ならば自分で作っちゃえ!」と4人の若者が起業。
当初はがらがらだった店内も、今では地元のファンを増やし、なかなかの盛況です。
季節限定ベーグルやドリンクにも力を入れています。
ハリソンから、この橋を渡って西に向かうと、ニューアーク。ニュージャージー州最大の都市です。
20年前には「全米で最も危険な都市」と言われていましたが、Prudentialなど企業進出や再開発のおかげで改善されてきています。
その証拠に2年前、ニューアークの中心部にWhole Foodsが進出。
こういうグルメ・スーパーがあるなら治安は大丈夫かな、という目安になります。
ハリソンは、住みやすい町なのか。
必要なものはだいたいそろっています。
ジャージーシティやニューアークなど近隣の町ほど、家賃は高くない(それでも新築アパートは月々25~35万円と、かなり強気の値段)。
かつては工業地帯で、現在は人も車も増え、空気は悪いです(週末は、静かで空気の澄んだ郊外にドライブしたくなります)。
もともと中南米出身の人が多いのでしょう、地元商店街やスーパーでは英語よりスペイン語のほうが多く聞かれる(英語環境ではありません)。
私たちの住むアパートはインド、中国など多国籍ですが、日本人の姿はありません、おそらく。
アパートの契約更新を控え、ここに住み続けるかどうか確かな結論は出ていません。
確かなのは、数年後のハリソンはきっと、お洒落なアパートが立ち並ぶ風景に変わっているだろうということ。
アメリカに来てから、6つめのホーム。こんな小さな町を偶然見つけ、いま住んでいることに、人生の不思議な縁を感じてもいます。