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立春が過ぎ寒い日が続きます。
時に、明るい日差しに心がウキウキします。寒いのに春めいた光は、目が見逃しません。北の高緯度地域のロシアでは、薄暗い陰鬱な冬から日脚が伸びて明るくなる時期を、光の春と呼ぶようになりました。
日本でも、雲が厚い冬の空模様から明るい太陽が垣間見えた際には、春の訪れを目に感じます。
音の春は、雪崩の音、雪が溶けて屋根から落ちる音、鳥のさえずりなどが聴こえると、春を感じます。
気温が暖かくなればコートを脱ぎ気持ちは春。
2月はまだまだ寒の戻りを繰り返し、何度も裏切られながらの春待ちです。春一番が吹き、季節は風気になりました。
厄介な、花粉症の季節が重なります。光の春と、音の春を五感で感じながら、花咲く暖かい春が健やかでありますように。
クリスマス、忘年会、お正月。食べることが続きました。
1月7日は弱った胃腸を休めるための七草粥。
皆さんのおうちの冷蔵庫は、見晴らしが良いですか?野菜室はどうですか?
隙間なく詰まっているとしたら、大晦日、新年と重たい胃腸が持ち越しです。開けた途端に満腹感に襲われることでしょう。
冷蔵庫は、家族の胃袋とも言えます。胃がもたれている人は、冷蔵庫の整理と、何日かはスーパーや百貨店に行かない勇気を持ってみてはいかがでしょう。
私はあるもの全て使い切るエコ生活をしています。
家族分の冷蔵庫管理と、胃袋管理は、一年中大変です。
鳥類は、温度が低い空を飛ぶことができます。とりの平均体温は、40−42度と高め。
人は、鳥を食べることにより身体が温まります。
鴨ネギ、とりの水炊き。とりの唐揚げなどが簡単に料理できそうですね。鶏ガラをコトコト煮出してそのスープを使うのも良い方法です。合わせてねぎ、生姜、ニンニクなど身体を温める香味野菜との組み合わせは料理の味を引き立たせます。
今年も、後十時間足らず、暖冬とはいえ、朝夕は冷え込みます。年越しそばに、ねぎたっぷりの鴨南蛮を添えて、一年の冷えを撃退してみましょうか。
年末年始はゆっくりお休みになって、一年の疲れを癒やし、良いお年をお迎えください。
12月23日は冬至。この日から雨水まで(冬至、小寒、大寒、立春、雨水)を寒気(季)と言います。
地球が太陽から一番遠くなり、北欧では極夜となるところがあります。
今年は、冬至前後に一気に寒くなりました。
冷え切った身体を温めるには夜のお風呂が欠かせません。私は、春に摘んで乾燥させたよもぎを多めに掴み、ネットに入れ湯船でもみ出します。薄い茶色に色づいたお湯の匂いを嗅ぎながらのバスタイム。体の芯から温まります。よもぎ湯は、冷え性、アトピー性のかゆみ、美肌などに効果があると言われています。
昼間は、鍼灸院に来る患者さんにお灸をして、もぐさ(柔らかいよもぎの葉を集めて作ります)の燃える香をかぎ、夜によもぎ風呂に入れば、ギリシャ神話の女神、アルテミスの分身になった気がします。よもぎの学名は、「アルテミシア」といい、ギリシア神話に登場する、月と豊穣、女性の健康をつかさどる女神「アルテミス」に由来しています。
春 山笑う
夏 山滴る(したたる)
秋 山装う(よそおう)
冬 山眠る
11世紀の中国の画家 郭熙の山水訓に四季の山はこう描くべきだと書かれています。紅葉が全て散り枯れ野の山々。山眠る。画家の感性に共感します。
一方、山(腎陰 水)は降った雨を蓄水し、山の木々(肝 木)を育て、山からの湧き水が川(心 火)に流れ、肥沃な土が畑(脾 土)になり、水は海(腎陽)に流れて行きます。
海水は蒸発し、空に雲(肺 金)が生まれ雨を降らせます。この循環する自然現象を東洋医学では、五行の木火土金水に置き換えて表しました。
画家の感性は私たちの視界を楽しませ、五行は自然の摂理に限りなく近づこうとしました。
山眠る季節、枯れ野の下には栄養豊かな落ち葉。春に芽が出るよう栄養の絨毯となり、種を地中で守っています。
夏バテが終わり本来の食欲が戻ってきました。体の中では、空腸からの水の吸い上げは少なめになり、回腸から肝臓へ栄養が吸収されます。馬肥ゆる秋本番です。
それをエスカレートすると食欲が止まりません。熊は木の実などをしっかり食べて冬眠に入ります。人は冬眠せずにクリスマス、忘年会、正月と食べ続けて調子を崩してしまいますのでご注意ください。
乾燥する肺の季節には、肺や肌を潤す白い食材を多く摂ります。空咳、喘息、カサカサの皮膚トラブルなどに。
白菜、山芋、大根、百合根、銀杏、りんご、いちじく、みかん、くり、レンコンなど。
燥気に多用する穴
公孫(胃腸を整えて消化酵素を出す)
太渓(陰気を整え潤いをもたせる)
衝陽(後半の下半身に症状が出る時など)
燥気は、二十四節気の霜降、立冬、小雪、大雪、冬至までの二ヶ月間余りをいいます。
大地は乾燥し、山は紅葉、木々は葉っぱの絨毯、草木で例えれば、実を熟し栄養を濃縮させる時期です。その種は温度が安定している土の中で冬を越し、雪解け水で発芽する春を待ちます。
前半(10月24日頃から)は、外界の温度がまだ高く乾燥するので燥熱、後半(11月22日頃から)は、温度が下がって乾燥して寒くなるので燥寒と呼ばれます。
燥熱は、人の上半身に不調が出ます。喉の痛み、目の乾燥、皮膚の乾燥など。
燥寒は、人の下半身に不調が出ます。腰痛、膀胱炎、下腹痛、膝痛など。
養生 辛味を避けて身体に熱をもたせない。(にら、ねぎ、生姜、唐辛子の取りすぎはいけません)
酸味を多く摂り冷えを貯めないようにする。(りんご、ブドウ、梨、白キクラゲ)
汗をかき過ぎると体の潤いが無くなり皮膚が乾燥します。アトピーの人はよりカサカサになります。
乾燥にはたっぷりの保湿クリームを塗りましょう。もっと潤いを求めるなら、しっかり睡眠をとりましょう。
六気(季)は、一年(二十四節気)を六つの季節に分けたものです。
二十四節気を六つに分け、天の影響(風、火、暑、湿、燥,寒)を受ける地上の様相と特徴を六つの季節として表します。
春は東から風が吹きます。風気
夏が近づくと、南から暖かい空気が流れ込み、間に梅雨が挟まり雨が降り続きます。火の季節から暑の季節は南からの湿った風や、太平洋高気圧の影響で猛暑日が連発しました。火気、暑気
本格的な秋が来る前に、長夏(オマケの夏)がきて夏ばてがやってきます。湿気
秋は、西の方から乾燥した空気とともにやってきます。燥気
冬は北からシベリヤ寒気団を伴って寒さをもたらします。寒気
鍼灸治療が上手になるようにと始めた太極拳。
今年14年目。
やっと、4段一次試に合格しました。
来春、最難関の二次試験に合格して初めて4段昇段となります。
動作を始める前には、必ず呼吸を整えて、気を丹田から足の裏に落とします。足裏から上がる勁力は、下は、下肢からもう一方の下肢に伝えることができます。また、足裏から腰に続く背中に上り、肩腕肘手指に到達します。背中からは、上に、行くものは、首から頭上を貫きます。
手指足先に至った勁力は、もと来たルートで背中、腰丹田に集まり、体軸を作りながら上下左右に詰まらせることなく身体中を巡ります。
鍼灸師である私は、人の身体に十二経絡と身体を斜めにつなげる奇経八脈が流れているのを知っています。
勁力は、自分の意志でもってそれらのものを意識的に動かせるものと理解しました。
自然に備わった身体の流れを、動きによって発勁しパワーに変えることができる。驚くべきことでした。
太極拳は、武術でありながら、ゆっくり動くので年齢に関係なく行うことができます。
初めは、套路(とうろ)を覚えるのが精一杯でした。それが、自分の経絡を意識を持って動くのがわかるようになりそれを自由に動かすことができる。面白くハマりました。
体調が良い時には、身体中が動くのが感じられます。そうでない時には、気を丹田に下ろすどころか、足裏にも感じることができません。
自分の、普段の体調管理が大切だとつくづく感じました。