AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -238ページ目

#2

「ぼくらは夢見てーるかー?未来を信じーていーるかー?」

ヘッドフォンから流れる音楽を口ずさみながら、ピンクのフードをかぶった少女が繁華街を歩いている。

「さーて、マックでも行きますかー」

ネズミが、大通りに出ると、なにやら人だかりが出来ていた。ケンカのようだ。

まわりには、ケンカを煽っているものもいる。野次馬は、いい気なものだ。

「どれどれ」

野次馬の間を、スルスルと通り抜け、皆の関心の中心を見ると

「おやおや」

ネズミの瞳に、ジュリナと3人の特攻服が飛び込んできた。
どちらも、ケンカ慣れしていて、致命傷は与えられていなかった。ジュリナは3人相手でも、身軽さを発揮し、奮戦していた。

と、そこへ、けたたましい警笛とともに、ようやく警官が数人走ってきた。

「ちっ、おぼえてろよ」
陳腐な捨て台詞を吐き、3人は、路地へと逃げこんでいった。

ジュリナも、ひらりと、身を翻し、人混みに消えた。


「あの特攻服は、たしか…、アンダーガールズ」

最狂最悪と謳われたレディースの名を、ネズミはつぶやいた。

#2

学園を飛び出したジュリナは、やみくもに走りつづけた。行くあてもなく。

気がつけば、繁華街に来ていた。

(なんで、こんなにイライラするんだろう)

ジュリナは、こんな気持ちになったのは初めてだった。

(くそっ!あいつのせいだ)

サドの言葉を思い返していた。

(オレは、いったいどうすれば……)

そのとき、不意に右の肩に衝撃があった。

ぶつかってきたのは、
特攻服を着た気合いのはいったレディースたち。目の前に3人、壁のように立ちふさがっていた。

「なんだよ」

ジュリナは、面倒くさそうに、言いすてた。

「ガキがいきがるなよ!その制服はマジ女か」

「だったら、なんなんだよ!」

ジュリナが、紫の特攻服へ食ってかかるように言った。まるで狂犬のように。

「やれ」

3人の真ん中のリーダー的な女が、言うやいなや、左右の二人が殴りかかってきた。

ジュリナは二人の攻撃を、両腕でブロックする。その刹那、腹部に衝撃を受けた。

「ぐはっ」

リーダー格の女の前蹴りをモロにくらってしまったジュリナ。
思わず、片膝をつく。

(ちっ、こいつら、かなりケンカ慣れしてやがる)

#2

その日、めずらしく学ランは、学園に姿を見せなかった。前田やだるまが連絡を試みるも、何の音沙汰もなかった。

「気になりますねえ、敦ねえ」

前田とだるまが、下校している。

「昨日から、敦ねえ、サド、チームホルモン、学ランまで……」
苦々しく、だるまがつぶやく。

「まだ、わかりませんよ。学ランは」

希望的観測かもしれないということは、前田にもわかっていた。

とりあえず、連絡がつかないのはおかしいということで、二人は、学ランの家に向かうことにした。


学ランの父は、一流企業の重役に就いているということもあり、高級マンションの一室に、学ランは父と母と住んでいた。
初めて、訪れた二人は、そのたたずまいに驚く。

セキュリティーは万全で、入り口はオートロックなので、前田は、インターフォンを押してみた。
ほどなく、学ランの母と思われる人物が、応答した。

「はじめまして。さえさんの同級生の前田と言います」

「そうですかー。あの子、きのうから、帰ってないんですよー。まあ、よくあることですので」

ほほほ、と上品そうに笑う母。

「わかりました。ありがとうございます」

前田は、帰ろうとする。
だるまは、インターフォンに食い下がる。

「あんた、母親なら心配やないんですかい!連絡とれへんのですよ!」

前田は、だるまをインターフォンから、ひきはがす。だるまがよろけた。

「何かある」

前田は、眼鏡の端を、指でついと持ち上げた。



高級マンションの一室で、学ランの母は、深いためいきをついて言った。
「これでいいのよ、さえ」

部屋の隅には、学ランの姿があった。