#2
その日、めずらしく学ランは、学園に姿を見せなかった。前田やだるまが連絡を試みるも、何の音沙汰もなかった。
「気になりますねえ、敦ねえ」
前田とだるまが、下校している。
「昨日から、敦ねえ、サド、チームホルモン、学ランまで……」
苦々しく、だるまがつぶやく。
「まだ、わかりませんよ。学ランは」
希望的観測かもしれないということは、前田にもわかっていた。
とりあえず、連絡がつかないのはおかしいということで、二人は、学ランの家に向かうことにした。
学ランの父は、一流企業の重役に就いているということもあり、高級マンションの一室に、学ランは父と母と住んでいた。
初めて、訪れた二人は、そのたたずまいに驚く。
セキュリティーは万全で、入り口はオートロックなので、前田は、インターフォンを押してみた。
ほどなく、学ランの母と思われる人物が、応答した。
「はじめまして。さえさんの同級生の前田と言います」
「そうですかー。あの子、きのうから、帰ってないんですよー。まあ、よくあることですので」
ほほほ、と上品そうに笑う母。
「わかりました。ありがとうございます」
前田は、帰ろうとする。
だるまは、インターフォンに食い下がる。
「あんた、母親なら心配やないんですかい!連絡とれへんのですよ!」
前田は、だるまをインターフォンから、ひきはがす。だるまがよろけた。
「何かある」
前田は、眼鏡の端を、指でついと持ち上げた。
高級マンションの一室で、学ランの母は、深いためいきをついて言った。
「これでいいのよ、さえ」
部屋の隅には、学ランの姿があった。
「気になりますねえ、敦ねえ」
前田とだるまが、下校している。
「昨日から、敦ねえ、サド、チームホルモン、学ランまで……」
苦々しく、だるまがつぶやく。
「まだ、わかりませんよ。学ランは」
希望的観測かもしれないということは、前田にもわかっていた。
とりあえず、連絡がつかないのはおかしいということで、二人は、学ランの家に向かうことにした。
学ランの父は、一流企業の重役に就いているということもあり、高級マンションの一室に、学ランは父と母と住んでいた。
初めて、訪れた二人は、そのたたずまいに驚く。
セキュリティーは万全で、入り口はオートロックなので、前田は、インターフォンを押してみた。
ほどなく、学ランの母と思われる人物が、応答した。
「はじめまして。さえさんの同級生の前田と言います」
「そうですかー。あの子、きのうから、帰ってないんですよー。まあ、よくあることですので」
ほほほ、と上品そうに笑う母。
「わかりました。ありがとうございます」
前田は、帰ろうとする。
だるまは、インターフォンに食い下がる。
「あんた、母親なら心配やないんですかい!連絡とれへんのですよ!」
前田は、だるまをインターフォンから、ひきはがす。だるまがよろけた。
「何かある」
前田は、眼鏡の端を、指でついと持ち上げた。
高級マンションの一室で、学ランの母は、深いためいきをついて言った。
「これでいいのよ、さえ」
部屋の隅には、学ランの姿があった。