#2
2年B組の教室では、ネズミがジュリナに昨日の報告をしているところだった。
「やっぱり、サドが狙われたっすよ。そいつがまた、動きを見切るいい目をしてましてねー。結局は、サドのあびせ回し蹴りで倒されましたが、紙一重だったと思うんすよ」
「ふーん」
ジュリナがつまらなそうに、机に頬杖をついて聞いていた。
「矢場久根新総長の下に、死天王が4人。全員が、新総長と一緒に、転校してきたらしいっす。ホワイトは負けちまったんで、おそらく、もう前の高校に戻されてると思うんす。負け犬には容赦ない総長らしくて、本人や側近は負け知らずらしいっす」
「おもしれー」
ジュリナの瞳が妖しく光る。
「現在、マジ女は、最強軍団だったラッパッパ部長大島優子の名代で、前田がマジ女のてっぺんってことになってるっす。でも、ラッパッパ部長になるわけでも、前田軍団を結成するわけでもないみたいっす。ラッパッパは、サドさんたちが卒業したとはいえ、まだまだ、マジ女最強軍団を名乗り、金眉会や寒風愚連隊、その他のグループも手が出せないみたいっす」
「はははははは」
ジュリナが教室中にひびく大声で笑った。
「どうしたんっすか?」
「そろそろ、階段、のぼらせてもらおうか」
ジュリナが、すっくと立ち上がった。
「やっぱり、サドが狙われたっすよ。そいつがまた、動きを見切るいい目をしてましてねー。結局は、サドのあびせ回し蹴りで倒されましたが、紙一重だったと思うんすよ」
「ふーん」
ジュリナがつまらなそうに、机に頬杖をついて聞いていた。
「矢場久根新総長の下に、死天王が4人。全員が、新総長と一緒に、転校してきたらしいっす。ホワイトは負けちまったんで、おそらく、もう前の高校に戻されてると思うんす。負け犬には容赦ない総長らしくて、本人や側近は負け知らずらしいっす」
「おもしれー」
ジュリナの瞳が妖しく光る。
「現在、マジ女は、最強軍団だったラッパッパ部長大島優子の名代で、前田がマジ女のてっぺんってことになってるっす。でも、ラッパッパ部長になるわけでも、前田軍団を結成するわけでもないみたいっす。ラッパッパは、サドさんたちが卒業したとはいえ、まだまだ、マジ女最強軍団を名乗り、金眉会や寒風愚連隊、その他のグループも手が出せないみたいっす」
「はははははは」
ジュリナが教室中にひびく大声で笑った。
「どうしたんっすか?」
「そろそろ、階段、のぼらせてもらおうか」
ジュリナが、すっくと立ち上がった。
#2
うららかな春の日差しを、感じながら、登校している前田とだるま。
「敦ねえ、からだのほうは大丈夫ですかい?」
「わたしのほうは、大丈夫ですよ。サドさんのほうが重傷でした」
「サドをそこまで痛めつけた、えーっと、あのーなんでしたっけ?」
「矢場久根死天王です」
「そうそう、それですわ。あと3人も、おるんでしょう。そのうえには総長が。おそろしいですわー」
「はい」
険しい表情でうなずく前田。
教室の扉を開けたとき、目の前に、見知らぬ制服を着た少女が立っていた。
「おはようございます」
「お、おはよう」
反射的に前田は、挨拶した。
見知らぬ少女は、前田とだるまの間をすり抜け、教室を出て行った。
「何者や?」
だるまが後ろ姿を見送る。
前田が、教室の後方に意識を向け、はっと目をみはった。
「うぅ」
「ぐぁぁ」
チームホルモンが全員、教室の床にはいつくばり、うめいていた。
前田とだるまが素早く駆け寄る。
「どうしたんやー?」
「さっきの……やつだ」
すぐに二人は、先ほどの見知らぬ少女だと思い当たった。
「どうして、こんな」
前田が悲しそうに、つぶやいた。
「わからねー。いきなり…一瞬の出来事だった」
それだけ言うと、ヲタは意識を失った。
校門前には、生徒会長の峯岸みなみが立っている。
そこへ、先ほどの少女が通りかかる。
「なんだ?転校生か」
「転校生でーす。でも、この学校じゃありませんけど」
いたずらっぽく笑う。
「なにしに来たんだ?」
「あいさつですよー」
それでは、と言って、転校生は、校門を出ていった。
「敦ねえ、からだのほうは大丈夫ですかい?」
「わたしのほうは、大丈夫ですよ。サドさんのほうが重傷でした」
「サドをそこまで痛めつけた、えーっと、あのーなんでしたっけ?」
「矢場久根死天王です」
「そうそう、それですわ。あと3人も、おるんでしょう。そのうえには総長が。おそろしいですわー」
「はい」
険しい表情でうなずく前田。
教室の扉を開けたとき、目の前に、見知らぬ制服を着た少女が立っていた。
「おはようございます」
「お、おはよう」
反射的に前田は、挨拶した。
見知らぬ少女は、前田とだるまの間をすり抜け、教室を出て行った。
「何者や?」
だるまが後ろ姿を見送る。
前田が、教室の後方に意識を向け、はっと目をみはった。
「うぅ」
「ぐぁぁ」
チームホルモンが全員、教室の床にはいつくばり、うめいていた。
前田とだるまが素早く駆け寄る。
「どうしたんやー?」
「さっきの……やつだ」
すぐに二人は、先ほどの見知らぬ少女だと思い当たった。
「どうして、こんな」
前田が悲しそうに、つぶやいた。
「わからねー。いきなり…一瞬の出来事だった」
それだけ言うと、ヲタは意識を失った。
校門前には、生徒会長の峯岸みなみが立っている。
そこへ、先ほどの少女が通りかかる。
「なんだ?転校生か」
「転校生でーす。でも、この学校じゃありませんけど」
いたずらっぽく笑う。
「なにしに来たんだ?」
「あいさつですよー」
それでは、と言って、転校生は、校門を出ていった。
#1
翌日の教室ー
例のごとく、チームホルモンの面々は、教室の後ろでホルモン焼きを楽しんでいる。
「それでよー、前田が矢場久根20人ぶったおしてよー」
ヲタが、まるで自分の手柄のように、昨日の話をしている。
「サドが死天王だかを倒したんだよなーさすがだぜ」
アキチャが続けた。
「けっこう強かったらしいぜ。新総長の下には、死天王が4人。全員一年坊だって話だ」
バンジーも見てきたかのように話す。
「おれたちも気をつけねーとな。ん?どうした?ムクチ」
「……」
ウナギは、箸が止まったムクチを見て言った。
「ん?あれ?」
七輪の上のホルモンがすべてなくなっているのにヲタも気づいた。
チームホルモンの顔を見渡す。
わたしじゃないと、アキチャが首を振る。
バンジーもウナギもムクチも同様に首を振った。
ヲタが後ろを振り返ると見知らぬ少女が立っていた。
「誰だ!」
全員がその人物に視線を飛ばした。
マジ女の制服とは違う茶色のブレザーを身にまとい、愛くるしい笑顔で皆の視線を受け止めた。
「転校生でーっす」
肩まで伸びた黒髪を揺らし、両手を振って言った。
#1 『新学期。そして、世代交代はじまる』 終
例のごとく、チームホルモンの面々は、教室の後ろでホルモン焼きを楽しんでいる。
「それでよー、前田が矢場久根20人ぶったおしてよー」
ヲタが、まるで自分の手柄のように、昨日の話をしている。
「サドが死天王だかを倒したんだよなーさすがだぜ」
アキチャが続けた。
「けっこう強かったらしいぜ。新総長の下には、死天王が4人。全員一年坊だって話だ」
バンジーも見てきたかのように話す。
「おれたちも気をつけねーとな。ん?どうした?ムクチ」
「……」
ウナギは、箸が止まったムクチを見て言った。
「ん?あれ?」
七輪の上のホルモンがすべてなくなっているのにヲタも気づいた。
チームホルモンの顔を見渡す。
わたしじゃないと、アキチャが首を振る。
バンジーもウナギもムクチも同様に首を振った。
ヲタが後ろを振り返ると見知らぬ少女が立っていた。
「誰だ!」
全員がその人物に視線を飛ばした。
マジ女の制服とは違う茶色のブレザーを身にまとい、愛くるしい笑顔で皆の視線を受け止めた。
「転校生でーっす」
肩まで伸びた黒髪を揺らし、両手を振って言った。
#1 『新学期。そして、世代交代はじまる』 終