#2
うららかな春の日差しを、感じながら、登校している前田とだるま。
「敦ねえ、からだのほうは大丈夫ですかい?」
「わたしのほうは、大丈夫ですよ。サドさんのほうが重傷でした」
「サドをそこまで痛めつけた、えーっと、あのーなんでしたっけ?」
「矢場久根死天王です」
「そうそう、それですわ。あと3人も、おるんでしょう。そのうえには総長が。おそろしいですわー」
「はい」
険しい表情でうなずく前田。
教室の扉を開けたとき、目の前に、見知らぬ制服を着た少女が立っていた。
「おはようございます」
「お、おはよう」
反射的に前田は、挨拶した。
見知らぬ少女は、前田とだるまの間をすり抜け、教室を出て行った。
「何者や?」
だるまが後ろ姿を見送る。
前田が、教室の後方に意識を向け、はっと目をみはった。
「うぅ」
「ぐぁぁ」
チームホルモンが全員、教室の床にはいつくばり、うめいていた。
前田とだるまが素早く駆け寄る。
「どうしたんやー?」
「さっきの……やつだ」
すぐに二人は、先ほどの見知らぬ少女だと思い当たった。
「どうして、こんな」
前田が悲しそうに、つぶやいた。
「わからねー。いきなり…一瞬の出来事だった」
それだけ言うと、ヲタは意識を失った。
校門前には、生徒会長の峯岸みなみが立っている。
そこへ、先ほどの少女が通りかかる。
「なんだ?転校生か」
「転校生でーす。でも、この学校じゃありませんけど」
いたずらっぽく笑う。
「なにしに来たんだ?」
「あいさつですよー」
それでは、と言って、転校生は、校門を出ていった。
「敦ねえ、からだのほうは大丈夫ですかい?」
「わたしのほうは、大丈夫ですよ。サドさんのほうが重傷でした」
「サドをそこまで痛めつけた、えーっと、あのーなんでしたっけ?」
「矢場久根死天王です」
「そうそう、それですわ。あと3人も、おるんでしょう。そのうえには総長が。おそろしいですわー」
「はい」
険しい表情でうなずく前田。
教室の扉を開けたとき、目の前に、見知らぬ制服を着た少女が立っていた。
「おはようございます」
「お、おはよう」
反射的に前田は、挨拶した。
見知らぬ少女は、前田とだるまの間をすり抜け、教室を出て行った。
「何者や?」
だるまが後ろ姿を見送る。
前田が、教室の後方に意識を向け、はっと目をみはった。
「うぅ」
「ぐぁぁ」
チームホルモンが全員、教室の床にはいつくばり、うめいていた。
前田とだるまが素早く駆け寄る。
「どうしたんやー?」
「さっきの……やつだ」
すぐに二人は、先ほどの見知らぬ少女だと思い当たった。
「どうして、こんな」
前田が悲しそうに、つぶやいた。
「わからねー。いきなり…一瞬の出来事だった」
それだけ言うと、ヲタは意識を失った。
校門前には、生徒会長の峯岸みなみが立っている。
そこへ、先ほどの少女が通りかかる。
「なんだ?転校生か」
「転校生でーす。でも、この学校じゃありませんけど」
いたずらっぽく笑う。
「なにしに来たんだ?」
「あいさつですよー」
それでは、と言って、転校生は、校門を出ていった。
#1
翌日の教室ー
例のごとく、チームホルモンの面々は、教室の後ろでホルモン焼きを楽しんでいる。
「それでよー、前田が矢場久根20人ぶったおしてよー」
ヲタが、まるで自分の手柄のように、昨日の話をしている。
「サドが死天王だかを倒したんだよなーさすがだぜ」
アキチャが続けた。
「けっこう強かったらしいぜ。新総長の下には、死天王が4人。全員一年坊だって話だ」
バンジーも見てきたかのように話す。
「おれたちも気をつけねーとな。ん?どうした?ムクチ」
「……」
ウナギは、箸が止まったムクチを見て言った。
「ん?あれ?」
七輪の上のホルモンがすべてなくなっているのにヲタも気づいた。
チームホルモンの顔を見渡す。
わたしじゃないと、アキチャが首を振る。
バンジーもウナギもムクチも同様に首を振った。
ヲタが後ろを振り返ると見知らぬ少女が立っていた。
「誰だ!」
全員がその人物に視線を飛ばした。
マジ女の制服とは違う茶色のブレザーを身にまとい、愛くるしい笑顔で皆の視線を受け止めた。
「転校生でーっす」
肩まで伸びた黒髪を揺らし、両手を振って言った。
#1 『新学期。そして、世代交代はじまる』 終
例のごとく、チームホルモンの面々は、教室の後ろでホルモン焼きを楽しんでいる。
「それでよー、前田が矢場久根20人ぶったおしてよー」
ヲタが、まるで自分の手柄のように、昨日の話をしている。
「サドが死天王だかを倒したんだよなーさすがだぜ」
アキチャが続けた。
「けっこう強かったらしいぜ。新総長の下には、死天王が4人。全員一年坊だって話だ」
バンジーも見てきたかのように話す。
「おれたちも気をつけねーとな。ん?どうした?ムクチ」
「……」
ウナギは、箸が止まったムクチを見て言った。
「ん?あれ?」
七輪の上のホルモンがすべてなくなっているのにヲタも気づいた。
チームホルモンの顔を見渡す。
わたしじゃないと、アキチャが首を振る。
バンジーもウナギもムクチも同様に首を振った。
ヲタが後ろを振り返ると見知らぬ少女が立っていた。
「誰だ!」
全員がその人物に視線を飛ばした。
マジ女の制服とは違う茶色のブレザーを身にまとい、愛くるしい笑顔で皆の視線を受け止めた。
「転校生でーっす」
肩まで伸びた黒髪を揺らし、両手を振って言った。
#1 『新学期。そして、世代交代はじまる』 終
#1
サドと死天王ホワイトとの死闘は続いていた。
まったくと言っていいほど、サドの拳はホワイトには届かなかった。
サドの動きは、完全に見切られ、拳は宙を切るばかりだった。
逆に、サドのほうは、全身ボロボロの状態で、立っているのも不思議なくらいであった。
ホワイトの動態視力は、常人の数倍するどかった。
「しぶといねー。お前の動きは読めてるんだよ。そろそろ、トドメか」
ホワイトが、一歩近づいたとき、
「サドさん!」
そこへ、前田があらわれた。
「ちっ、やつら、あれだけ頭数がいて、やられちまったのか。つかえない先輩たちだ」
ホワイトは、まだ、幼さが残る面立ちの入学したばかりの一年生だった。
「サドさん!大丈夫ですか?」
「ああ、わたしの獲物だ。手だすんじゃねーぞ」
サドは、フラフラの状態で、息をするのもつらそうだが、眼差しだけは鋭く光っていた。
「ははははは、強がりを。いい加減にくたばりな。おばさん」
「うおおおおお」
サドの渾身の右ストレートが、ホワイトの顔めがけて放たれた。
しかし、いままで同様に紙一重でかわされてしまった。
その刹那、サドの上体が地面につくスレスレで、前方に回転しつつ、左足がホワイトの顔面に炸裂した。電光石火のあびせ蹴りだ。
「ぐは!」
全体重の乗った蹴りは、まさに一撃必殺だった。
ホワイトは、そのまま倒れ込み、起き上がってはこなかった。
「だれが、オバサンだ?一年坊」
サドが、冷たい瞳で言い放った。
まったくと言っていいほど、サドの拳はホワイトには届かなかった。
サドの動きは、完全に見切られ、拳は宙を切るばかりだった。
逆に、サドのほうは、全身ボロボロの状態で、立っているのも不思議なくらいであった。
ホワイトの動態視力は、常人の数倍するどかった。
「しぶといねー。お前の動きは読めてるんだよ。そろそろ、トドメか」
ホワイトが、一歩近づいたとき、
「サドさん!」
そこへ、前田があらわれた。
「ちっ、やつら、あれだけ頭数がいて、やられちまったのか。つかえない先輩たちだ」
ホワイトは、まだ、幼さが残る面立ちの入学したばかりの一年生だった。
「サドさん!大丈夫ですか?」
「ああ、わたしの獲物だ。手だすんじゃねーぞ」
サドは、フラフラの状態で、息をするのもつらそうだが、眼差しだけは鋭く光っていた。
「ははははは、強がりを。いい加減にくたばりな。おばさん」
「うおおおおお」
サドの渾身の右ストレートが、ホワイトの顔めがけて放たれた。
しかし、いままで同様に紙一重でかわされてしまった。
その刹那、サドの上体が地面につくスレスレで、前方に回転しつつ、左足がホワイトの顔面に炸裂した。電光石火のあびせ蹴りだ。
「ぐは!」
全体重の乗った蹴りは、まさに一撃必殺だった。
ホワイトは、そのまま倒れ込み、起き上がってはこなかった。
「だれが、オバサンだ?一年坊」
サドが、冷たい瞳で言い放った。