マジすか学園3☆#6ー6☆
チームホルモンにとって、ホルモンを焼くということは毎日の日課であり、食事であり、喧嘩の前の儀式でもあった。しかし、部室は狭かった。
「てか、お前たち、まだ、こんなとこにいたのかよ!早く、病院戻れって言ったろ!あとは、おれたちに任せな…ラッパッパは、潰させねーよ!」
ヲタが、倒れ込んでいる昭和たち四人を気遣う。
「なぜ…、そこにいる?」
ネズミが顔をしかめる。
「おれたちゃ、今日から、ラッパッパだ!だから、部員以外、ここの“階段”のぼらせるわけにはいかねぇ!」
チームホルモンの五人が、胸を張って並び立つ。揃い踏み。
「ほんまに…、アホばっかりやなぁ」
すぐ傍にいるキョウトが、氷のように冷たい視線で、チームホルモンを射抜く。
ノーモーションで繰り出される
キョウトの素早いパンチをかろうじてかわすヲタ。
「くっ…、前田がいなくなったからって、マジ女内で争ってる場合じゃねーだろ!」
「お前たちも行け!」
後ろの仲間に声をかけるネズミ。
階下から迫るネズミの軍団に立ち向かうチームホルモン。
狭い“階段”で、多くの生徒が乱れ、もつれ、転げ落ちる。
いくつもの修羅場をくぐり抜けてきたチームホルモンはやはり強かった。
それを階下で、口惜しそうに見つめるネズミ。
一歩踏み出そうとしたとき
「やめなさーい!」
ネズミの背後から、鶴の一声が響いた。
野島百合子校長だった。
「シャーラップ!
何か聞こえませんか?」
全員が動きを止め、耳をすます。
「こら!早よ、出てこいや!」「出てこんかったら、校舎に火ぃ、つけるで!」「かかってこんかい!」
校庭の方が、何やら騒がしい。関西弁の罵声や怒声。相当の数。
「ディーヴァだ…」「カチコミか!?」「どうする?」「ネズミさん!」「やばいっすよ!」
ざわつくネズミ軍団。
少し考えた後、
ネズミは無表情で
「行け!ディーヴァをぶっ潰せ!」
と、軍団のメンバーに指示を出す。その指示に従い、階段を駆け下りていくメンバーたち。
チームホルモンも、負けじと駆け出した。ネズミと校長を横目にー。
「今回のやり方…、あまり感心しませんねぇ…」
校長がネズミの背中に声をかける。ラッパッパ初代部長の貫禄。
「バイザウェイ、あなたは、行かないのですか…ホワイ?」
「あっしは…、喧嘩が嫌いですから…」
(勝つ“戦”しか…しないのさ…)
考えの読めない、暗く深い底無しの瞳。
校庭ー
マジ女の生徒たちの眼前には、ディーヴァ十二将、渡辺ミユキ率いるディーヴァの精鋭メンバーが、ずらりと並んでいた。後ろのほうが見えない。ゆうに300人は越えている。対するマジ女は、その半分にも満たない。
チームホルモンがあらわれたところで、
ミユキが滔々と話し始める。
「昨日は、負け犬どもやケーサツが邪魔に入って、お前ら、助かったなぁ。今日は、一気に決めたるわ!今日がー
マジ女、絶滅の日や!」
うおお!という地鳴りとともに、巨大な蛇と化したディーヴァが動き出した。
「やれるもんならやってみろ!」
迎えうつマジ女の生徒たち。
ついに
マジ女の存亡を賭けた、ディーヴァとの大乱闘が、いまー
始まった。
「てか、お前たち、まだ、こんなとこにいたのかよ!早く、病院戻れって言ったろ!あとは、おれたちに任せな…ラッパッパは、潰させねーよ!」
ヲタが、倒れ込んでいる昭和たち四人を気遣う。
「なぜ…、そこにいる?」
ネズミが顔をしかめる。
「おれたちゃ、今日から、ラッパッパだ!だから、部員以外、ここの“階段”のぼらせるわけにはいかねぇ!」
チームホルモンの五人が、胸を張って並び立つ。揃い踏み。
「ほんまに…、アホばっかりやなぁ」
すぐ傍にいるキョウトが、氷のように冷たい視線で、チームホルモンを射抜く。
ノーモーションで繰り出される
キョウトの素早いパンチをかろうじてかわすヲタ。
「くっ…、前田がいなくなったからって、マジ女内で争ってる場合じゃねーだろ!」
「お前たちも行け!」
後ろの仲間に声をかけるネズミ。
階下から迫るネズミの軍団に立ち向かうチームホルモン。
狭い“階段”で、多くの生徒が乱れ、もつれ、転げ落ちる。
いくつもの修羅場をくぐり抜けてきたチームホルモンはやはり強かった。
それを階下で、口惜しそうに見つめるネズミ。
一歩踏み出そうとしたとき
「やめなさーい!」
ネズミの背後から、鶴の一声が響いた。
野島百合子校長だった。
「シャーラップ!
何か聞こえませんか?」
全員が動きを止め、耳をすます。
「こら!早よ、出てこいや!」「出てこんかったら、校舎に火ぃ、つけるで!」「かかってこんかい!」
校庭の方が、何やら騒がしい。関西弁の罵声や怒声。相当の数。
「ディーヴァだ…」「カチコミか!?」「どうする?」「ネズミさん!」「やばいっすよ!」
ざわつくネズミ軍団。
少し考えた後、
ネズミは無表情で
「行け!ディーヴァをぶっ潰せ!」
と、軍団のメンバーに指示を出す。その指示に従い、階段を駆け下りていくメンバーたち。
チームホルモンも、負けじと駆け出した。ネズミと校長を横目にー。
「今回のやり方…、あまり感心しませんねぇ…」
校長がネズミの背中に声をかける。ラッパッパ初代部長の貫禄。
「バイザウェイ、あなたは、行かないのですか…ホワイ?」
「あっしは…、喧嘩が嫌いですから…」
(勝つ“戦”しか…しないのさ…)
考えの読めない、暗く深い底無しの瞳。
校庭ー
マジ女の生徒たちの眼前には、ディーヴァ十二将、渡辺ミユキ率いるディーヴァの精鋭メンバーが、ずらりと並んでいた。後ろのほうが見えない。ゆうに300人は越えている。対するマジ女は、その半分にも満たない。
チームホルモンがあらわれたところで、
ミユキが滔々と話し始める。
「昨日は、負け犬どもやケーサツが邪魔に入って、お前ら、助かったなぁ。今日は、一気に決めたるわ!今日がー
マジ女、絶滅の日や!」
うおお!という地鳴りとともに、巨大な蛇と化したディーヴァが動き出した。
「やれるもんならやってみろ!」
迎えうつマジ女の生徒たち。
ついに
マジ女の存亡を賭けた、ディーヴァとの大乱闘が、いまー
始まった。
マジすか学園3☆#6ー5☆
ネズミ軍団の前ー
“階段”の
踊場に、あらわれる四つの影。
見上げるネズミ。
「おやおや、病院で寝ていればいいものを…、また、どうせ、戻ることになるのに…」
「この階段守るのが…、おれたちの役目…、ぜってー、のぼらせねーよ!」
ラッパッパの
昭和、ライス、アニメ、ジャンボの四人。
昨日の怪我が、まだ治りきっていない。松葉杖だったり、腕を吊っていたり、包帯だらけの身体。喧嘩できる状態ではなかった。医師からは、十分な安静を言い渡されていた。
「うちらがいない間に、泥棒でも来ないかと心配してたら、案の定か…」
「お前らなんかに、“伝統の旗”渡してたまるか!サドさんたちに顔向けできなくなるだろ!」
「ここから先へは行かせねー!おれたち、ラッパッパが受けてたつぜ!」
やる気みなぎる四人。
「主がいなくなっても、いつまでも待ち続ける忠犬のようっスねぇ…、ラッパッパも、もはやお前たちだけ…、伝説のラッパッパの…終焉だ…
潰せ!」
ネズミがGOサインを出す。
キョウトが踊場まで、一足飛びに駆け上がる。
レベルアップしたラッパッパの四人も、怪我には勝てず、キョウトの拳にあえなく沈んでいく。踊場に横たわり呻く四人。
前田さえいれば…と思わずにはいられなかった。
ネズミの深く暗い瞳の奥には、自身が築きあげた帝国が、マジ女を支配する未来があった。その支配者のとなりにいるのは、もちろん…
そのときー
灰白色の煙が、上のほうからもくもくと流れてきた。
「げほ!ごほ!………」
「やっぱり、ごほっ!部室で、七輪は無理があったか」
「ぶはぁ!煙の出ないやつがあるらしいぜ。たしか、テレビショッピングに出てた!」
「それだ!さっそく、注文しようぜ!げほ!」
煙と共に
おなじみの緑のジャージ姿の四人が階段を咳き込みながら、踊場までおりてきた。
「お前たち…、来てたのか?」
(ディーヴァにやられたんじゃなかったのか…)
ネズミが、意外そうにチームホルモンのメンバーたちを見上げる。
最後のひとりも姿をあらわす。
チームホルモンのリーダー。指原リノ。通称ヲタが見下ろす。
「何かうるせーと思ったら…、ドブネズミが繁殖してやがったか」
「そこで、何をしている?」
ごほっ!とひとつ咳き込んだあと、ヲタは言った。
「ホルモン中だよ!」
“階段”の
踊場に、あらわれる四つの影。
見上げるネズミ。
「おやおや、病院で寝ていればいいものを…、また、どうせ、戻ることになるのに…」
「この階段守るのが…、おれたちの役目…、ぜってー、のぼらせねーよ!」
ラッパッパの
昭和、ライス、アニメ、ジャンボの四人。
昨日の怪我が、まだ治りきっていない。松葉杖だったり、腕を吊っていたり、包帯だらけの身体。喧嘩できる状態ではなかった。医師からは、十分な安静を言い渡されていた。
「うちらがいない間に、泥棒でも来ないかと心配してたら、案の定か…」
「お前らなんかに、“伝統の旗”渡してたまるか!サドさんたちに顔向けできなくなるだろ!」
「ここから先へは行かせねー!おれたち、ラッパッパが受けてたつぜ!」
やる気みなぎる四人。
「主がいなくなっても、いつまでも待ち続ける忠犬のようっスねぇ…、ラッパッパも、もはやお前たちだけ…、伝説のラッパッパの…終焉だ…
潰せ!」
ネズミがGOサインを出す。
キョウトが踊場まで、一足飛びに駆け上がる。
レベルアップしたラッパッパの四人も、怪我には勝てず、キョウトの拳にあえなく沈んでいく。踊場に横たわり呻く四人。
前田さえいれば…と思わずにはいられなかった。
ネズミの深く暗い瞳の奥には、自身が築きあげた帝国が、マジ女を支配する未来があった。その支配者のとなりにいるのは、もちろん…
そのときー
灰白色の煙が、上のほうからもくもくと流れてきた。
「げほ!ごほ!………」
「やっぱり、ごほっ!部室で、七輪は無理があったか」
「ぶはぁ!煙の出ないやつがあるらしいぜ。たしか、テレビショッピングに出てた!」
「それだ!さっそく、注文しようぜ!げほ!」
煙と共に
おなじみの緑のジャージ姿の四人が階段を咳き込みながら、踊場までおりてきた。
「お前たち…、来てたのか?」
(ディーヴァにやられたんじゃなかったのか…)
ネズミが、意外そうにチームホルモンのメンバーたちを見上げる。
最後のひとりも姿をあらわす。
チームホルモンのリーダー。指原リノ。通称ヲタが見下ろす。
「何かうるせーと思ったら…、ドブネズミが繁殖してやがったか」
「そこで、何をしている?」
ごほっ!とひとつ咳き込んだあと、ヲタは言った。
「ホルモン中だよ!」
マジすか学園3☆#6ー4☆
「ちっ…、ラッパッパに入りたくても入れない雑魚どもか…」
ネズミが、立ちふさがる三人の少女に向け、吐き捨てる。
宮崎ミホ、多田アイカ、奥マナミ、
二年に進級した山椒姉妹の三人。それぞれいつもの黒、ピンク、白を基調としたロリータファッションに身を包み、腕を組み、行く手を阻む。
「うぜーんだよ!山椒姉妹、なめんな!」
「ウチら、シブヤ先輩に世話になってた…、先輩たちなら、きっと…こんなやり方認めない!」
「強ければいいと思ってた…、前田と闘うまでは…、友達(ダチ)なんていらねーって…、でも…ようやく、マジの意味に…気がついたんだ…」
「アンタらも…、生き急ぐんか…?」
キョウトが両の拳を掲げ、今度はしっかりと、ファイティングポーズをとる。
「寒っ!」「寒いな…」「キョウトさん…怖ぇ…」
キョウトの周りに氷のように冷たいオーラが広がる。身震いする軍団のメンバーたち。
山椒姉妹も、ただならぬオーラを感じていた。
それでも、先に仕掛ける。
三人同時の前蹴りが、キョウトを襲う。バックステップでかわすキョウト。山椒姉妹の三位一体攻撃が続く。パンチ、キックの連続攻撃。
キョウトは、それらを軽いフットワークで、かわしていく。涼しい顔でー。
「当たらねー!」「なんだよ」「ふざけんな!」
反対に
キョウトのジャブ、フック、ストレートが面白いように山椒姉妹に決まる。あっという間に、殴り倒される三人。
「うぅ…、シブヤ先輩…」
「前田…、なんで…死んだんだよ…」
「ウチらじゃ…、止められねぇ…情けねぇけど…」
「かませ犬が…」
蔑むような目を山椒姉妹に向け、ネズミは通り過ぎる。仲間から賞賛を浴びるキョウト。
ネズミ軍団の行軍は続く。その数、五十に膨れ上がっていた。
そしてー
ついに、ラッパッパの部室へと続く“階段”の前まで、やってきた。
ネズミの口の端に、笑みが浮かぶ。
「では、“階段”のぼらせてもらいましょうか」
ネズミが、立ちふさがる三人の少女に向け、吐き捨てる。
宮崎ミホ、多田アイカ、奥マナミ、
二年に進級した山椒姉妹の三人。それぞれいつもの黒、ピンク、白を基調としたロリータファッションに身を包み、腕を組み、行く手を阻む。
「うぜーんだよ!山椒姉妹、なめんな!」
「ウチら、シブヤ先輩に世話になってた…、先輩たちなら、きっと…こんなやり方認めない!」
「強ければいいと思ってた…、前田と闘うまでは…、友達(ダチ)なんていらねーって…、でも…ようやく、マジの意味に…気がついたんだ…」
「アンタらも…、生き急ぐんか…?」
キョウトが両の拳を掲げ、今度はしっかりと、ファイティングポーズをとる。
「寒っ!」「寒いな…」「キョウトさん…怖ぇ…」
キョウトの周りに氷のように冷たいオーラが広がる。身震いする軍団のメンバーたち。
山椒姉妹も、ただならぬオーラを感じていた。
それでも、先に仕掛ける。
三人同時の前蹴りが、キョウトを襲う。バックステップでかわすキョウト。山椒姉妹の三位一体攻撃が続く。パンチ、キックの連続攻撃。
キョウトは、それらを軽いフットワークで、かわしていく。涼しい顔でー。
「当たらねー!」「なんだよ」「ふざけんな!」
反対に
キョウトのジャブ、フック、ストレートが面白いように山椒姉妹に決まる。あっという間に、殴り倒される三人。
「うぅ…、シブヤ先輩…」
「前田…、なんで…死んだんだよ…」
「ウチらじゃ…、止められねぇ…情けねぇけど…」
「かませ犬が…」
蔑むような目を山椒姉妹に向け、ネズミは通り過ぎる。仲間から賞賛を浴びるキョウト。
ネズミ軍団の行軍は続く。その数、五十に膨れ上がっていた。
そしてー
ついに、ラッパッパの部室へと続く“階段”の前まで、やってきた。
ネズミの口の端に、笑みが浮かぶ。
「では、“階段”のぼらせてもらいましょうか」