AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -162ページ目

マジすか学園3☆#6ー3☆

河原ー


(『いつでも来いよ!松井!』)


「約束…、破りやがって…」


(『お前の大切なものは、すべて消える…Dの名の下に…』)


ジュリナの表情は暗い。目標を見失ってしまったかのように…。



「食べる?」


しゃがみ込んでいるジュリナの目の前に、突然差し出される手。そこには、箱に入った丸い一口サイズのフルーツアイスがいくつもあった。


抜け殻のようになっていたジュリナも、少し戸惑う。


長くウェーブのかかった髪。きれいな瞳。美少女と呼べる風貌。究極。同い年くらいの少女だが、制服ではなく、薄紫系のふわふわした私服。白のスカート。

少女は、隣りに座り、ジュリナを見て、にっこり笑う。だれかに似ていた。


ジュリナは、無言で、アイスをひとつつまんで口に運ぶ。


「おいしい?」

少女の問いかけに、特に反応を示そうとしないジュリナ。

「わたしは、これ、大好きなんだけどな。特に、ピーチが好き。だから、いつも、最後までとっておくんだ」


「……、同じだ…」

「えっ?」

「好きなものは、最後までとっておく」

「そうなんだ!一緒だね!」


少女は、高校生。ジュリナと同学年。今日は創立記念日だそうで、街へ出掛けるところだったらしい。


「もし…、とっておいたものが、なくなってたら、どうする?」

「えーっ!?それは、泣く!」

「泣くよな…。でも、わたしの本当に好きなものは…、よく、なくなるんだ…」

ジュリナは、輝く太陽を眩しそうに見つめた。

「そうなんだ…、それならこれからは、なくさないようにしないとね」


たまたまだったかもしれない
その少女の発言。ジュリナの脳裏には、はっきりとネズミの顔が浮かんだ。自分にとって、ただひとりの友。


「ところで、お前の名前は?」


少女は静かに笑って言った。

「江口アイミ」

マジすか学園3☆#6ー2☆

放送室を後にしたネズミとキョウトは、ラッパッパの部室目指して歩き始めた。

自然と、その後ろにつき従うマジ女の生徒たち。徐々に増えていく。

「ラッパッパ!つ・ぶ・せ!」


「ラッパッパ!つ・ぶ・せ!」


期せずして、シュプレヒコールが沸き起こる。

ここ数日、キョウトが倒したチームのメンバーたち。また、それ以外にも、勝ち馬に乗りたいという生徒も交え、ネズミの軍団は、一層、その規模を増していく。

逆らう者は、ひとりもいないかに思えた。

がー


「待てよ…、こういうのは、良くないんじゃねーか?」


「そうだよ!おれたち、ラッパッパに憧れて、このガッコ選んだんだ!」

ふたりの生徒が
ネズミ軍団の前に立ちふさがる。
すこしぽっちゃりした少女と目元が涼しげな少女。


「誰や?」

キョウトの誰何の声。


「島田ハルカだ!」

「島崎ハルカだ!」

名乗る二人。黄色のジャージが特徴的。
名前がよく似ている。

「どっちがどっちやねん」

キョウトがからかうと、軍団のメンバーに笑いが起きる。

「こっちが“どっち”だ!」

「だから、どっちなんや?」

さらに、笑いに包まれる廊下。


「もういいよ!どっち!」

島田ハルカ、愛称“どっち”に対して、苛立ちまじりに、
島崎ハルカ、愛称“寒ブリ”が話を止める。


「まだ、うちらに逆らうアホな子らがおるんやなぁ…、やるんか?」

キョウトが左の拳だけをあげて、構える。右の拳はおろしたままー。

「やってやる!」「いくぞ!」

二人は、闇雲に、キョウトに突っ込んでいく。

パパパパパン!と、
キョウトの左のジャブの連打が、乱れ飛ぶ。

「ぐあ!」「ぐえっ!」
あっさりと、廊下に崩れ落ちる二人。迅いうえに正確無比なパンチをもろに何発も食らいー。


冷ややかな表情で、二人を一瞥し、歩を進めるキョウトとネズミ。何事もなかったかのように、それに、続く生徒たち。


寒ブリが伏したまま、拳を廊下に叩きつける。

「く…くそぅ…、やっぱ弱いな…おれたち…」

「あ…、あいつが…強すぎなんだよ…、でも…、絶対にあきらめないって誓ったはずだろ…、優子さんから前田さんに引き継がれた意志は…つないでいこうぜ…、そして、いつか…必ず…」

「ど…、どれくらい…傷つけば…、強くなれるんだ…」

「甘ったれんな…、ま、前田さんたちだって…、いっぱい傷ついて…強くなってきたんだ…、弱音吐くな…」

「前田さん…、なんで…、死んじまったんだよ…」

「泣くなよ!こ…、こっちまで…、な…泣きたく…なる…だろ…」

泣き伏せる寒ブリとどっち。喪失感は計り知れないものがあった。
“てっぺん”の抜けた穴はあまりにも大きい。


「ラッパッパ、つ・ぶ・せ!」

「ラッパッパ、つ・ぶ・せ!」

「ラッパッパ、つ…」


進軍を続ける
ネズミ軍団の前に、またしてもあらわれる影。


「ラッパッパに弓引こうって言うなら、わたしたちが相手になるよ…」

フフ…

フフフ…、フフフフ…という笑い声が、落書きだらけの廊下を包みこんでいった。

マジすか学園3☆#6ー1☆

翌日

マジすか女学園に激震が走った。


朝から
生徒たちの間で持ちきりとなっている、ある話題ー。


「前田が?」

「ああ…死んだらしい…」

「ディーヴァと闘(や)りあって…」

「海に落ちたんだと」

「病院に運ばれたときには、もう…」

「“てっぺん”が…死んだ…」

「一体どうなっちまうんだ!?うちは」

「ディーバが攻めてくんじゃねーのかよ」

「アンダーガールズとか矢場久根もいるぜ」

「うちら、太刀打ちできるんか?」

「強い“てっぺん”が必要なんじゃねーのか」

「誰が、このマジ女をまとめるんだ?」


口々に、様々な憶測を発する生徒たち。皆、不安の色は隠せない。


ピー…ガガ…ガ…

教室内のスピーカーから、音が…もれだす。

全校放送ー。

ピンポンパンポーン。


『みなさん、おはようございます。もうすでに、ご存知かと思いますが、残念なことに、うちの“てっぺん”である前田敦子が、昨夜…』


「この声は、ネズミか」

「そうだな…、なんだ一体?」

放送に、耳を傾ける生徒たち。


『…、しかし、悲しんでばかりはいられません。“てっぺん”がいなくなった今、マジ女の“てっぺん”は誰なのか?これを決めないと、いけないっスよねぇ…誰が、どのチームが、マジ女で一番強いのか…』


「確かにな…ラッパッパの二年もやられちまったし…」


「この非常時に、前田四天王も、昨日の昼から、姿が見えねえ」


『…、最早、マジ女最強軍団は、ラッパッパじゃないっスよねぇ…伝説のラッパッパはもうどこにも存在しないっス…』


「チームホルモンもディーヴァにやられたって噂だしな」

「そういや、生徒会長も今日は、見てねーな」


『…、つきましては、何をもって最強を名乗るのか?それは…、マジ女における最強集団に代々受け継がれてきた伝統の旗ーマジ女の校旗、それを奪ったものが、“てっぺん”ってことで、どうっスか?』


「なるほどな…単純明快でいいんじゃねーか」

「ラッパッパの部室の奥の部屋にあるって話だ!」


『それでは、只今から…、わたしたち、ネズミ軍団が、ラッパッパの部室へと向かいます。そして、伝統の校旗を奪いとり、部室を占拠し、マジ女最強の名乗りをあげることにします。納得のいかない方は、誰でも、お相手いたします。どんどん、かかってきてください。
賛同する方は、一緒に、“階段”…のぼっちゃいましょう!』


「おお!!」

「ネズミ軍団最強!」

「ラッパッパを、ぶっ潰せー!」

「ネ・ズ・ミ!ネ・ズ・ミ!」

異様な盛り上がりをみせる生徒たち。



放送室ー


「ええ感じで、仲間が煽ってくれとるみたいやなぁ。やけど、前田もおらんし…、めぼしいやつは、だいたい倒してもうた…、そんなかで、反抗するもんなんか…おるんやろか?」


チャコールグレーのフード付きパーカーの
キョウトが、放送を終えたネズミのほうを見やる。


含むような笑いをみせ、赤いパーカーのネズミが言う。


「単なる…、デモンストレーションさ」




河原ー

ブラウンのカーディガンを羽織った松井ジュリナが、ただ立ちつくし、流れる川を眺めるともなく眺める。

空虚さが胸を占める。


「前田…、お前も…いなくなっちまったな…、わたしの前から…」