AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -164ページ目

マジすか学園3☆#5ー8☆

突如
ハーレムの倉庫街で、大音響と共に、大爆発が起こった。

すぐに
パトカーがサイレンを鳴り響かせ、あらわれる。消防車や救急車も続々と集まる。

現場は、R11倉庫。

「そ…、そんな…まさか、あいつら…中に?」

ようやく、敵を倒し、駆けつけたセリナ。茫然と、燃え盛る倉庫を見つめる。付近にサドたちの姿は見えない。


歩いている
少女の横を次々と救急車両が通り過ぎていく。
裏口から、ゆうゆうと脱出した親衛隊十人衆最強の女
木崎ユリア。


「獲物が罠にかかったか…」

仕掛けておいたブービートラップ。


鳴りだした
ケータイを取り出すユリア。


『ユリア…首尾はどうだ?』


「いいエサには、いい獲物が食いつくもんだな…サドに前四天王にチョウコクまで…、まぁ、いまごろ全員吹き飛んでる頃だ。兵隊もろともな」


『犠牲も大きかったようだな』


「勝利に犠牲はつきものだろ?」


『尊い犠牲だ…、ユリア、君は、闘わなかったのか?』


「手負いの獣たちと正面きって闘うほどバカじゃない」


『謙遜か…、君ともあろう者が』


「合理主義者なのさ。無駄なことはしない。お前なら、問題なく勝てるだろうがな」


『そうだな』


「ちぇっ、謙遜しねーのかよ」


『これで、日本(こちら)に専念できる。ご苦労だった。総統もお喜びだろう』


「ああ…、じゃあ、またな…、サワコ」



日本


通話を終えたアンダーガールズ
一番隊、隊長
秦(はた)サワコが、ケータイから、耳をはなす。
深紅の特攻服が闇に映える。

忙しい夜だった。塾の後、喧嘩の野次馬となり、その後、総統と会い、

いまー


眼下には、血まみれのディーヴァ十二将
小笠原マユが倒れていた。
まわりには、チェスの駒が散らばっている。


「おい…、喧嘩の…最中に…、電話とは…、余裕やな…」

起き上がろうとするマユ。

「これは、喧嘩と呼べるようなものではない…、クズは、クズカゴへ!」

サワコの左手が、水平に閃く。放たれるチェスの駒。
マユの額に駒(ポーン)が命中し、頭が弾かれるように、真後ろに倒れ込んだ。

そして
もう、起き上がってくる気配はなかった。


「狩りの始まりだ」

マジすか学園3☆#5ー7☆


「うあああああ!」

優子の右の拳が、サドを強襲する。
それをサドが、左腕で受けとめる。

「ぐほっ!」

同時に
優子の左のひざ蹴りが、サドの脇腹に決まる。迅い。

(優子さん…全然衰えてない…、それどころか…)


やはり、喧嘩の神に選ばれた少女ー大島優子。

全盛期を上回る闘いぶり。


(でも…、あなたを…必ず…)

「いきますよ…、優子さん」

サドが拳を握る。固く強くー。
手加減すれば、間違いなくやられる。

「あああああ!」

優子の雄叫びが倉庫内に木霊する。

「おおおおお!」

サドが呼応する。

お互いの拳が、お互いの顔に強烈に決まる。時には同時に、時にはどちらかが早く。


「サド!」

トリゴヤの悲痛ともいえる叫び。

「大丈夫か!?」

チョウコクも心配する。

「サドさん!」

シブヤも拳を強く握る。

「サドさんなら、きっと…」

ブラックは、信じる。


「サド!優子さんを、頼むよ!」


ゲキカラも、タイマンの邪魔はできなかった。しゃがみこみ見守る。


(『もし、わたしが、間違った道に行こうとしたら…』)

「優子さん!」


(『サド!お前が止めてくれ!わたしを止めることができるのは…、お前しかいない!』)


(止めます!優子さん…、見てください!わたしのマジを!)


サドが、優子の攻撃を受けながら、何かを狙っている。ずっと、見てきたサドだからこそわかること。優子の闘い方、考え方、性格、クセ。

拳を放ちながらー


強く…もっと強く


迅く…もっと迅く


もっと、烈しく!

(目を覚ましてください!)


「優子さん!」

サドが、泣きながら右腕を伸ばす。

電光石火の一撃。

初めて、的確に、優子の顔面にサドの拳が炸裂した。

吹き飛び

もんどりうって
倒れこむ優子。

ようやく

ここで
優子の動きが、止まった。

「はぁ…、はぁ…」

注意深く、
倒れ伏す優子を見つめるサド。


折からの
豪雨が、すっと止み、雲間からは、太陽が顔を出す。
倉庫の天窓から射し込む眩しい光に照らされる少女。

むくりと
身体を起こす。

表情からは、険しさがとれ、生気溢れる瞳が輝く。

殴られた頬を左手でおさえて、サドの顔をまじまじと見る。

そしてー


言う。


「お…、親父にも、ぶたれたことないのに…」


「えっ!?」


二人の間に沈黙が流れる。
倉庫内の一同にも。


「おいおい、ここは、『アムロか!?』だろ!前にも言ったじゃねーか!忘れたのか…サド?」


「ゆ、優子さん!?」


記憶が戻った。
一時的な記憶障害。手術の後遺症。


サドの…、みんなの想いが届いたのだ。


「優子さん!」


皆が駆け寄るよりも早く
ゲキカラが、少女ー優子に飛びつくように抱きつく。


「探したんだよ!優子さん!ずっと…」


「なんだよ…、ゲキカラ…、甘口じゃねーか…
てか、なんで、お前らみんなそろってんだ?しかも、傷だらけじゃねーか」


これまでの経緯が、すっぽりと記憶から抜け落ちているようだ。


まわりからは、笑いがもれる。

「優子さん…」

ほっとするサド。

「よかった…」

号泣するトリゴヤ。

「よ゛、よ゛がっだ…」
それ以上に号泣しているチョウコク。

「チョウコクが男泣きしてるよ」

シブヤが茶化す。

「まあまあ」

男じゃねーよと憤慨するチョウコクとシブヤの間をおさめるブラック。


さらに、笑いが広がる。
優子の周りには、いつも、笑いが絶えなかった。暖かい。太陽のような少女。ひとときの安らぎ。


このあとに起こる悲劇を、予測できるものは、現時点で、誰ひとりとしていなかった。

マジすか学園3☆#5ー6☆

(ゲキ…カラ?)


激しい喧騒のなか
倉庫の端で、木製の椅子に縛り付けられている少女が、つぶやく。不意に飛び込んできたチョウコクの言葉。閉ざされた記憶の深淵に、一条の光が射し込む。

目隠しを外そうともがきだす少女。
もどかしい。


ようやく
はらりと、布がこぼれ落ち、ひとつ、ふたつ、瞬きする。


視界一面にひろがる


激闘。

二百人以上はいるギャングたち。それらと闘う少女たち。


「…………」

息をのむ。

怖い?いや…

覚えてる。


身体が疼く。

何かを思い出しそうな。

「優子さん!」


ゲキカラが呼ぶ。少女に向け。叫ぶ。請うように。腕を伸ばす。
徐々に、狭まっていく距離。


(優子…?)

頭が痛い。


(優子?)

わからない。

わからない。


でも…

どこか…



サドも叫びたい気持ちで一杯だった。

しかし、油断はできない。百戦錬磨の雇われギャングたち。圧倒的な戦力差。気を抜けばやられる。容易な相手ではなかった。


「サド!優子さんだよ!間違いないよ!」

トリゴヤが、目隠しのとれた少女を指差す。



(優子さん…)

祈りにも似た思い。

皆が求める。

太陽のような存在。

永遠の“てっぺん”




(サド…?)


またしても、耳に届く懐かしい声、懐かしい言葉。


(わたしは…)


「うあああああああ!」

絶叫を放ち
全身にありったけのちからを込める少女。

自由を求めー。

抗う。


「優子さん!」
シブヤが

「優子さん!」
ブラックが

「優子!」
チョウコクが

「優子さん!」
トリゴヤが

「優子さん!」
ゲキカラが

「優子さん!」
サドが

叫ぶ!


叫ばずにはいられない。


ついに
その少女は、後ろ手に縛られた縄を断ち切った。


そのまま
仁王立ちする少女。

表情は、長い髪に隠れ、読み取れない。

ギャングたちは、闘いに没頭し、気づかない。まさか、あの、か弱い少女がー。

ヤンキー高校
史上最強の少女だとは。

右手で、前髪をかきあげるー


突然
ギャングたちの背後から、少女が突っ込む。


火の玉のような少女に
唖然とするギャングたち。たちどころに、ぶちのめされ、吹き飛び、たたき伏せられていく。

衝撃。

ありえない。


「Did I sign up for this?(こんなの聞いてねーよ)」

「I don't get paid enough for this!(こりゃ、ワリに合わねーぞ!)」


ギャングたちは、慌てふためいていた。話が違う。契約と違う。

こんなはずではなかった。
こんな、化け物のような少女たちを、そして、あらたに出現した、化け物を超える少女を相手にするなんてー。

「Enough!(もう十分だ!)」

「Run away!(逃げろ!)」

観念したのか、口々に、スラングを撒き散らしながら、まだ動けるギャングたちは全員、逃げ出していった。


「おらー!」

それでもなお
逃げようとするギャングの首根っこを捕まえ、引き戻す。
まさに
狂ったように暴れ続ける少女。


しかし
どこかおかしい。
普通ではなかった。

興奮は、少しも、おさまることはなく
今度は
壁や地面を殴り始める少女。

止めようとするシブヤとチョウコクさえも、吹き飛ばす。

「やっぱり、まだ…記憶が…、どうすればいいの?」

トリゴヤがブラックの袖をつかみ、立ち尽くす。

闘う敵が、ひとりもいなくなっても
いまだ
閉ざされた記憶の深淵をさまよい、暴れ続ける少女。身体に染み付いた闘争心。


ゲキカラも、どうすればよいか、迷っていた。

「優子さん…」


少女は
さらに見境なく
サドに向かっていった。

少女の拳が、サドの顔面を捉える。久しぶりの拳は、目も眩む一撃。

「くっ!」

片膝を落とすサド。

まだ、少女の精神は不安定なままだった。
いきなりの環境変化へのとまどい。戻らぬ記憶。混沌。

闘争本能の塊が、太陽の紅炎(プロミネンス)のように、炎を撒き散らしていた。

このままではー

少女は自分自身を壊してしまいかねないー


「みんな、下がってろ!このままじゃ、おさまらない…“あのひと”の思いは、わたしが全部、受け止める!誰も、手を出すな!」

サドが言い放つ。

(優子さん…、いま…、あのときの約束を…、果たします…)
全身全霊をかけてー


サドは、決意した。


喧嘩の神に選ばれた少女とー


闘うことをー