AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -160ページ目

マジすか学園3☆#6ー9☆


一陣の風が吹いた。

次々、悲鳴をあげ倒れていくディーヴァのメンバーたち。風切り音だけが、辺りに鳴り響いていた。

その光景を見て
倒れ込んでいるマジ女の生徒たちが、口々に囁きあう。

「なあ…、おれ、夢でも見てんのかな…?」

「おれもだ…」

「お前たちもか…?」

「おれたちみんな…、死んじまったってことかな…」

「幻覚がみえる…」

「ちょっと、殴ってみてくれ」

「いてっ!おい!違うぞ!夢じゃねー!」


「間違いねー!あいつは…」


「前田ー!!!!!」


次から次と、一撃のもとに、ディーヴァの猛者たちを片づけていくのは、


誰あろうー

マジ女の“てっぺん”
前田敦子であった。間違いなく。拳を振るうごとに、空気を切り裂く音が聞こえる。

「前田!?」「前田!」「前田さん?」「前田ー!」「前田さん!」

いまだ
白昼夢を見ているかのようなマジ女の生徒たち。

「いつまで、休んでいるつもりだ!立て!マジ女の校章つけてるなら、立って、闘え!」


「前田が、しゃべったー!」「本物だー!」「やったー!」「生きてた!」「生きてたんだー!」


息を吹き返すマジ女の生徒たち。先程までとは、気合いの入り方が段違いに変わった。皆、根性で立ち上がる。泣いているものもいる。泣きながら、ディーヴァに立ち向かっていく。

地に臥していたヲタが顔をあげ、前田の闘う姿を目で追う。
いつの間にか、ヲタの頬を伝う涙。心が一気に溢れ出す。

「前田…、やっぱり、生きてたんだな…」

漲るちから。湧き上がる闘志。


さらに、校門から心強い援軍がー

「あつ姐ー!大丈夫でっかー!」


ダンプカーのごとく、ディーヴァのメンバーを弾き飛ばして進むだるま。以前に比べ、パワーが格段に増している。


「お前ら!待たせたな!」

学ランの鋭い回し蹴り。一発で倒れるディーヴァたち。ジャンプ力もキレもアップしていた。
かっこよく、ポーズをきめる。


そして、この二人もー

「姉貴ー、やっちゃいます?」

「やっちゃう?やってほしい?」


「やっちゃいましょう!」

「やっちゃうしかないね!」

歌舞伎シスターズの二人。

大歌舞伎の掌底が、向かってくる敵を、文字通り、吹き飛ばす。以前に比べ、破壊力が倍化していた。

小歌舞伎は、目の前の敵に、プロレス技をどんどん繰り出す。腕を伸ばし、相手の首にラリアット。関節技のコブラツイストにボストンクラブ。


進化した歌舞伎シスターズ。

四人が四人とも、明らかにレベルアップしていた。オーラが違う。修行の成果。奥底には、まだ、何かを秘めているようにもみえた。

希望の追い風。


前田が、旋風のように、触れるものすべてを打ち倒しながら、だるま、学ラン、歌舞伎シスターズと視線を交わし、うなずきあう。

そして、全員に向け、激しく叫ぶ。


「お前らのヤンキー魂見せてみろ!
マジ女!気合いいれてくぜー!」


「おー!」

マジ女の生徒全員が、一斉に、それに応えた。

マジすか学園3☆#6ー8☆

「があああああっ!」

ミユキが吠える。
いきなりの狂獣モード。拳の質が違う。桁違いの凄まじさ。激しい連打。
獣の牙が、ヲタの顔や身体を襲う。

「ぐほっ!ぐはっ!」

ヲタは倒されても倒されても起き上がる。あきらめの悪さは天下一品だ。ミユキは、休む間を与えず、起き上がる前に、蹴る。引きずりまわす。持ち上げ、殴る。一方的だった。

ジャージ同様ズタボロになっていくヲタ。

朦朧とする意識。
へらず口も出せない。

(痛ぇな…、でも…、このくらいの痛み…耐えられねーで…、何が、“てっぺん”目指す、だ…)

ミユキに胸ぐらをつかまれた状態から、右の拳を繰り出す。

「うあああああ!」

怒りの叫び。どこにまだ、そんなちからが残っていたのだろうか。

初めて、拳が、ミユキの頬をかすめる。

血が飛び散り、ミユキが笑う。嬉しそうにー。

そして、返す刀で
豪快な一撃がヲタを襲う。軽々と吹き飛ぶヲタ。
地面をなめる。

いままで、味わったことのない痛みと恐怖が全身を覆っていく。

(痛ぇよ…、前田…、お前はいつも…こんな恐怖と闘ってたのかな…、おれは…お前が死んだってのが信じられねぇ…お前みたいに強いやつが死んだなんて…)
「…、ウソだって…言ってくれよ…」

もう、視界もはっきりしない。
(ダメなのか…、おれは、やっぱり…へたれ…なのか…)

それでも
立ち上がろうとする
ヲタを、ミユキのとどめの一撃が襲う。

「ヲタ!」

ミユキの前に飛び出し、虎の爪牙のごとく激しい一撃を顔面に浴びるバンジー。倒れ込む。

「立てよ…ヲタ!お前なら、やれる!おれたちの知ってるお前なら…」

一緒に“高み”を目指すと誓った仲間たち。


アキチャも、間に入った途端、もろに、一撃をくらう。砂まみれで転がる。口についた砂を拭い、言う。

「ちっ!ヲタ…燃えろ…、一発決めてやれ!」


ムクチも、立ち向かっていったが、小さな虫を払うように、ミユキに吹き飛ばされる。

「くっ…、ティーム…ホルモンの…、リーダー、だろ…、いけー!」

ウナギも、助けに入るが、ミユキの凄まじき拳の餌食となった。

「…、ホルモン魂…、見せてやれ…」


ミユキの圧倒的な攻撃に
さらされ、幾度となく殴られ、立ち向かい、もがき、呻くチームホルモンのメンバーたち。
それを見て、ヲタがよろよろと立ち上がる。上半身を起こすのも苦しい。足にちからが入らない。
でも…

「はぁ…、はぁ…、すまねーな、いつも…、お前ら…最高だよ…、おれたち、五人集まりゃ…怖いもんなんか何もねーよな…、こんなもん全然、痛くなんかねーよ…」

拳だけは強く握る。


「もう終わりや…」

ミユキが、ようやく立ち上がったヲタに、一歩一歩近づく。処刑執行のはじまり。

「天然記念物やな…、負けるとわかってて、立ち上がるやなんて」

「負けねーって、言ってんだろ…、負けられねーんだよ!」

強く、視線は外さず
ヲタが精神を研ぎ澄まし、集中する。バンジー、ウナギ、アキチャ、ムクチの顔が頭に浮かぶ。そして、これまで、一緒に喧嘩した仲間の顔もー。凄絶な闘いの日々。


ミユキが、拳を振り上げる。

ヲタも拳を振り上げ
ミユキに向け
渾身の一撃を、打ち放った。

「うおおおおおお!」


ヲタの拳が
ミユキの顔面にめり込む。
予測を上回るハイスピードで。


しかしー


ミユキは倒れない。

そしてー

笑う。


次の瞬間
ヲタは、何が起きたのかわからないまま、宙を舞い、地面に落ちた。

血塗られた右拳を掲げ
ミユキの咆哮だけが、高らかに校庭に響いていた。



マジ女の敗色が濃厚に漂う。


そのときー


一陣の風が、マジ女の校庭を吹きぬけた。

マジすか学園3☆#6ー7☆

河原ー


なにやら、ざわざわと話し声が聞こえてきた。

「ははは!前田がいないんだってよ!」
「じゃあ、怖いもんなしじゃねーか!」
「ディーヴァのやつらにカチコミくらってるらしいぜ!」
「マジ女、潰すなら今だな」


座蹴留奈商業の生徒が50人程、凶器を携え、マジ女の方角に向かおうと歩いていた。

その声を耳にし、弾かれるように立ち上がるジュリナ。

「アイミ、お前、ここを離れろ!」

ジュリナは、それだけ言うと走りだした。

「ジュリナ!」



「おい!てめーら!どこ行くつもりだ!」

ジュリナが後ろから、集団に声をかける。


「あ!?お前、誰だよ?何か用か?」


「わたしは、マジ女の松井ジュリナだ!」


「マジ女にそんなやついたか?」「知らねーな!ははは!」「行こうぜ!早く」


「行かせねーよ…」


「なんだって?」


「ネズミを…、マジ女を守るのは、わたしだ!」

ジュリナは唸りをあげて、集団に突っ込んでいった。

(前田…、お前のマジは、わたしが受け継ぐ!)



一方

マジ女の校庭では、思いもよらない展開が繰り広げられていた。

「強い…」「やべぇ…」「無理…だ…」

ばたばたと血を吐き、うめき声をあげ倒れていくのは、マジ女の生徒ばかり。実力差、人数の差はあれど、それ以上にいまひとつ乗り切れない雰囲気がマジ女にはあった。
何かが足りない。

奮闘しているのは、チームホルモンの五人だけだった。不甲斐ないマジ女の生徒に向け、ヲタが叫ぶ。

「お前ら、何やってんだよ!それでも、マジ女の生徒かよ!」


「だって…、前田がいねーし…」「いまのマジ女じゃ…」「こいつら、強ぇよ…」「かなわねぇ…」

弱音ばかりのマジ女の生徒たち。前田のいない喪失感をあらためて実感する。
ネズミ軍団も、所詮、烏合の衆。どんどん、倒されていく。何故か、キョウトの姿は見えなかった。

鉄パイプと木刀を手にした
ディーヴァの容赦ない攻めは、倒れた者にも及ぶ。卑怯極まりない喧嘩のやり方で、完膚なきまでに叩きのめされていくマジ女の生徒たち。

「くそ!やっぱり、おれじゃ、前田のかわりにはなれねーのか」

ヲタは、拳をふるいながら、自分の無力さを強く感じていた。だが、迷っている時間もなかった。

「今日は、誰も助けにきてくれんみたいやな。まぁ、来たとしても、この人数には勝てんやろ」

ヲタの前には、ディーヴァ十二将の渡辺ミユキが、銀灰色(グレイ)の特攻服を風にはためかせて立っていた。


「お前か…、昨日の決着、つけてやる!おれが、お前を倒す!」

ヲタが、右の拳をミユキにつきつける。チームホルモンのリーダーの誇りに賭けてー。

「いままでで、一番おもろいギャグや…、消えろ!」


言い終えたあと、狂い虎の咆哮が大気を震わせた。