2021年11月14日 快晴の日、新潟県のヒサマツミドリシジミの産地に採卵にやってきました。
富山県と新潟県の県境近くの産地で初めて新潟県でヒサマツミドリシジミが発見された場所です。新潟県は日本のヒサマツミドリシジミの北限の産地になります。
新潟県のヒサマツミドリシジミは成虫採集は1976年(昭和51年)に最初に記録されました。
当時は画期的記録だったはずですが、実はヒサマツミドリシジミが新潟県に産するとは誰も思っておらずほぼ誤報という扱いで注目されることはありませんでした。この頃はヒサマツミドリシジミは福井県敦賀市が分布の北限とされていましたので無理もありませんでした。
しかし1978年3月に富山県下新川郡のウラジロガシでヒサマツミドリの採卵が記録され同年の「昆虫と自然」6月号に発表されました。1978年12月にはついに新潟県の蝶屋3名が新潟県にてヒサマツミドリシジミの卵をウラジロガシより大量に採取して後に発表し正式記録となりました。
蝶界で有名な藤岡和夫氏も岐阜県、富山県、新潟県のヒサマツミドリシジミの発見については「1970年頃までは西日本の暖地だけから採集される稀種であったのに、冬は寒冷な多雪地帯から多数発見されたのは驚きである。」と著書の日本産蝶類大図鑑の中で述べています。
産地にはウラジロガシが沢山生えており高木の上部に産卵されているので、木登りが必須です。
高所からの転落には十分気を付けて登ります。雨の日の採卵は木が滑りやすく卵も雨に濡れて確認しにくいので絶対避けるべきです。
何て偉そうに言っている私も実はこの日ウラジロガシに登って降りる際に足を滑らせて落ち(そう高くない所でしたが)、木の枝に顔面を強打し少々流血しました。皆様も十分お気を付け下さい(T_T)!

2021年11月14日 新潟県 ウラジロガシの高木 後ろの木

2021年11月14日 新潟県 ウラジロガシの高木 頂上部かそのやや下側によく産卵されている。

2021年11月14日 新潟県 ウラジロガシの高木 頂上部付近に登った所

2021年11月14日 新潟県 ウラジロガシの高木 頂上部付近に登った所