サムエル記上28章8~14節
〔新共同訳〕
【サウル、口寄せの女を訪れる】(2)
8サウルは変装し、衣を替え、夜、二人の兵を連れて女のもとに現れた。
サウルは頼んだ。
「口寄せの術で占ってほしい。あなたに告げる人を呼び起こしてくれ。」
女は言った。
9「サウルのしたことをご存じでしょう。サウルは口寄せと魔術師をこの地から断ちました。なぜ、わたしの命を罠にかけ、わたしを殺そうとするのですか。」
10サウルは主にかけて女に誓った。
「主は生きておられる。この事であなたが咎を負うことは決してない。」
11女は尋ねた。
「誰を呼び起こしましょうか。」
「サムエルを呼び起こしてもらいたい」
と彼は頼んだ。
12その女は、サムエルを見ると、大声で叫び、サウルに言った。「なぜわたしを欺いたのですか。あなたはサウルさまではありませんか。」
13王は言った。
「恐れることはない。それより、何を見たのだ。」
女はサウルに言った。
「神のような者が地から上って来るのが見えます。」
14サウルはその女に言った。
「どんな姿だ。」
女は言った。
「老人が上って来ます。上着をまとっています。」
サウルにはそれがサムエルだと分かったので、顔を地に伏せ、礼をした。
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(聖句雑感)
わたしには、にわかに信じがたい話しです。
この「呼び起されたサムエル」は本物なのか。
信じがたい。
「占い」は「偶像崇拝」の罪、だと聖書にはあります。
そこにわざわざ「サムエル」が登場するものでしょうか?
しかしながら、古来より、
「人」は「霊」的な存在であることを
皆感じとっていたのですね。
「神のような者が地から上って来る」
「上着のようなものをまとっている」
ふと、
「金持ちとラザロ」のたとえ話しが
頭をよぎりました。
ルカ福音書16章19~31節。
陰府(よみ)で苛まれている「金持ち」は、
天上の宴席にいるアブラハムとラザロを見上げ、
アブラハムに こい願う。
「もし、死んだ者の中からだれかが兄弟のところに行ってやれば、悔い改めるでしょう。」
しかし、アブラハムは言った。
「もし、モーセと預言者に耳を傾けないのなら、たとえ死者の中から生き返る者があっても、その言うことを聞き入れはしないだろう。」
「生前」と「死後」の境。
たとえ話しの中でアブラハムは
陰府にいる「金持ち」に明言します。
「わたしたちとお前たちの間には大きな淵があって、ここからお前たちの方へ渡ろうとしてもできないし、そこからわたしたちの方に超えて来ることもできない。」
「生」と「死」の境。
「人」は「生きている」うちになすべきことがあって、「生きている」うちになさなかったのなら、「死」後ではもう手遅れで、打つ手なし、なのだ…。
されど、幸いなるかな。
唯一、この「生」と「死」の境を超えてくださった方がいる。
主イエス・キリスト。
今の世代の私たちに与えられている大いなる「希望」。
ハレルヤ
主イエスの御名を崇めます。
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解説を見てみます。
■新実用聖書注解464p
王として、自分が禁令を出した霊媒のもとに、敵陣をくぐり抜けて行かねばならなかったサウルは、《変装して身なりを整え》、しかも《ただ二人の部下》のみを伴って出かけた(8)。霊媒の女は警戒心をなかなか解かなかったが(9)、主にかけてその命の安全を保証したため(10)、ついにサウルの願い通り死んだサムエルを呼び出す(11)が、その途端、依頼者がサウルその人であることを見抜き、驚いて大声を上げる(12)。彼女には、その呼び出された人が、外套を着けたまるで神のような老人に見え、そのことをサウルに告げると、サウルは、その人こそサムエルに違いないと思い、ひれ伏す(13-14)。
■BIBLEnavi269-270
サムエルは本当に霊媒の招きに応じて戻ってきたのだろうか。
霊媒はサムエルの姿を見て金切声を上げた。彼女は通常接触する霊が不自然であったり悪魔的であることを知り抜いていた。サムエルの姿は何らかの形で、霊媒がかかわっている相手がはるかに大いなる力の持ち主であることを悟らせたのである。
彼女がサムエルをサタンの力で呼び出したのではない。神がサムエルを呼び戻し、サウルに自らの運命----サウルはすでに知っていたが--について預言させたのだ。
だからといって、死者と接触したり、霊と交信してもよいということにはならない。神はそのような行為すべてに反対される(ガラテヤ5:19-21)。
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■clay解説全文
霊媒の女
エン・ドルの女
エン・ドルに霊媒をする女がいると聞かされたサウルは、早速そこを訪問します。
(1)そこに行くためには、敵陣近くを通らねばなりません。そこで彼は、変装して、夜の間に移動しています。目立たないように、部下もふたりしか連れて行っていません。この闇は、まさにサウルの心の闇を象徴しているかのようです。
(2)霊媒の女は警戒心をなかなか解きませんでしたが、サウルが主にかけて誓ったために、ついにサウルの願いを聞き届けています。主に対する罪を犯しながら、サウルは主の御名によって誓っています。サウルとは、実に矛盾した男です。
(3)サウルはこの女に、サムエルを呼び出してほしいと頼みます。
サムエルの登場
霊媒師は、死者の霊を呼び出して、その霊と交信します。しかし、霊媒師が呼び出しているのは、死者を装った悪霊です。悪霊が霊媒師に入り、死者のふりをして語るのです。ですから、霊媒師とは、霊媒の霊が宿る者のことを言います。
さて、この箇所では、通常起こり得ない事が起こっています。それを見てみましょう。
(1)女はいつものように霊媒をします。ところが、様子がいつもとは違うのです。本物のサムエルが登場したとき、この女は驚いて、大声で叫んでいます。
(2)また彼女は、依頼人がサウル王であることに気づき、「あなたはなぜ、私を欺いたのですか。あなたはサウルではありませんか」と語っています。
(3)彼女には、地から上って来る人の姿が見えました。それは、サウルには見えていません。彼女はその姿を描写して、「こうごうしい方」、「年老いた方」、「外套を着ておられます」と語っています。
(4)その説明を聞いて、サウルはサムエルが地から上って来たことを知り、ひれ伏しておじぎをします。「地」とは、死者が行く場所である「シェオール」のことです。
サウルは、サムエルが生きていたときには、その助言に従おうとはしませんでした。
ところが、サムエルが死ぬと、禁を破ってまでサムエルと語ろうとしています。
サウルの失敗から教訓を学びましょう。
イエス・キリストに聞き従うのは、「いつか」ではなく、「今」です。
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きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。今こそ恵みの時です。きょうもあなたを愛し、あなたを信じて歩みます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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年間聖書通読
列王記第一3~4、使徒の働き16
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2024年6月23日(日)☀28℃
本日、6月23日は
沖縄戦が事実上終わった日とされています。
晴れわたった良き日となりました。
戦後79年目。
またもや、戦争の足跡が聞こえる今日この頃です。
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神さまの忌み嫌う「霊媒」、
それを通してですらも
サウルの前に「サムエル」を見せた。
神の御心を思います。
「人」が未来を見たく思うのは、
一つには「心の準備」ができるから?
そんなこと思いました。
「悪しき未来」
「望まぬ未来」を見せられたとき
「人」はどんな反応をしめすだろう?
そんな「未来」を見せられた日には
「憂い」以外のなにものも得ない、
のではなかろうか。
「明日はよくなる」
「きっとよくなる」と
信じて生きるところに
「活力」が溢れてくるのではなかろか。
たとえどんな未来が待っていようとも
「今」を生き抜くための「希望」が必要となる。
「信仰」と「希望」と「愛」
Ⅰコリント13:13
それゆえ、
信仰と、希望と、愛、
この三つは、いつまでも残る。
その中で最も大いなるものは、
愛である。
(アーメン)
イエスさまが与えてくださっている「希望」は、世のあたえるものとはちがう、とイエスさまはおっしゃっている。
ハレルヤ
常に喜び絶えず祈り
凡てのこと感謝できますように。
主イエス・キリストの御名によって。
アーメン