日本で紅茶のティーバッグと言えば、日常用のリプトンやトワイニングから贈答用のハロッズやフォートナム・アンド・メイソンまで、イギリス製のものが多く流通している。というか、店頭で目につくもののほとんどがイギリス製なので、特に「イギリス製」を意識することもない。
私は、紅茶はリーフ派
なので、ティーバッグを買うことはあまりないが、職場ではトワイニングのティーバッグを使っているし、ウェッジウッドやフォートナム・アンド・メイソンのティーバックをプレセントされたこともある。でも、どのメーカーのものだろうと、味に多少の違いはあっても、ティーバックの形体そのものは変わらない。日東紅茶だろうとフォートナム・アンド・メイソンだろうと、いや、日本の「お~いお茶」だろうと中国のウーロン茶だろうと、四角いティーバックにヒモがついていて、一つ一つのティーバッグが紙の袋に個包装されている。せいぜい、お値段の高い贈答用品になると、個包装の紙が上質になるくらいのものだ。
が、先日、大丸ピーコックで見つけた、イギリスの高級スーパー、ウェイトローズのティーバッグはちょっと違う。
箱のサイズを比較すると、20袋入りの「お~いお茶」より少し大きいくらいだが、左下に書かれた「40」の数字は、この箱の中に40袋のティーバッグが入っていることを指す。「お~いお茶」の、2倍。どうしてそんなことが可能なのかというと、答えは簡単、中身が個包装されていないからだ。
おまけに、「round tea bags」と書かれている通り、この紅茶のティーバッグは、四角ではなく真ん丸。
見てお分かりの通り、カップからティーバッグを取り出すためのヒモもついていない。だから、小さい箱に個包装なしでぎゅうぎゅうに詰め込んでも、ヒモがもつれる心配はない。
え、ヒモがないと不便だって?
確かに、私も最初はそう思った。でも、実際に使ってみると、そんなに不便でもないんだな、これが。高級スーパーのオリジナルブランドだけあって、ティーバッグの小ささの割には結構濃いお茶が楽しめるのだが、「濃い」ということは何も入れずにストレートで飲むより、イギリス式にミルクを入れて飲むのに適している。ということは、ミルクを入れてかきまぜるためのスプーンが必要となり、結果、ヒモは不要ということになる。
ヒモが不要で、個包装も不要、となれば、ティーバッグ1個あたりにかかる材料費や製造費は安くなる。だから、(くどいようだが)イギリスの高級スーパーのオリジナルブランドにもかかわらず、私が買った40個入りのティーバックの箱は、約300円ほどのお値段だった。これなら、20袋入りの「お~いお茶」の値段とそう変わらない。
勿論、ヒモも個包装もないということは、余分なゴミが減るということでもある。どう、いいことづくめでしょ? 最後にもう一押しするなら、箱の右上のマークでとっくにお気付きかもしれないが、このティーバッグはフェアトレード製品でもある。
良かったら、是非一度、ヒモなしの丸いティーバッグをお試しあれ。