大きな渦の中でスポーツを考える | 石川貴之/ゼロ・グラヴィティ理論 --- 爆発的にパフォーマンスを発揮する"7つ"の新法則

石川貴之/ゼロ・グラヴィティ理論 --- 爆発的にパフォーマンスを発揮する"7つ"の新法則

▼待望の著書 #ゼロ・グラヴィティ理論 が4月刊行▼過度なウエイトトレ不要の世界を目指し"7つ"の新法則を提供中。ストレッチ,トレーニング,スポーツ動作の指導が得意▼2019年北海道〜沖縄の全国で受講者数229人/3月現在▼株式会社カラダラボ代表取締役

マイクロジムの変化

患者様のお話から、大手マイクロジム系のトレーニング内容は、ウエイトトレーニングと食事の管理がメインと聞きます。

近年、そのようなジムに変化が現れているようです。

 

先日、某マイクロジムの経営者の方とお話しする機会がありました。

面白かったのが、ジムのトレーナーは既にウエイトトレーニングを指導しない方向に動いているらしい。

ただボディービルダーは、観せる筋肉を作る必要があるため、職業観念的にトレーニングを行う必要があるのです。

それが職業なので。

実際の現場では自重で行うトレーニングと、食事の管理でダイエットに成功してる女性が増えているようです。

 

そんな話を聞き、人類は上腕二頭筋の発達から神経系のトレーニングに、自然とシフトしていると考えられます。

四足歩行から二足歩行に進化したときと同様に、やっと "重たいものを持ちたくない" と感じ始めたと嬉しく思いました。

私の中ではこれは自然現象と感じたのです。

 

何が自然で不自然か。

これまでの人類の進化の過程を知ると、答えは明白です。

 

 

PNF的動作における自然な動作とは

▷スポーツの指導現場でよく耳にする言葉

☑︎もっとスムーズに動け

☑︎なんで自然と動けないんだ

☑︎そんなの感覚でわかるだろ

☑︎考えて動け

 

このような言葉を耳にする機会はしばしばあるでしょう。

欧州では絶対にこのような言葉は発しられないのです。

選手が主体的に取り組むための指導法が日夜研究されています。

もちろん日本でも創意工夫されているだろうが、まだまだ浸透はしていない。

それは何故なのだろうか。

 

様々な要因の中で一つ考えられるのは、指導者や選手が正常な動作が理解できてないことにある。

PNF的な正常な動作とは、全身の骨・筋肉・腱・靭帯が集団で運動し、一貫して動きを続けられる運動をいう。

身体の正しいラインの中で、筋肉を連動させながら、全身を使い一つの運動を行う。

つまり身体に無理のない動作で、スポーツを継続的に行えることを指すのです。

 

指導者が正常な動作の中でスポーツが指導でき、選手が身体に無理のない正常な動作でプレーが可能であれば、指導法において実現可能なことは多々あるのです。

 

▷正常な動作の反復がもたらす効果

"スムーズに動ける" 

"自然に動ける" 

"感覚が養われる" 

"考えて動ける" 

 

人体の構造を知り、トレーニングを重ねれば、自然と動作が脳にインプットされます。

指導者のイメージを、ピッチやコートで体現できる選手が育成できるのです。

それには "自然な身体の使い方" を指導の中で心がける必要があるでしょう。

 

 

故障を美学と持ち上げる必要性はない

元楽天イーグルス監督の野村克也氏は「故障で休むのはプロとしての自覚の欠如」と説く。

これはプロに限らず、学生も同様のことが言えるでしょう。

全国大会の中継放送で「故障の中、よく頑張りましたね」と、故障をした選手を持ち上げることが多々あります。

注目度を上げ、ドラマになるのだろうか。

ベストは大きな故障なく、通年で結果を残した方が良いに決まっているのです。

 

高校に入学したら3年間大きな故障なく、練習に取り組めた方が継続的に競技に取り組め、公式戦に出る機会も増えます。

やはり競技でスポーツを行う以上、公式戦が一番成長を感じます。

お手伝いさせているチームが県大会準決勝で、11月に負けたチームと対戦し見事勝利をもぎ取りました。

前回の対戦で力を発揮できなかった選手が、この3ヵ月で一回り成長し、自分の持てる力を発揮できたのです。

もちろん大きな故障なく大会に挑めました。

その期間に故障をし、離脱するようなことがあれば、前回の失敗を転換する機会さえ得ることはなかったでしょう。

 

公式戦のプレッシャーや緊張感ある中で、成功体験や失敗体験を積むことが、次の試合でパフォーマンスを最大限に発揮させる最良の手段です。

したがって、成長を促す最良の方法は、故障なく日々の練習に取り組め、公式戦に出場できる万全の状態で体調管理をする必要があるのです。

 

▷故障を最小限に抑え、最大限に運動パフォーマンスを発揮する2つの方法

①正常な動作の獲得

②各種競技と人体の身体の使い方を一致させた指導法

 

この二つがスポーツ指導の現場で求められることと考えています。

 

 

学生の本文は勉学にあるのが自然

学生時代にスポーツを行なってきた子供達は、スポーツと関わる仕事を志望することが自然の流れ。

私も大学卒業時は、信用金庫に勤めながら高校生の部活動の指導へ出向き、生き甲斐を感じていました。

そのような経験を経て、現在は実際にお金をいただき、職業としてスポーツと関わっています。

今後のスポーツ界の発展を考えると、高校生や大学生は競技を行うだけでなくセカンドキャリアを意識し、今後スポーツとどう携わっていくか、深く考える必要があるでしょう。

全員がプロで活躍する選手には絶対になれません。

しかし、仕事として運営やサポートする側で活躍できる可能性は、多分にあるのです。

時間があり、勉強ができる環境だからこそ、競技を行いながら様々な分野で力をつけることが容易なのです。

その中で、トレーニングの分野に興味があり、正常な動作と競技の一貫性を突き詰めたい方がいれば、カラダラボの門を叩いていただければ嬉しい限りです。

 

▷スポーツに携わる学生にオススメ体験

①近い将来のスポーツとの関わりを課題とし論文を書く 

②優秀な教授陣から勉学を学ぶ 

③地域連携を積極的に行う 

④マーケティングを学ぶ 

⑤プロリーグやアマチュアクラブの運営方法を学ぶ 

⑥トレーニング方法の構築 

⑦旅に出て、世界のスポーツを知る

 

おわりに

世界にはスポーツと携わる人間はたくさんいます。

今回のブログで取り上げた、マイクロジムのトレーナーや、スポーツ指導者に選手。

我々カラダラボのスタッフも同様です。

 

東京オリンピックを前にし、スポーツ界の不自然が淘汰されてるように感じます。

長年、日本で培われてきた旧式な指導法や、組織の考え方が社会から必要ないと迫られています。

 

何が正しくて間違っているかの答えは、正常なのかそうでないのかにあるでしょう。

動作・指導法・携わり方もさらに生成発展し、自然とスポーツを楽しめる環境をみなさんで作っていきましょう。