せっかくなので、私の考えるバセドウ病の治し方について整理してみます。発症メカニズムが同じなので、ほかの自己免疫疾患の方にも共通するようです。2020.2月記

 

■バセドウ病発症のメカニズム

2015年に鳥取大学医学部の長田佳子助教授が世界的発表をしました。バセドウ病の真犯人はEBウイルス(ヘルペスウイルス)です
身体の免疫力が低下すると、誰にでも潜伏しているEBウイルスが力を持ち始めます。EBウイルスが活性化すると、B細胞(Bリンパ球)に感染します。するとB細胞は暴走して自己抗体のTRAb(抗TSHレセプター抗体・受容体抗体)を分泌するようになるのです。TRAbは、甲状腺細胞膜のTSHレセプター(受容体)を刺激し続けます。すると、過剰に甲状腺ホルモンが分泌され続け、甲状腺の機能が亢進してしまうのです。

→ EBウイルスはバセドウ病の発症や増悪の最終因子となる 

鳥取大学医学部サイトの長田佳子先生の紹介ページ

残念ながら、このことを理解して治療に活かしている先生は少ないです。未だアイソトープや摘出手術を簡単に勧める病院が多いです。お金になるからです。甲状腺を正常に機能させなくしたのは自分です。親からもらった大切な臓器をなくしてしまう前に免疫力を上げてヘルペスウイルスを抑える努力をしてみませんか。

 

■免疫力を低下させる二つの原因

1.腸内細菌を死なせる食生活

日本は食品添加物や保存料の入った加工食品など、化学物質にまみれた食べものであふれています。食品添加物評論家の阿部司氏によると、日本人は食品添加物で1年間で石油を平均4kg食べているそうです。農産物に残留している農薬も世界トップクラスです。そして、腸もれの原因となる小麦食品や乳製品。トランス脂肪酸やサラダ油、キャノーラ油など炎症しやすい細胞を作る悪い油。世界一濃い塩素水道水。そして風邪をひくとすぐに処方される抗生剤。現代人の腸内細菌の量は戦前の三分の一に減ってしまったそうです。

激増している様々なアレルギーは、腸が弱りデトックスできなくてなって起こる症状です。そして、私たちの体を守る免疫細胞の七割は腸で作られています。腸が弱っていれば、免疫細胞が活性できずに容易に菌やウイルスにやられてしまうのです。

さらに、ストレスの多いバセドウ病はミネラルを消費しやすい病気とされています。特に亜鉛の消費は亢進し、尿中への亜鉛排泄が増加するそうです。私も悩まされましたが「脱毛や白髪」は、この亜鉛不足が原因なのでしょう。そのミネラルを腸内細菌が吸収しやすくしてくれるのです。しかし、日本人は海水塩からミネラルを摂っていたのに、戦後に99.5%ナトリウムの精製塩に代えられ、摂りこむミネラルそのものが欠乏しているのです。海水塩なら40〜50%がミネラルです。
ぬちまーす塩

 

2.ストレスある生活

人は、持続的な強いストレスを受けると、脳からステロイドホルモンや神経伝達物質が分泌され、免疫細胞の働きを低下させてしまうのだそうです。せっかく腸にいい食生活をしていても、ストレスがあると元も子もありません。身体にとってストレスこそが最大の「毒」だそうです。

 

■バセドウ病の治し方

1.原因のEBウイルス(ヘルペスウイルス)を抑えること。

2.抑えるにはとにかく自己免疫力を高めること。
3.免疫力を高めるには免疫細胞を作る腸を元気にすること。
4.腸を元気にするには腸内細菌を死なせない食事をすること。
5.腸内細菌を死なせない食事とは化学物質の入った食べ物や抗生剤を摂らないこと。
6.ストレスこそが腸を痛めるので慢性的なストレス環境から逃れることやポジティブ思考も重要。
7.そして医者を選ぶこと。
 

TSH値が低くTRAb値(偽TSH)が下がらない、ということは、まだEBウイルスが活性しているということです。免疫細胞を増やしてEBウイルスを抑えこみましょう。薬をきちんと飲みながら、化学物質にまみれた食べ物(食品添加物・農薬・遺伝子組換え・水道水etc)、腸を痛める食べ物(小麦・乳製品・抗生剤etc)を摂らない腸活に努めましょう。何を摂るかよりも、まずは腸に悪いものを摂らないことが重要です。「腸内細菌を愛した食生活」を心がけるといいですね。

特に小麦は、腸もれ(リーキーガット)を起こしてしまう最悪な事態を引き起こしている場合があります。私がそうでした。どうしてもTRAb値が正常にならない場合は小麦を食べないグルテンフリーをするべきです。小麦アレルギーや不耐症は、ゆっくり症状が現れるので気づけないのです。小麦が原因かどうかは3週間食べるのをやめてその後再開して体がどう反応するかで確かめることができます。

気づかなかった遅発型小麦アレルギー

 

また、ロキソニンなどの痛み止め薬も腸もれ(リーキーガット)を起こす大きな原因だそうです。女性の月経痛はミネラル不足です。痛み止めを頼らずに「ぬちまーす塩」を摂りましょう。

 

 

その上で、腸に良いものも摂りましょう。保存料の入っていない味噌や漬け物などの発酵食品。免疫細胞の主成分となるタンパク質。私は納豆や魚の干物が大好きです。タンパク質は身体に蓄積できないので、間食でオートミールを食べまています。グルテンを含まずタンパク質も水溶性食物繊維も豊富だからです。日本人に不足がちなマグネシウムや亜鉛、ビタミンDなどミネラルの多い食べ物。ミネラルたっぷりの天然塩。またオーガニック野菜(自然栽培がベスト)には豊富なミネラルとともに、抗ウイルス・抗酸化作用のあるサルベストロールが含まれますのでヘルペスウイルスを抑えてくれます。免疫力を高めるという薬草エキナセアのお茶や抽出液もオススメです。
詳しくは

 

また、ストレスが免疫細胞を減らしてしまいます。自分の心を押し殺して、くよくよネガティブな生き方をせず、NOと答えられる勇気と、どんなトラブルも失敗もポジティブに変換する生き方に移行させること。失敗は成功のもとです。ネガティブ思考は前述のミネラル不足が原因になっていることもあるそうです。笑いやポジティブな気持ちは免疫力を高めます。私は動物の笑えて癒やされる動画をたびたび見ています。
→ ストレスこそがEBウイルス産生の母
癒しも免疫力上げるそうです

 

TSH値が正常になりTRAb値が下がった安定状態が続くようになると、いよいよ治せます。理解ある先生なら徐々に減薬してくださるでしょう。しかし、数値が橋本病のほうにもっと傾かないと減薬できないという先生なら、セカンドオピニオンを探すことをおすすめいたします。そのような先生では、一生薬を飲まされ続けることになってしまうからです。
バセドウ病患者の病院選びについて
 

私の場合、理解ある先生が見つかりそうもなかったので、勝手に減薬→断薬しました。当時、風邪は3年ひかず、花粉症も治り、慢性胃炎、慢性下痢も治りましたから免疫力には自信があったのです。きっとEBウイルスもおとなしくなったはずと思いました。血液検査だけはしっかり受けて、現在も数値に変化が現れないかをチェックしていました。

でも、私はけっしてむやみな減薬・断薬を薦めてはおりません。再燃時に命に関わる場合があります。少なくともTRAb値が安定するまでは絶対に無理です。なるべく理解ある先生のもと徐々に減薬そして断薬されることをオススメいたします。

さて、薬を離れる時は不安が生じます。不安がストレスになって、またバセドウ病の症状を呼び込んでしまうこともあります。実は私も、時間をかけて3錠を1錠まで断薬すると動悸や不整脈が起き、怖くなってまた3錠飲むことを2回繰り返していました。

スピな知人に教えてもらったのですが、「治るかも」とか「治りそう」ではなく「治った!」と完了形の強い意識を持つことが大事だそうです。本当に「病は気から」のようです。
→ 「治った!」完了形意識付け

 

また、長田先生によると、動悸・不整脈や手の震えといった、交感神経の刺激症状は、甲状腺機能が改善してからも、カテコラミン受容体の過敏性が続くため残ることがあるそうです。血液検査の数値を見て見極めましょう。
※カテコールアミンは、カテコラミンとも呼ばれ、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンの総称であり、 副腎髄質ホルモンまたは神経伝達物質として重要な働きを持つ。

 

以上、参考になりましたら幸いです。

バセドウ病は、脳が誤作動を起こしているわけでも、甲状腺が狂ってしまった訳でもないのです。どちらも体のために優秀に働いてくれているのです。悪いのはEBウイルスです。もっと悪いのは欲に負けて腸に悪いものを食べて免疫力を下げているあなたです。けなげに働いてくれている脳や甲状腺がかわいそうですよ。

 

→ 私がバセドウ病を治せた全経過はこちら

 

(追記 2022.1)

気になる記事を見つけましたのでリンクしておきます。
ワ○チン接種後にバセドウ病を発症、あるいはバセドウ病が再燃したという報告があるそうです(日本からの報告もあります)。また、バセドウ病が安定していた患者さんが、ワ○チン接種後に甲状腺眼症を発症したという報告もあるそうです。参考まで。

 

(追記2022.12)

さらにこちらは、2022年11月に開催された第65回日本甲状腺学会学術集会のプログラムです。ワクチン接種後にバセドウ病を発症した事例について幾つも発表されています。

→ こちらの8ページです。


 

(追記2023.1)
重曹がきっとバセドウ病にもいいことに気づきました。ぜひこちら↓を読んでみてください。

 


 

■熟知しておきたいバセドウ病で使われる専門用語

血液検査の数値の見方を理解しておくと、今の体がどんな状態かを自分で判断できるようになります。

甲状腺ホルモン
血液で運ばれ全身の細胞にはたらきかけ、新陳代謝を活発にするはたらきをする。骨や神経、精神状態にも関わり、子どもの成長・発育の促進など、人間が生きていくうえで必要なホルモン。バセドウ病はこれが過剰に分泌される病気。逆に分泌されないのが橋本病。

 

  フリーT4(FT4)
  甲状腺ホルモンの主成分で,結合蛋白と結合せず遊離している

  T4をフリーT4と呼ぶ。甲状腺機能亢進症では増加し,低下

  症では逆に減少する。
  基準値 2.2〜4.1

 

  フリーT3(FT3)
  T4が細胞内に取り込まれT3に変換され、遊離のフリーT3がホ

  ルモン作用を発揮させる。甲状腺機能亢進症では増加し、低下
  では減少する。
  基準値 0.83〜1.71

TSH(甲状腺刺激ホルモン)
脳の下垂体から分泌され甲状腺を刺激して「甲状腺ホルモン」を分泌させるホルモン。脳から甲状腺に出すいわば指令物質。ところがバセドウ病では、このTSHではなく、自己抗体のTRAbがTSHになりすまし勝手に甲状腺を刺激して、過剰に甲状腺ホルモンを分泌させてしまう。なので優秀な脳は、これ以上体に甲状腺ホルモンは必要ないと判断してTSHを極力出さないようになる。血液検査の数値は基準値以下になる。TSHが低い値ということは、まだEBウイルスが活性しているということ。
 基準値 0.390〜4.010

 

TRAb(TSHレセプター抗体・自己抗体)

体内で活性したEBウイルス(ヘルペスウイルスの一種)に感染され暴走したBリンパ球が出す甲状腺を刺激する抗体。本来はTSHが刺激する。バセドウ病の真犯人のEBウイルスが活性しているかどうかを判断できる数値。
 基準値 〜2.0

 

バセドウ病になると、優秀な「脳」はこれ以上体に甲状腺ホルモンは必要ないと判断してTSHの分泌を抑えるのでTSHの値は最低になる。しかし、EBウイルスが生み出したTRAbは、かまわずTSHになりすまして甲状腺を刺激しまくる。刺激された優秀な甲状腺はまじめにホルモンを分泌し続けてしまう。詳しくはこちら

 TSAb(甲状腺刺激抗体)
 TRAbは、TSAb (甲状腺刺激抗体)とTSBAb(甲状腺刺激阻害抗体)

 から成りますが、特にTSAbは甲状腺のTSH受容体に結合し、

 あたかもTSHの様に甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンをどんどん

 作らせてしまいます。

  基準値 〜120

 

 

私がバセドウ病を治せた全経過についてはこちら