和漢食って何? | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます

学会報告として書いた「食ってやっぱりだいじだよね」で、ご紹介した福島県立医科大学会津医療センター準備室の三潴(みつま)忠道先生の『和漢食』について、少し調べてみました。

『和漢食』と命名したのは、もちろん三潴先生で、それは20前のこと。麻生飯塚病院に漢方診療科を創設するため、赴任された福岡県でのことでした。和食(精進料理)の伝統を生かした食養に、漢方医学的な考え方を加えた治療食であり、漢方診療科の特別食でもあることから『和漢食』としたそうです。

『和漢食』の基本は次の4つ。全日本鍼灸学会抄録集と週刊医学界新聞第2856号(2009年11月23日)を参考にまとめます。

 陽性食品を用いる

陽性食品とは、摂取することで身体を温める食物。火を通した温かいものや天日干しされたものが代表的。そのほかに、漬物、寒い土地・気候で採れるもの、ゆっくり育つもの、地下で育つ根菜類、小さく硬く水分の少ないものなど。

それに対して、身体を冷やす陰性食品は、生もの、冷たいもの、酢、砂糖を含むもの、暑い土地・気候で採れるもの、早く育つもの、地上で育つもの、大きくて柔らかく水分の多いもの。ただし、陰性食品でも、長時間煮る、乾燥させる、漬け込むなどの処理で陽性食品に変化する。

一般に、難治性疾患を長期間わずらっていると、体力が衰えて、顔色が悪く、冷え症になり、陰証になっていく傾向があるため、治療食としては陽性食品を用いる。肉類は陽性食品だが、次項にあげた理由により、用いない。

 菜食(動物性食品を用いない)

野菜や海藻類は、ビタミンやミネラルが豊富で、食物繊維が多く、腸を健康に保つ。肉などの動物性食品は、炎症を亢進させ、皮膚疾患を悪化させて、お血を生じる傾向がある。お血になると、そこから病気がさらに悪化したり、ほかの病気を生じたりするため、和漢食では動物性食品を避け、タンパク質は大豆から摂取する。

 精製・精白した食品は用いない

「一物全食」という考え方で、自然のままの食品、まけば芽が出る状態の食品はバランスがよい。抽出した油脂や過剰な脂質は、炎症やアレルギーを悪化させる。精白した砂糖は身体を冷やして、皮膚症状を悪化させる。そこで、和漢食では、加工食品を極力避けて、玄米を主食とする。

 少食(1日2食、1000kcal程度)

過食は、高脂血症や糖尿病などの生活習慣病、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)につながる。また、気管支ぜんそくの患者は、過食の後に発作を起こしやすい。

のほかに、その土地の旬のものを選ぶ、よく噛んで食べる、おかずと玄米は一緒に口に入れないで別々に食べる、煮物は薄味にして煮汁も飲むなどの注意事項がありました。

三潴先生は福島医科大学会津医療センターに移られてますが、麻生飯塚病院には後進もしっかり育っていて、かなり充実した漢方診療が行われているようです。また、退院後の患者のために、和漢食料理教室が開かれ、和漢食レシピがホームページに公開されてますし、漢方診療科のブログがアメブロにあるんですよ~。

『和漢食』の基本を見てみて、どっかで見たことある~って感じしませんか?完全菜食っていう部分は別にしても、安保先生の「免疫力アップの食事法 その1  その2」とか、「少食が長寿の秘訣?」とか、「少食とよい姿勢が若さの秘訣?」とか、「ヒトのからだは飽食には不向き?」 とかね。それと、『養生訓』もね。

分家の『養生訓』を読んでみる「巻第一(30) 少しの欲を抑えて大病を防ごう」をアップしました。一天一笑、今日も笑顔でいい1日にしましょう。

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