おはようございます
8月に「ドクターG」 でご紹介した『総合診療医 ドクターG』 、一昨日の放送は「腹が痛い」 でした。突然みぞおちに感じるようになったズーンとくる鈍い痛み、その原因は?
研修医たちが最初に示したのは、胆石発作、心筋梗塞、消化性潰瘍、鉛中毒。今回、薬剤師の姉といっしょにみていたので、ふたりで話しながら出したのは、急性膵炎と心筋梗塞。情報が追加された上で、研修医たちが出した診断は、消化性潰瘍、上腸間膜動脈塞栓症、急性膵炎、上部消化管穿孔。
どれもすべて違ってました。さらに追加された検査情報で、カーネット徴候が陽性であったことから、内臓性の痛みではないことがわかり、最終的に下された診断は、腹直筋鞘血腫でした。
カーネット徴候というのは、おなかの痛みが内臓からくるものか、腹壁からくるものかを見分けるもの。仰向けに寝かせて、両手を胸の上で組ませ、痛みが出ている部位に手を当てた状態で、頭を浮かすように指示します。このとき、痛みの具合が変わらないか、強くなるようなら、痛みの原因は腹壁にあると判断します。
今回の放送も見応えありました。ひとりでみているときより、姉と一緒にみたことで、あれこれ話し合うこともできて、より楽しむことができたように思います。腹直筋鞘血腫なんて、全く思いつきませんでしたけどね。
今回の放送でわかったことは、医師のコントロールを受けずに、アスピリンを常用してしまうことの怖さでしょうか。出血が起きたのが、大笑いしたことによるもので、血腫ができた場所が腹直筋だったから、痛みはあっても、生命の危険に直結するものではなかったけど、もしそれが脳や心臓などに影響する部位だったら?
アスピリンの副作用は多々ありますが、中でも、プロスタグランジンの産生を阻害する作用は、結果的に血小板の凝集を抑制するので、これを血栓予防の治療に使うようにもなりました。ということは、自己判断だけで、アスピリンを毎日のように飲んでいれば、ちょっとしたことで出血しやすくなるのは当然よね。
このプロスタグランジン、炎症や痛みを起こすきっかけにもなりますが、「こころの不安定さの原因は栄養不足?」 に書いたように、神経細胞ネットワーク全体をコントロールする物質としても働きます。また、「月経前症候群の改善に不飽和脂肪酸?」 で報告したように、その不足が反って痛みにつながることもあります。
アスピリンの血小板凝集に対する作用には、相反する面もあります。これをアスピリン・ジレンマというそうで、1日150mg以下であれば凝集を抑制するが、1日2~3gになると凝集を促進するとか。つまり、少しなら血液サラサラにするけど、多いと血液ドロドロにしちゃう。
専門家のコントロールを受けないと、危ないよね。そんな成分を含む薬が、頭痛薬として売られてて、薬局行けば手に入っちゃう。これでいいんでしょうか?
ひとつ言えることは、頭痛薬は頓服薬だってこと。市販薬だからと言って、毎日のように飲む薬じゃないってこと。毎日のように頭痛がするなら、ちゃんと医師の診断を受けに行きましょうね。
ニラ
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