これまでのお話
車庫の解体の後は実家の外に建っている2階建ての納屋の解体である。
車庫を解体してくれた業者さんは、家も近いし丁寧で、費用も適正だ。
なので引き続き、そこに全ての解体をお願いすることにした。
その問題の、納屋・・
実家に行っても、あまりにも恐ろしくて近づいたことがなかったあの場所。
父が生きていた頃は自転車置き場として使っていた。
しかし、あれから30数年、納屋はこんなことになっていた。
なんでこんなことに
これを片付けるのか・・・。
途方に暮れた
首にタオルを巻き、頭を手ぬぐいで覆い、マスクもしっかり装着した。
手ぬぐいは母が盆踊りで使った、赤と青の水玉のやつである。
外だったのでサングラスもかけた。
腕抜きとかエプロンもして、一番どうでもいいヨレヨレの服を着た。
どうみても怪しい身なりだった。
初夏だったので、デオドラントスプレーもUVスプレーもかけた。
挙句、虫よけスプレーもかけたので、肌がどうにかなりそうだった。
片付け始めると、
もしかして使うかもしれない
発泡スチロールと段ボールが、ガンガン出てきた。
それらを納屋から出していくうちに腹が立ってきた
もしかして使うかも、という物は、もう絶対使わない
この納屋がそれを物語っている。
もし使うとしても、こんなんじゃ傷んでいるし、そもそも見つからない
ひとつ勉強になった。
心に刻んだ。
片付けの時は、とにかくギャグみたいに、パンチしたりキックしたりして発泡スチロールをぶち壊してゴミ袋に入れた。
時々は「ヤー」とか「エイッ」とか言いながらひざ蹴りで割ったり、パンチして穴をあけたりしてぶち壊した。
もう、ストレス発散である
しかし周りから見たら狂気である
納屋の外にみるみるゴミが分けられていいく。
いったいなんなんだ
なんでこんなことになっているんだ
使おうとして買ったけど、その都度行方不明になって買い足した湿気った蚊取り線香の缶がいくつもとか、
使わなくなったタオル類をまとめて結んだものとか、
捨てたと思っていた、私の学習机とか・・。
なんなんだ、なんなんだ、なんなんだ・・・
古い洗面器とか風呂場の椅子とか、
私達が子供の頃のボードゲームとか、絵本とか、
灰皿とか民芸品とか置物とか・・・。
ああ、なんで捨ててくれなかったんだ
ゴミを出しながら気が狂いそうになる。
せめて、ビールの瓶や缶、スプレー缶はいかにもゴミなんだから捨ててくれ
コーラの1.5L瓶なんて、懐かしすぎるだろ
キャー7UPとチェリオの瓶だ~
過去にタイムスリップしたみたいだった。
でも、とにかくこの納屋を空にしないことには、解体できない。
そろそろ、この実家じまいをひとりで背負うことに限界を感じていた。
途中、弟に応援を頼んだ。
そして、ついに夫にも応援を頼むことになる。
納屋の片づけはまだまだ続くのであった。